五能線にあるウェスパ椿山駅には、「WeSPa(ウェスパ)椿山」という海辺のリゾートがあります。天然温泉付きのコテージなどの宿泊施設もそろっていますが、温泉や食事、そして、展望モノレールから眺める絶景など、五能線を途中下車して観光するのにもピッタリの施設です。
※2020.10.08更新
「ウェスパ椿山」とは?
「ウェスパ椿山」は、2020年10月31日で営業を終了し、すべての施設が閉鎖されることになりました。詳しくは、「ウェスパ椿山閉鎖のお知らせ」をご覧ください。なお、展望モノレールはすでに営業を終了しました。
ウェスパ椿山閉鎖のお知らせ
「WeSPa椿山」(以下、ウェスパ椿山)は、青森県深浦町にあるリゾート施設です。
日本海を望む敷地内には、物産館、レストラン、展望温泉などの施設があるほか、天然温泉が各棟に引かれているコテージなどの宿泊施設も充実しています。1995年に開業し、徐々に施設を増やしてきました。
この「ウェスパ椿山」の最寄り駅が、JR五能線の「ウェスパ椿山駅」です。2001年に五能線に新たに設置された新しい駅です。
五能線の観光列車「リゾートしらかみ」の全列車と、普通列車が停車します。「リゾートしらかみ」を途中下車して、ウェスパ椿山で観光や食事を楽しみ、後続の「リゾートしらかみ」に乗車するのが良さそうです。
ウェスパ椿山駅は無人駅ですので、「リゾートしらかみ」の指定席券の発売をしていません。「リゾートしらかみ」は全車指定席の列車ですので、指定席券がないと乗車できませんので、あらかじめ指定席券を購入しておきましょう。
展望モノレール「しらかみ号」
ウェスパ椿山にやってきたら、まず乗りたいのが展望モノレール「しらかみ号」です。
乗車券を物産館「コロボックル」で購入しよう
ウェスパ椿山駅に到着したら、駅のすぐ前にある物産館「コロボックル」へ。展望モノレール「しらかみ号」の乗車券は、物産館のカウンターで販売しています。
展望モノレール「しらかみ号」が、物産館の横から、丘の上にある展望台まで運行しています。
- 展望モノレール乗車(物産館→展望台): 約15分
- 展望台での観覧: 約30分
- 展望モノレール乗車(展望台→物産館): 約15分
がセットになっていて、所要時間は約1時間です。
料金は、展望モノレールの往復乗車と展望台での観覧料が込みで、大人500円(小人300円)と格安です。
運行期間・運行時刻は、以下のようになっています。
- 運行期間: 4月~10月
- 運行時刻: 物産館発 9:00, 10:00, 11:00, 12:00, 13:00, 14:00, 15:00, 16:00
展望モノレールの定員は40名です。定員を超えると乗車できませんので、繁忙期や天気の良い日などは、早めに乗車券を購入しておきましょう。
乗車券は、乗車時間を指定したものになっていて、発車時刻の5分前までに、物産館の横にある展望モノレール乗り場に来るように言われます。
展望モノレールで15分の空の旅!
12時に発車する展望モノレールの乗車券を購入しましたので、11時55分に乗り場へ。前述のとおり、物産館「コロボックル」の横、ウェスパ椿山駅とは反対側の出入口のすぐ前にあります。
展望モノレール「しらかみ号」は、こんなかわいらしい乗り物。観光列車「リゾートしらかみ」を模した、2両編成の小さなモノレールです。
車内は結構広く、12名程度が座れる座席があります。立ち客も含めて、1両で定員20名、2両で合計40名です。
この日は、未明の大雨で、五能線の東能代~深浦間が運転見合わせとなるような雨模様でしたので、展望モノレールもガラガラ。私以外には、父子の親子連れが一組のみ。彼らは前のほうの車両に乗車していたので、私は後ろ側の車両を独り占めです。
12時ちょうどに出発。ゆっくりと、本当にゆっくりと登っていきます。時速は4キロ程度、人が歩くくらいの速度だそうです。
添乗員も一緒に乗車し、肉声で案内をしてくれます。添乗員は前の車両に乗車するのですが、後ろの車両では車内に設置されたスピーカーから音声が伝わるようになっています。
車内から動画を撮影しましたので、ぜひご覧ください。まずは前半部分です。
本当にゆっくりと登っていきますが、添乗員の案内もあり、たいくつすることはありません。途中、五能線の線路の上を通り、ウェスパ椿山駅を見おろすことができます。
最初は傾斜がゆるやかですが、途中からかなりの急勾配になります。最大斜度はなんと25度! それでも、車内は常に水平に保たれるようにできていて、乗車しているぶんには勾配を全く感じません。前半と後半で斜度がかなり変わるので、このような機構を取り入れているのでしょう。
後半部分の動画は以下をご覧ください。
このあたりまで来ると、ウェスパ椿山の敷地内全体を見渡すことができます。ぽこんと日本海に突き出た小さな山が、施設や駅の名称にもなっている「椿山」です。のちほど紹介するレストランや展望風呂は、この椿山のすぐ近くにあります。
案内では所要時間15分とのことでしたが、正味、約12分で展望台の駅に到着しました。
展望台の屋上から日本海の絶景を堪能!
