6月のとある平日、午前中に所用を済ませたあと、関東鉄道常総線と竜ケ崎線に乗車してきました。この記事では、まず常総線に乗車した様子をお伝えしようと思います。
気動車が頻繁に行き交う通勤・通学路線
関東鉄道常総線は、茨城県の取手と下館を結ぶ非電化路線です。非電化路線というと「閑散とした田舎のローカル線」を思い浮かべるかもしれませんが、この常総線は違います。常総線の路線長は約51kmですが、南側のおおよそ3分の1にあたる取手~水海道間は複線になっていて、朝ラッシュ時には最大で1時間に10本、日中も1時間に4本の列車が走っています。
取手でJR常磐線に、途中の守谷でつくばエクスプレスに接続しているため、これらの駅で乗り換えて都心方面へ通勤・通学する乗客がとても多いのです。この南側の区間は、非電化路線とはいえ、通勤通学路線として沿線住民にとってはなくてはならない鉄道となっています。
ちなみに、こんなに多くの列車が走っているのに非電化のままなのは、茨城県石岡市にある気象庁地磁気観測所への影響を避けるためとのことです。同じ理由で、常磐線では取手以北が交流電化になっています。
改札もホームも立派な守谷駅
午前中に所用を済ませたあと、つくばエクスプレスで守谷駅に出ました。ここから常総線の取手行きに乗車します。
守谷駅の改札口です。つくばエクスプレスとの乗換駅ということもあって、水海道とならぶ常総線の主要駅となっています。自動改札機が並び、首都圏の大手私鉄の駅ではないかと思うほど立派な駅です。
Suicaをタッチして改札を抜け、階段でホームに下ります。ホームは2面4線、こちらもホーム長が長い立派なホームです。大手私鉄の緩急接続駅を思い浮かべてしまいますね。
守谷駅の取手方面の時刻表です。平日7時台は9本も列車があるのがわかります。2両編成の列車が多いようですが、日中は1両の列車もあります。
やってきたのは単行気動車
ところが、こんな立派なホームにやってきた列車は、単行気動車。ホームの中ほどにちょこんと停車します。
つくばエクスプレスとの乗換駅ということもあってか、ほとんどの乗客が下車。乗車した客のほうが少なく、ロングシートの車内は10名程度の乗客を乗せて出発しました。
各駅で乗客を拾いながら取手へ
ロングシートの座席はかなり空いていますが、せっかくなので運転席の後ろに陣取ってかぶりつきをしていきます。
上の写真のように、架線のない複線の線路をのんびりと走っていきます。架線がないので空が広く感じます。線形は悪くないのでそこそこのスピードは出ますが、駅間距離が短いために、それほど飛ばす感じではありません。
駅に停車するときは、駅ホームのかなり手前から減速します。普段、乗りなれている10両や15両の電車は、ほどんど減速しないままホームに進入していきますが、こちらはたった1両の気動車。ホームにかかったらすぐに停車しなくてはいけないのです。
下車する客は少ない一方で、乗車する客のほうが多く、気がつくとロングシートの座席はすべて埋まり、立ち客も出るほどに混雑してきました。平日の昼間(11時前後)の列車でしたが、朝のラッシュが終わったあとも、沿線住民の足として頼りにされているようです。
守谷から取手までは18分ほどの乗車時間ですが、その間に3本もの対向列車とすれ違いました。15分に1本ほどの頻度で運転されているからなのですが、今どき、1両や2両の気動車がここまで頻繁にすれ違う路線は、そうそうないと思います。
そんなこんなで、11時過ぎに取手駅に到着。関東鉄道常総線のミニ汽車旅は終了です。この後は、常磐線に乗り換えて、竜ケ崎線の起点駅、佐貫(さぬき)駅をを目指します。(つづく)
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2015年夏に関東鉄道常総線を全線乗車したときの乗車記です。今回は乗車しなかった単線区間の駅での途中下車もしていますので、よろしければご覧ください。
以下は、今回のミニ汽車旅の旅行記です。
コメント
>普段、乗りなれている10両や15両の電車は、ほどんど減速しないままホームに進入していきます
20m×10両=200m+α ですよね。
鉄のレールに鉄の車輪でよく停まるなぁっていつも思っているんです。
kentaro-takanoさん、コメントありがとうございます。
そうですね、200mもあればかなり速度が出ていても止まれるんでしょうね。
雨の日なんかはたまに滑っていますが、ブレーキがロックしないような技術があるんでしょうね。