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【仙石東北ライン 乗車レポート】 仙台~石巻を結ぶ快速列車、松島湾の眺めと東北本線からの渡り線が見どころ!

乗車レポート
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仙台と石巻を結ぶ快速列車「仙石東北ライン」。東日本大震災で被災した仙石線(せんせきせん)の復旧にあたり、東北本線と仙石線を接続し、2015年に「仙石東北ライン」が新設されました。仙石線区間では松島湾を眺めることができますし、鉄道ファンには東北本線から仙石線への渡り線が見どころとなります。

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仙石東北ラインとは?

仙石東北ラインは、仙台~石巻を結ぶ快速列車です。

かつては、仙台~石巻の都市間輸送は、仙石線(あおば通り・仙台~石巻)の快速列車が担っていましたが、東日本大震災の津波で被災。復旧にあたり、東北本線と仙石線の線路がすぐ近くで並行している松島近辺に渡り線を新設して、東北本線~仙石線を走る「仙石東北ライン」が誕生したのでした。

日本三景の一つ、松島湾の近くでは、東北本線と仙石線の線路がほぼ並行しています。その中でも東北本線の塩釜~松島間、仙石線の松島海岸~高城町間では、お互いの線路がすぐ近くに敷かれていて、この区間に渡り線を設けて、東北本線と仙石線の間を、列車が行き来できるように工事をしたのです。

この計画自体は、仙台~石巻間の所要時間短縮を目的として、かなり前から持ち上がっていましたが、コスト面などで折り合いがつかずに実現しなかったそうです。それが、東日本大震災からの仙石線の復旧や、高速バスへの対抗などの点でようやく実現することとなり、仙石線の全線復旧・運行再開と合わせて、2015年5月30日に、仙石東北ラインが開業したのでした。

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ディーゼルハイブリッド車両 HB-E210系で運転

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仙石東北ライン HB-E210系(2017年1月撮影@仙台駅)

東北本線~仙石線を直通運転するのにあたり、問題となったのは、2路線の電化方式の違いでした。東北本線は交流電化、仙石線は直流電化を採用していました。

東北本線と仙石線を直通できる車両として、交直流電車を新造するのかと思いきや、新たに製造されたのはJR東日本の観光列車などでおなじみのディーゼルハイブリッド車両「HB-E210系」でした。

軽油を燃料として発電機を回し、発電された電気でモーターを駆動させる仕組みです。蓄電池も積んでいて、回生ブレーキによりモーターから発生した電力を蓄え、走行時に使用します。

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HB-E210系車内に設置されているモニター

車内にはこのようなモニターが設置されていて、蓄電池に充電中なのか、放電中なのかなどがわかるようになっています。

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仙石東北ライン乗車レポート

今回(2019年1月上旬)、仙石東北ラインの仙台→石巻間に乗車してきましたので、渡り線の様子や、仙石線区間の車窓の様子などを交えながらレポートします。

なお、写真については、過去乗車時に撮影したものも利用しています。

東北本線を北上

仙台15時16分発の仙石東北ライン石巻行きに乗車します。1月上旬の金曜日ですが、仙台へのお出かけからの帰宅にちょうど良いのか、4両編成の列車の座席は埋まり、立ち客も出るほどの混雑ぶりです。

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真っすぐな東北本線の線路を北上!

仙台を出発すると、しばらくは東北本線を進みます。各駅に停車しますが、駅ごとに少しずつ下車していき、車内がだんだんと空いてきます。

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たくさんの線路が並ぶ陸前山王駅

15時30分、陸前山王駅に到着。この駅には、仙台臨海鉄道という貨物専業の会社の路線(仙台臨海鉄道臨海本線)が乗り入れているため、何本もの線路が敷かれています。この陸前山王駅から仙台港へと線路が続いています。

東北本線から仙石線への渡り線へ

15時33分発の塩釜駅を出ると、短いトンネルをいくつか通過し、いよいよ、東北本線から仙石線への渡り線を通過します。

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いよいよ東北本線から仙石線への渡り線へ

左側の真っすぐの2本の線路が東北本線、一番右側にかすかに見えているのが仙石線(単線)です。仙石東北ラインの列車は、一番左側の線路(東北本線下り)から、東北本線の上り線に入り、すぐに両線の渡り線へと進んでいきます。

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ゆっくりとポイントを通過して渡り線に入りました

渡り線を通過中。以前、仙石東北ラインに乗車したときには、東北本線の上り→下りの渡り線の手前、仙石線への渡り線に入る手前、渡り線から仙石線に入る手前と、3度ほど停車していましたが、今回はノロノロながらも一度も停車しませんでした。