これが展望台、正式には「白神展望台」です。(写真に写りこんでいる白い丸は、モノレール車内の照明がガラスに反射してしまったものです)
展望台にはエレベータで上がっていきます。展望台からさらに階段を使って屋上に出ることもできます。風が強いので注意しましょう。
早速屋上へ出てみます。すると、見事な眺めが広がっていました。眼下には、ウェスパ椿山の敷地すべてが見渡せますし、その先にはこんもりとした椿山、その向こうには日本海が広がっています。
鈍色の空はちょっと残念ですが、荒天で全く視界がきかないという状態でない限りは、展望台へやってくる価値はありそうです。
広角レンズで撮ると、展望モノレールの線形もよくわかります。
南のほうを見ると、海岸線が遠くまで見渡せます。展望モノレールのガイドでも触れていましたが、晴れていれば、はるか向こうに男鹿半島を見ることができるそうです。
内陸側に目を向けると、丘の上に風力発電用の風車が並んでいました。日本海から吹き付ける強い風を発電に利用しているようです。
ときおり、小雨が降ってくるような天候でしたが、その合間を縫って、屋上へ出て景色を眺めていました。
ちなみに、展望台には、ジュースの自動販売機とトイレがある以外は何もありません。滞在時間は30分程度ですので、特に問題はないでしょう。
下りのモノレールの時間は12時45分。今度は添乗員と同じ車両に乗って下っていきました。
展望温泉「鍋石温泉」で日本海を眺めながらの温泉
展望モノレールを楽しんだあとは、展望温泉「鍋石温泉」へ。
展望モノレールで降りてきた物産館からは、徒歩で5分ほど。物産館でお願いをすればバンで送迎をしてくれるそうですが、雨も上がったので、歩いて行ってみましょう。
ウェスパ椿山の敷地内では、最も海に近いところに展望温泉「鍋石温泉」があります。
向かって左側が温泉ですが、天気の良い日には、湯船の先にある大きなガラスが開いて、露天風呂になるそうです。この日は、雨が降ったり止んだりでしたので、閉まっていました。それでも、ガラスを通して日本海の絶景を眺めながら、温泉に浸かることができます。
泉質はナトリウム塩化物強塩泉。それほど温泉の成分を強く感じることはありませんでしたが、かなり温まります。
休憩室も、海側はガラス張りになっていて、湯上りに涼みながら景色を眺めることができます。「椿山」はすぐ目の前。てっぺんまで階段があるので登ることができるそうです。
海岸線を見渡すと、五能線の車窓からも眺められるような、岩が海にせり出して、ゴツゴツとした様子を見ることができます。
なお、入館料は大人500円(小人300円)。コテージに宿泊すると無料だそうですが、日帰り温泉としても高くはありませんので、時間があれば、温泉を楽しんでみるとよいでしょう。
レストラン「カミリア」でマグロステーキ丼!
温泉を楽しんだあとは、駅のほうへ戻る途中にあるレストラン「カミリア」でランチにします。このお城のような建物がレストラン「カミリア」です。
店内は結構広いですが、悪天候のせいか、平日の14時という時間のせいか、先客は数えるほど。早速注文しますが、目に入ったのが、数量限定の「深浦マグロステーキ丼」(1,500円)です。深浦はマグロが名物なんですね。さらに、ビールを注文。
生ビールがやってきました。風呂上がりのビールは最高ですね。
「深浦マグロステーキ丼」がやってきました。
マグロを、刺身、片面焼き、両面焼きの3種類の食べ方でいただきます。それぞれの食べ方に合わせたタレが用意されていて、それぞれ、醤油、辛味噌、ふかうら雪人参マヨドレ、の3種類です。さらに、ご飯も、長芋丼、錦糸卵丼、マグロ節丼の3種類。
とはいえ、マグロはすべて同じで、刺身でも食べられますので、食べ方はお好きなように、ということだそうです。
早速、いただきましたが、マグロを鉄板で焼のはかなり難しく、鉄板に油を塗ってあるとはいえ、2~3秒でくっついてしまいます。頻繁にひっくり返して、表面だけを焼くようにしました。
刺身も美味しいですが、表面を少し焼いたマグロも香ばしくてなかなか良かったです。ぶっちゃけ、マグロとご飯しかないわけですが、いろいろな食べ方、タレでいただけるので、飽きることはなく、あっという間に完食してしまいました。
日帰りでも十分に楽しめる「ウェスパ椿山」
ということで、五能線の旅の途中で、「ウェスパ椿山」を楽しんできました。
乗り物好き、絶景好きには「展望モノレール」は外せないですし、温泉やグルメも楽しめます。コテージでの宿泊にも惹かれますが、五能線の旅の途中で、日帰りで立ち寄っても、十分に楽しめる施設です。
この日は11時半くらいにウェスパ椿山駅に到着し、14時50分の東能代行きの普通列車に乗ろうと思っていました。が、駅前に「不老不死温泉」の送迎バスが止まっているのを見つけて、吸い込まれていったのでした……。その様子は別記事でご紹介します。
以上、『【ウェスパ椿山 訪問記】五能線の途中下車に最適! 展望モノレール「しらかみ号」は乗り物・眺望ともに絶対おすすめ!』でした。よくある観光施設と言われればそれまでですが、日本海の眺望や温泉、グルメなど、すべてのレベルが高いので、普段あまりこのような施設には行かない筆者でも十分に楽しめました。五能線を旅するときには、ぜひ立ち寄ってみてください。
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五能線「リゾートしらかみ」の乗車記です。五能線を旅するときには絶対に外せない観光列車ですね。
コメント
こんばんは。
昨年、モノレール乗りました!あの勾配、よく水平を保ちますね。展望とあわせ、ほんと乗りごたえあると思います^.^/
キハ58さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
展望モノレール、乗られましたか。
25度なんて、ものすごい勾配ですが、車内が水平なのが不思議ですよね。
このモノレールに乗るためだけにウェスパ椿山で途中下車しても良いくらいですよね。