毎年2~3月に開催される「水戸の梅まつり」では、メイン会場となる偕楽園の「東西梅林」で3000本もの梅の花が咲き乱れます。また、無料で見られるエリアで「田鶴鳴梅林」にも1,000本の梅の木が植えられていて、観梅を楽しむことができます。
この記事では、「水戸の梅まつり」のメイン会場となる「偕楽園」への公共交通機関(電車・バス)でのアクセス方法、「水戸の梅まつり」平日の混雑状況、見ごろを迎えた東西梅林や田鶴鳴梅林の様子などについて紹介します。
【まとめ】偕楽園「水戸の梅まつり」
- 観梅のメインとなる偕楽園「東西梅林」へは、偕楽園「東門」または「表門」が便利
- 水戸駅北口から茨城交通「10番」の路線バスで 「偕楽園・常磐神社前」(東門)または「好文亭表門入口 」(表門)で下車
- 3月の土休日はJR常磐線の臨時駅「偕楽園駅」からのアクセスも可能
- ゆっくり観梅するなら早い時間ほどおすすめ! 「水戸の梅まつり」時期は午前6時に開園(平日午前9時台は比較的空いているが、午前10時半頃からかなり混雑する傾向)
梅の時期に偕楽園で開催される「水戸の梅まつり」
「水戸の梅まつり」は、偕楽園・弘道館で開催される梅まつりです。120年以上の歴史を持つ由緒ある梅まつりです。
メイン会場となる偕楽園では、本園の北側に広がる「東西梅林」に、100品種以上、3000本もの梅が植えられていて、その中を遊歩道が通っています。遊歩道を散策しながら、頭上で咲き乱れる梅を楽しむことができるのです。
「水戸の梅まつり」については、「観光いばらき」のWebサイトをご確認ください。
「水戸の梅まつり」開催中の偕楽園への電車・バスでのアクセス
偕楽園への公共交通機関(電車・バス)でのアクセス方法を紹介します。偕楽園の中でも観梅のメインとなる「東西梅林」に近いバス停も紹介します。
観梅のメイン会場「東西梅林」へは「表門」「東門」が便利
偕楽園には4つの門がありますが、そのうち3000本の梅が植えられている「東西梅林」に近い門は、「表門」と「東門」の2つです。東西梅林は有料エリアとなる「偕楽園本園」の中にありますので、各門にある料金所で料金(大人300円、小中学生・70歳以上150円)を支払って入園します。
「表門」を入るとすぐに東西梅林の北西側の端に着きます。ここから東西梅林を散策して、東側にある「東門」に抜けることができます。
一方、「東門」は東西梅林の東端にアクセスできます。あとで紹介しますが、東門の手前には常盤神社があり、「梅まつり」の期間中は屋台などがたくさん出ています。水戸駅から偕楽園行きの路線バスの終点でもあり、最もわかりやすい入口になっています。
水戸駅から茨城交通バス・関東鉄道バスで偕楽園へ
偕楽園は水戸市街地のやや南側に位置し、水戸駅から路線バスでアクセスするのが一般的です。先ほど紹介した偕楽園の「表門」「東門」に近いバス停へ行く路線バスと、水戸駅での乗り場を紹介します。
- 偕楽園「表門」近くのバス停へ
- 水戸駅北口 4番乗り場から茨城交通バス「10番」に乗車して「好文亭表門入口 」で下車(表門まで徒歩5分)
偕楽園に「表門」から入る場合には、水戸駅から茨城交通の「10番」のバス(バス前面の行先表示の最初に示されている数字)で約15分の「好文亭表門入口 」バス停で下車して5分ほど歩くことになります。上の地図に示した経路で歩けばわかりやすいと思います。
- 偕楽園「東門」近くのバス停へ
- 水戸駅北口 4番乗り場から茨城交通バス「10番」に乗車して「偕楽園・常磐神社前」で下車(東門まで徒歩3分)
- 水戸駅北口 6番乗り場から関東鉄道バス「偕楽園行き」に乗車して終点「偕楽園」で下車(東門まで徒歩5分)
偕楽園「東門」へは、水戸駅から茨城交通の「10番」のバスに乗車して、終点の「偕楽園・常磐神社前」で下車します。このバス停から常盤神社前の参道を経由して東門まで歩きます。
また、関東鉄道バスの「偕楽園行き」に乗車して終点の「偕楽園」バス停で下車して歩く方法もあります。関東鉄道の「偕楽園」バス停は、JR常磐線の偕楽園駅の近くにあります。
最もわかりやすいのは、「偕楽園・常磐神社前」バス停から東門へ歩く方法です。バス停の目の前に駐車場があり、その横に常盤神社があります。「水戸の梅まつり」期間中には屋台が出ている常盤神社の前の参道を歩くと、すぐに東門の入口に到着します。
茨城交通バスについては、以下の「水戸の梅まつり期間 - 茨城交通路線バス運行」のWebページをご確認ください。臨時バスも含めた時刻表も掲載されています。
