信越本線の横川駅と、北陸新幹線・しなの鉄道の軽井沢駅を結ぶジェイアールバス関東の碓氷線。1997年に北陸新幹線が長野駅まで開業した時に廃止された信越本線の横川~軽井沢間(いわゆる「横軽」)の代替バスです。廃止から25年以上も経ちますが、現在も1日7往復運転されています。
この記事では、ジェイアールバス関東「碓氷線」の概要(ダイヤ、運賃等)と乗車記に加えて、青春18きっぷ旅での活用方法を紹介します。
信越本線「横軽」の代替バス、ジェイアールバス関東の「碓氷線」(横川~軽井沢)
ジェイアールバス関東の路線バス「碓氷線」の概要とダイヤを紹介します。
ジェイアールバス関東の「碓氷線」の概要
ジェイアールバス関東の路線バス「碓氷線」は、信越本線の横川駅と、北陸新幹線・しなの鉄道の軽井沢駅を結ぶ路線バスです。
- 路線名: ジェイアールバス関東 碓氷線
- 運行区間: 横川駅~軽井沢駅(途中のバス停なし ※1)
- 運行本数: 1日7往復 ※1
- 所要時間: 34分
- 運賃: 片道 520円(小児 260円)
※1: 繁忙期・観光シーズンには、旧道を経由するバス(愛称: めがねバス)が1往復運転される
ジェイアールバス関東の「碓氷線」のルートは以下の地図のとおりです。
通常の「碓氷線」のバスは、碓氷バイパスを経由する地図の下側のルートを走ります。標高388メートルの横川駅から、碓氷バイパスをひたすら上り、群馬・長野県境にある入山峠(いりやまとうげ)で標高1,030メートルに達します。通常の「碓氷線」のバスが通るのは、碓氷峠ではなく入山峠なのです。
一方、繁忙期や観光シーズンの週末には、旧信越本線に近い旧国道18号を走るバスが1往復だけ運転されます。
- 路線名: ジェイアールバス関東 碓氷線(めがねバス)
- 運行区間: 横川駅~軽井沢駅
- バス停: 坂本宿・くつろぎの郷・めがね橋・熊ノ平駐車場・熊ノ平
- 運行本数: 1日1往復
- 所要時間: 42分
- 運賃: 片道 520円(小児 260円)
- 運転日(2024年): 4月27~29日、5月3日~6日、7月13日~28日の土休日、8月3日~18日、8月24日~11月24日の土休日
上に示した地図の上の方のルートを走ります。旧信越本線の「めがね橋」や「熊ノ平駅」などを観光するためのバスです。このめがねバスは、正真正銘の碓氷峠を経由します。
旧道を走るため、所要時間がやや多めにかかりますが、横川駅~軽井沢駅を結ぶ路線バスとしても利用できます。
ジェイアールバス関東の「碓氷線」のダイヤ(2024年度)
【下り(横川駅→軽井沢駅)】
横川駅 発 | 軽井沢駅 着 | 備考 |
---|---|---|
08:10 | 08:44 | - |
10:05 | 10:39 | - |
11:05 | 11:47 | ※ |
12:05 | 12:39 | - |
14:05 | 14:39 | - |
15:05 | 15:39 | - |
17:20 | 17:54 | - |
19:00 | 19:34 | - |
※: 運転日注意、旧国道18号線経由の「めがねバス」として運行
【上り(軽井沢駅→横川駅)】
軽井沢駅 発 | 横川駅 着 | 備考 |
---|---|---|
06:59 | 07:33 | - |
09:20 | 09:54 | - |
11:05 | 11:39 | - |
12:55 | 13:37 | ※ |
14:20 | 14:54 | - |
15:35 | 16:09 | - |
16:30 | 17:04 | - |
18:05 | 18:39 | - |
※: 運転日注意、旧国道18号線経由の「めがねバス」として運行
ジェイアールバス関東の「碓氷線」については、ジェイアールバス関東のWebサイトをご確認ください。時刻表も掲載されています。
ジェイアールバス関東「碓氷線」は青春18きっぷ旅でも大活躍!
