JR6社の中ではもっとも路線網が小さなJR四国。そんなJR四国を鉄道で旅するときの定番が「四国フリーきっぷ」です。JR四国全線の普通列車、特急列車の普通車自由席に3日間乗り放題で、四国内を周遊する旅ではとても使い勝手の良いきっぷです。この記事では、「四国フリーきっぷ」の概要、他のフリーきっぷや割引きっぷとの比較、購入方法、おすすめの利用方法などをご紹介します。
【まとめ】四国フリーきっぷ
「四国フリーきっぷ」は、以下のような方におすすめです。
- 四国内を鉄道で周遊する旅をする方
- 土佐くろしお鉄道には乗車しない方
- 旅行の行程が2泊3日の方
旅行をする月に誕生日の方(同行者も含む)は、「バースデイきっぷ」(3日間有効、普通車用 12,000円、グリーン車用 15,000円)のほうが割安でお得です。
一方、普通車指定席やグリーン車に乗車したい方、行程が3泊4日の方、土佐くろしお鉄道にも乗車したい方は、「四国グリーン紀行」(4日間有効、23,000円)がおすすめです。
JR四国全線の特急自由席に3日間乗り放題!「四国フリーきっぷ」
「四国フリーきっぷ」は、JR四国全線の普通列車、特急列車の普通車自由席に3日間乗り放題となるフリーきっぷです。
「四国フリーきっぷ」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | 四国フリーきっぷ |
---|---|
利用期間 | 通年 |
備考 | デジタルチケットは2024年4月2日まで |
発売期間 | 通年 デジタルチケットは2024年3月31日まで |
有効期間 | 3日間 |
フリーエリア | JR四国線全線(宇多津~児島間を含む) 土佐くろしお鉄道線(窪川~若井間) JR四国バス(大栃線、久万高原線) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jr-eki.com/ticket/brand/1-3V6 |
効用 | フリーエリア内の特急列車・普通列車の普通車自由席に乗り降り自由 窪川~若井間は普通列車の普通車自由席が乗り降り自由 別途、指定席券、グリーン券を購入すれば、普通列車の普通車指定席、グリーン車にも乗車可能 特急列車の普通車指定席、グリーン車に乗車する場合には乗車券のみ有効(別途、指定席特急券、グリーン券等が必要) |
発売会社 | JR四国 |
発売箇所 | ・紙のきっぷはJR四国の主な駅・みどりの券売機プラス・ワープ支店、JR北海道の主な駅のみどりの窓口、四国内とJR北海道管内の主な旅行会社 デジタルチケットは以下のチケットアプリ ・スマえき四国フリーきっぷ: 「しこくスマートえきちゃん」 ・しこくるり四国フリーきっぷ: 「しこくるり」 ・デジタル四国フリーきっぷ: 「tabiwa by WESTER」 |
価格(大人) | 18,000円 |
価格(小児) | 9,000円 |
「四国フリーきっぷ」では特急列車の指定席やグリーン席には乗車できません。特急列車の指定席、グリーン席に乗車する場合には、特急券+指定席券または特急券+グリーン券を別途購入する必要があります。(「四国フリーきっぷ」は乗車券としては有効です)
「四国フリーきっぷ」はJR四国の窓口や指定席券売機で購入できる紙のきっぷのほかに、以下の3つのチケットアプリでデジタル版が発売されています。いずれも効力や価格は同じです。
- スマえき四国フリーきっぷ: しこくスマートえきちゃん
- しこくるり四国フリーきっぷ: しこくるり
- デジタル四国フリーきっぷ: tabiwa by WESTER
最新情報については、「JR四国ツアー」のおトクなきっぷのWebサイトをご覧ください。
25歳以下限定「若者限定四国フリーきっぷ」
25歳以下限定で、年に3回、「若者限定四国フリーきっぷ」(有効期間:3日間)が発売されます。きっぷの効力は「四国フリーきっぷ」と全く同じで、おねだんが12,000円とかなりお安くなっています。
2024~25年の利用可能期間は、以下のとおりです。
- 〔春季用〕 2024年3月1日(金)~2024年4月12日(金)(4月10日出発分まで)
- 〔夏季用〕 2024年7月20日(土)~2024年9月12日(木)(9月10日出発分まで)
- 〔冬季用〕 2024年12月10日(火)~2025年1月12日(日)(1月10日出発分まで)
おおむね、青春18きっぷと同じく、春休み、夏休み、冬休みの期間に利用できます。「四国フリーきっぷ」の18,000円と比べると、3分の2の価格になっています。
25歳以下の方で、上記の利用可能期間の間に四国を旅行される場合には、「若者限定四国フリーきっぷ」がおすすめです。
「四国フリーきっぷ」はJR四国の路線のみの周遊の旅におすすめ!
「四国フリーきっぷ」は、JR四国全線の特急列車に3日間乗り放題となるフリーきっぷですが、JR四国は他にも全線乗り放題のフリーきっぷを発売しています。
「四国フリーきっぷ」と比較検討しておきたいきっぷが、「バースデイきっぷ」と「四国グリーン紀行」です。
- バースデイきっぷ: JR四国全線・土佐くろしお鉄道の特急列車に3日間乗り放題
- 普通車用は普通車自由席に乗り放題(3日間有効で12,000円)
- グリーン車用は普通車指定席、グリーン車に乗り放題(3日間有効で15,000円)
- 四国グリーン紀行: JR四国全線・土佐くろしお鉄道の特急列車のグリーン車・普通車指定席に4日間乗り放題(4日間有効で23,000円)
誕生月ならば「バースデイきっぷ」がお得!