なお、茨城交通バスはSuica、PASMOなどの交通系ICカードを利用することができません。現金で支払うか、水戸駅北口バス停近くで販売されている「水戸漫遊1日フリーきっぷ」を利用すると良いでしょう。
関東鉄道バスについては、以下のWebサイトをご確認ください。バスの本数は多くありませんが、交通系ICカードを利用することができます。
水戸駅~偕楽園を路線バスで往復する場合には、ここで紹介した茨城交通や関東電鉄の対象路線に1日乗り放題となるフリーきっぷ「水戸漫遊1日フリーきっぷ」(400円)がおすすめです。水戸駅~偕楽園間は片道240円、往復で480円ですので、往復するだけでもお得になります。詳しくは、茨城交通のWebサイトをご覧ください。
JR常磐線の臨時駅「偕楽園駅」
「水戸の梅まつり」開催中の一部の土休日には、常磐線の水戸駅の一つ南側にある臨時駅「偕楽園駅」に、日中時間帯の下り列車が臨時停車します。普通列車だけでなく、特急「ひたち」「ときわ」も偕楽園駅に停車します。
2023年の臨時駅「偕楽園駅」の開設日、普通列車・特急列車の臨時停車する時間帯は以下のとおりです。
- 「偕楽園駅」開設日
- 2023年3月4日(土),5日(日),11日(土),12日(日),18日(土),19日(日),21日(火・祝),25日(土),26日(日)
- 「偕楽園駅」に列車が臨時停車する時間帯
- 9時17分~16時33分(偕楽園駅到着時刻)
なお、偕楽園駅は下り線にしかホームがありません。上野や東京方面から水戸に向かう場合には下り列車に乗ることになりますので、上記開設日・時間帯の列車であれば偕楽園駅で下車できます。一方、水戸以北から上り線でやってくる場合には偕楽園駅には停車しませんので、水戸駅で下車して、前述の路線バス利用となります。
臨時駅「偕楽園駅」の開設については、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
偕楽園駅に直接アクセスできる臨時特急列車(2023年)
「水戸の梅まつり」期間中には、首都圏と仙台方面から偕楽園へ直接アクセスできる臨時特急列車が運転されます。
首都圏方面からは、以下の3つの臨時列車が運転されます。
- 特急「水戸偕楽園大宮号」
- 運転日: 3月4日(土),5日(日)
- 運転時刻(往路): 大宮 08:16発 → 偕楽園 10:00着 → 勝田 10:09着
- 運転時刻(復路): 勝田 13:54発 → 大宮 15:55着
- 途中停車駅: 南浦和、吉川美南、偕楽園(下りのみ)、水戸
- 使用車両: E653系7両(全車指定席)
- 特急「水戸偕楽園八王子号」
- 運転日: 3月11日(土),12日(日)
- 運転時刻(往路): 八王子 07:40発 → 偕楽園 10:00着 → 勝田 10:09着
- 運転時刻(復路): 勝田 16:24発 → 八王子 18:39着
- 途中停車駅: 立川、新秋津、北朝霞、南浦和、南越谷、吉川美南、偕楽園(下りのみ)、水戸
- 使用車両: E653系7両(全車指定席)
- 特急「水戸偕楽園八蘇我号」
- 運転日: 3月18日(土),19日(日)
- 運転時刻(往路): 蘇我 08:33発 → 偕楽園 10:26着 → 勝田 10:37着
- 運転時刻(復路): 勝田 15:54発 → 蘇我 17:57着
- 途中停車駅: 海浜幕張、西船橋、偕楽園(下りのみ)、水戸
- 使用車両: E653系7両(全車指定席)
仙台方面からは、臨時「ひたち92号」(水戸偕楽園号)が運転されます。
- 特急「ひたち92号」(水戸偕楽園号)
- 運転日: 3月4日(土),11日(土)
- 運転時刻: 仙台 08:36発 → 水戸 12:00着/12:07発 → 偕楽園 12:26着 → 水戸 12:30着
- 途中停車駅: 岩沼、亘理、原ノ町、いわき、湯本、泉、勝田、水戸、偕楽園
- 使用車両: E657系10両(全車指定席)
特急「ひたち92号」(水戸偕楽園号)は水戸駅に到着後、快速「水戸偕楽園号」として水戸~偕楽園間を往復します。快速として運転される水戸~偕楽園間は全車自由席ですが、特急「ひたち92号」と同一車両で運転されるため、そのまま乗車していれば偕楽園駅に到着します。
「水戸の梅まつり」偕楽園の混雑状況
偕楽園の梅まつりは非常に有名ですので、混雑が気になるところだと思います。今回は平日の午前中に見に行きましたが、そのときの混雑状況を簡単にお伝えします。
「水戸の梅まつり」時期は午前6時に開園! 早い時間ほど空いている!
