JR西日本は、2019年春から、神戸線・京都線・琵琶湖線の一部の新快速列車に、有料座席サービス「Aシート」を導入します。12両編成のうち1両を改造して、有料座席サービスを提供するようです。関西では、京阪電鉄が2017年に有料座席指定サービス「プレミアムカー」を開始しています。JR西日本が追随することで、関東エリアのように、通勤・帰宅時間帯での有料座席サービスが広まっていくかもしれません。
JR西日本が新快速列車に「Aシート」を導入
JR西日本は、2019年春、新快速の一部列車に、有料座席サービス「Aシート」を導入すると発表しました。
概要は以下の通りです。
- 12両編成の新快速列車の1両(9号車)を改造
- リクライニング機能・テーブル付きの座席
- 全席にコンセントを設置
- 無料WiFiサービスを提供
- 荷物スペースを設置
- 運転本数は1日あたり上下4本
- 座席料金は500円
長距離を走る新快速の有料座席が500円!
(出典)2019年春 新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入します:JR西日本
JR西日本の新快速列車は、関西エリアのかなり広い範囲で運転されています。今回発表された、神戸線・京都線・琵琶湖線の区間でも、姫路~大阪~京都~米原~長浜と、兵庫・大阪・京都・滋賀と、2府2県に及びます。
長距離を走る列車が多い新快速ですが、座席料金は500円とリーズナブルです。JR東日本の普通列車グリーン車が、平日780円~980円(休日570円~770円)と比べても、かなりお得感があります。
関西の有料座席列車はグレード高め?
設備のグレードも高そうです。リクライニング機能・テーブル付きというのはJR東日本のグリーン車と同様ですが、最近の特急列車のトレンドでもある全席コンセント、無料WiFiサービスもあります。荷物スペースがあるのは、京都や大阪・神戸など、外国人観光客が多いことに配慮してのことでしょうか。
JR西日本の新快速列車は、普通車でもクロスシートが採用されていて、ロングシートばかりの関東エリアの列車と比べても、設備のグレードが高くなっています。ロングシートの場合、座席を確保できたとしても、前に立つ乗客が多く、混雑していると圧迫感があります。クロスシートであれば、座席さえ確保できれば、立ち客はあまり気になりません。
こんな状況ですから、有料座席サービスを提供しようとすると、設備のグレードを高める必要があるのでしょう。例えば、京阪電鉄が導入している「プレミアムカー」は、2+1列の、非常にゆったりとした座席になっています。
まずは2編成でスタート、将来は新快速全列車への導入もありか?
今回は、まず2編成に「Aシート」を導入、運転本数は1日あたり上下4本ずつと少なめです。新快速は、日中時間帯でも1時間に4本運転されていますので、1日で上下4本ずつというのは、新快速のうちごく一部の列車ということになります。
利用状況を見つつ、導入する列車を増やし、最終的には12両編成で運転される全ての新快速列車への導入を考えているのではないでしょうか。そこまでいけば、全ての列車に連結されているJR東日本のグリーン車と遜色のない使い勝手になりそうです。
今回は、「Aシート」の空席に座ったあと、乗車後に「乗車整理券」を車内で購入する運用になっているようです。JR東日本のグリーン車も含めて、他社の有料座席サービスは事前購入が基本ですが、JR西日本の「Aシート」は乗車後の購入のまま行くのか、他社のように事前購入になるのか、そのあたりも検証していくことになるのでしょう。
「Aシート」で関西エリアの青春18きっぷの旅が変わるかも!?
乗り鉄として気になるのは、「Aシート」に青春18きっぷで乗車できるのか、というところです。
JR各社のライナー列車や、JR東日本の普通列車グリーン車には、青春18きっぷ+ライナー券・グリーン券で乗車できます。普通乗車券(いわゆる普通のきっぷ)+乗車整理券で「Aシート」に乗車できるのならば、青春18きっぷでの乗車も認められそうですが、どうなるでしょうか?
「グリーン車(自由席)」や「指定席」ではなく、わざわざ「Aシート」という名称をつけているところが気になりますが、どのような扱いになるのかも、いずれ発表があるのかもしれません。
青春18きっぷで乗車できるようになれば、米原・長浜~姫路の約200km、所要時間2時間半にもなる区間を、「Aシート」でゆったりと移動できるようになります。そうなれば、関西エリアの青春18きっぷの旅が楽しいものになりそうですね。
以上、JR西日本が新快速に「Aシート」を導入、有料座席サービスで関西エリアの青春18きっぷ旅が変わるかも!?、でお送りしました。「Aシート」が関西の乗客にどのように受け入れられるのか、青春18きっぷの旅がどのように変わっていくのか、楽しみですね。
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