2019年も夏の青春18きっぷシーズンがやってきます。この夏がラストランとなる「きらきらうえつ」や、宗谷本線で運転される「風っこ そうや」など、夏の青春18きっぷでぜひ乗っておきたい列車・路線がいくつかあります。この記事では、そんな列車や路線を紹介していきます。ぜひ、この夏の鉄道旅行、乗り鉄の参考にしてみてください!
この夏がラストラン! 羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」
まず、ぜひ乗っておきたいのが、羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」です。2002年にデビューしてから17年。青春18きっぷユーザーご用達の観光列車です。運転日が多く、同じ区間を走る特急「いなほ」と遜色のない時間で新潟~酒田を結んでくれる頼もしい列車です。
この「きらきらうえつ」、2019年9月末で引退することが発表されています。つまり、この夏の青春18きっぷシーズンがラストラン!
青春18きっぷの長距離移動でお世話になった「きらきらうえつ」、青春18きっぷを利用して、乗り納めをしてみてはいかがでしょうか?
- 快速「きらきらうえつ」(通常運転)
- 運転日
- 7月5日(金)~7日(日)・19日(金)~21日(日)
- 8月9日(金)~19日(月)・21日(水)~25日(日)・30日(金)~31日(土)
- 9月1日(日)・6日(金)~8日(日)・20日(金)~23日(月)・27日(金)~29日(日)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 10:11発 → 酒田 12:51着
- 上り: 酒田 16:10発 → 新潟 18:31着
- 快速「きらきらうえつ」(秋田延長ダイヤ)
- 運転日
- 7月12日(金)~15日(月)
- 9月13日(金)~16日(月)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 09:31発 → 秋田 13:47着
- 上り: 秋田 14:07発 → 新潟 18:31着
- 快速「きらきらうえつ」(マリンダイヤ)
- 運転日
- 7月26日(金)~29日(月)・31日(水)
- 8月1日(木)~5日(月)・7日(水)・8日(木)
- 運転時刻
- 下り: 新潟 10:11発 → 酒田 13:14着
- 上り: 酒田 16:10発 → 新潟 18:31着
「きらきらうえつ」の乗車記は以下の記事をご覧ください。笹川流れをはじめとする日本海の風景を堪能することができます。
2019年10月以降は、新たな観光列車「海里」(KAIRI)にバトンタッチします。日本海の食を楽しめる観光列車ということで、こちらも期待大ですね。
最後の夏! 2020年5月に廃止予定、札沼線 北海道医療大学~新十津川
2020年5月6日の運行をもって、札沼線の北海道医療大学~新十津川間が廃止されます。JR北海道は、2018年12月に国土交通省に廃止届を提出済みです。
廃止まではまだ1年近く、青春18きっぷも、今年の冬、来年の春のシーズンがあります。ただし、冬の青春18きっぷシーズンは、北海道は厳しい冬の真っ最中、そして、春の青春18きっぷシーズンも、まだ春というには早い時期です。
季節の良い時期に青春18きっぷで札沼線の北海道医療大学~新十津川間に乗車できるのは、この夏の青春18きっぷシーズンが最後ということになります。
札沼線の終点、新十津川駅まで行く列車は1往復しかありません。札幌発着の場合、以下の乗り継ぎが唯一となります。
- 札幌 06:58発 → 石狩当別 07:38着/07:45発 → 新十津川 09:28着
- 新十津川 10:00発 → 北海道医療大学 11:18着/11:29発 → 札幌 12:15着
また、新十津川駅は、函館本線の滝川駅の近くです。徒歩でも1時間ほどで到着しますし、路線バスも1時間に1本ほど運転されています。
路線バスを利用して滝川駅から訪問する場合、または、札沼線で新十津川到着後に、滝川駅へ移動する場合は、以下の乗り継ぎが便利です。
- 札幌 → 滝川 → 新十津川
- 札幌 07:00発 → 滝川 08:36着(JR函館本線)
- 滝川駅前 09:04発 → 新十津川役場 09:17着(北海道中央バス)
- 新十津川役場前 09:17発 → 新十津川駅 09:21着(徒歩)
- → 新十津川 10:00発の札沼線に乗車可能
- 札幌 → 新十津川 → 滝川
- 札幌 06:58発 → 石狩当別 07:38着/07:45発 → 新十津川 09:28着(札沼線)
- 新十津川役場 10:45発 → 滝川駅前 11:04着(北海道中央バス)
