最近のJRの幹線区間のダイヤは、1~2時間程度の区間に列車が分割され、長距離を移動しようとすると乗り換えを余儀なくされます。ところが、路線によっては、比較的長距離を走る列車が残っていたり、運転日限定ながら観光列車やリゾート列車が長距離を走ったりします。この記事では、主に北日本・東日本の青春18きっぷの旅で活用したい長距離列車を紹介します。
青春18きっぷの旅では長距離普通列車を活用しよう!
青春18きっぷは、日本全国のJR線に乗り放題となる夢のフリーきっぷです。
ところが、普通列車・快速列車にしか乗車できないため、長距離を移動しようとすると、何度も乗り換えを強いられ、かなり時間がかかってしまいます。
そんなときには、長距離を走る普通列車・快速列車が多く運転されている路線を選びましょう。
以下では、JR北海道、JR東日本のエリアを中心に、現在でも比較的長距離を走る列車が運転されている路線と、乗り継ぎのダイヤをご紹介します。
乗り換えが減れば、落ち着いて移動できますし、乗り継ぎによる時間ロスもなくなり、所要時間も短くなりますよ。
「青春18きっぷ」については、以下のページからご覧ください。青春18きっぷの最新情報や基本ルール、おすすめの路線・列車などを紹介しています。
羽越本線 快速「海里」(新潟~酒田)
まず最初に紹介するのは、2019年10月から運転を開始した観光列車、快速「海里」です。新潟~酒田間の長距離を乗り換えなしで移動できる貴重な快速列車です。
快速「海里」の概要
- 列車名: 快速「海里」
- 運転区間: 新潟~酒田(白新線・羽越本線経由)
- 運転日: 閑散期の金~日曜日,年末年始やGWなど繁忙期はほぼ毎日運転(運転日に1日1往復運転)
- 必要なきっぷ: 普通乗車券(青春18きっぷ可)+指定席券(840円)
観光列車「海里」は、ダイニングカーで日本海の幸を中心とした食事をいただくことができる列車です。ダイニングカーに乗車するには専用のツアーに申し込む必要がありますが、乗車券+指定席券で乗車できる指定席(リクライニングシート、コンパートメントシート)もあります。
リクライニングシートやコンパートメントシートであれば、青春18きっぷでの移動に利用できます。
なお、「海里」の詳細については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
快速「海里」の特徴
「海里」の特徴は、何といっても運転日の多さと速達性です。
「海里」は臨時列車ですが、閑散期でも週末を中心にコンスタントに運転されますし、年末年始などの繁忙期にはほぼ毎日運転されます。
また、快速列車ながら、その速達性も魅力です。特に、「海里」の冬ダイヤでは、同区間を走る特急「いなほ」とそん色のない時間で走ります。
列車名 | 下り 新潟→酒田 |
上り 酒田→新潟 |
---|---|---|
海里 (通常ダイヤ) |
3時間16分 | 3時間35分 |
海里 (冬ダイヤ) |
2時間45分 | 2時間46分 |
特急いなほ | 2時間12分 (いなほ3号) |
2時間06分 (いなほ12号) |
「海里」の通常ダイヤでは、途中の桑川駅で20~30分程度の停車時間があるため、特急いなほに比べると1時間以上も所要時間がかかります。この桑川駅での停車時間は、日本海の名勝「笹川流れ」を見学できるように設定されており、列車を下りて海岸線から絶景を眺めることができます。
一方、「海里」の冬ダイヤでは、途中駅での停車時間が短いため、特急いなほの所要時間と比べても30分程度しか違いません。「海里」は、特急料金が必要な列車に遜色のない速達性を発揮してくれる、乗り鉄にも便利な列車なのです。
「海里」は観光列車ですので、設備も充実しています。いまや、在来線の特急列車には車内販売がほとんどない時代ですが、「海里」には、売店やイベントスペースが併設されています。
「海里」の乗車には、青春18きっぷに指定席券840円を追加するだけです。東北地方の日本海側を移動する場合には、「海里」が運転される日かを確認しましょう。
「海里」のおすすめの活用法
上で述べたとおり、東北地方の日本海側を、青春18きっぷで移動するときに活用するのがおすすめです。
ただし、「海里」の終着駅・始発駅となる酒田での普通列車の乗り継ぎがよくありません。羽越本線の秋田方面との乗り継ぎは、以下のようになります。
