春の青春18きっぷシーズンが3月1日から始まります。春シーズンは途中にダイヤ改正を挟むため、去っていく列車、新たに走り始める列車が多数あります。そこで、この記事では、2024年春の青春18きっぷで乗りたい列車や路線をご紹介します。
2024年3月末で廃止! 根室本線 富良野~新得(根室本線)
根室本線の富良野~新得間は、2024年3月末の最終運行をもって廃止となります。
2016年の台風被害により、現在も東鹿越~新得間は代行バスでの運転となっていますが、この区間は残念ながら鉄路での復旧を待たずに廃止となってしまいます。
根室本線の富良野~新得間は、富良野周辺の田園風景や空知川、かなやま湖など、車窓の見どころが多い区間です。そして、代行バスは狩勝峠を通るため、晴れていれば、一瞬ではありますが、十勝平野の大展望が広がります。
風光明媚なこの区間に乗車できるのも、2024年春の青春18きっぷシーズンが最後となります。3月末の廃止時期が近づくと、乗り納めの鉄道ファンで混雑すること必至です。特に、東鹿越~新得間は代行バスでの運転で、キャパシティが限られるため、なるべく早めに乗り納めをしておいたほうが良いでしょう。
根室本線 富良野~新得間の車窓や代行バスの様子については、以下の乗車記をご覧ください。夏に乗車した時の記録ですので、季節は異なりますが、車窓のポイントについてはわかると思います。
北陸新幹線延伸開業で北陸本線 金沢~敦賀間乗り納め!
2024年3月16日に北陸新幹線の金沢~敦賀間が延伸開業します。これに伴い、北陸本線の金沢~敦賀間が並行在来線としてJR西日本から切り離され、第三セクターのハピラインふくいに移管されます。
第三セクターに移管後は、当然のことながら、青春18きっぷのフリーエリアから外れてしまうため、青春18きっぷでは乗車できなくなります。そのため、青春18きっぷで同区間を乗車できる最後のチャンスとなります。
北陸新幹線延伸開業と同日に北陸本線の金沢~敦賀間がハピラインふくいに移管されますので、青春18きっぷで乗車できるのは、以下のように3月1日~15日の2週間ということになります。
- 2024年3月1日~15日: 春の青春18きっぷで乗車可能
- 2024年3月16日~: 青春18きっぷでは乗車不可
一方、3月16日以降は、孤立してしまうJR線(城端線・氷見線・七尾線・越美北線)に青春18きっぷで乗車できるようにするための特例が以下のように変更されます。
- あいの風とやま鉄道 富山~倶利伽羅の通過利用(富山・高岡で下車可能)
- IRいしかわ鉄道 倶利伽羅~津幡の通過利用(津幡で下車可能)
- ハピラインふくい 越前花堂~敦賀の通過利用(越前花堂・敦賀)
高岡駅では氷見線、城端線に、津幡駅では七尾線に、越前花堂駅では越美北線に乗り継ぐことができます。
3月15日までに北陸本線の金沢~敦賀間の乗り納めをするのも良いですし、3月16日以降に特例を活用して乗車するのもありでしょう。
北陸復興支援! 観光列車「ベルモンターニュ・エ・メール」(氷見線・城端線)
富山県の新高岡駅・高岡駅を中心に、氷見線・城端線で週末に運転されるのが、観光列車「ベルモンターニュ・エ・メール」(略称:べるもんた)です。
- 列車名: 快速「ベルモンターニュ・エ・メール」
- 運転日(春の青春18きっぷ期間中の運転日)
- 城端線: 3月16日(土),23日(土),30日(土),4月6日(土)
- 氷見線: 3月10日(日),17日(日),24日(日),31日(日),4月7日(日)
- 運転時刻(土曜日 城端線 高岡~城端)
- 51号: 高岡 09:38発 → 城端 10:22着
- 53号: 高岡 13:08発 → 城端 13:56着
