JR各社は2025年春(2025年3月~6月)の臨時列車の運転計画を発表しました。毎年恒例の宗谷本線「花たび そうや号」は今年も4往復運転、昨夏から運転を開始した夜行の臨時特急「アルプス」はGWに2日間運転されます。また、大阪・関西万博開催にあわせて、特急「まほろば」が増発されます。一方で、「白馬しなの」の設定がないなど、例年と異なるところもあります。
この記事では、2025年春の注目の臨時列車をピックアップして紹介します。
JR各社の2025年春の臨時列車の運転計画まとめ(1月17日時点)
JR各社は、2025年春の臨時列車の運転計画を発表しました。1月17日時点での運転計画の発表状況は以下のとおりです。
※リンクをクリックするとPDFファイルが開きます。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- JR四国
- JR九州
なお、定番の観光列車(JR東日本の「のってたのしい列車」、JR九州の「D&S列車」など)については、各社のWebサイトにて運転計画が公表されています。
2025年も5月の週末に4往復運転! 宗谷本線「花たび そうや号」
春臨の定番となった宗谷本線の急行「花たび そうや号」ですが、2025年も5月に4往復が運転されます。
- 列車名: 急行「花たび そうや号」
- 下り(旭川 → 稚内)
- 運転日: 5月10日(土),17日(土),24日(土),31日(土)
- 運転時刻: 旭川 10:13発 → 稚内 16:41着
- 途中停車駅: 比布・士別・美深・天塩中川・幌延
- 上り(稚内 → 旭川)
- 運転日: 5月11日(日),18日(日),25日(日),6月1日(日)
- 運転時刻: 稚内 09:30発 → 旭川 16:17着
- 途中停車駅: 豊富・音威子府・名寄・剣淵・和寒・塩狩
- 使用車両: キハ40形「流氷の恵み」「急行宗谷色」+キハ54形 4両編成(全車指定席)
2025年の急行「花たび そうや号」は、5月中旬~6月上旬の週末に運転されます。例年同様、土曜日に下りの稚内行きが、日曜日に上りの旭川行きが運転されます。ダイヤや編成も2024年とほぼ同様で、旭川行きの「花たび そうや号」は所要時間が7時間近くに及びます。途中駅でのおもてなしなども楽しめそうですね。
急行「花たび そうや」の最新情報については、JR北海道のWebサイトをご確認ください。
「SATONO」が五能線で初運転!「R(リゾート)-SATONO」
南東北を中心に運転されている観光列車「SATONO」ですが、2025年春は「あいづSATONO」として、郡山~喜多方間で運転されます。
- 列車名: 快速「あいづSATONO」
- 運転日
- 3月1日(土), 2日(日), 8日(土), 9日(日), 15日(土), 16日(日), 22日(土), 23日(日), 29日(土), 30日(日)
- 4月6日(日), 12日(土), 13日(日), 19日(土), 20日(日), 26日(土), 27日(日), 28日(月), 29日(火), 30日(水)
- 5月1日(木), 2日(金), 3日(土), 4日(日), 5日(月), 6日(火), 17日(土), 18日(日), 25日(日), 31日(土)
- 6月1日(日), 21日(土), 22日(日)
- 運転時刻(往路): 郡山 10:05発 → 喜多方 12:01着
- 運転時刻(復路): 喜多方 15:32発 → 郡山 17:16着
- 使用車両: HB-E300系 2両(SATONO)
2024年春に運転を開始してから1周年。2025年春は、ホームグラウンドともいうべき磐越西線で運転されます。
一方、6月上旬には、「R(リゾート)-SATONO」として五能線に遠征します。
- 列車名: 快速「R(リゾート)-SATONO3号」
- 運転日: 6月5日(木)~10日(火)
- 運転時刻: 秋田 10:50発 → 弘前 15:50着
- 列車名: 快速「R(リゾート)-SATONO6号」
- 運転日: 6月5日(木)~10日(火)
- 運転時刻: 弘前 16:06発 → 秋田 20:42着
- 使用車両: HB-E300系 2両(SATONO)
「3号」「6号」と中途半端な号数が付けられていますが、これは「リゾートしらかみ」の3号・6号のスジで運転されるためです。
もともと南東北の観光列車としてデビューした「SATONO」ですが、遠く北東北の五能線への遠征となります。五能線には「リゾートしらかみ」が3編成もあり、春~秋はほぼ毎日運転、多い日には1日3往復(6本)も運転されますので、あえて「SATONO」を投入する必要はなさそうですが、どうなのでしょうか?
