観光列車の楽しみの一つに、車内でのいただくグルメがあります。沿線やその土地の食材をふんだんに活用したお食事やスイーツは、旅の楽しみを倍増させてくれます。この記事では、お手軽に車内でグルメを楽しめる筆者おすすめの観光列車を紹介します。
車内で手軽にグルメを楽しめる観光列車
観光列車の楽しみの一つが、車内での飲食です。美しい車窓を眺めながら、車内でいただくお食事やスイーツは最高です。
フルコースのお食事をいただくことができる、いわゆる「レストラン列車」のような観光列車も多数運転されていますが、お値段がかなり高かったり、乗車の数日前までに予約が必要であったりと、観光の途中で手軽に乗車できるものではありません。
一方、最近では、車窓をウリにした観光列車でも、車内で沿線の食材を利用したグルメをいただくことができる列車が増えています。車内の売店で限定のお弁当を購入できたり、事前予約のスイーツが提供されたり。お値段もレストラン列車に比べるとお手頃です。
この記事では、車内で手軽にグルメを楽しめる観光列車を紹介していきます。
沿線の食材を利用したお食事・お弁当を楽しめる観光列車
旅行に出たら、その土地のおいしいものを食べたくなりますね。観光列車でも同じで、沿線の食材を活用したお食事やお弁当を提供してくれる列車が多くあります。
【海里】新潟・庄内地方の食材を利用したちょっと豪華なお弁当!(羽越本線)
新潟~酒田を羽越本線経由で結ぶ観光列車「海里」は、日本海の車窓だけでなく、「食」も楽しめる観光列車です。
4号車のダイニングでは、沿線の食材を利用したお食事をいただくことができますが、旅行商品限定となっています。一方、乗車券+指定席券で乗車できる1号車、2号車に乗車する場合には、売店で「海里特製弁当」を購入することができます。
車内で購入できるお弁当は2種類。こちらは、下り列車(酒田行き)で販売される「海里特製 加島屋御膳」(2,300円)です。キングサーモンの味噌漬け、海老しんじょう、いくら醤油漬など新潟の食材を使ったおかずに加えて、魚沼産コシヒカリのご飯。2,300円と、通常の駅弁に比べるとやや高めですが、とてもおいしいお弁当です。
こちらは、上り列車(新潟行き)で販売される「海里特製 庄内弁」です。庄内沖旬魚の味噌粕漬、だだちゃ豆のめっこい巻、庄内の食材を活かした総菜など、品数が多いのが特徴です。お酒が好きな方は、おつまみにも最適ですね。売店で、お酒やビールを合わせて購入することができます。
日本海の絶景車窓を眺めながら、ちょっと豪華な特製弁当をいただくことができる観光列車「海里」。車窓もグルメも楽しめるおすすめの観光列車です。
「海里」については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
【べるもんた】車内で握られたお寿司が名物の観光列車!(城端線・氷見線)
城端線、氷見線を走るJR西日本の観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称: べるもんた)は、キハ40形気動車を改造した1両のみの小さな観光列車です。土曜日・日曜日にコンスタントに運転されています。
「べるもんた」の車内でいただけるグルメは、富山湾の新鮮な海の幸を利用したお寿司や丼ものと、沿線の地酒です。
上の写真は「ぷち富山湾鮨セット」(2,100円)ですが、このお寿司、実は、車内に乗り込んでいる寿司職人が、列車の中で握ってくれるのです。
車両の端、元は乗降口があったところに寿司カウンターがあり、そこで注文を受けたり、お寿司を握ったりしています。できたものから各席へ届けてくれるのです。
「べるもんた」は、城端線沿線の田園風景や、氷見線の車窓から富山湾を眺めながら、新鮮なネタを使ったお寿司を食べながら旅ができる観光列車なのです。
「べるもんた」は全車指定席の快速列車として運転されていますので、事前に指定席券を購入しておきましょう。JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で購入できます。また、お寿司などのお食事は、事前予約が必要です。在庫に余裕があれば、当日注文も受け付けてくれますが、確実に食べたければ事前予約をしておきましょう。
「べるもんた」の乗車記、指定席やお食事の予約方法は、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
【花嫁のれん】軽食やスイーツ、沿線のお菓子やお酒が魅力的!(七尾線)
「花嫁のれん」は、金沢~和倉温泉間で運転されている観光列車です。婚礼の日に、花嫁の幸せを願ってのれんを贈る能登の伝統文化をコンセプトにした列車で、車内は本物の金箔を利用した華やかな装飾がなされています。
主に金曜日と土休日に2往復が運転されていて、能登観光や和倉温泉へのアクセスにもぴったりの列車です。
(出典)JR西日本 花嫁のれん
そんな「花嫁のれん」の車内では、事前予約で、スイーツセットや和軽食セット、ほろよいセットなどをいただくことができます。食事というよりも、軽食、おやつといった感じですが、いずれも2,000円~2,500円程度と、お手頃な価格となっています。
また、車内販売も充実しています。金沢や能登のソフトドリンク、日本酒やビール、おつまみ、お菓子など、手軽に購入して飲食できるメニューが揃っています。
片道の乗車時間が1時間20分前後とそれほど長くはありませんが、車窓やインテリアを眺めつつ、沿線のグルメも楽しめる観光列車です。
「花嫁のれん」は全車指定席の特急列車として運転されています。JR西日本の「e5489」で特急券をあらかじめ購入しておきましょう。また、事前予約の軽食やスイーツを希望する場合は、乗車日の4日前までに、駅の窓口、主な旅行会社などで「花嫁のれん食事券」を購入しておきましょう。
「花嫁のれん」について、詳しくは以下の記事をご覧ください。乗車記に加えて、特急券、車内提供の軽食の予約購入方法もわかりやすく紹介しています。
【四国まんなか千年ものがたり】さぬきの本格的なお食事をいただける全車グリーン席の豪華観光列車!