ご本人もしくは同行者の中に誕生月の方がいれば、文句なしに「バースデイきっぷ」がおすすめです。「四国フリーきっぷ」と比べると、土佐くろしお鉄道にも乗車できるうえ、価格は普通車用が12,000円とかなり割安になっています。グリーン車に乗り放題のグリーン車用も15,000円と、「四国フリーきっぷ」よりも安いのです。
「バースデイきっぷ」については、以下の記事で紹介しています。発売条件などもわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
土佐くろしお鉄道を利用したい方、グリーン車に乗車したい方は「四国グリーン紀行」
誕生月ではない場合で、普通車指定席やグリーン車にも乗車したい場合、あるいは、土佐くろしお鉄道にも乗車したい場合には、「四国グリーン紀行」のほうがおすすめです。
特に、高知県西部の中村や宿毛といったところへ行く場合には、土佐くろしお鉄道の「中村・宿毛線 (四万十くろしおライン)」に乗車することになります。中村へは、岡山や高松から直通する特急列車「南風」「しまんと」が運転されていますが、「四国グリーン紀行」ではこれらの列車にも乗車することができます。
また、四国内を旅行する期間が3泊4日になる場合にも、「四国グリーン紀行」がおすすめです。「四国フリーきっぷ」と1日あたりの料金で比較してみると、
- 四国フリーきっぷ(特急 普通車自由席用): 6,000円/日
- 四国グリーン紀行(特急 グリーン車用): 5,750円/日
となり、特急列車の指定席やグリーン車に乗り放題の 「四国グリーン紀行」のほうが割安 なのです。
四国グリーン紀行については、以下の記事でわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。
旅行の行程は3日間以内、土佐くろしお鉄道には乗車しない、特急列車は自由席でOKという場合には、お値段が安く、デジタル版があって購入も楽にできる「四国フリーきっぷ」がおすすめです。
「四国フリーきっぷ」はデジタル版がおすすめ!
「四国フリーきっぷ」は、指定席に乗車できないため、あらかじめ指定席を確保しておく必要はありません。そのため、四国外から四国へ観光にやってくる場合には、四国内で鉄道に乗る駅で購入してもかまいません。
ただ、個人的なおすすめは、デジタル版「四国フリーきっぷ」です。あらかじめスマートフォンから購入しておくことで、駅の窓口や指定席券売機に立ち寄る必要もありません。
さらに、岡山駅から瀬戸大橋線経由で四国入りする場合にも、デジタル版は便利です。
岡山駅から瀬戸大橋線経由で四国へ向かうと、途中の児島駅がJR西日本とJR四国の境界駅となります。ところが、児島駅はJR西日本の管轄のため、JR四国のフリーきっぷを購入できません。
瀬戸大橋線を通る主要な列車「快速マリンライナー」「特急しおかぜ」「特急南風」では、児島駅の次の停車駅は、坂出駅か宇多津駅です。
- 児島~坂出: 運賃530円
- 児島~宇多津: 運賃440円
この区間は「四国フリーきっぷ」のフリーエリアになりますので、事前に「四国フリーきっぷ」を入手できていれば、運賃を支払う必要はありません。
事前にデジタル版「四国フリーきっぷ」を購入しておけば、岡山駅から乗車する際に、以下のきっぷを用意しておけばOKです。
- 快速マリンライナー: 岡山~児島(JR西日本区間)の乗車券(510円)
- 特急しおかぜ・特急南風: 岡山~児島の乗車券(510円)+自由席特急券(760円)
「四国フリーきっぷ」おすすめの利用法
「四国フリーきっぷ」は、JR四国全線の特急列車に乗車できるフリーきっぷなので、使い方はいろいろ。四国を周遊する観光メインでの利用も良いでしょうし、ひたすら特急に乗りまくる乗り鉄的な利用もアリでしょう。
例えば、「四国フリーきっぷ」1枚でJR四国の全線を乗ってしまうという乗り鉄の旅 もおすすめです。
JR四国の主要路線では特急列車が多く運転されています。普通列車の本数が少ないので、青春18きっぷなど、特急列車に乗車できないフリーきっぷでは大変ですが、「四国フリーきっぷ」であれば、多少観光をしながらでも、3日間で全線乗車も可能でしょう。
JR四国の路線は、予土線の多度津~高知と徳島線を除くと、基本的に四国の外周に沿っているので、四国一周の旅をしながら乗り鉄もすることができます。
以上、『【四国フリーきっぷ】JR四国の特急列車の自由席に3日間乗り放題の定番フリーきっぷ! 四国周遊の鉄道の旅におすすめ!』でした。観光にも乗り鉄にも使えるオールマイティなフリーきっぷですので、自分なりの使い方を考えてみるのも楽しそうです。
関連記事
JR四国のフリーきっぷ・割引きっぷのまとめ記事です。四国を鉄道で旅行するときに、どんなフリーきっぷを使ったらよいかわからない!という方は、ぜひご覧ください。
鉄道旅行、乗り鉄におすすめのフリーきっぷの記事をまとめた目次です。JR各社のフリーきっぷのまとめ記事もあります。
コメント
切符ではなく企画旅行になりますが、「あじくるりん」はどうでしょうか?
http://www.jr-eki.com/tour/brand/1-N2H
一人から使えるのは道後の茶玻瑠ぐらいですが、JR四国全線フリーきっぷ(2日間)とお食事券がセット5,600円は破格だと思います。
今年度の期限がもうすぐ終ってしまいますが、来年も実施してほしいところです。
madoさん、コメントありがとうございます。
2日間特急乗り放題でお食事券もついて5000円台からとは、本当に破格ですね!
どこかのエリアを集中的に観光するときには、とても良さそうですね。
フリーきっぷの情報は調べられても、企画旅行まではなかなか調べきれませんので、こういった情報はとてもありがたいです。
来年のぜひ実施してほしいですね。