リゾートしらかみ3編成のうち、「くまげら」編成だけはキハ48系の古い車両ですので、「くまげら」編成引退後の代替として「SATONO」や、ほぼ同じ設備・編成の「ひなび」の投入も検討されているのかもしれませんね。
観光列車「SATONO」については、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
2025年も運転!羽越本線「SL/EL村上ひな街道」
村上市のイベント「城下町村上 町屋の人形さま巡り」にあわせて、新津~村上間で「SL/EL村上ひな街道」が運転されます。
- 列車名: 快速「SL/EL村上ひな街道」
- 運転日: 3月29日(土),30日(日)
- SL村上ひな街道: 新津 08:59発 → 村上 10:56着
- EL村上ひな街道: 村上 15:42発 → 新津 16:50着
- 途中停車駅: 新発田・中条・坂町
- 使用車両: SL(C57-180)+12系客車7両+EL(EF81)
2002年から定番となっていた「SL村上ひな街道」ですが、2022年、2023年はSLではなく「ひな街道Shu*Kura」としてキハ48形気動車での運転となっていました。昨年2024年は3年ぶりの運転となりましたが、2025年も運転されます。
「ばんえつ物語号」の蒸気機関車C57+客車7両に、復路を牽引する電気機関車(EF81形)を加えた編成での運転となります。往路の村上行きはSL牽引、復路の新津行きはEL牽引となります。
夜行特急「アルプス」、GWに2日間運転、白馬到着が午前6時前に繰り上げ!
新宿発白馬行きの臨時夜行特急「アルプス」が、ゴールデンウィーク期間中の金曜日に2日間運転されます。
- 列車名: 特急「アルプス」
- 運転日: 4月25日(金), 5月2日(金)
- 運転時刻: 新宿 23:58発 → 白馬 05:50着
- 使用車両: E257系9両編成(全車指定席)
昨年夏季から運転が始まり、秋季にも運転された特急「アルプス」が、春臨としても運転されます。
注目はダイヤです。昨年の運転では終着の白馬駅到着が午前6時22分でしたが、今年の春臨では午前5時50分と30分近くも繰り上げられています。
途中停車駅となる松本駅などへの到着も繰り上がることが想定されます。昨年は、この特急「アルプス」の運転にあわせて、松本駅からの上高地線や、信濃大町駅から扇沢方面のバス、白馬駅から白馬八方方面へのバスなどで臨時便が運転されました。今回もおそらく特急「アルプス」に接続する臨時列車・臨時バスが運転されると思われますが、到着時刻が30分繰り上がることで、早い時間帯に観光地に入ることができそうですね。
特急「アルプス」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
大糸線 松本~白馬を結ぶ臨時特急「はくば」、週末に定期的に運転へ!
昨夏から大糸線で運転されている特急「はくば」ですが、今春は週末にコンスタントに運転されます。
- 列車名: 特急「はくば」
- 運転日
- 3月15日(土), 16日(日), 20日(木), 22日(土), 23日(日), 29日(土), 30日(日)
- 4月5日(土), 6日(日), 12日(土), 13日(日), 19日(土), 20日(日), 26日(土), 27日(日), 29日(火)
- 5月3日(土)~6日(火), 10日(土), 11日(日), 17日(土), 18日(日), 24日(土), 25日(日), 31日(土)
- 6月1日(日), 7日(土), 8日(日), 14日(土), 15日(日), 21日(土), 22日(日), 28日(土), 29日(日)
- 運転時刻
- はくば1号: 松本 13:41発 → 白馬 14:46着
- はくば2号: 白馬 15:21発 → 松本 16:21着
- 使用車両: E353系3両(全車指定席)
年末年始の運転では1日2往復の運転でしたが、今週は1往復の運転となります。その代わり、ゴールデンウィークの繁忙期だけでなく、期間中の土休日にコンスタントに運転されるようです。
白馬行き、松本行きともに午後運転なのが気になりますが、午前中は「あずさ5号」(新宿 08:00発 → 白馬 11:40着)や、観光列車「リゾートビューふるさと」(長野 10:04発 → 南小谷 13:40着 ※土休日を中心に運転)があるので、午後の白馬方面への観光輸送をターゲットにした列車のようです。
臨時「白馬しなの」設定なし、「しなの」の大糸線乗り入れは終了か?