「四国まんなか千年ものがたり」は、列車名のとおり、四国の真ん中あたり、土讃線の多度津~大歩危間で運転されている観光列車です。全車グリーン席の特急列車として運転される、ちょっと豪華な観光列車です。
車内はまるでレストランのよう。さすがにグリーン席だけあり、座席はかなりゆったりした配置になっています。4人掛け、2人掛けのテーブルのほかに、カウンター席もあります。
(出典)四国まんなか千年ものがたり Webサイト(JR四国)
事前予約すれば、車内で本格的なお食事をいただくことができます。上の写真は、大歩危行きの列車で提供される「さぬきこだわり食材の洋風料理」。季節ごとにメニューが変わりますが、さぬき地方の食材を利用した洋食です。
お値段は5,000円台と、このページで紹介している食事に比べるとやや高めです。それでも、乗車時間が比較的長いため、ゆっくりとお食事を楽しむことができます。
また、事前予約のお食事以外にも、ソフトドリンク、地酒やビールなどのアルコール類、軽食、おつまみなどを注文することができます。メニューが豊富で、お食事を予約していなくても、沿線のグルメを楽しむことができます。
アテンダントが席まで注文を取りに来てくれるあたり、レストランそのままという感じです。
吉野川の流れや、大歩危峡・小歩危峡の渓谷美を楽しみながら、グルメも味わえる、そんな観光列車です。
「四国まんなか千年ものがたり」は、全車グリーン席の特急列車として運転されていますので、事前に座席を指定したきっぷ類を購入しておく必要があります。
「四国まんなか千年ものがたり」に乗車記に加えて、きっぷ類の購入方法、お食事の予約方法などについて、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
沿線のフルーツを利用したスイーツを味わえる観光列車
観光列車で味わえるグルメとしては、スイーツも外せません。沿線のフルーツをふんだんに使った、おいしいスイーツを味わいながら旅ができる観光列車を紹介します。
【etSETOra(エトセトラ)】沿線のお菓子屋さんのスイーツがおいしい観光列車
「etSETOra(エトセトラ)」は、広島~尾道間を呉線経由で運転されている観光列車です。瀬戸内海のおだやかな海を眺めつつ、車内で提供されるスイーツを楽しめます。
「etSETOra(エトセトラ)」の車内では、事前予約制で、「瀬戸の小箱」というスイーツのセットが提供されます。「瀬戸の小箱」は、往路(尾道行き)、復路(広島行き)でメニューが異なります。往路・復路それぞれ2種類、合計4種類の中から選ぶことができます。
また、車内販売も充実しています。瀬戸内名産のレモンを利用したスイーツやソフトドリンク、アルコール等を購入して、車内でいただくことができます。
全車グリーン席の車内はとてもゆったりとしています。瀬戸内海の車窓を眺めながら、沿線のスイーツを楽しむことができます。
午後に運転される復路(尾道発広島行き)限定ですが、車内にあるバーカウンターでお酒を購入することができる「トレインバー」も営業されます。カクテル、ビール、ウイスキー、日本酒など、さまざまなお酒が提供されますので、アルコール派の方は復路の乗車をおすすめします。
「etSETOra(エトセトラ)」は、全車グリーン席の快速列車として運転されますので、あらかじめグリーン券を購入しておきましょう。運転日は、土休日に加えて、月曜日、金曜日にも運転されることが多く、比較的乗車しやすい列車です。
「etSETOra(エトセトラ)」のグリーン券の予約購入方法、車内提供のスイーツの予約方法、乗車記などを、以下の記事で公開しています。ぜひご覧ください。
沿線のお酒を楽しめる観光列車
観光列車のグルメの一つに「お酒」があります。車内販売がある多くの列車で、アルコール類を販売していますが、ここでは「お酒」そのものをコンセプトにした、少し変わり種の観光列車を紹介します。
【越乃Shu*Kura】新潟のお酒をコンセプトにした観光列車! 車内では振る舞い酒も!
「越乃Shu*Kura」は、上越妙高~十日町間を、信越本線・上越線・飯山線経由で運転されている観光列車です。その特徴は、新潟の「お酒」をコンセプトにした観光列車であるということ。この列車では「お酒」が主役なのです。
「越乃Shu*Kura」は3両編成ですが、1号車は旅行商品限定、3号車は乗車券+指定席券で乗車できます。2号車には、上の写真のように、お酒を購入できる販売カウンター「蔵守~Kuramori~」と、まるで日本酒バーのようなイベントスペースがあります。
販売カウンター「蔵守~Kuramori~」では、常時、5種類の日本酒を提供しています。小さなおちょこで提供される利き酒(300円~500円)がありますので、少しずつたくさんの種類のお酒を味わうこともできます。
また、車内イベントの一環として、沿線の酒蔵のお酒が提供される振る舞い酒も実施されます。以前は、2号車のイベントスペースで実施されていましたが、いまは新型コロナウイルス対策のため、アテンダントが各席に配布してくれます。
「越乃Shu*Kura」は、全車指定席の快速列車として運転されています。乗車する区間の乗車券のほかに、指定席券が必要になりますので、あらかじめ購入しておきましょう。また、1号車は、旅行商品専用となっていて、軽食(おつまみ)とお酒がセットになっています。
「越乃Shu*Kura」の乗車記、指定席の予約方法等については、以下の記事をご覧ください。
以上、お手軽に車内グルメを楽しめる観光列車を紹介しました。お弁当やお食事以外にも、スイーツやお酒などを楽しめる列車があります。比較的、お手頃な価格でグルメを楽しめる列車を紹介しましたので、ぜひ鉄道旅行の参考にしてみてください。
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