普段の通勤やちょっとした外出で乗車するのは通勤型の電車ばかり。そんな環境にお住いの方は、旅に出てディーゼルカーのエンジン音を聞いた時に「遠くに来たなぁ」と感じるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、東京から青春18きっぷりようで日帰りできる「おすすめの非電化路線」(JR編)を紹介します。週末のおでかけの参考にしてみてください。
高原列車 小海線(小淵沢~小諸)
高原列車の代表選手、小海線です。野辺山~清里間の標高1,300メートルを超えるJR最高地点は有名です。
小海線は全線を乗りとおすと2時間を超える路線ですので、かなり乗りごたえがあります。小淵沢~清里~野辺山は、休日ともなれば観光鉄道と化していますが、野辺山から先はローカル線の雰囲気が味わえます。
小淵沢を出ると、前述のJR最高地点まではずっと上り坂なので、ディーゼルカーはエンジンをうならせて上っていきます。エンジン音がふと消えて惰行に入ると間もなくJR最高地点の踏切です。こんな山岳路線ですので、ディーゼルカーのエンジン音を楽しみたいのなら、もってこいの路線ですね。
野辺山から北側は、中込のあたりまで、千曲川に沿って走ります。高原路線から川の路線へと早変わり。
佐久平までくると、車窓には浅間山が大きく見えてきます。
純粋な(?)ディーゼルカー以外に、上の写真にある元祖ハイブリッド車両も走っています。もっとも、上り坂では、ずっとエンジンを回しているようですが…。
東京近辺からなら、新宿~(中央本線)~小淵沢~(小海線)~小諸~(しなの鉄道)~軽井沢~(バス)~横川~(信越本線)~高崎~(高崎線)~東京という周遊ルートがおすすめです。乗り疲れたら、佐久平や軽井沢から北陸新幹線で帰京してもよいでしょう。
首都圏からの青春18きっぷでの日帰りルートについて、以下の記事で、旅行記風に詳しく紹介しています。
また、小海線の全線を走る観光列車「HIGH RAIL 1375」もおすすめです。小海線の普通列車用の車両と同系統のキハ110系、キハ100系をベースにしていますので、立派なディーゼルカーです。
「HIGH RAIL 1375」に乗車するのには、指定席券(840円)が必要ですが、乗車券は青春18きっぷでOK。ゆったりとして景色が見やすいように配置された座席や、食べ物や飲み物を購入できる販売カウンター、それに、事前予約しておけば車内でお弁当を受け取ることもできます。
「HIGH RAIL 1375」については、以下の記事で車内の様子や予約方法などをわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。
小海線の車窓や沿線の観光スポットについては、以下のページをご覧ください。
奥久慈の自然を満喫! 水郡線(水戸~郡山)
水戸と郡山を結ぶJR水郡線は、全線を乗りとおすと3時間ほどかかる比較的長距離の路線です。最近投入されたキハE130系が走っていますが、ボックスシートがあるため、汽車旅にはもってこいの車両です。
水郡線は、久慈川に沿って走る川の路線です。久慈川の渓谷美を楽しめますので、ディーゼルカーであるだけではなく、景色を楽しむ旅としても超おすすめです。
また、途中、袋田で下車して路線バスで10分ほどのところに、日本三大名瀑の一つ「袋田の滝」があります。3時間ぶっとおしで乗りとおすのはちょっと、という方は、袋田の滝を鑑賞しに行くのもよいでしょう。
袋田の滝については、以下の記事で詳しく紹介しています。
東京から水郡線を訪れる場合、東京~(常磐線)~水戸~(水郡線)~郡山~(東北本線)~東京、の周遊ルートがおすすめですね。以下の記事で、詳しく紹介しています。
東京から最も近い非電化路線 八高線(高麗川~高崎)
首都圏から最も近いJRの非電化路線といえば八高線です。八高線は八王子~高崎(倉賀野)を結ぶ路線ですが、高麗川から北側が非電化となっていて、短編成のディーゼルカーが走ります。
関東平野の西のへりに沿って走るため、田んぼが目立つ田園風景と、人家の少ない里山の風景の両方が楽しめます。さすがに秘境というほどではないですが、首都圏では珍しいほどの旅情が味わえる路線です。車両は、JR東日本の非電化路線ではおなじみのキハ110系が使われています。
青春18きっぷや秋の乗り放題パスで乗るならば、八王子・川越~(八高線・川越線)~高麗川~(八高線)~高崎~(高崎線)~東京と周遊できます。
首都圏のローカル線 久留里線(木更津~上総亀山)
千葉県の木更津と上総亀山を結ぶのが久留里線です。房総半島の中ほどを、東京湾に面した内房から半島の中央部を結びます。車両は上の写真のようなキハE130系が走っています。
木更津周辺は住宅街ですが、すぐに田園風景が広がります。途中の久留里までは1時間に1本ほどあるので比較的乗りやすいですが、久留里から上総亀山までは一気にローカル色が濃くなり、列車の本数も半減します。特に、久留里8時14分発の下り列車を逃すと、次は13時53発まで5時間以上(!)もありませんので要注意です。
終点の上総亀山は、亀山湖(亀山ダムの建設によってできた人造湖)のすぐ近くで、徒歩15分ほどで亀山湖に出られます。自然の中で、ボートや釣り、キャンプなども楽しめるようです。
また、紅葉も有名なので、紅葉の時期にはハイキングがおすすめです。2022年秋にJR東日本が主催した「駅からハイキング」で亀山湖をハイキングした様子を以下の記事で公開しています。ぜひご覧ください。
【番外編】非電化路線を電車が走る 烏山線(宝積寺~烏山)
非電化路線なのですが、ディーゼルカーではなく電車が走る珍しい路線が「烏山線」(からすやません)です。番外編としてご紹介します。
烏山線が、栃木県の宝積寺駅と烏山駅を結ぶ短い路線です。かつては、キハ40系という、日本各地で見られたディーゼルカーが走っていましたが、現在は電車が走っています。
烏山線を走る電車は、「蓄電池駆動電車」と呼ばれるものです。蓄電池、要するに、バッテリーを積んでいます。架線のある駅に停車中に充電し、架線のない非電化区間をバッテリーの電力で走行するのです。
終点の烏山駅には、充電用の短い架線が設置されています。非電化区間を走って終点に到着した烏山線の電車は、停車するとすぐにパンタグラフを上げて充電を開始します。折り返しまでの間に急速充電するのですね。
そんな電車が走る烏山線の沿線は、のどかな風景が広がります。珍しい「蓄電池電車」と、のどかな風景を求めて、烏山線に乗ってみるのもおすすめです。
烏山線の乗車記は、以下の記事をご覧ください。充電の様子など、詳しく紹介しています。
以上、「青春18きっぷでディーゼルカーに乗ろう! 東京から日帰りで行けるおすすめ非電化路線」を4路線と、番外編として烏山線をご紹介しました。青春18きっぷが1日分余ってしまった、というようなときに、日帰りで出かけてみてはいかがでしょうか。
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