3月上旬の平日(偕楽園の開花状況は97%)の混雑状況ですが、簡単にまとめると以下のとおりとなります。
- 午前9時台は比較的空いている
- 午前10時半頃から急に混雑してくる
この写真は、平日の9時40分頃に東西梅林の遊歩道で撮影したものです。この時間帯、それなりに観梅客はいますが、人が途切れることも多く、人を入れずに写真を撮ることができるレベルです。
こちらの写真は、同じ日の10時半頃に撮影したものです。遊歩道にかなり人が増えてきて混雑しているのがわかります。人を視野に入れずに写真を撮ることはかなり難しくなります。
もっとも、写真目的ではなく、のんびり散策しながら観梅するのであれば、ストレスを感じるほどではありませんでした。
都心から特急「ひたち」「ときわ」で偕楽園駅にやってくる観梅客は、以下に示す特急列車以降の列車を利用するケースが多いと思われます。
- ひたち3号: 品川 07:43発 → 上野 08:00発 → 偕楽園 09:17着
- ときわ53号: 品川 08:15発 → 上野 08:30発 → 偕楽園 09:47着
これより前の特急列車(ひたち1号など)は偕楽園駅に停車しません。偕楽園駅に停車するようになる時間帯の特急列車で、一番早い時間帯が午前9時台なのです。
東西梅林がある「偕楽園本園」の開園時間は、6時~19時(2月中旬~9月)となっています。さすがに午前6~7時台は、地元の方か、水戸駅周辺に前泊するかしないと難しいですが、早朝に出発すれば都心からでも午前8~9時台には到着することができます。
東西梅林の梅をゆっくり眺めたい、ゆったりと写真撮影したいという方は、できるだけ早い時間帯に偕楽園に到着することをおすすめします。
本園外の「田鶴鳴梅林」は空いていておすすめ!
偕楽園の梅といえば東西梅林がメインなのは間違いありませんが、常磐線の線路を挟んで南側にある「田鶴鳴梅林」(たずなきばいりん)にも約1,000本の梅の木が植えられています。
東西梅林と同じ時期に開花しますが、こちらは東西梅林よりも空いていて、ゆっくりと観梅するのであればおすすめです。
東西梅林の3,000本には及びませんが、それでも1,000本という多くの梅の木が植えられていて、幅の広い遊歩道の両側に梅の花が咲いている様子を眺めることができます。
「田鶴鳴梅林」は有料エリアとなる本園の外にあり、一般の公園のようになっています。道路からそのまま梅林に入ることができます。本園に比べると、ペットを連れての入園ができたり、自転車の乗り入れが可能であったりと制限が緩く、地元の方々の憩いの場にもなっているようでした。
東西梅林を観梅したあとで田鶴鳴梅林を訪れる場合には、東門から本園を出て、南側に下ったところにある常磐線の線路を超える歩道橋「偕楽橋」を渡っていくことができます。
偕楽園「水戸の梅まつり」観梅散策
偕楽園を散策しながら観梅を楽しみましたので、その様子を紹介します。前述のように、訪れたのは2023年3月上旬で、「水戸の梅まつり」のWebサイトでは、「偕楽園で97%が開花」という開花状況でした。
さまざまな品種の梅を楽しめる「東西梅林」
東西梅林の遊歩道です。梅林の中を散策できるように、あちこちに遊歩道が通っています。そこを歩きながら、両側に咲いている梅の花を鑑賞します。中には、上の写真のように、梅の花のトンネルになっているようなところもあります。
「梅」といっても千差万別。偕楽園には約100品種にもなる梅が植えられています。この写真の梅のように白い花の梅(白梅)もあれば、淡い紅色や濃い紅色、薄緑色など、色だけとってみてもさまざまな梅があります。
梅の品種がこんなに多いのは、原種に近い「野梅系」の他に、梅の近縁となるスモモとの交雑種「李系」やアンズとの交雑種「杏系」などがあるためだそうです。
