青春18きっぷ旅の計画を立てる手順やコツを紹介する「青春18きっぷ旅プランニングガイド」、前回の【青春18きっぷ旅プランニングガイド1】旅の目的を明確にし、おおまかなプランニングをしよう! で、旅の目的とおおまかな旅程が決まったはずですので、次は、いよいよ時刻表を使って詳細な旅程を組み立てていきましょう。
この記事では、青春18きっぷ旅の詳細な旅程を、時刻表を使って組み立てていく方法を紹介します。
なお、前回の記事は、以下をご覧ください。
青春18きっぷ旅の必需品! 時刻表を用意しよう
時刻表を使って列車の時刻を調べ、旅程を組み立てていきます。そのためには、まず時刻表を用意しなくてはなりませんね。
紙の時刻表を用意しよう
昔は書店で紙の時刻表を買ってくるのが普通でしたが、現在は鉄道各社がWebサイトに時刻表を掲載していますし、乗り換え案内や時刻表をまとめたサイトも充実していますので、それを利用してもよいでしょう。
ただし、複雑な乗り継ぎを検討する場合は、一覧性の高い紙の時刻表があったほうがやりやすいです。紙の時刻表はさまざまなサイズのものが書店で販売されています。以下のように使い分けると良いでしょう。
- 大判の「JR時刻表」や「JTB時刻表」
- 一覧性が高く、JR線の全線の時刻が掲載されているため、自宅での青春18きっぷ旅の計画作成時に利用
- 小型の「全国版コンパス時刻表」
- 小型ながらJR線の全線全駅が掲載されているため、計画作成と旅行への持参の両方に利用
私は、毎年、ダイヤ改正がある3月に大判の「JR時刻表」を購入して、その後の1年間の青春18きっぷ旅の計画作成に利用しています。臨時列車などは情報が古くなってしまいますが、定期列車の時刻はそれほど変更はありませんので、1年間利用することができます。
一方、小型の「全国版コンパス時刻表」は、青春18きっぷの旅など長期間の旅行や、複雑な乗り継ぎをする旅行に持参します。単純な乗り継ぎのみの場合には、時刻表を持っていくことはせず、スマートフォンから閲覧できるインターネットの時刻表を利用します。
ローカル線などで、ふらっと途中下車するような旅をしたい場合は、全駅の時刻が掲載されている「全国版コンパス時刻表」を持参したほうがよいかもしれません。
インターネットの路線検索サービスも併用しよう
想定している経路を普通列車だけで乗り継いだらどれくらい時間がかかるのか、ざっくりと知りたい場合には、インターネット上の路線検索サービスを活用するのもおすすめです。
各社がさまざまな路線検索サービスを提供していますが、個人的に最もよく利用しているのは、YAHOO!が運営している「YAHOO! JAPAN 路線情報」 です。
「YAHOO! JAPAN 路線情報」のメリットは、
- 「時刻表」タブから各駅の時刻表を表示できる
- 時刻表の列車をクリックすると、列車時刻表(1本の列車の始発から終着までの発着時刻)を表示できる
- 「乗換案内」では、新幹線、有料特急などの利用有無を選択可能
となります。
青春18きっぷの旅では、新幹線、有料特急を利用しないので、これらのチェックを外して検索すると、普通列車、快速列車のみの乗り継ぎを検索してくれます。
JR各社のWebサイトに掲載されている時刻表・乗り換え案内
JR各社のWebサイトにも、時刻表や乗り換え案内が掲載されています。
- JR北海道
- 乗り換え案内、路線図、列車名・路線名から時刻検索、各駅時刻表
- JR東日本
- JR東海
- アクセス検索(乗り換え案内)、各駅の時刻表、東海道・山陽新幹線の時刻表
- JR西日本
- 乗り換え案内、駅の時刻表、新幹線の時刻表
- JR四国
- JR九州
臨時列車が掲載されている時刻表もありますし、紙の時刻表のような形式で路線の時刻表を閲覧できるものもあります。各社、表示される形式が異なるので若干の慣れは必要ですが、慣れればかなり使えます。
時刻表を見ながら詳細な旅程を検討しよう
いよいよ時刻表を見ながら旅程を組み立てていきましょう。
おおまかな所要時間を確認し、核となる列車の時刻を決めよう
その日の出発駅から到着駅まで、順番に時刻表を見ながら乗り継ぎを決めていってもよいですが、以下のような順番で考えていくのが効率が良くおすすめです。
- インターネット上の路線検索サービスを利用して、出発駅から到着駅までどのくらい時間がかかるかを求める
- どうしても外せない観光地での観光時間、乗りたい列車・路線の時刻を軸に、時刻表を利用してその前後の列車の時刻を決める