- 新潟→酒田→秋田(下り)
- 新潟 10:11発 → 酒田 13:27着(快速「海里」通常ダイヤ)
- 新潟 10:11発 → 酒田 12:56着(快速「海里」冬ダイヤ)
- (乗り継ぎ)酒田 15:30発 → 秋田 17:17着(羽越本線 普通列車)
- 秋田→酒田→新潟(上り)
- (乗り継ぎ)秋田 12:16発 → 酒田 14:53着(羽越本線 普通列車)
- 酒田 15:03発 → 新潟 18:38着(快速「海里」通常ダイヤ)
- 酒田 15:52発 → 新潟 18:38着(快速「海里」冬ダイヤ)
酒田での乗り継ぎには、上り・下りともに1~3時間もの待ち時間が発生してしまいます。そこで、おすすめは、陸羽西線の新庄方面への乗り継ぎです。
※陸羽西線は2024年度まで全線で運休中で、代行バスが運行されています。
- 新潟→余目→新庄
- 新潟 10:11発 → 余目 13:16着(快速「海里」通常ダイヤ)
- 新潟 10:11発 → 余目 12:45着(快速「海里」冬ダイヤ)
- 余目 13:40発 → 新庄 14:51着(陸羽西線 代行バス158便 快速)
- 新庄→酒田→新潟(「海里」通常ダイヤ)
- 新庄 13:00発 → 余目 13:58着/14:10発 → 酒田 14:26着(陸羽西線 代行バス163便 快速)
- 酒田 15:03発 → 新潟 18:38着(快速「海里」通常ダイヤ)
- 新庄→酒田→新潟(「海里」冬ダイヤ)
- 新庄 14:20発 → 余目 15:49着(陸羽西線 代行バス169便)
- 余目 16:03発 → 新潟 18:38着(快速「海里」冬ダイヤ)
陸羽西線は、2024年度まで、道路工事の影響で全線で列車が運休となり、代行バスが運転されています。上記乗り継ぎは代行バスのダイヤを考慮したものになっていますが、交通事情等によっては、乗り継げなくなるリスクがあることは頭に入れておきましょう。
陸羽西線の代行バスのダイヤについては、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
羽越本線(新津~酒田)
上記の「海里」が走る羽越本線には、長距離を走破する普通列車も残っています。
羽越本線の長距離普通列車
羽越本線の新津~酒田間を走る長距離普通列車が、上り下り2本ずつ設定されています。
- 下り(酒田方面行き)
- 新津 06:15発 → 酒田 09:33着
- 新津 15:11発 → 酒田 19:30着(村上で58分停車)
- 上り(新津方面行き)
- 酒田 14:44発 → 新津 18:48着
- 酒田 17:32発 → 新津 21:03着
羽越本線は電化路線ですが、これらの列車はいずれも気動車で運転されます。途中の村上駅を境に、南側が直流電化、北側が交流電化となっているためです。特急列車には交直流電車が用いられますが、普通列車には気動車が充当されています。
おすすめの活用法(新津~秋田の長距離移動)
先ほどの「海里」とは異なり、こちらは定期列車ですので、秋田方面への乗り継ぎが考慮されています。
- 新津→酒田→秋田
- 新津 06:15発 → 酒田 09:33着(乗り継ぎ)酒田 09:44発 → 秋田 11:37着
- 新津 15:11発 → 酒田 19:30着(乗り継ぎ)酒田 21:28発 → 秋田 23:13着
- 秋田→酒田→新津
- 秋田 12:16発 → 酒田 14:03着(乗り継ぎ)酒田 14:44発 → 新津 18:48着
- 秋田 15:40発 → 酒田 17:27着(乗り継ぎ)酒田 17:32発 → 新津 21:03着
新津15:11発の列車以外は、比較的スムーズに乗り継ぎができます。羽越本線を秋田方面から/秋田方面へ乗り継ぐ場合には、「海里」よりも普通列車を活用した乗り継ぎがおすすめです。
前述のとおり、新津~酒田を直通する列車は気動車での運転ですので、汽車旅の雰囲気も十分に味わえると思います。
中央本線(東京・高尾~松本方面)
首都圏から山梨・長野方面へは、比較的長距離を走る普通列車が多い中央本線を利用するのがおすすめです。
中央本線の長距離普通列車(高尾・大月~松本・長野など)