- 52号: 城端 10:43発 → 高岡 11:29着
- 54号: 城端 14:10発 → 高岡 14:59着
- 運転時刻(日曜日 氷見線 新高岡・高岡~氷見)
- 1号: 砺波 09:45発 → 高岡 10:04着/10:24発 → 氷見 10:55着
- 3号: 新高岡 13:58発 → 高岡 14:01着/14:25発 → 氷見 14:59着
- 2号: 氷見 11:06発 → 高岡 11:37着/12:07発 → 新高岡 12:10着
- 4号: 氷見 15:15発 → 高岡 15:48着
- 使用車両: キハ40形1両(全車指定席)
氷見線・城端線を走る「ベルモンターニュ・エ・メール」(以下、べるもんた)は気動車1両のみの小さな観光列車ですが、車内で富山や氷見の海の幸をふんだんに使ったお料理をいただくことができます(要予約)。
そして、「べるもんた」では、なんと、すし職人が乗り込み、車内で寿司を握ってくれるのです。「べるもんた」に乗車されるのであれば、ぜひ「ぷち富山湾鮨セット」(2,500円)を事前に予約しておきましょう。
2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」により、北陸エリアは、能登半島を中心に甚大な被害を受けています。2024年3月から「北陸応援割」が始まるそうですので、それにあわせて、北陸地方の比較的被害が軽微だった地域への旅行・乗り鉄を計画してみてはいかがでしょうか。その際に「ベルモンターニュ・エ・メール」の旅を楽しむのが良いと思います。
「ベルモンターニュ・エ・メール」(べるもんた)の乗車記については、以下の記事をご覧ください。土曜日の乗車でしたので、城端線での運行でしたが、車内で寿司職人が握ってくれた「ぷち富山湾鮨セット」をいただきましたので、その様子も紹介しています。
南東北の観光列車「SATONO」が磐越西線でデビュー!
(出典)東北の文化・自然・人に出会う旅へ「SATONO」がデビューします(JR東日本東北本部ニュースリリース 2022年11月24日 PDF)
2024年4月に南東北の新しい観光列車「SATONO」がデビューします。デビュー直後は「あいづSATONO」として、磐越西線の郡山~喜多方間で運転される予定です。
- 列車名: 快速「あいづSATONO」
- 運転日: 4月6日(土),7日(日),13日(土),14日(日),20日(土),21日(日) ※5~6月にも運転
- 運転時刻(往路): 郡山 10:05発 → 喜多方 12:01着
- 運転時刻(復路): 喜多方 15:32発 → 郡山 17:16着
- 途中停車駅: 磐梯熱海・猪苗代・会津若松
- 使用車両: HB-E300系(SATONO) ※全車指定席
春の青春18きっぷで乗車できるのは4月6日、7日のデビュー直後の週末だけですが、いち早く乗車したい方は狙ってみても良いでしょう。2号車の普通車指定席であれば、青春18きっぷに指定席券(840円)を追加すれば、乗車することができます。
観光列車「SATONO」については、以下の記事で最新情報を紹介していますので、ぜひご覧ください。
また、「SATONO」と同じく、元リゾートあすなろを改造した観光列車「ひなび」は、2023年12月にデビューしています。春の青春18きっぷ期間中は「ひなび釜石」として、盛岡~花巻~釜石間で運転されます。以下の記事で、運転日・ダイヤなど最新情報を紹介しています。
「ひなび」の乗車記については、以下の記事をご覧ください。インテリアのカラーリングは異なるようですが、座席配置などは「SATONO」も同様となっています。
各地でSL列車の運転多数! 3年ぶりに「SL/EL村上ひな街道」も運転!
