JR西日本が運営するシニア向けの会員サービス「おとなび」専用のフリーきっぷ「おとなびWEBパス」が2019年12月1日~20日と、2020年1月15日~3月15日に利用できます。JR西日本エリアの新幹線・特急列車・普通列車等に3日間乗り放題のおトクなきっぷ です。
※2019.10.25更新(2020年1~3月分の情報に更新)
「おとなびWEBパス」とは?
「おとなびWEBパス」は、JR西日本が自社のシニア会員サービス「おとなび」の会員向けに発売するフリーきっぷです。
「おとなび」への入会条件は一つだけ、50歳以上であることです。50歳以上の方が、JR西日本のネット会員サービス「J-WEST」の会員になると、自動的に「おとなび」へも入会したことになります。年会費もありません。JR東日本の同様のサービス「大人の休日倶楽部」がクレジットカードへの入会を条件としているのに比べ、入会の敷居が極めて低いのが特徴です1。
そんな「おとなび」会員だけが購入できるのが、JR西日本の新幹線や特急列車を含む全ての列車に3日間乗り放題となる「おとなびWEBパス」 です。
- 利用期間
- 2020年1月15日(水)~3月15日(日) ※3月13日利用開始分まで発売
- 発売期間
- 2019年12月15日(日)~2020年3月6日(金)
- 利用開始日の1か月前から7日前まで発売
- 有効期間: 利用期間内の連続する3日間
- フリーエリア
- JR西日本全線(山陽新幹線全線、北陸新幹線 上越妙高~金沢 含む)
- 智頭急行線
- JR西日本宮島フェリー
- 乗車可能列車:
- フリーエリア内の新幹線・特急列車・快速列車・普通列車の普通車 に乗車可能
- 指定席(普通車用)は8回まで利用可能
- IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡間、あいの風とやま鉄道線の富山~高岡間は、JR西日本線への通過利用に限り利用可能
- おねだん: 20,370円
詳しくは、JR西日本のWebサイトをご確認ください。
「おとなびWEBパス」は利用可能期間が長いのが特徴
この「おとなびWEBパス」の特徴は、利用可能期間が長いことでしょう。JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」は12日間程度の利用期間が年に3回設定されているのに対し、「おとなびWEBパス」は、一回の設定期間が1~2か月と長いのが特徴です。
一方、価格については、JR東日本全線が15,000円で4日間、JR北海道全線が16,250円で5日間乗り放題となる「大人の休日倶楽部パス」と比べると、若干割高感があります。それでも、50歳以上の方であればどなたでも購入できますし、純粋にフリーきっぷとしてみてもかなりおトクなことは間違いありません。
「おとなびWEBパス」はどのくらい乗ればおトク?
この「おとなびWEBパス」、どのくらい乗ればおトクになるでしょうか?
新大阪を起点に、主要駅までの運賃+自由席特急料金は以下の通りです。
区間 | 通常料金 | 備考 |
---|---|---|
新大阪~広島 | 9,890円 | のぞみ・自由席特急料金 |
新大阪~博多 | 14,750円 | のぞみ・自由席特急料金 |
新大阪~出雲市 | 10,340円 | のぞみ~岡山乗り換え ~やくも・自由席特急料金 |
新大阪~金沢 | 7,260円 | サンダーバート 自由席特急料金 |
新大阪~富山 | 8,800円 | サンダーバード~金沢乗り換え ~つるぎ・自由席特急料金 |
新大阪~糸魚川 | 10,450円 | サンダーバード~金沢乗り換え ~はくたか・自由席特急料金 |
大阪から中国地方へは、広島より先への往復で元が取れます。博多までの往復であれば、かなりおトクになりますね。山陰地方へ新幹線・特急列車を乗り継いでもおトクになる可能性が高いです。中国地方の観光地を周遊したり、陰陽間を結ぶローカル線を乗り回るといった使い方ができそうです。
一方、北陸方面へは、大阪から金沢や富山への単純往復では元が取れません。中国地方とは異なり、このきっぷのフリーエリアだけでは周遊ルートが組みにくいので、他の割引切符の利用も考えたほうがよさそうです。もちろん、大阪より西側からであれば、おトクになる可能性が高くなります。
「おとなびWEBパス」利用上の注意点
最後に、「おとなびWEBパス」を利用するうえでの注意点をまとめておきます。
50歳以上で「おとなび」会員であること
まず、そもそも50歳以上の方でないと「おとなび」に入会できませんので、「おとなびWEBパス」を購入することができません。50歳未満の方は50歳になるまで待ちましょう。
利用開始日の7日前までの購入が必要
利用開始日の7日前までの購入が必要 です。直前の購入はできませんので、あらかじめ旅行の予定を立てておき、利用開始日の7日前までに忘れずに購入するようにしましょう。
「おとなびWEBパス」の受け取りは利用開始当日までOK!
