札幌近郊(道央圏)のJR線に1日乗り放題となるJR北海道の定番フリーきっぷ「一日散歩きっぷ」。札幌近郊とはいえ、富良野や美瑛、小樽、余市、ニセコなどがフリーエリアに入っているので、札幌からの日帰り旅にも十分に活用できます。
「一日散歩きっぷ」とは?
「一日散歩きっぷ」は、JR北海道が発売するフリーきっぷで、札幌を中心とする道央圏がフリーエリアとなっています。週末の日帰り旅行や乗り鉄にぴったりのフリーきっぷです。
「一日散歩きっぷ」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | 一日散歩きっぷ |
---|---|
利用期間 | 2024年4月27日~2024年11月10日までの土曜・休日 |
備考 | |
発売期間 | 利用当日のみ発売(前売りなし) |
有効期間 | 1日間 |
フリーエリア | 函館本線(長万部〜小樽~札幌~滝川) 室蘭本線 全線(長万部~岩見沢、東室蘭~室蘭) 千歳線 全線(白石~沼ノ端、南千歳~新千歳空港) 札沼線 全線(札幌~北海道医療大学) 日高本線 全線(苫小牧~鵡川) 根室本線(滝川〜富良野) 富良野線(富良野〜美瑛) 石勝線 全線(南千歳~新得、新夕張~夕張) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006960/ |
効用 | ・フリーエリア内の普通列車(快速含む)に乗り放題(特急・急行列車には乗車不可) ・普通列車(快速含む)の指定席には、別途、座席指定券を購入すれば乗車可能 ・石勝線 新得~新夕張内の駅相互間に限り、特急列車の自由席に乗車可能 |
発売会社 | JR北海道 |
発売箇所 | 小樽駅、南小樽駅、小樽築港駅、銭函駅、星置駅、手稲駅、稲積公園駅、発寒駅、発寒中央駅、琴似駅、桑園駅、札幌駅、苗穂駅、白石駅、厚別駅、森林公園駅、大麻駅、野幌駅、高砂駅、江別駅、幌向駅、岩見沢駅、八軒駅、新川駅、新琴似駅、篠路駅、拓北駅、あいの里教育大駅、当別駅、平和駅、新札幌駅、上野幌駅、北広島駅、島松駅、恵み野駅、恵庭駅、千歳駅 |
価格(大人) | 2,540円 |
価格(小児) | 1,270円 |
利用当日のみ購入可能(前売りはなし)のため、上記の発売箇所に示した駅が利用開始駅となります。また、特急券を購入しても、特急列車には乗車できない(石勝線の新得~新夕張間を除く)ので、注意が必要です。
「一日散歩きっぷ」は札幌からの日帰り旅に最適!
「一日散歩きっぷ」は、有効期間が1日、それも土休日のみ利用できるフリーきっぷということで、まず思いつく使い方は、週末の日帰り旅行でしょう。
フリーエリアの中央に位置している札幌からなら、富良野・美瑛方面、小樽・余市・ニセコ方面、苫小牧方面など、どの方面への旅行にも利用できます。
札幌からエリア内の主要駅への普通運賃と所要時間を見てみましょう。
区間 | 片道運賃 | 所要時間 |
---|---|---|
札幌~富良野 | 2,860円 | 4時間弱 |
札幌~小樽 | 750円 | 約50分 |
札幌~余市 | 1,290円 | 約1時間20分 |
札幌~ニセコ | 2,420円 | 約2時間40分 |
札幌~苫小牧 | 1,680円 | 約1時間 |
札幌~新千歳空港 | 1,150円 | 約40分 |
小樽~新千歳空港 | 1,910円 | 約1時間30分 |
※所要時間は目安。運転本数の少ない区間では乗り継ぎが良い場合の目安。
「一日散歩きっぷ」の価格は2,540円なので、片道1,270円以上の駅への往復であればもとが取れます。
函館本線の小樽・ニセコ方面では、ニセコまで行けばかなりお得になります。余市まででもギリギリ元は取れます。
千歳線方面へは、苫小牧まででも十分に元が取れます。途中まで快速エアポートを利用すれば、所要時間も1時間程度ですので、使い勝手は良さそうです。
一方、フリーエリア内の各駅から札幌へ出るのには使いづらいきっぷです。というのも、「一日散歩きっぷ」の発売駅が札幌近郊の駅に限られているためです。発売駅から札幌駅の往復では元が取れません。
「一日散歩きっぷ」は飛行機の時間までの寄り道にもおすすめ!