ジェイアールバス関東「碓氷線」は、1997年の北陸新幹線(高崎~長野間)開業時に廃止された信越本線の代替となるバスです。もともと鉄道だった区間ですので、鉄道の旅との相性も良いのです。
特に、新幹線に乗車できない青春18きっぷの旅では、ジェイアールバス関東「碓氷線」はとても便利です。
- 横川駅: 信越本線(横川~高崎)
- 高崎駅 → 高崎線・上越線・両毛線など
- 軽井沢駅: 北陸新幹線・しなの鉄道(軽井沢~篠ノ井)
- 小諸駅 → 小海線
- 篠ノ井駅 → 篠ノ井線
関東側は、横川駅から普通列車で30分ちょっとで高崎駅に出ることができます。高崎駅まで出てしまえば、東京方面へは高崎線が、新潟方面へは上越線が、そして、栃木方面・東北本線方面へは両毛線に乗り継ぐことができます。
一方、信州側の軽井沢駅には、現在、青春18きっぷで乗車できるJRの在来線はありません。ただ、しなの鉄道に乗り継いで約25分(運賃500円)の小諸駅まで出れば、小海線に乗り継ぐことができます。また、篠ノ井駅までしなの鉄道で移動すれば、JR篠ノ井線に接続しますので、中央本線や飯山線などに乗り継げます。
関東から小海線に乗る周遊ルートをつくるときに、ジェイアールバス関東の碓氷線はとても便利です。青春18きっぷの旅では、しなの鉄道の軽井沢~小諸間の運賃とあわせて1,020円が別途かかりますが、関東からの日帰り周遊ルートとしておすすめです。詳しくは、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
ジェイアールバス関東「碓氷線」乗車記
ジェイアールバス関東 碓氷線のバスの乗車記を紹介します。といっても、乗車時間は35分ほどで、車窓の見どころもそれほど多いわけではないので、簡単に様子を紹介します。
横川駅からジェイアールバス関東「碓氷線」に乗車
高崎駅から信越本線の普通列車で約35分、終点の横川駅に到着しました。ジェイアールバス関東のバス停は、横川駅の改札を出て左へ2分ほど歩いたところにあります。
横川駅に到着する信越本線の列車と接続していますので、改札を出たらすぐにバス停へ向かいましょう。
ジェイアールバス関東「碓氷線」の車両は観光バスタイプ。途中のバス停はなく、軽井沢駅へ直行しますので、乗車時に運賃520円を支払います。
2024年現在、交通系ICカードなどは利用できず、現金払いのみとなっています。1000円札の両替は可能ですが、なるべくおつりがないように用意しておいた方がいいでしょう。早く交通系ICカードに対応してほしいのですが……。
車内はこんな感じで、リクライニングするシートが並びます。乗り心地はとても良い反面、定員を超える乗客を乗せることができないので、乗り切れないと次のバスまで待つ必要があります。青春18きっぷシーズンの週末は、早めにバス停へ行くようにしましょう。
碓氷バイパスをのぼって群馬・長野県境の入山峠へ
横川駅を出て、すぐに碓氷バイパスに入ります。周囲は山なのですが、木が多く、きれいに視界が開けているところは少ないです。
しばらく緩い上り坂が続きますが、次第につづら折りの険しい道になってきます。
群馬県と長野県の県境にある「入山峠」が碓氷バイパスの最高点です。標高は1,030メートル。横川駅から600メートル以上も上ってきたことになります。
入山峠の近くには視界が開けたところがあり、ほんの一瞬ですが、妙義山をはじめとした上毛三山を眺めることができます。軽井沢駅行きのバスでは進行方向右側、横川駅行きのバスでは左側です。
8月に乗車した時に動画も撮影してみましたので、ご覧ください。
木々に葉が多く茂っている夏は、眺望がイマイチですね。動画の00:34あたりで一瞬だけ景色が見えます。車内でもアナウンスがありますので、見逃すことはないでしょう。
軽井沢に入って軽井沢駅北口へ
入山峠を越えると、少し下って、すぐに軽井沢エリアに入ります。ホテルや別荘地が並ぶ道を過ぎ、市街地に入ると、まもなく軽井沢駅です。
ジェイアールバス関東の碓氷線は、軽井沢駅北口の5番乗り場に到着しました。
何度も乗車していますが、たいていは時刻どおりに到着します。碓氷バイパスには信号が全くないせいでしょうか。軽井沢の街中が渋滞していると遅れるかもしれませんが……。
軽井沢駅からは、北陸新幹線やしなの鉄道線に乗り換えができます。
また、本数は多くないですが、西武観光バスの万座バスターミナル、草津温泉行きのバスも出ています。浅間山のすそ野を走り、途中、吾妻線の万座・鹿沢口駅を経由しますので、吾妻線への乗り継ぎもできます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
ジェイアールバス関東「碓氷線」は上州と信州を結ぶ貴重な路線バス!
ということで、ジェイアールバス関東「碓氷線」をご紹介しました。
青春18きっぷシーズンになると、信越本線横川駅からジェイアールバス関東「碓氷線」に乗り継ぐ人を多く見かけます。上州と信州の都市間移動の役割は北陸新幹線に譲りましたが、青春18きっぷの旅では横川~軽井沢を通るルートもまだまだ現役です。
前述のとおり、観光バスタイプの車両で運転されますので、座席数以上の人は乗れません。乗れなかった場合は次のバスになってしまいますが、だいたい2時間後になってしまいます。横川駅に到着したら、早めにバス停へ移動するようにしましょう。
以上、『【ジェイアールバス関東 碓氷線】横川~軽井沢を35分で結ぶ信越本線の代替バス、青春18きっぷ旅の定番バス路線!』でした。鉄路としては四半世紀前に途切れてしまった横川~軽井沢ですが、このバスを利用すればつながります。関東~信州を行き来するルートの一つとして、おおいに活用しましょう!
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