中央本線では、高尾・八王子・大月の各駅と松本駅・長野駅を結ぶ長距離の普通列車が多くあります。平日ダイヤ(2024年3月改正ダイヤ)で見てみると以下のようになります。
- 下り(松本方面行き)
- 高尾 06:15発 → 松本 09:35着(高尾06:14発)
- 八王子 06:35発 → 松本 10:17着(途中駅の時刻が異なる)
- 大月 13:45発 → 松本 16:58着
- 大月 14:46発 → 松本 17:31着/17:34発 → 長野 18:51着
- 八王子 15:45発 → 松本 19:58着(八王子15:47発)
- 豊田 18:05発 → 松本 21:42着(豊田18:04発)
- 大月 19:53発 → 松本 22:54着
- 上り(高尾方面行き)
- 松本 05:47発 → 高尾 09:23着(高尾09:24着)
- 松本 07:12発 → 高尾 10:56着
- 松本 08:43発 → 高尾 12:11着(高尾12:03着)
- 松本 09:39発 → 高尾 13:18着(高尾13:17着)
- 松本 10:40発 → 大月 13:34着
- 松本 16:41発 → 大月 19:48着
- 長野 17:12発 → 松本 18:43発 → 大月 21:27着
※カッコ内は土休日の運転時刻。記載がないものは土休日も同時刻で運転。
上りは少ないように見えますが、これ以外にも大月行きがあり、大月始発の東京行きの快速電車に乗り換えることができます。
2017年のダイヤ改正で誕生した高尾発長野行きの普通列車(441M)は、2024年3月のダイヤ改正で大月始発に短縮されてしまいました。それでも、この列車を活用すれば、東京駅や新宿駅から乗り換え1回で長野駅まで到達することができますので、青春18きっぷの旅では強い味方です。
この列車については、別記事に詳細を書いていますので、よろしければご覧ください。
中央本線の長距離普通列車 おすすめの活用法
これだけ本数があれば、乗り鉄や旅行の行程に合わせて好きな列車に乗ればよいでしょう。
首都圏から名古屋・大阪方面への移動にも活用してみましょう。時間的に速いのは東海道本線での乗り継ぎですが、何度も乗り換えが必要なうえに、特に静岡県内では混雑が激しいために疲れます。
中央本線経由であれば、時間はかかりますが、東京からは、高尾、塩尻、中津川の3回の乗り換えで名古屋に到着できます。車窓も変化に富んでいて、高尾~塩尻は南アルプスや八ヶ岳、塩尻~中津川では木曽川の渓谷に沿って走るため、ぼーっと車窓を眺めているだけでも飽きません。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
上野東京ライン(熱海~宇都宮・黒磯,高崎・前橋)
2015年3月に開業した上野東京ライン。東海道本線と高崎線・宇都宮線を、東京・上野経由で結ぶ路線で、首都圏ではすでにおなじみになっています。
上野東京ラインを走る長距離列車
この上野東京ラインの開業で、熱海駅から宇都宮駅や高崎駅・前橋駅まで直通する長距離普通列車が誕生しています。静岡県から、神奈川県、東京都、埼玉県、栃木県または群馬県へと1都4県を縦断する普通列車です。
最長距離を走るのは、前橋発 沼津行きの普通列車で、241kmを4時間以上もかけて走ります。普通運賃で4,510円にもなりますので、青春18きっぷ1日分(2,410円)の元を取るのに十分すぎるほどですね。
比較的、長距離を走る列車は以下のとおりです。(2024年3月改正ダイヤ)
- 東海道線~宇都宮線
- 沼津 06:06発 → 宇都宮 10:25着(宇都宮 10:15着)
- 沼津 07:00発 → 宇都宮 11:29着(土休日のみ運転)
- 東海道線~高崎線~両毛線
- 前橋 06:08発 → 熱海 10:29着(休日は国府津行き)
- 前橋 18:15発 → 熱海 22:25着(土休日も運転)
- 前橋 19:13発 → 沼津 23:35着(土休日も運転)
※カッコ内は土休日ダイヤ
上記以外にも、熱海・小田原~宇都宮・高崎などの列車が多数あります。
おすすめの活用法
青春18きっぷでの活用法としては、普通列車で首都圏を縦断する際に利用するのが、もっとも正しい(?)利用法でしょう。
上記であげた列車以外にも、熱海~宇都宮・高崎間の列車は多数運転されていますし、小田原からであれば、渋谷・新宿・池袋経由の湘南新宿ラインの列車も利用できます。
