S-TRAIN乗車レポートの2回目は、実際に出発してから下車するまでの様子をお伝えします。時間帯によって混雑の状況は大きく変わりそうですが、今回乗車したS-TRAIN104号はガラガラでした。ダイヤにはもっと工夫が必要になりそうです。
乗車までの様子と設備面でのレポートは、前回の記事をご覧ください。
平日夕方のS-TRAIN上りは混雑度低め?
今回乗車したのは、所沢15:18発のS-TRAIN104号豊洲行きです。時間帯が中途半端ということもありそうですが、車内はガラガラでした。ざっと見たところ、各車両に数名~10名程度といった感じです。それも、明らかに鉄道ファンと思われる試乗目当ての人が多く(私もですが…)、本来の乗客はかなり少なかったように思います。
途中、保谷と石神井公園からも乗車が可能ですが、ほとんど乗車はなかったようです。
ダイヤの修正が必要かも?
平日上りのS-TRAINは、所沢発の時刻で、102号が06:24発、104号が15:18発、106号が18:20発、108号が21:20発というダイヤで、朝のラッシュ時間帯(というには少し早いですが)の運転は102号の1本のみです。
下車できるのが、飯田橋、有楽町、豊洲という有楽町線の3駅のみなのですが、104号、106号、108号はどのような乗客を対象にしているのか不思議に思いました。下り列車の豊洲への送り込みを、営業列車として運転しているという感じでしょうか?
出発から下車まで
前置きが長くなりましたが、出発から下車までをレポートしてみます。
西武池袋線内は快調に飛ばす
所沢を15:18に出発すると、西武池袋線内を快調に飛ばします。停車駅以外ではスピードを緩めることはなく、前を走る列車に引っかかることもなかったようです。このあたりは、さすがに日中時間帯から特急列車が走るダイヤができている西武線らしいですね。
15:28に保谷、15:33に石神井公園に停車しますが、車内には「乗車専用駅ですので降車はできません」というアナウンスが繰り返し流れます。前述の通り、途中駅からの乗車はほとんどなかったようです。少なくとも、私が乗っていた4号車に乗ってきた乗客はありませんでした。
石神井公園からは複々線になりますが、急行線側を快調に飛ばしていきます。15:38頃に練馬駅に到着。地下へ入る西武有楽町線側のホーム(4番線)に停車します。ダイヤ上は練馬駅には停車しないことになっているので運転停車のようです。車内には「機器の切り替えのために停車します」とのアナウンスが。地下鉄線に入るにあたって、保安装置の切り替えの必要があるのでしょうか? S-TRAIN以外には西武有楽町線に直通する列車が練馬駅を通過することはないでしょうから、運転停車という扱いもS-TRAINが初めてなのかもしれません。
地下に入るとノロノロ運転、全駅に停車しても所要時間は変わらないのでは…?
練馬駅を出ると、すぐに地下に入ります。ここからは、西武池袋線内をかなり飛ばしてきたのとは打って変わって、ノロノロ運転になります。西武有楽町線~東京メトロ有楽町線は、全列車が各駅停車のダイヤになっていて、優等列車が走るようにはなっていませんので、仕方がないのですが…。
小竹向原で運転停車。乗務員交代とのアナウンスがあり、西武から東京メトロの乗務員に交代するのでしょう。ただ、停車時間が5分程度とかなり長いように感じました。
小竹向原を出ると、私が下車した飯田橋までは運転停車はなかったのですが、終始ノロノロ運転。途中停車駅を飯田橋と有楽町に限定する必要があるのかと思うほどのノロノロ運転でした。
実際にダイヤを見ると、
- S-TRAIN104号 飯田橋 16:00発 → 有楽町 16:12発 → 豊洲 16:18着
- S-TRAINの1本前の列車 飯田橋 15:58発 → 有楽町 16:08発 → 豊洲 16:15着
となっていて、1本前を走る有楽町線の列車と所要時間はほとんど変わりません。
誤乗防止とか、上り下りで停車駅を合わせたいとか、いろいろな事情はありそうですが、せめて池袋と永田町あたりには停車してもよいのでは? と思ってしまいました。
平日運転S-TRAINのメリットは「有楽町線主要駅までの座席が確保されていること」この1点に尽きる
ということで、平日運転のS-TRAINの上り列車に乗ってきたわけですが、乗ってみて感じたのは、このS-TRAINのメリットは、有楽町線主要駅までの座席が確保されていること に尽きるということです。
有楽町線内のノロノロ運転を考えると、速達性はそれほど期待できません。平日ダイヤでも、有楽町線に直通する通勤急行や快速などがかなり運転されています。
「有料座席指定列車」として、確実に座れることをアピールしていますので、このメリットは想定通りなのかもしれません。ただ、同じ西武線を走る特急レッドアローは、座席指定に加えて速達性や快適性にも優れます。特急料金の価格帯がS-TRAINの指定料金とほぼ同じなので、どうしても比べてしまいますね。
あとは、通勤客向けに座席指定をアピールするのであれば、通勤時間帯に利用しやすいダイヤにしていく必要がありそうです。少なくとも、朝の上りが所沢発06:24のS-TRAIN102号のみというのはいただけません。
夕方以降の上りS-TRAINも、池袋に停車して、指定料金を300円くらいにすれば、もっと需要はありそうに思いました。もっとも、西武としてはレッドアローとの差別化が難しいのかもしれませんが。
以上、S-TRAINの乗車レポートをお伝えしました。かなり辛口のレポートになってしまいましたが、まだ運転が始まったばかりの列車ですので、利用実績などを踏まえて、より使いやすい列車になっていくことを期待したいと思います。
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