JR西日本が運転を計画している新たな長距離列車ですが、列車名が「WEST EXPRESS 銀河」に決定しました。また、車両のデザインや、設備の愛称名も発表されています。運転開始は、当初予定していた2020年夏から少し早まり、2020年春となりました。まだ発表されていない運行区間や料金はどうなるのでしょうか?
新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」(ウエストエクスプレス銀河)
JR西日本は、かねてから運転を計画していた新たな長距離列車の列車名を「WEST EXPRESS 銀河(ウエストエクスプレス銀河)」に決定したと発表しました。同時に、車両デザイン(エクステリア)と、各車両の設備(座席等)の愛称名についても発表しました。
インテリアデザインについては、2018年5月に発表済みです。
今回は、さまざまなタイプの座席や、各車両に設けられるフリースペースなどの設備の愛称名も発表されています。
JR西日本が発表した資料では、コンセプトを、
「銀河」とは、広い宇宙に存在する様々な星の集まりを指します
この列車が運転する西日本エリアを宇宙に、各地の魅力的な地域を星になぞらえ
それらの地域を結ぶ列車という意味を込めました
(出典)新たな長距離列車の列車名・エクステリア・設備愛称名の決定について(JR西日本 PDFファイル)
としています。
おそらく夜行列車として運転されるでしょうから、そういう意味でも「銀河」という名称はあっていますね。もっとも、「銀河」といえば、東京~大阪を結んでいた夜行急行「銀河」を思い出してしまいますが、「WEST EXPRESS」というくらいですから、まずは西日本エリアで運行されるのでしょう。
117系とは思えないカラーリング!
(出典)新たな長距離列車の列車名・エクステリア・設備愛称名の決定について(JR西日本 PDFファイル)
車両のカラーは、「瑠璃紺(るりこん)色」になりました。
117系電車は、登場時はクリーム色、その後は緑色や黄色など、さまざまなカラーに変更されたこともありますが、今回の濃紺系統の塗装はあまり見覚えがなく斬新です。
「銀河」のイメージともあっていますし、いかにも夜行列車らしいカラーリングですね。そう思うのは、ブルートレインの客車の色を思い浮かべるからかもしれません。
設備愛称名も発表!
前述のとおり、各タイプの座席やフリースペースといった設備の愛称名も発表されました。
号車 | 設備名 | 愛称名 |
---|---|---|
1号車 | グリーン車指定席 | ファーストシート |
2号車 | 普通車指定席 (ノビノビ座席・女性席) |
クシェット(女性席) |
3号車 | 普通車指定席 (コンパートメント) |
ファミリーキャビン |
3号車 | フリースペース | 明星(みょうじょう) |
2-3号車 | 普通車指定席 | (愛称名なし) |
4号車 | フリースペース | 遊星(ゆうせい) |
5号車 | 普通車指定席 (ノビノビ座席) |
クシェット |
6号車 | グリーン個室 | プレミアムルーム |
6号車 | フリースペース | 彗星(すいせい) |
座席設備につけられた、「ファーストシート」「クシェット」「ファミリーキャビン」「プレミアムルーム」は、これまで聞いたことのない名称ですね。新しいコンセプトの列車であることをアピールするために、新たな愛称名をつけたということなのでしょう。
また、フリースペースにも愛称がつけられました。6両編成の中で、フリースペースが3か所もあるというのが驚きです。それぞれのフリースペースには、「明星」「遊星」「彗星」といった星にちなんだ名前が付けられています。なかなか素敵な愛称ですね。
「カジュアル」がコンセプトながらゆったりとした車内
「WEST EXPRESS 銀河」は、「カジュアル」「くつろぎ」「多様性」をコンセプトにした列車ですが、その「くつろぎ」が具現化されているのが、たっぷり設けられたフリースペースですね。
(出典)新たな長距離列車の列車名・エクステリア・設備愛称名の決定について(JR西日本 PDFファイル)
4号車は一両丸ごとフリースペースですし、3号車と6号車の一部もフリースペースになっています。
それだけでなく、各車両のデッキ部分はかなり広いスペースが設けられているようですし、先頭車の車端部(運転席の後ろ)にもスペースがありそうです。
定員は90名と発表されていますが、もともと座席がゆったりとしているうえに、これだけのフリースペースが設けられていれば、かなりゆったりと過ごせそうです。
フリースペースで本を読んだり、友人や家族と談笑したり、ちょっとお酒を飲んだりもできそうですね。車内で思い思いに過ごすことができるのは、スペースが限られる乗り物としては、かなり贅沢なことですよね。
運転区間・料金の発表は今後
「新たな長距離列車」として計画されていた列車のエクステリア、インテリアデザイン、座席設備、列車名が明らかになり、残るは、運転区間と料金ですね。
2020年春の運転開始とのことなので、年内には何らかの発表があるのではないかと期待しています。
運行エリアは京阪神~山陰方面・山陽方面とだけ発表
運行エリアは、これまでに(例)として、「京阪神~山陰方面」「京阪神~山陽方面」とだけ発表されています。
117系は直流電車ですので、山陰方面へはルートが限られています。現在、「サンライズ出雲」が走る、東海道・山陽本線~伯備線~山陰本線のルートでしょう。山陽方面へは、山陽本線を走るルートでしょう。
あとは、「サンライズ瀬戸」のルートで四国方面(高松・琴平)あたりが考えられますね。かつての夜行急行「銀河」と同じ、東京~大阪での運転なんていうのも、期待したいですね。
列車種別と料金は?
列車種別はどうなるのでしょうか?
「臨時列車」として運転されることがこれまでに発表されていますが、そうだとすると、乗車券+必要な料金券で乗車することができそうです。
その場合、「快速」としての運転であれば、青春18きっぷ+指定席券で、普通車指定席とされている「クシェット」「ファミリーキャビン」などに乗車することもできそうです。
まあ、これだけの贅沢な設備ですから、「特急」「急行」として運転される可能性が高いかな、とは思いますが、気軽に乗れる夜行列車が復活することは、本当にうれしいことですね。
以上、『JR西日本の新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」、2020年春に運転開始へ! 各設備の愛称名も決定! 運転区間と料金はどうなる?』でお届けしました。運転開始まであと1年! 新たなコンセプトの夜行列車としての地位を確立して、JR他社も追随することを願わずにはいられません(笑)
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