JR九州は、2023年4月より、新幹線と在来線特急列車のグリーン料金を大幅に値上げすると発表しました。在来線特急列車では6~7割以上の値上げとなる区間もあります。割安感があったJR九州のグリーン料金ですが、この値上げでJR他社と同水準となります。
JR九州、2022年4月から新幹線と在来線特急列車のグリーン料金を値上げ!
JR九州は、2023年4月より、新幹線と在来線特急列車のグリーン料金を大幅に値上げすると発表しました。
概要は以下のとおりです。
- 見直し対象: JR九州の新幹線・特急列車に適用するグリーン料金
- 「或る列車」「ななつ星 in 九州」「36ぷらす3」のグリーン料金は対象外
- 実施時期: 2023年4月1日(土)購入分から適用
値上げ内容は、以下のようになります。
【新幹線 グリーン料金】
100キロまで | 200キロまで | 201キロ以上 | |
---|---|---|---|
現行 | ¥1,050 | ¥2,100 | ¥3,150 |
改定後 | ¥1,300 | ¥2,800 | ¥4,190 |
値上げ率 | 23.81% | 33.33% | 33.02% |
【在来線特急列車 グリーン料金】
100キロまで | 200キロまで | 201キロ以上 | |
---|---|---|---|
現行 | ¥1,050 | ¥1,600 | ¥2,570 |
改定後 | ¥1,300 | ¥2,800 | ¥4,190 |
値上げ率 | 23.81% | 75.00% | 63.04% |
【在来線特急列車 DXグリーン料金】
100キロまで | 200キロまで | 201キロ以上 | |
---|---|---|---|
現行 | ¥1,680 | ¥2,720 | ¥3,770 |
改定後 | ¥2,080 | ¥4,760 | ¥6,150 |
値上げ率 | 23.81% | 75.00% | 63.13% |
【在来線特急列車 グリーン個室料金】
100キロまで | 200キロまで | 201キロ以上 | |
---|---|---|---|
現行 | ¥2,100 | ¥3,200 | ¥5,140 |
改定後 | ¥2,600 | ¥5,600 | ¥8,380 |
値上げ率 | 23.81% | 75.00% | 63.04% |
【在来線特急列車 特定グリーン料金】
区間 | 博多~直方 | 別府~宮崎相互間 |
---|---|---|
現行 | ¥320 | 適用 |
改定後 | ¥500 | 廃止 |
値上げ率 | 56.25% | - |
詳しくは、JR九州のおしらせをご覧ください。
グリーン料金は新幹線・在来線特急列車で統一、JR他社と同料金へ!
今回のグリーン料金の見直しで特徴的なのは、これまで新幹線に比べると割安に設定されていた在来線特急列車のグリーン料金を、新幹線と統一したことです。
そのため、新幹線のグリーン料金は2~3割程度の値上げに留まるものの、在来線特急列車では、101~200キロが75%、201キロ以上が63%もの値上げ幅になっています。
ものすごい値上げのように見えますが、これまで、JR九州のグリーン料金は、JR他社と比べるとかなり割安に設定されていました。今回の見直しにより、JR他社と同じ料金となります。
100キロまで | 200キロまで | 400キロまで | ||
---|---|---|---|---|
JR北海道・東海 西日本・四国 |
- | ¥1,300 | ¥2,800 | ¥4,190 |
JR東日本 | - | ¥1,300 | ¥2,800 | ¥4,190 |
JR九州 | 現行 | ¥1,050 | ¥2,100 | ¥3,150 |
改定後 | ¥1,300 | ¥2,800 | ¥4,190 |
なお、JR東日本は2022年4月にグリーン料金を値上げしています。このときも、他社より割安に設定されていたグリーン料金を、他社の水準にあわせる改定でした。
これにより、JR各社のグリーン料金は、新幹線・在来線特急列車を問わず、ほぼ同水準ということになります。600キロ以上の長距離では、一部、JR東日本だけ割安となる区分が残りますが、短距離では全く同じグリーン料金となります。(一部の列車を除く)
割安感のあったJR九州の在来線特急列車の料金は2年で大幅値上げへ
JR九州は、2022年4月に在来線の特急料金を値上げしています。
つまり、在来線特急列車は、特急料金の値上げに続いて、グリーン料金も値上げということになります。この2年間での主要区間のグリーン車利用時の価格(乗車券+特急券+グリーン券)を比べてみましょう。
区間 | ~2021年度 | 2022年度 | 2023年度~ |
---|---|---|---|
博多~熊本 (九州新幹線) |
6,800円 | 6,800円 | 7,500円 |
博多~鹿児島中央 (九州新幹線) |
13,260円 | 13,260円 | 14,300円 |
博多~佐賀 | 3,020円 | 3,180円 | 3,430円 |
博多~大分 | 6,750円 | 7,540円 | 8,740円 |
大分~宮崎 | 7,190円 | 8,070円 | 10,660円 |
2022年に特急料金の値上げがされておらず、今回のグリーン料金の値上げ幅が相対的に小さい新幹線(上表では博多~熊本・鹿児島中央)では、全体的に小幅の値上げに留まっています。
一方、在来線特急列車では、短距離(上表では博多~佐賀)では小幅な値上げですが、長距離(博多~大分、大分~宮崎など)になると大幅な値上げになってしまいます。
これまで、普通車・グリーン車ともに割安感のあったJR九州の在来線特急列車ですが、今回のグリーン料金の値上げで、JR他社と同水準ということになってしまいます。
JR他社と同水準とはいえ、JR九州の特急列車を頻繁に利用する沿線の方にとっては、大幅な値上げに変わりありません。値上げによってグリーン車の利用が減ってしまっては意味がないわけですから、今回の大幅な値上げの結果がどうなるのかは興味深いところです。
以上、『【2023年春ダイヤ改正】JR九州がグリーン料金を大幅値上げ! 長距離は6~7割値上げでJR他社と同水準へ!』でした。割安感があったJR九州の特急列車も昔のこととなってしまいそうです。
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