上の写真の「古金襴」は杏系の梅で、花が大きく鮮やかなのが特徴です。
「月影」という品種です。梅の原種に近い野梅系の一種で、わずかに薄緑色をした花です。「月影」という名前がよく似合っていると思います。偕楽園を代表する「水戸の六名木」の一つです。
何となく見て楽しむも良し、それぞれの木に掲示されている品種名を見ながら梅の花の違いを楽しむも良し。いろいろな楽しみ方がありますね。
「藤牡丹枝垂」という梅です。枝垂桜のように垂れていて風流です。花が重厚なのは、花弁が一つずつ離れている「一重」だけでなく、この「藤牡丹枝垂」のように花弁が重なっている「八重」があるからなのですね。
東西梅林の南端部、見晴広場の近くには、大きな木の梅がたくさんあります。この写真はそのうちの一つですが、一部だけ薄紅色の花をつけているのが面白いですね。
「烈公梅」(れっこうばい)という梅です。やや濃いピンク色の花がまとまって咲いていて目立ちます。
これも「水戸の六名木」のひとつで、水戸にしかない品種なのだそうです。「烈公」というのは、偕楽園や弘道館を拓いた水戸藩の第9代藩主「徳川斉昭」(とくがわ なりあき)の別称です。
先ほどの「烈公梅」ですが、空に向けて伸びる枝に花がたくさんついていて、力強さもあります。枝垂系の梅とは対照的です。
こんな感じで、東西梅林を1時間ほど散策しながら観梅を楽しみました。
見晴広場下の線路際の遊歩道は梅のトンネル
芝生の広場になっている見晴広場から線路際へ少し下ったところにある遊歩道にも梅があります。このように梅の花のトンネルになっているところもあります。時間があれば、こちらも歩いてみることをおすすめします。
この遊歩道のすぐ下は常磐線の線路です。常磐線の列車の中から見える偕楽園の梅は、この遊歩道沿いと、反対側の田鶴鳴梅林の梅です。東西梅林は、少し高くなった見晴広場のさらに奥にあるので、列車の中からは見えません。
偕楽園本園から出て、田鶴鳴梅林へ向かう「偕楽橋」の上から撮影しました。線路の右側の梅が先ほどの遊歩道沿いのものです。線路の反対側、左側は田鶴鳴梅林の梅です。
私は撮り鉄ではないので下手な写真ですが、この橋の上から列車と桜を狙っている方が何名かいました。日中時間帯であれば、普通列車、特急列車それぞれ30分に1本、上下合わせれば30分に2本(合計4本)の列車が通るので、それなりに狙えます。
ゆったりと観梅ができる「田鶴鳴梅林」
偕楽橋で常磐線の線路を渡ったところに「田鶴鳴梅林」の入口があります。ここから幅の広い舗装された遊歩道が続いていて、その両側に梅がたくさん植えられています。
こちらまでやってくる観光客は多くないのか、地元の方が散歩していたり、犬を散歩させていたりと、のんびりとした雰囲気です。
このまま遊歩道を歩いていくと、猩猩梅林へと続きます。また、近くには千波湖など散策に適したところが多くありますので、お散歩を楽しむのも良いでしょう。
以上、『【偕楽園】「水戸の梅まつり」を見に偕楽園へ行こう! 電車・バスでのアクセス、混雑状況、おすすめ観梅ルートを紹介します!(2023年版)』でした。日本三大庭園の偕楽園が誇る東西梅林、ぜひ見に行ってみてください。
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梅の季節が終わると、次は桜の季節です。以下の記事では、青春18きっぷで首都圏近郊の桜の名所を巡ってきたときの様子を紹介しています。
別のブログ(登山ブログ)に掲載している記事ですが、神奈川県湯河原町にある「湯河原梅林」を見に行った時の様子を紹介している記事です。こちらは山の斜面に梅林が広がっています。
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