長距離を乗車する際にぜひおすすめしたいのが、全列車に連結されている普通列車グリーン車の乗車です。青春18きっぷでも、グリーン券を別途購入すれば乗車できます。グリーン券は、50kmまで、100kmまで、101km以上の3段階の料金設定がされています。101km以上はどこまで乗ろうとも同一料金ですので、長距離を乗れば乗るほどお得です。グリーン車は2階建て車両なので、空いていれば2階席に乗車して車窓を楽しむのもいいですね。
普通列車グリーン車については、以下の記事もご覧ください。
内房線・外房線 (木更津~上総一ノ宮)
房総半島の外周をぐるりとまわる内房線と外房線。都市間の長距離移動というよりは、海を眺めながらの鉄道の旅にちょうどよい路線です。2021年3月のダイヤ改正で、内房線・外房線を直通する長距離の普通列車が誕生しました。
内房線・外房線の長距離普通列車
これまで、内房線、外房線の列車は、特急列車も含めて、両線の境界駅となる安房鴨川駅をまたぐ列車はありませんでしたが、2021年3月のダイヤ改正で、普通列車の運転系統が大きく変更になりました。内房線の木更津駅と外房線の上総一ノ宮駅を、安房鴨川駅を経由して直通する普通列車が誕生したのです。
木更津~上総一ノ宮間を安房鴨川経由で直通する普通列車は、以下のとおりです(2024年3月改正ダイヤ)。
- 木更津→安房鴨川→上総一ノ宮
- 木更津 09:31発 → 上総一ノ宮 12:30着
- 木更津 10:29発 → 上総一ノ宮 13:33着
- 木更津 11:17発 → 上総一ノ宮 14:33着
- 木更津 12:17発 → 上総一ノ宮 15:35着
- 木更津 13:19発 → 上総一ノ宮 16:41着
- 木更津 14:17発 → 上総一ノ宮 17:48着
- 木更津 15:17発 → 上総一ノ宮 18:50着
- 木更津 16:42発 → 上総一ノ宮 19:36着
- 木更津 17:45発 → 上総一ノ宮 20:43着
- 木更津 18:33発 → 上総一ノ宮 21:45着
- 上総一ノ宮→安房鴨川→木更津
- 上総一ノ宮 10:32発 → 木更津 14:05着
- 上総一ノ宮 11:40発 → 木更津 15:11着
- 上総一ノ宮 12:40発 → 木更津 16:10着
- 上総一ノ宮 13:40発 → 木更津 16:47着
- 上総一ノ宮 14:39発 → 木更津 17:53着
- 上総一ノ宮 15:40発 → 木更津 19:08着
- 上総一ノ宮 16:53発 → 木更津 20:02着
- 上総一ノ宮 19:11発 → 木更津 22:03着
木更津~上総一ノ宮間を走破する列車は、日中時間帯は1時間に1本あります。所要時間は3時間~3時間半程度と、乗りごたえはたっぷりです。
2024年現在、2021年3月のダイヤ改正と同時に投入された新型車両「E131系」という電車で運転されていますので、試乗を兼ねて、房総半島の旅へ出かけるのもよさそうです。(209系4両編成で運転されることもあります。)
おすすめの活用法
内房線、外房線に乗ることが目的であれば、上記のいずれかの列車に乗車し、始発駅から終着駅まで乗りとおしてみるのがよいでしょう。内房線、外房線は、ほぼ房総半島の外周に沿って走りますので、あちこちで太平洋を眺めることができます。
また、南房総には、館山、安房鴨川など、観光地も多くあります。せっかくの直通列車ですが、途中下車して観光してもよいでしょう。上記のように、日中時間帯には1時間に1本運転されていますので、観光後に、後続の列車に乗ることができます。
駅から徒歩での観光スポットとしては、浜金谷駅から徒歩でアクセスできる「鋸山」がおすすめです。ロープウェイで山頂まで一気に登れますし、晴れていれば、山頂から東京湾の絶景を眺めることができます。
「鋸山」については、以下の記事をご覧ください。
宗谷本線(旭川~稚内)
青春18きっぷでの汽車旅の難関区間の一つが宗谷本線です。旭川~名寄は比較的本数がありますが、名寄駅から北側は普通列車の本数が少なく、青春18きっぷだけで乗りとおすには苦労する区間です。それでも探せば、長距離を走破する普通列車が存在します。
宗谷本線の長距離普通列車
