JR東日本の新幹線グリーン車に、指定席+480円(一部980円)で乗車できる「ふらっとグリーン」。480円という金額だけ見ると格安に見えますが、JR東日本のインターネット予約限定割引きっぷ「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」でもグリーン車用があります。どちらがおトクで、どのように使い分ければよいのでしょうか?
JR東日本の新幹線グリーン車に格安で乗車できる「ふらっとグリーン」とは?
「ふらっとグリーン」は、JR東日本の新幹線グリーン車に指定席料金+480円(一部980円)で乗車できる旅行商品です。2名以上での利用が必須で、1名では利用できません。
主な特徴は以下のとおりです。
- 利用期間: ~2018年9月30日(ただし、3/21~3/31,4/28~5/6,8/10~8/16を除く)
- 発売期間: 利用日前日の18:00までにインターネットで購入
- 設定区間
- 東北新幹線: 東京・上野・大宮 ~ 宇都宮・郡山・福島・仙台(なすの・やまびこ限定)
- 上越新幹線: 東京・上野・大宮 ~ 高崎・長岡・新潟(たにがわ・とき限定) ※長岡・新潟は2018年4月より
- 北陸新幹線: 東京・上野・大宮 ~ 軽井沢・長野(あさま限定) ※2018年4月より
- 料金
- 1名あたり乗車券+指定席特急券の料金プラス480円(仙台発着はプラス980円)
- ニューデイズ・キオスクで利用できる利用券500円分が付属
- 発売条件
- 2名以上での利用
- インターネット限定
- 列車・席数・区間限定
これまでは、東北新幹線(仙台まで)、上越新幹線(高崎発着)のみでしたが、2018年4月からは、北陸新幹線(軽井沢・長野発着)と上越新幹線(長岡・新潟発着)でも利用できるようになります。
「ふらっとグリーン」の購入方法と使い方・注意点
「ふらっとグリーン」の購入方法について説明します。
JR東日本のWebサイトで購入
「ふらっとグリーン」は、JR東日本のインターネット限定の旅行商品 です。
上記のWebサイトから、「お申込み」のところにある行き先のボタンを押すと、「JR東日本国内ツアー」のページに飛ぶので、そこから乗車したい日を選択。その後は、申し込みたい人数、乗車駅、列車を選択していけばOKです。ステップ数は多めですが、画面の指示通りに進めていくだけで良いので、難しくはありません。
指定席券売機でクーポンを受け取り
実際に新幹線に乗車する前に、JR東日本の駅にある「指定席券売機」でクーポンを受け取ります。
指定席券売機の「インターネット予約の受取り」→「JR東日本国内ツアーの受け取り」と進めます。その後、予約購入時に使用したクレジットカードを入れ、内容を確認して発券すればOKです。
乗り遅れと払い戻しに注意!
「ふらっとグリーン」は、通常のきっぷではなく「旅行商品」です。旅行商品であるがゆえに、いくつか注意点があります。
- 購入時に指定した列車のみ有効で、指定列車に乗り遅れた場合は無効となる
最も注意したいのは乗り遅れです。通常の指定席券やグリーン券の場合、指定列車に乗り遅れたら、当日中であれば後続の列車の自由席に乗車できます。つまり、乗車券と特急券としては有効です。
ところが、「ふらっとグリーン」の場合は、指定列車に乗り遅れた時点で無効となります。後続の列車の自由席に乗車することもできません。
- 変更は一切できない
予約・購入後の変更は一切できません。乗車する列車を変更したい場合は、いったん払い戻しをして、新たに購入する必要があります。
- 10日前より払い戻し手数料がかかる
乗車日の10日前から、払い戻し手数料がかかります。払い戻し手数料は以下のとおりです。
払い戻し日 | 払い戻し手数料 |
---|---|
11日以上前 | 無料 |
10~8日前 | 20% |
7~2日前 | 30% |
前日 | 40% |
当日 | 50% |
無連絡不参加 | 100% |
通常の旅行商品と同じ扱いで払い戻し手数料がかかりますので要注意です。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」との違いは? どちらがお得?