札幌から札沼線で往復するのがラクですが、新十津川まで乗車後、札幌に戻らずに、道北や道東へ向かうのであれば、滝川駅まで路線バスを利用するのが便利ですね。
この夏限り? 宗谷本線のトロッコ列車「風っこ そうや」
この夏の注目列車の一つが、宗谷本線で運転されるトロッコ列車「風っこ そうや」です。
JR東日本から「びゅうコースター風っこ」を借り受けて、宗谷本線の稚内~音威子府間、音威子府~旭川間で運転します。
「風っこ」は、古い気動車を改造してトロッコ列車に仕立てた車両です。気動車の機動性を活かして、JR東日本のあちこちの路線で運転されていますが、2019年の夏は、JR北海道が宗谷本線で運行します。
宗谷本線といえば、天塩川の雄大な流れや、北海道らしい広大な田畑や牧場が広がる風景、それに、荒涼とした原野などの大自然を満喫できる路線。さわやかな北海道の夏、窓のないトロッコ列車で、雄大な自然の中を走るという、とても素晴らしい観光列車です。
運転日・運転時刻などは、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。全車指定席ですので、乗車したい方は、必ず座席指定券を確保しておきましょう。
避暑に最適! 小海線の観光列車「HIGH RAIL 1375」
夏の青春18きっぷの行先として、ぜひおすすめしたいのが小海線です。
「高原鉄道」としておなじみの小海線。日本全国のJR線で最も標高の高いところを通る路線です。最高地点は、清里~野辺山間の標高1,375メートル!
そんな小海線ですので、避暑には最適です。野辺山あたりは、平地に比べて10℃近く気温が低く、東京が猛暑日でも、野辺山の気温は27~28℃のことが多いのです。
さらに、小海線は車窓も抜群! 八ヶ岳や千曲川、そして、浅間山を眺めながらのんびりと旅をするのにピッタリの路線です。小海線の車窓については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
そして、小海線を旅するのであれば、おすすめしたいのが、観光列車「HIGH RAIL 1375」です。
古い気動車を改造した列車ですが、車内はそれとは思えないほど改良されています。景色が見やすい座席配置や、予約制のブランチやスイーツ、軽食や飲み物、お酒を買うことができる販売カウンターなど、観光列車としてのサービスが充実しています。
2019年の夏も、週末を中心に、夏休み期間中は、水曜・木曜以外は運転されます。
「HIGH RAIL 1375」の乗車方法(指定席券の買い方、ブランチ・スイーツなどのオプションの予約方法等)については、以下の記事をご覧ください。
また、夜間に運転される「HIGH RAIL 星空」もおすすめです。景色は見えませんが、野辺山駅での停車時間中に星空観察会が開催されます。
「HIGH RAIL 星空」については、以下の乗車記をご覧ください。
今年度内の全線運転再開に向けて急ピッチで復旧が進む「常磐線」
最後に紹介するのは常磐線です。
2011年の東日本大震災の津波と原発事故のダブルパンチで壊滅的な被害を受けてしまった常磐線ですが、徐々に復旧が進んでいます。現在は、帰還困難区域を含む富岡~浪江間のみが不通となっていますが、今年度内(2020年3月まで)の全線運転再開に向けて、急ピッチで復旧工事が進められています。
鉄道が不通となっている富岡~浪江間は代行バスが運転されています。時間に偏りはありますが、1日に5.5往復あり、1便を除くすべてで、上野~仙台の普通列車の乗り継ぎができるダイヤになっています。
そんな常磐線を、復興応援もかねて、青春18きっぷで旅してみてはいかがでしょうか?
特に、東日本大震災前に常磐線全線に乗車したことのある方は、ぜひこの機会に乗ってみてほしいと思います。津波の被害から復興しつつある沿線の街を車窓から眺めつつ、途中下車して食事をしたり、お土産を買ったり、できればどこかで宿泊したりすれば、少しでも復興の応援になります。
また、全線で運転が再開されるときには、現在の南北に分断された運行体系が大きく変わることになると思います。鉄道ファンとしても、現在の常磐線の姿を目に焼き付けておくのは、悪いことではないでしょう。
常磐線の代行バスを含む普通列車の乗り継ぎのダイヤを、以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。
2019年1月に常磐線全線を乗りとおしたときの乗車記です。
以上、「2019年夏の青春18きっぷで乗っておきたい列車・路線5選」でした。この夏の青春18きっぷシーズンでしか乗車できない列車から、夏ならではの列車・路線までを厳選してお届けしました。夏の青春18きっぷ旅の計画の参考にしてもらえればと思います。
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