宗谷本線では、多くの普通列車が長距離を走ります。とはいっても、名寄以北の運転本数が極めて少ないため、旭川~稚内を青春18きっぷだけで乗りとおそうとすると、現実的な列車の乗り継ぎは、以下のパターンに限られてしまいます。(2024年3月改正ダイヤ)
- 下り(稚内方面行き)
- 旭川 06:03発 → 稚内 12:07着
- 旭川 12:33発 → 名寄 13:55着(乗り継ぎ)名寄 14:59発 → 稚内 19:53着
- 上り(旭川方面行き)
- 稚内 05:21発 → 名寄 08:46着(乗り継ぎ)名寄 10:08発 → 旭川 11:28着
- 稚内 10:28発 → 名寄 14:17着(乗り継ぎ)名寄 14:42発 → 旭川 15:55着
- 稚内 18:10発 → 名寄 21:49着(乗り継ぎ)名寄 22:15発 → 旭川 23:40着
名寄駅での乗り換えが必要な列車が多いですが、その中でも注目は、旭川発稚内行きの列車です。6時間以上を要して、宗谷本線の全線を走破します。日本でも有数の長距離普通列車です。
厳密には、途中の名寄駅と幌延駅で列車番号が変わるため、ダイヤ上は1本の列車ではないのですが、実態は同じ車両で通して運転されるため、1本の列車とみなしてよいでしょう。
おすすめの活用法
宗谷本線に関しては、活用法以前に、前述の乗り継ぎパターンが全てですので、青春18きっぷで旅をしている限りは、あまり考える余地がありません。
旭川起点で稚内駅まで日帰りで往復しようとすると、旭川駅を06:03発の列車で出発して稚内駅に12:07着。復路は稚内駅を18:10発の列車に乗り、名寄駅で乗り継いで、旭川駅には23:40着。往復で18時間近くも要してしまいますが、稚内駅に6時間ほど滞在できますので、宗谷岬やノシャップ岬、市内の稚内公園などを観光できます。かなり疲れると思いますが…。
石北本線 特快「きたみ」(旭川~北見)
石北本線 旭川~網走間は、青春18きっぷの旅の難所の一つです。この区間、かなりの距離があるうえに、普通列車の本数が少なく、実質的に使える列車は上り・下りともに2本しかありません。
旭川~網走には特急「オホーツク」「大雪」が運転されていますし、特急「大雪」には、日にち・列車・席数限定ですが、前日までの購入で55%引きになる「トクだ値1」が設定されていますので、できれば特急列車での利用をおすすめします。
特別快速「きたみ」+普通列車の乗り継ぎ
どうしても青春18きっぷで移動したい場合には、旭川~北見間に1日1往復運転されている特別快速「きたみ」を活用しましょう。
特別快速「きたみ」を含めて、青春18きっぷでの旭川~網走間の乗り継ぎは以下のようになります。
- 下り(旭川→網走)
- 旭川 09:16発 → 上川 10:16着(乗り継ぎ)上川 11:18発 → 遠軽 12:38着(乗り継ぎ)遠軽 13:14発 → 網走 15:55着
- 旭川 14:40発 → 北見 18:01着(乗り継ぎ)北見 19:04発 → 網走 20:06着 → (知床斜里 21:00着)
- 上り(網走→旭川)
- (緑 06:54発) → 網走 08:43発 → 北見 09:43着(乗り継ぎ)北見 10:26発 → 旭川 13:49着
- 網走 10:19発 → 遠軽 12:40着(乗り継ぎ)遠軽 13:41発 → 旭川 17:12着
※太字が特別快速「きたみ」です(ダイヤは2024年3月改正)
石北本線の旭川~網走を普通・快速列車で乗り継げるのは、上り・下りともにこの2パターンだけです。上川~白滝間の普通列車が上り・下りともに2本しかないためです。上川駅と白滝駅は隣同士の駅ですが、駅間距離は37.3kmもあります。数年前に、この間にあった複数の駅が一気に廃止されてしまったためです。
普通列車での乗り継ぎは不可能ではありませんが、くれぐれも、しっかりと計画を立てたうえで実行されることをおすすめします。
以上、『青春18きっぷの旅で活用したい長距離普通列車(北・東日本編) 上手に活用して一気に距離を稼ごう!』でした。路線によっては、かなり長距離を走る普通列車が残っています。青春18きっぷの旅では、これらの列車をうまく活用して、効率的に移動したいものですね。
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