道外から札幌周辺への旅行者でも、使い方によってはお得になる可能性があります。
札幌や小樽など「一日散歩きっぷ」の発売駅の近くに宿泊している場合、旅行最終日が土休日(一日散歩きっぷの利用可能日)であれば、途中で観光を楽しみつつ、新千歳空港への移動にも利用できます。
例えば、札幌から小樽へ観光に行き、その後、新千歳空港まで移動する場合、普通にきっぷを購入すると、
- 札幌 → 小樽: 750円
- 小樽 → 新千歳空港: 1,910円
となるので、合計で2,660円。「一日散歩きっぷ」(2,540円)のほうが安いですし、きっぷを購入する手間も省けて良いですね。
ただし、残念ながら「一日散歩きっぷ」を新千歳空港で購入することができないので、新千歳空港に飛行機で到着したあと、札幌への移動には利用できません。
「一日散歩きっぷ」でたっぷり列車に乗るおすすめルート
「一日散歩きっぷ」のフリーエリアは、西側は小樽・長万部を含む函館本線(山線)まで、東側は根室本線の富良野・新得、富良野線の美瑛までを含みます。1日有効のフリーきっぷとしては、かなり広いエリアとなっています。
札幌周辺の観光以外に、「一日散歩きっぷ」でたっぷりと列車の旅を満喫できるルートを紹介します。
小樽・余市での観光もOK! 函館本線 山線周遊ルート
札幌から西側へ、函館本線(山線)~室蘭本線~千歳線と一周するルートです。
- 札幌 → 小樽 → 長万部(函館本線) ※小樽・余市・ニセコ等で観光
- 長万部 → 東室蘭 → 苫小牧(室蘭本線) ※洞爺・登別・室蘭等で観光
- 苫小牧 → 札幌(千歳線)
途中、函館本線では、小樽や余市、ニセコなど、室蘭本線では、洞爺や登別、室蘭などで観光ができます。
お酒好きの方は、余市駅から徒歩5分ほどのところにある「ニッカウヰスキー 余市蒸留所」の見学がおすすめです。蒸留所の見学や試飲ができます。詳しくは、以下の訪問記をご覧ください。
なお、このルートは、普通列車にしか乗車できない「一日散歩きっぷ」では、上記のルートを乗るだけで約7時間(待ち時間込みで約9時間)を要します。長万部~苫小牧~札幌間(室蘭本線~千歳線)では特急列車が運転されていますので、普通列車のみでの乗り継ぎでは困難な場合には、短距離でも特急列車を利用するとよいと思います。別途、乗車券・特急券が必要になりますが、大幅に時間を短縮できる場合があります。
札幌から日帰り富良野観光へ! 函館本線~根室本線往復ルート
札幌から富良野周辺への日帰り観光にも利用できます。2024年3月改正ダイヤでは、以下のようになります。
- 札幌 06:57発 → 岩見沢 07:43着/07:58発 → 滝川 08:38着/09:40発 → 富良野 10:46着
- 富良野 18:00発 → 滝川 19:00着/19:36発 → 岩見沢 20:15着/21:05発 → 札幌 21:49着
札幌駅から富良野駅までは約138km。普通列車の乗り継ぎでは所要時間は片道4時間弱の行程となります。通常は特急列車を利用する距離になりますが、頑張れば「一日散歩きっぷ」だけでの往復も可能です。
朝早い出発となりますが、富良野周辺で7時間ほど観光をする時間を確保することができます。
美瑛駅や美馬牛駅まで足を延ばして、「パッチワークの丘」や「パノラマロード」をサイクリングするのもおすすめです。2~3時間もあれば、主要なスポットを巡ることができます。
以上、『札幌近郊のフリーきっぷ「一日散歩きっぷ」、富良野やニセコの観光に便利! 廃止危機路線の乗車にもおすすめです!』でした。富良野やニセコへの日帰り観光にも利用できますし、廃止の危機にあるローカル線を乗り歩くのにも便利です。
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