7日前までに必要なのは、インターネット予約サービス「e5489」での購入です。「おとなびWEBパス」を利用するには、利用開始前に駅できっぷを受け取る必要がありますが、駅でのきっぷの受け取り期限は利用開始当日までです。
つまり、JR西日本エリアの外にお住まいの方が、新幹線等で西日本エリアに入って、「おとなびWEBパス」の利用を開始する場合、
- 利用開始日の7日前までにe5489で「おとなびWEBパス」を購入
- 利用開始当日にJR西日本エリアの駅で「おとなびWEBパス」(きっぷ)を受け取る
という使い方ができます。
新幹線・特急列車の指定席を早めに確保しよう
新幹線や特急列車の指定席を利用したい場合は、早めに確保しておきましょう。8回まで指定を受けられますので、よほどあちこち乗りまわるのでなければ足りなくなることはないでしょう。8回以上特急列車に乗車する場合は、なるべく乗車区間が長くなる列車の指定席を優先的にとる ようにしましょう。
指定席の予約は「おとなびWEBパス」を受け取る前にe5489で!
「おとなびWEBパス」で利用する指定席の確保は、きっぷ受け取り前に、インターネット予約「e5489」でのみ可能です。つまり、「おとなびWEBパス」を受け取ってしまったら、指定席の追加や変更はできません。事前にきちんと計画を立てて、必要な指定席券の予約を済ませておきましょう。
周遊ルートでおトク度をアップさせよう!
「おとなびWEBパス」は連続する3日間有効のきっぷです。使い方次第では土日の2日間でも十分に元が取れることもありますが、せっかくですので、できれば3日間の行程を立てたいところです。
さらに、単純往復ではなく、周遊ルートを組みたいところです。あまり移動ばかりになってしまうのも本末転倒ですが、新幹線や特急列車に乗車できる「おとなびWEBパス」の特徴を活かして、周辺の観光地をめぐる周遊の旅がおすすめ です。
以上、JR西日本エリアの新幹線・特急列車が乗り放題となる「おとなびWEBパス」を紹介しました。シニア向けのきっぷですが、50歳以上からということで、現役世代の方も十分に活用できるきっぷです。上手に利用して、充実した汽車旅にでかけましょう!
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おとなび会員専用の新幹線・特急列車の早期予約割引きっぷ「おとなびWEB早得」の記事です。7日前までの予約が必要ですが、新幹線・特急列車が3割引、山陽新幹線「こだま」に至っては6割引という破格なお値段で利用することができます。
ジパング倶楽部をはじめとするJR各社のミドル・シニア向け会員サービスのまとめページです。JR西日本の「おとなび」についても詳しく紹介しています。
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その代わり通常の乗車券や特急券の割引サービスはありません。男性65歳以上、女性60歳以上で入会できる会員サービス「ジパング倶楽部」に入会すれば、年会費はかかりますがJR全線が最大30%引きになるサービスがあります。↩
コメント
今回の指定席及びグリーン席の指定は6回ではなく8回ですよ。
ヴェル坊さん、ご指摘ありがとうございます。
今回から8回になったのですね。ちゃんと確認しないとだめですね。
記事も訂正しておきました。
こちらの記事をみて、登録して購入したのですが、グリーン車は乗れませんでした。私のように間違える方がいらっしゃるかと存じますので、記事の訂正をお願いします。
kumimiさん、コメントありがとうございます。
少し前までグリーン車用というのがあったのですが、今回からなくなってしまったようです。
記事の修正が追いついておらず申し訳ありません。
紛らわしい記述は削除しておきました。