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渡り線から仙石線へ入ります 渡り線には架線がありません

渡り線から仙石線の線路に入ります。渡り線には架線がないことがよくわかりますね。

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高城川を渡るとすぐに高城町駅に到着です

無事に仙石線に入ると、すぐに高城川を渡ります。この先はすぐに松島湾へと注ぐ河口です。

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高城町駅には「マンガッタンライナーII」と行き違いです

高城町駅に到着します。仙石線の普通列車との行き違いがあります。行き違いの車両は、石ノ森章太郎のマンガのキャラクターが描かれた「マンガッタンライナーII」でした。

www.mangattan.jp

マンガによる町づくりを目指す石巻市とJR東日本が協力して実現した「マンガッタンライナー」。2003年に初代マンガッタンライナーが運転を開始し、上の写真の「マンガッタンライナーII」は2008年に登場しました。

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マンガッタンライナーの先頭車はクロス・ロング転換の「2WAYシート」

高城町駅に停車中に撮影してみました。先頭車の座席はロングシートではなく、「2WAYシート」と呼ばれる二人掛けの座席が並んでいます。首都圏の大手私鉄では、ロングシートとクロスシートを転換できる車両が流行りですが、この「2WAYシート」も同様に、クロスシートとロングシートに転換できます。というより、仙石線のほうが先ですね。

ちなみに、車両は、首都圏で活躍していた205系電車です。

松島湾を眺めながら付け替え区間を行く

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仙石東北ライン一番の車窓、松島湾

高城町を出ると、右側の車窓に松島湾が広がります。松島湾は、湾内に浮かぶ多数の島々が防波堤の役割を果たしてくれたおかげで、津波の被害が比較的小さかったところです。

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野蒜駅では初代「マンガッタンライナー」と行き違い

15時53分、野蒜(のびる)駅に到着。ここでも仙石線の仙台方面行きの列車と行き違いをします。野蒜駅に停車していたのは、初代「マンガッタンライナー」でした。

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震災前の野蒜駅はずっと海に近いところにありました

野蒜駅停車中に、海側を撮影してみました。松島湾は津波の被害が少なかったのですが、石巻湾に近い東名(とうな)駅、野蒜駅のあたりは、大津波に襲われて甚大な被害を受けてしまいました。

この区間は、内陸の高台に線路を移設して復旧されました。この野蒜駅も、東日本大震災の前は、海のすぐ近く、上の写真から見える方向にありました。

県道27号線と並行して東名運河が流れていますが、かつての仙石線は、この運河のすぐ近くを走っていました。地図を拡大すると、「旧東名駅跡」「旧野蒜駅跡」とあるのがわかります。

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付け替えられた高架区間から地上へ

野蒜駅を出ると、付け替え区間の高架から地上へ降りていきます。付け替えられた高架の線路は真新しいですが、高架の周囲は津波被害からの復興途中なのか、何もないところが目立ちます。

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川幅の広い鳴瀬川を渡ると陸前小野駅に到着です

すぐ下流で合流し、石巻湾にそそぐ吉田川、鳴瀬川を連続して渡ると、陸前小野駅に到着です。

住宅地・市街地を抜けて終点石巻へ

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地上へ降りると国道45号と並行して走ります

ここからは国道45号線に沿って進みます。周囲は田畑が目立ちますが、次第に住宅や工場なども増えてきます。

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矢本駅では上り仙石東北ラインと行き違いで2分停車

矢本駅では仙台行きの仙石東北ラインとの行き違いのために2分停車。ホームに降りてみました。16時を過ぎたばかりですが、1月上旬のこの時期は日が短く、すでに夕暮れの雰囲気です。

東北本線区間で徐々に減っていった乗客も、石巻が近づくにつれてまた増えてきました。

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仙台からちょうど1時間で終点石巻に到着!

16時16分、仙台からピッタリ1時間で、終点の石巻駅に到着しました。到着したのは、駅舎の端っこにある仙石線ホーム。隣には発車を待つ205系のあおば通り行きの列車が止まっていました。

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石巻駅の駅舎 石ノ森章太郎のマンガのキャラクターがお出迎えです

石巻駅の駅舎です。石ノ森章太郎のマンガ「サイボーグ009」のキャラクターが描かれたステンドグラスが印象的でした。


『【仙石東北ライン 乗車レポート】 仙台~石巻を結ぶ快速列車、松島湾の眺めと東北本線からの渡り線が見どころ!』をお届けしました。仙台と石巻を結ぶ新たな列車としてデビューした「仙石東北ライン」。松島湾の風景や、東北本線と仙石線の渡り線など、意外と見どころの多い路線でした。

乗車レポート汽車旅汽車旅-JR東日本
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この記事を書いた人
乗り鉄歴25年!
ひさ

乗り鉄歴25年! 青春18きっぷやフリーきっぷを利用して、関東甲信越、北海道、東北によく乗り鉄に出かけます。このブログでは、これまでの乗り鉄経験を活かして、おすすめの列車や路線、お得なきっぷの情報などを掲載しています。

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