JR東日本の新幹線にお得に乗車できる割引きっぷとしては、インターネット予約(えきねっと)限定の「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」があります。
上記記事では普通車指定席用についてのみ触れていますが、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」にはグリーン車用もあります。
「ふらっとグリーン」と「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」、どちらのほうがお得なのでしょうか? あるいは、どちらのほうが使い勝手がよいのでしょうか?
主要区間の料金比較
まずは、主要区間でのグリーン車の料金を比較してみましょう。
路線・区間 | ふらっとグリーン | えきねっとトクだ値 | お先にトクだ値 |
---|---|---|---|
東北新幹線 東京~仙台 (やまびこ) |
11,870円 | 13,010円(10%引き) 12,290円(15%引き) |
10,120円(30%引き) 9,400円(35%引き) |
東北新幹線 東京~郡山 (やまびこ) |
8,680円 | 9,690円(10%引き) 9,140円(15%引き) |
7,530円(30%引き) 6,990円(35%引き) |
上越新幹線 東京~新潟 (とき) |
11,050円 | 12,720円(10%引き) 12,020円(15%引き) |
9,900円(30%引き) 9,190円(35%引き) |
上越新幹線 東京~高崎 (たにがわ) |
5,410円 | 5,480円(15%引き) | 4,190円(35%引き) |
北陸新幹線 東京~長野 (あさま) |
8,680円 | 9,690円(10%引き) 9,140円(15%引き) |
7,530円(30%引き) 6,990円(35%引き) |
「ふらっとグリーン」は 「えきねっとトクだ値」より若干安く、「お先にトクだ値」よりは高い くらいの値付けがされているようです。
「お先にトクだ値」は14日前までの予約が必要ですが、ほとんどの区間で「ふらっとグリーン」より安いです。500円の利用券を含めても安いですね。
2週間前までに旅行の日程が決まっている場合には、まず「お先にトクだ値」のグリーン車用が設定されていないかを確認したほうがよさそうですね。
使い勝手は「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」のほうが上!
「ふらっとグリーン」と、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」の使い勝手を比べてみます。
ふらっとグリーン | えきねっとトクだ値 | お先にトクだ値 | |
---|---|---|---|
設定区間 | 仙台・新潟・長野まで | ほぼ全区間 | ほぼ全区間 |
購入期限 | 前日の18時 | 当日の1:40 | 13日前の1:40 |
変更 | 不可 | 受取前なら可能 | 受取前なら可能 |
払い戻し 手数料 |
10日前から有料 20%~50% |
310円 (受取前)※1 |
310円 (受取前)※1 |
乗り遅れ | 無効 | 乗車券のみ有効 | 乗車券のみ有効 |
発売条件 | 2人以上 | 1人でも可 | 1人でも可 |
その他 | 500円のお買物券 | - | - |
※1: きっぷ受け取り後は割引率分の払い戻し手数料がかかる(例:30%引きのきっぷの払い戻し手数料は購入額の30%)
きっぷとしての使い勝手は明らかに「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」のほうが上 です。
最も大きな違いは、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」では、受け取り前であれば変更が効く というところでしょう。変更ができない「ふらっとグリーン」は、旅行の日程が確実に決まっていないと購入しづらいですが、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」であれば、とりあえず希望の列車を押さえておき、予定が変わったら変更するということができます。
また、「ふらっとグリーン」の設定区間は、仙台・新潟・長野から東京寄りの区間に限られますが、「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」はほぼ全区間に設定があります。東北新幹線の仙台より先や、北陸新幹線の長野より先へ行く場合には「ふらっとグリーン」は利用できません。
【結論】2週間以上前なら「お先にトクだ値」、2人以上で2週間を切っている場合は「ふらっとグリーン」
ということで、無理やりまとめてみると、
- 2週間前までに旅行の日程が決まっていれば「お先にトクだ値」がお得
- 2人以上で旅行まで2週間を切っているが、旅程が確実に決まる場合は「ふらっとグリーン」がお得(ただし、変更不可・払い戻し手数料が高い点に注意!)
ということになりそうです。
以上、JR東日本の新幹線グリーン車に格安で乗れる「ふらっとグリーン」の話題でした。2人以上ということで、直前予約の旅行者を対象にした旅行商品だと思います。条件に合う場合には、少しの追加出費でゆったりした新幹線のグリーン席に乗れるので、試してみてはいかがでしょうか?
コメント