JR北海道が、観光列車にも利用できる特急車両「261系5000代」(5両編成)を2編成製造します。今回、エクステリア、インテリアのデザインなどが発表されました。注目は1号車。料理を提供できるフリースペースや販売カウンターなどを備え、本格的な観光需要にも対応できそうです。
JR北海道が観光列車にも活用できる特急車両「261系5000代」2編成を製造
JR北海道は、観光列車に活用できる特急車両「261系5000代」を2編成製造します。
多目的に利用できる特急車両「261系」(5両編成)を2編成製造することは、すでに発表されていました。
今回、エクステリア、インテリアのデザインや車内設備、使用開始時期などが発表されました。
「はまなす」「ラベンダー」をイメージした鮮やかなカラー
今回製造される「261系5000代」は、261系1000代をベースとした車両ですので、形状はほぼ同一ですが、エクステリアのカラーが斬新です。
(出典)観光列車に活用できる特急車両を製作します!(JR北海道ニュースリリース 2019年10月17日 PDF)
北海道を代表する花として、はまなすをイメージした「はまなす編成」(左)と、ラベンダーをイメージした「ラベンダー編成」(右)となっています。
いずれも、ブルーを基調とした261系の既存車両と比べると、かなり鮮やかな色合いになっています。初夏の北海道、編成のイメージとなったはまなすやラベンダーの季節にとても似合いそうです。
注目の1号車はカウンター席・ボックス席に販売カウンターも!
今回製造される「261系5000代」はいずれも5両編成で、以下のような編成となっています。
- 1号車: フリースペース・販売カウンターなど(定員 26名)
- 2~5号車: 客室(定員 200名程度)
注目は、1号車のフリースペース。「フリースペース」となってますが、大型のテーブルを備えたボックス席やカウンター席が並び、食事などができるようになっています。
(出典)観光列車に活用できる特急車両を製作します!(JR北海道ニュースリリース 2019年10月17日 PDF)
また、1号車の車端部には販売カウンターもあり、イベント列車や観光列車として運転されるときには、このカウンターで軽食や飲み物などが販売されるのではないかと思います。
2~5号車は通常の客室。今回の発表では記載がなかったのですが、おそらく普通車メインでしょう。各座席で利用できる設備としては、
- 公衆無線LAN利用可能
- 各席に1つずつコンセントを設置
- 前席の背面テーブルに加え、インアームテーブル(ひじ掛けに内蔵されたテーブル)も設置
があります。このあたりは、JR各社の最新の特急車両にも劣らないものになっていますね。
特急「宗谷」、臨時列車、観光列車など多用途に活用
今回製造される「261系5000代」の2編成は、
- はなます編成: 2020年10月頃に使用開始
- ラベンダー編成: 2021年4月頃に使用開始
というスケジュールになっています。
用途としては、まさに「多目的」です。
JR北海道のリリースによると、
- 特急「宗谷」などの定期列車
- 年末年始の繁忙期や修学旅行の臨時列車
- 「フラノラベンダーエクスプレス」(札幌~富良野、夏季に運転される臨時列車)などの観光地へのアクセス列車
- 観光向けの団体貸切列車
に利用されるとあります。
定期列車にも利用されるとなると、グリーン席も用意される可能性が高そうですね。
現在、261系で運転されている特急「宗谷」「サロベツ」には、編成の端っこに9席(3列)、261系1000代で運転されている特急「スーパーとかち」には1両分(24席)のグリーン席があります。
「261系5000代」では、2~5号車の4両で定員が約200名とのことですから、「宗谷」「サロベツ」と同様に、半室グリーン車になる可能性が高そうです。
北海道新幹線に接続する観光列車・臨時列車の運転に期待!
現在、北海道新幹線の新函館北斗駅から乗り継げる観光列車は、ほとんど運転されていません。
新函館北斗から函館や大沼あたりまでは、普通列車でもすぐの距離ですが、それより先、特に函館本線(山線)への直通列車がほとんどないのがとても残念です。
唯一、ごく限られた時期に、臨時特急「ニセコ」が運転されています。
臨時特急「ニセコ」のように、北海道新幹線に接続する観光列車・臨時列車が多く運転されれば、北海道新幹線で渡道する観光客も増えるかもしれません。
せっかく製造する新車ですから、上手に活用して、魅力的な観光列車を走らせてほしいところです。
以上、『JR北海道が観光列車に利用できる特急車両「261系5000代」2編成を製造! デザインと車内設備を発表!』でお届けしました。ローカル線の廃止や減便など暗い話題が多いJR北海道ですが、今回の車両を機に、乗客を増やす攻めの一手を打ってほしいところです。
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