2025年の春臨では、これまで繁忙期に設定されていた、大糸線に乗り入れる、いわゆる「白馬しなの」が設定されませんでした。代わりに、長野行きの臨時「しなの」が設定されています。
- 列車名: 特急「しなの83号・86号」
- 運転日: 4月26日(土)~29日(火), 5月3日(土)~6日(火)
- しなの83号: 名古屋 8:12発 → 長野 11:27着
- しなの86号: 長野 14:42発 → 名古屋 18:00着
名古屋~松本間の臨時「しなの」は、これまで通り設定されています。ただし、運転日がゴールデンウィーク後半のみと少なくなっているのが気になります。
- 列車名: 特急「しなの85号・82号」
- 運転日: 5月3日(土)~6日(火)
- しなの85号: 名古屋 10:30発 → 松本 12:57着
- しなの82号: 松本 15:01発 → 名古屋 17:20着
- 使用車両: 記載なし
「白馬しなの」が設定されなかった理由としては、2025年3月のダイヤ改正で、大糸線乗り入れの「あずさ」が白馬駅発着に変更になったことや、週末を中心に松本~白馬間で臨時特急「はくば」が1往復運転されることなどが影響している可能性があります。また、今後投入が予定されている385系電車の仕様も影響しているかもしれません。
特に「乗り入れ終了」などのアナウンスがあったわけではないので、夏臨での復活も考えられなくはありませんが、今後の動向に注目していきたいと思います。
大阪~奈良を結ぶ特急「まほろば」、万博開催にあわせて増発!
(出典)25年春、特急「まほろば」の定期運行化と、リニューアルデビューが決定!(JR西日本ニュースリリース 2024年12月13日)
大阪・新大阪~奈良をおおさか東線経由で結ぶ臨時特急「まほろば」ですが、2025年3月のダイヤ改正以降、1往復が土休日運転の定期列車として、もう1往復が10月中旬までの土休日運転の臨時列車として、1日2往復の運転となります。
【大阪 → 奈良方面】
- まほろば: 大阪 09:58発 → 奈良 10:57着(3/1以降の土休日)
- まほろば92号: 大阪 14:15発 → 奈良 15:12着(3/15~10/13の土休日)
【奈良 → 大阪方面】
- まほろば: 奈良 16:21発 → 大阪 17:15着(3/1以降の土休日)
- まほろば91号: 奈良 12:21発 → 大阪 13:15着(3/15~10/13の土休日)
現在、臨時特急として主に土休日に運転されている特急「まほろば」がそのまま定期列車に格上げされ、さらに「まほろば92号」「まほろば91号」が臨時列車として運転されることになります。
JR西日本は、この大阪・関西万博の開催にあわせて、「大阪・関西万博プラスワントリップ」を提唱していますが、今回の「まほろば」増発もこの一環と考えられます。
特急「まほろば」の増発については、JR西日本のニュースリリースもご覧ください。
毎年恒例、ゴールデンウィークの臨時「サンライズ出雲」は1往復のみに!
毎年恒例となっていますが、ゴールデンウィークに寝台特急「サンライズ出雲」の臨時列車が運転されます。
- 特急「サンライズ出雲92号」
- 運転日: 5月2日(金)
- 運転時刻: 出雲市 14:05発 → 東京 06:23着
- 特急「サンライズ出雲91号」
- 運転日: 5月3日(土)
- 運転時刻: 東京 22:21発 → 出雲市 13:32着
- 使用車両: 285系7両(全車指定席)
最近は、ゴールデンウィークに2日間(2往復)運転が通例でしたが、2025年は1往復のみとなってしまいました。乗車率が芳しくない列車であれば止むを得ませんが、間違いなく満席になる臨時列車を減便しなくてはならない状況が気になりますね……。
「サンライズ出雲」については、以下の乗車記もご覧ください。
以上、『【2025年春の臨時列車】「花たび そうや号」は5月に4往復運転、夜行特急「アルプス」もGWに運転! 臨時「白馬しなの」は設定なし!』でした。例年通りの臨時列車が運転される路線が多いですが、「白馬しなの」の今後は気になりますね。
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