まず、出発駅から到着駅まで、想定している経路で、現実的な時間内に到着できるのかを1.で確認します。このとき、新幹線や特急列車を利用しない設定で検索することで、普通列車だけの乗り継ぎが表示されます。この時点では、ざっくりとどのくらいの時間がかかるかがわかればよいので、インターネット上の路線検索サービスが役に立ちます。
ここで、あまりにも時間を要するようであれば、経路の変更、出発駅・到着駅(たいていは宿泊地)の変更を検討しましょう。あるいは、一部区間で新幹線や特急列車の利用を検討するのもよいでしょう。
次に、2. で時刻表を使って、具体的にどの列車に乗るのかを検討していきます。
ここでのポイントは、絶対に立ち寄りたい観光地でどのくらい観光時間を取りたいのか、乗りたい観光列車があるのであればその時刻を軸に、前後の列車を決めていくということです。これが明確になっていれば、その前後の列車は自然に決まるはずです。
ローカル線の乗り継ぎは本数の少ない区間を先に決めよう
1日に数本しか列車が走っていないローカル線も多くあります。そのような路線に乗車する場合には、以下のように乗り継ぎのプランを組み立てていくと効率的です。
- 運転本数が最も少ない区間の列車を決める
- その前後の乗り継ぎを決める
出発地から順番に乗り継ぎを決めていくと、列車の本数が少ない区間で、乗り継ぎの待ち時間が非常に多くなってしまうことがあります。そのため、運転本数が一番少ない区間で乗車する列車を先に決めてしまうのがおすすめです。
中には2~3時間に1本しか列車がないローカル線もあります。このような路線の場合、1本列車が違うだけで、全体の行程が2~3時間もずれてしまうことになります。
青春18きっぷの乗り継ぎ 具体例
青春18きっぷ旅のプランニングを具体例で説明しましょう。
2012年の夏に、青春18きっぷを利用して、東京から長野(リゾートビューふるさと・白馬観光)~北陸を旅した時の1日目の旅程です。(※北陸新幹線 金沢延伸開業前の時刻ですので、現在は変わっています)
- 大宮 07:18発 → 長野 08:43着 (北陸新幹線 あさま503号)
- 長野 09:03発 → 白馬 12:25着 (リゾートビューふるさと)
- 白馬観光(3時間程度)
- 白馬 15:44発 → 南小谷 16:02着(大糸線 普通列車)
- 南小谷 16:11発 → 糸魚川 17:09着(大糸線 普通列車)
- 糸魚川 18:12発 → 富山 19:25着(北陸本線 普通列車)
このときは、2日目の旅程を考慮して、1日目の宿泊地を富山に決めました。また、1日目は、観光列車「リゾートビューふるさと」の乗車と、夏の白馬での観光 を主目的としました。
まず、「リゾートビューふるさと」の長野駅発が9時03分ですので、自宅のある首都圏からは、前日中に長野駅周辺に入っておくか、当日朝の新幹線で長野駅に行く必要があります。このときは休暇の関係で、当日朝の新幹線を選択しました。
その後、「リゾートビューふるさと」を白馬駅で下車して、白馬で昼食と観光です。今回の乗り継ぎでは、南小谷~糸魚川間(大糸線)の列車の本数が最も少ないので、ここで乗車する列車を決め、逆算していって、白馬発を15時44分の列車にしました。
あとは、大糸線~北陸本線(現在はえちごトキめき鉄道・あいの風とやま鉄道)と乗り継いで、富山着19時25分となりました。
【まとめ】時刻表を使って詳細な旅程を組み立てよう!
- 紙の時刻表を手に入れよう!
- 一覧性なら大判の「JR時刻表」「JTB時刻表」が見やすい
- 旅行にも持っていくなら小型ながらJR全線全駅掲載の「全国版 コンパス時刻表」がおすすめ
- インターネットの路線検索サービスも活用しよう!
- ざっくりと所要時間を把握するのに便利
- 本数の少ない区間で乗る列車を先に決めよう!
- 効率的な行程を組み立てるにはボトルネックになる区間を先に決めることが重要!
以上、「【青春18きっぷ旅プランニングガイド2】時刻表を使って詳細な旅程を組み立てよう!」でした。青春18きっぷ旅の醍醐味の一つは、普通列車や快速列車のみで、いかに効率のよい乗り継ぎを組み立てられるかにあります。これで、基本的な行程が完成しましたので、次は、必要なきっぷと宿の手配です。(つづく)
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