2021年夏の青春18きっぷシーズンが7月20日から始まります。今年も新型コロナウイルス感染症の影響で、JR各社が発表している臨時列車は少なめです。それでも主要な観光列車は運転されますので、青春18きっぷの旅を楽しみたいところですね。この記事では、2021年夏の青春18きっぷで乗りたい・乗っておきたい列車や路線をご紹介します。
1年ぶりに運転再開! 「SL銀河」(釜石線)
花巻~釜石間で運転されている「SL銀河」ですが、検査を実施していた関係でしばらく運転がありませんでした。検査が終了し、2021年8月下旬から運転を再開します。夏の青春18きっぷシーズン期間中の運転も予定されています。
- 快速「SL銀河」
- 下り(花巻 → 釜石)
- 運転日: 8月21日(土)※・28日(土),9月4日(土)・11日(土)・18日(土)・25日(土)
- 運転時刻: 花巻 10:36発 → 釜石 15:10着
- 運転時刻: 盛岡 08:00発 → 花巻 10:36発 → 釜石 15:10着(※8/21のみ)
- 上り(釜石 → 花巻)
- 運転日: 8月22日(日)・29日(日),9月5日(日)・12日(日)・19日(日)・26日(日)
- 運転時刻: 釜石 09:57発 → 花巻 15:19着
- 使用車両: SL(C58-239)+キハ141系4両
- 下り(花巻 → 釜石)
「SL銀河」は、JR東日本が定期的に運行しているSL列車の一つですが、運転日が最も少なくなっています。さらに、他のSL列車「SLばんえつ物語」や「SLぐんま みなかみ/よこかわ」は、運転日に1往復運転されるのに対して、「SL銀河」は運行時間が長いため、土曜日に下り(釜石行き)、日曜日に上り(花巻行き)と1本ずつの運転となっています。
今年は8月21日から運転を開始しますが、9月5日までの6本(3往復)の運転は夏の「青春18きっぷ」で乗車できますし、「北海道&東日本パス」であれば9月中の運転まで利用することができます。
運転再開後、最初の列車となる8月21日の下り列車は、東北デスティネーションキャンペーンにあわせた「SL銀河 東北DC結び号」として、盛岡発で運転されます。ふだんは回送されてくる区間に乗車できるチャンスですね。
なお、釜石線の車窓については、以下の快速「はまゆり」の乗車記をご覧ください。「SL銀河」に乗車したあと、往路は快速「はまゆり」の指定席でゆったりと戻るのもおすすめです。
3月下旬に全線運転再開! 「奥久慈清流風っこ号」も運転される水郡線へ!
2019年の台風の影響で、長らく一部区間が不通になっていた水郡線ですが、2021年3月27日に全線で運転を再開しました。かろうじて春の青春18きっぷ期間中に運転再開にこぎつけたのですが、全線運転再開後に未乗の方も多いのではないでしょうか。
ということで、この夏は、青春18きっぷで水郡線でローカル線の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?
夏は猛暑が続く関東ですが、水郡線は久慈川に沿って走る「川のローカル線」。冷房のきいた車内で、涼し気な景色を眺めながら旅ができます。車窓の見どころなどは、以下の記事をご覧ください。青春18きっぷ利用による都心からの日帰りルートも紹介しています。
また、今夏は、水郡線でトロッコ型車両「風っこ」による臨時列車「奥久慈清流風っこ号」が運転されます。
- 快速「奥久慈清流風っこ号」
- 奥久慈清流風っこ1号
- 運転日: 8月28日(土)
- 運転時刻: 水戸 08:45発 → 磐城石川 12:55着
- 奥久慈清流風っこ2号
- 運転日: 8月28日(土)
- 運転時刻: 磐城石川 14:50発 → 水戸 19:19着
- 奥久慈清流風っこ3号
- 運転日: 8月29日(日)
- 運転時刻: 水戸 08:45発 → 常陸大子 11:13着
- 奥久慈清流風っこ4号
- 運転日: 8月29日(日)
- 運転時刻: 常陸大子 14:01発 → 水戸 16:07着
- 使用車両: 風っこ(キハ48系)2両
- 奥久慈清流風っこ1号
8月最後の週末の運転となります。窓のないトロッコ型の車両で、風を感じながらの水郡線の旅は魅力的です。夏休みの最後のおでかけにぴったりですね。
避暑にぴったり! 八ヶ岳山麓を走る高原鉄道「小海線」
