毎年7月下旬~8月中旬に運転される快速「たんばらラベンダー号」。上野~沼田を高崎線、上越線経由で結ぶ臨時快速列車です。この時期にラベンダーが見頃となる「たんばらラベンダーパーク」へのアクセス列車ですが、青春18きっぷでの乗り鉄にも十分に利用できる列車です。その特徴は何と言ってもグリーン車並みのゆったりとした座席です。
この記事では、快速「たんばらラベンダー号」の乗車レポートをお届けします。
快速「たんばらラベンダー号」とは?
快速「たんばだラベンダー」号は、毎年7月下旬~8月中旬に、上野~沼田間で運転される臨時快速列車 です。群馬県沼田市の玉原高原にある「たんばらラベンダーパーク」へのアクセス列車です。
たんばらラベンダーパークは、毎年6月末から8月末頃まで開園するフラワーパークで、その名称のとおり、ラベンダーが見どころとなっています。
たんばらラベンダーパークへは、沼田駅から路線バスで約45分です。
快速「たんばらラベンダー号」のダイヤは以下のようになっています。
- 下り: 上野 08:00発 → 大宮 08:27発 → 高崎 09:44発 → 沼田 10:25着
- 上り: 沼田 16:58発 → 高崎 17:40着 → 大宮 18:59着 → 上野 19:25着
- 途中停車駅: 赤羽、浦和、大宮、上尾、桶川、北本、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、高崎、新前橋
全車指定席の快速列車として運転されますので、乗車券+座席指定券(520円)で乗車できます。座席指定券を購入すれば、青春18きっぷでも乗車できます。
座席が超ゆったり! 485系「リゾートやまどり」で運転!
快速「たんばらラベンダー号」は、485系「リゾートやまどり」という観光列車用の車両で運転されます。
「リゾートやまどり」の特徴は、1+2列配置の、グリーン車並にゆったりとした座席です。青春18きっぷで乗車できる列車の中では、最高レベルの座席を誇る列車です。
「リゾートやまどり」の設備面については、以下の記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。
快速「たんばらラベンダー号」乗車レポート!
2018年夏の青春18きっぷ旅で、快速「たんばらラベンダー号」に乗車しましたので、乗車レポートをお届けします。
上越線から乗り継ぎ
このときは、1泊2日で、東北本線~奥羽本線~米坂線~上越線~高崎線というルートで旅をしました。2日目、上越線経由で帰京するときに、水上から乗車した高崎線の列車を沼田駅で下車。始発の沼田駅から「たんばらラベンダー号」に乗車したのでした。
沼田駅では、乗り継ぎ時間が50分ほどあるので、駅前の商店のようなコンビニに買い出しへ。このあとの「たんばらラベンダー号」の中で呑むおやつ(?)を買っておきます。
16時30分ごろでしょうか、高崎のほうから「リゾートやまどり」の車両が回送されてきました。この列車が、快速「たんばらラベンダー号」となります。
早速、改札を通って、地下通路をくぐり、「たんばらラベンダー号」が停車している島式ホームの2番線へ。
3割弱の乗車率で沼田駅を発車
「リゾートやまどり」の車両には4回目の乗車、たんばらラベンダー号には3回目の乗車になります。今回は、一人がけの座席(C席)を確保しておきました。
まだ発車時刻まで15分ほどあるので車内は閑散としています。ただ、発車時刻になっても、それほど乗客は増えず、乗車率は3割弱といったところ。
ざっと見たところ、乗り鉄組と越後湯沢や水上からの観光組が半々くらい。本来の乗客であるはずの「たんばらラベンダーパーク」からの帰宅組と思われる乗客はあまり見かけません。
なぜわかったかというと、ほとんどの乗客が、水上始発の上り列車を沼田駅で下車した人たちだったからなのですね。
午前中の下り列車(上野→沼田)はともかく、夕方の上り列車(沼田→上野)は、たんばらラベンダーパークを見学したあとの観光客の帰宅時間がバラバラなので、乗客が少ないのではないでしょうか。これなら、水上発着にして、水上からの観光客にも使ってもらえるようにしてもよいのでは、と思いますね。
利根川と榛名山の車窓
沼田を出ると、すぐに鉄橋で川を渡ります。利根川です。しばらくは車窓左側(東側)に、その後、何度か利根川を鉄橋で渡り、渋川あたりまでは車窓右側(西側)に見えます。
沼田から渋川へは、群馬と新潟を分ける山間部から関東平野へと下る道のり。ところどころ、関東平野の端っこに広がる街を見下ろす形になり、なかなかの車窓です。
その街並みの向こうには、上毛三山の一つ、榛名山を見渡すことができます。尖った峰がたくさんある複雑な形をした山なので、すぐにわかります。
豪華な座席で、上州の美しい車窓を眺めながら、ビールとポテロングのおやつ(笑)。この日も猛暑でしたので、ビールが美味しいです。
高崎でほぼ満席に
渋川、高崎とかなり乗車があり、ほぼ満席に近くなりました。渋川から乗車してきた人たちは、吾妻線からの乗り換え組でしょう。この二駅で乗車した人たちのほうが、始発の沼田から乗車している人たちよりも明らかに多いですね。
渋川から高崎を過ぎて、深谷あたりまで、車窓左側(東側)には、これも上州三山の一つ、赤城山の勇姿を眺めることができます。
裾野がすごく広い山です。上越線・高崎線からは、関東平野越しに、山頂から裾野までを眺めることができます。
このときは、赤城山の上にだけ入道雲がものすごく発達していて、ちょっと異様な光景でした。
熊谷から南側は、停車駅が増えてきます。上野から埼玉南部の観光客を対象にした設定なのでしょうね。
各駅で少しずつ下車がありましたが、大宮では多くの乗客が下車。たんばらラベンダー号は上野までのラストスパートに入るのでした。
以上、快速「たんばらラベンダー号」の乗車レポートをお届けしました。上野~沼田間の所要時間は2時間半。かなりの長距離を走る列車ですので、観光だけでなく、上越線方面への乗り鉄とも相性の良い列車です。運転日と時間帯があえば、ぜひ乗車してみて下さい。
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