JR東日本のSL列車は、冬季にはほとんど運転がないのですが、3月中旬以降、各地で運転が予定されています。注目は、3年ぶりのSLでの運転となる「SL/EL村上ひな街道」です。
- 列車名: 快速「SL/EL村上ひな街道」
- 運転日: 3月23日(土),24日(日)
- SL村上ひな街道: 新津 08:59発 → 村上 10:55着
- EL村上ひな街道: 村上 15:42発 → 新津 16:47着
- 途中停車駅: 新発田・中条・坂町
- 使用車両: SL(C57-180)+12系客車7両
村上市で開催される「城下町村上 町屋の人形さま巡り」にあわせてSL列車が運転されるのが毎年恒例でしたが、ここ3年ほどはSLでの運転ではありませんでした。2024年はひさしぶりにSLでの運転となります。春の青春18きっぷ期間中ですので、狙ってみても良いでしょう。
一方、高崎エリアのSL列車も3月下旬に運転が予定されています。
- 列車名: 快速「SL/ELぐんま伊香保」
- 運転日: 3月23日(土)
- SLぐんま伊香保1号: 高崎 09:56発 → 渋川 10:35着
- ELぐんま伊香保2号: 渋川 11:28発 → 高崎 12:16着
- SLぐんま伊香保3号: 高崎 14:10発 → 渋川 14:50着
- ELぐんま伊香保4号: 渋川 15:15発 → 高崎 18:04着
- 使用車両: SL+旧型客車4両+EL
「SL/ELぐんま伊香保」は、「SLぐんまみなかみ」の短距離版といった感じですが、距離が短いぶん、1日に2往復運転されます。ただし、渋川駅には転車台がないので、復路の高崎行きはEL牽引となります。
- 列車名: 快速「SL敷島・沼田百周年」
- 運転日: 3月31日(日)
- 往路: 高崎 09:56発 → 沼田 11:35着
- 復路: 沼田 15:48発 → 高崎 17:14着
- 使用車両: (往路)SL+旧型客車4両+EL (復路)SL+EL+旧型客車4両
「SL敷島・沼田百周年」も、「SLぐんまみなかみ」と同じダイヤでの短縮版です。ただ、復路もSLが先頭になるようなので、おそらく水上まで回送されるのではないかと思います。また、復路はSL+EL+旧型客車という編成になるのも注目です。
- 列車名: 快速「SL/ELレトロ桐生」
- 運転日: 3月24日(日), 30日(土)
- SLレトロ桐生: 高崎 09:47発 → 桐生 11:55着
- ELレトロ桐生: 桐生 14:07発 → 高崎 16:04着
- 使用車両: SL+旧型客車4両+EL
2023年2月に「EL両毛」「ELあしかが」が高崎~足利間で運転されますが、3月下旬には両毛線でSLが運転されます。
このように、3月下旬には各地でSLが運転されます。春の青春18きっぷで乗車してみるのも良いでしょう。その前に指定席を押さえないといけませんが……。
水戸の梅に山梨の桜! 青春18きっぷで春の花めぐり
春の青春18きっぷシーズンは、各地で梅や桜が開花する時期に重なります。首都圏から青春18きっぷで花めぐりをしてみてはいかがでしょうか?
梅といえばやはり「水戸の梅まつり」。偕楽園の「東西梅林」には100品種、3000本もの梅が植えられています。梅林の中を遊歩道が通っていて、梅の花を眺めながら散策を楽しむことができます。
「水戸の梅まつり」など、水戸周辺への青春18きっぷ日帰り旅については、以下の記事で紹介しています。都心から普通列車でも2時間ほどと近いので、散策や観光の時間を十分にとることができます。
一方、3月中旬~下旬には各地で桜が見頃になります。お花見の名所はあちこちにありますが、都心から青春18きっぷの旅とあわせて訪れるのであれば、山梨方面がおすすめです。
勝沼ぶどう郷のすぐ近くにある甚六桜公園は、旧勝沼駅のホーム跡を活用した細長い公園です。そこにたくさんの桜が植えられていて、春になると見事に咲き誇ります。
山梨市駅からバスですぐのところ、山の中腹に「笛吹川フルーツ公園」があります。一番下側にある駐車場付近にはたくさんの桜が植えられていますし、公園内には季節のお花がたくさん咲いています。
フルーツ公園から15分ほど登ったところには、甲府盆地や富士山の絶景を楽しめる露天風呂がある「ほったらかし温泉」があります。
その他、石和温泉駅から徒歩でアクセスできる「さくら温泉通り」も桜がきれいです。立ち寄り湯とあわせて楽しむとよいと思います。
山梨方面の春の花めぐりについては、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
以上、「春の青春18きっぷで乗りたい列車・路線5選(2024年版)」でした。廃止になる路線、新たに運行を開始する列車などに乗っておくのもいいですし、この時期らしい花めぐりの旅もおすすめです。
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