猛暑の時期には涼しいところへ行きたい! と考える方も多いでしょう。そんなときにぴったりなのが、八ヶ岳山麓を走る高原鉄道「小海線」です。
何しろ、日本全国のJR駅の標高トップ10のうち9駅を占める路線です。最も標高の高い野辺山駅(1,345メートル)をはじめ、標高1000メートルを超える駅が多いのが特徴です。
そして、「高原鉄道」ならではの車窓も魅力的。間近から眺める迫力のある八ヶ岳はもちろんのこと、清里や野辺山あたりの高原野菜の畑が広がる車窓、千曲川沿いを走る区間の川の車窓、そして、佐久平越しに眺める浅間山の姿。全線に乗車しても2時間半ほどですが、車窓の変化が大きな路線でもあります。
小海線の車窓については、以下の記事をご覧ください。
また、小海線に乗車するのであれば、週末を中心に運転されている観光列車「HIGH RAIL 1375」もおすすめです。ゆったりとしたシートと大きな窓で車窓を楽しむことができますし、事前予約しておけば、車内でランチやスイーツも提供されます。
「HIGH RAIL 1375」については、以下の記事をご覧ください。運転日やダイヤ、車内の様子をはじめ、指定席券や車内で提供される食事のの予約方法もわかりやすく紹介しています。
「富良野線」で観光シーズン最盛期の富良野・美瑛へ! 「富良野・美瑛ノロッコ号」もおすすめ!
夏は北海道へ旅行をされる方も多いと思いますが、鉄道で沿線の観光地に比較的アクセスしやすい路線として、富良野線(旭川~富良野)をおすすめします。
7月中旬~下旬に見ごろを迎える富良野のラベンダーの鑑賞や、美瑛周辺の「パッチワークの丘」「パノラマロード」のサイクリングなど、鉄道でアクセスしても楽しめる観光スポットやアクティビティが多いのです。
お天気が良ければ、美瑛駅から「パッチワークの丘」へ、または、美馬牛(びばうし)駅から「美瑛パノラマロード」へのサイクリングがおすすめです。駅前にレンタサイクルのお店がありますので、そこで自転車を借りて、2~3時間ほどのサイクリングを楽しむことができます。
「パッチワークの丘」は観光客には有名で、「ケンとメリーの木」など、点在するスポットを自転車でめぐる形になります。2020年8月に訪問した際の様子は、以下の記事をご覧ください。
一方、美馬牛駅から「美瑛パノラマロード」へのサイクリングは、ひたすら丘の絶景が続くエリアを走ることができます。特定の観光スポットを巡るというよりは、どこを走っても絶景が見られるという感じです。美瑛らしい「丘の風景」を楽しみたいのなら、こちらがおすすめです。
富良野線で美瑛や富良野へアクセスする場合には、夏季に運転される「富良野・美瑛ノロッコ号」も活用しましょう。特に、美瑛から先は普通列車の本数が少ないので、普通列車を補完する意味でも有効です。
- 富良野・美瑛ノロッコ号
- 運転日(1日3往復運転)
- 7月10日(土)~9月20日(月)の土・日・祝日
- 使用車両: 客車3両(指定席1両+自由席2両)
- 運転日(1日3往復運転)
ダイヤ等、詳細については、以下の記事をご覧ください。
2021年10月のダイヤ改正で大幅減便へ! JR西日本のローカル線、乗るなら今のうちに!
JR西日本は、2021年10月に、昼間時間帯の減便を中心としたダイヤ改正を実施すると発表しています。
減便の対象は近畿エリアの都市近郊エリアが多いのですが、中にはもともと列車の本数が少ないローカル線も含まれています。越美北線や山陰線の一部などが該当します。
越美北線は、もともと9往復しか列車がなく、末端区間の越前大野~九頭竜湖間は、現行ダイヤでも4.5往復しかありません。行き止まり路線ということもあって、青春18きっぷの難関路線の一つになっています。その越美北線がさらに減便されてしまうことになりますので、これまで以上に難易度が高くなってしまうことは間違いありません。
減便前の夏の青春18きっぷで乗っておくとよいと思います。
以上、「2021年夏の青春18きっぷで乗りたいおすすめの路線・列車5選!」でした。例年に比べて目玉となるような臨時列車は少ないですが、夏ならではの旅を楽しむための路線や列車を選んでみました。夏の青春18きっぷ旅の参考にしてみてください。
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