JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」を貯めると交換できる「JRE POINT 特典チケット」を使うと、JR東日本の新幹線や特急列車に乗車することができます。ただ、新幹線と在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」は内容が異なるため、多少わかりにくいところもあります。この記事では、それぞれの「JRE POINT 特典チケット」の概要に加えて、お得に使うにはどうすればよいかを紹介していきます。
※2024年10月1日~11月29日の平日に、首都圏の在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」が通常よりもお得に交換できるキャンペーンが開催されます。詳しくはこちらをご覧ください。
新幹線・特急列車に乗車できる「JRE POINT 特典チケット」とは?
「JRE POINT 特典チケット」は、JR東日本のポイント「JRE POINT」で交換できる 新幹線や在来線特急列車に乗車できる特典チケットです。
新幹線と特急列車の「JRE POINT 特典チケット」は違いがあります。具体的には以下の表のようになっています。
新幹線 | 特急列車 | |
---|---|---|
対象路線・列車 |
JR東日本の新幹線 全路線・全列車 |
在来線チケットレス特急券 導入路線 |
特典チケット の内容 |
乗車券+特急券 のセット |
特急券のみ (別途、乗車券が必要) |
座席種別 | 普通車指定席 | 普通車指定席 |
乗車方法 | チケットレス | チケットレス |
関連サービス | 新幹線eチケット | 在来線チケットレス特急券 |
大きな違いは、新幹線の「JRE POINT 特典チケット」は乗車券と特急券がセットになっているので特典チケットだけで乗車できるのに対して、在来線特急列車の特典チケットは特急券のみであるという点です。特急列車に乗車する場合には、別途、乗車券(紙のきっぷ、交通系ICカード、フリーきっぷなど)が必要になります。
というのも、「JRE POINT 特典チケット」は、以下のように、JR東日本の既存のチケットレスサービスの商品を、JRE POINTで交換できるものとなっているためです。
- 新幹線の JRE POINT 特典チケット: 新幹線eチケット
- 特急列車の JRE POINT 特典チケット: 在来線チケットレス特急券
【期間限定】「在来線チケットレス特急券(JRE POINT 特典)」でラクトク通勤!
首都圏の在来線特急列車を対象に、平日の「在来線チケットレス特急券(JRE POINT 特典)」が通常よりもお得に交換できるキャンペーンが実施されます。
- 実施期間: 2024年10月1日~11月29日の平日
- 対象列車
- 東海道線「湘南」
- 中央線「かいじ」「はちおうじ」「おうめ」
- 常磐線「ときわ」
- 高崎線「あかぎ」
- 房総特急「しおさい」「わかしお」「さざなみ」
- 「成田エクスプレス」(空港第2ビル・成田空港発着を除く)
- 交換レート(下表のとおり)
- 対象設備: 普通車指定席
営業キロ | 通常交換 ポイント |
キャンペーン 交換ポイント |
---|---|---|
~50km | 460ポイント | 400ポイント |
51km~100km | 720ポイン | 600ポイント |
101km~200km | 1,280ポイント | 900ポイント |
キャンペーン名称のとおり、主に通勤客を対象としたキャンペーンですが、「かいじ」や「ときわ」も対象になっていますので、平日のちょっとしたお出かけにも利用できそうです。
詳しくは、JR東日本ニュースリリースをご覧ください。
新幹線の「JRE POINT 特典チケット」は距離区分を理解してお得に使いこなそう
新幹線の「JRE POINT 特典チケット」の概要とお得な使い方について紹介します。
新幹線の「JRE POINT 特典チケット」の対象路線・交換ポイント数
新幹線の「JRE POINT 特典チケット」の対象路線はJR東日本のすべての新幹線です。具体的には、以下の路線・区間となります。
- 東北新幹線: 東京~新青森
- 秋田新幹線: 東京~秋田
- 山形新幹線: 東京~新庄
- 上越新幹線: 東京~新潟
- 北陸新幹線: 東京~上越妙高
注意したいのは、北海道新幹線(JR北海道)や、北陸新幹線の上越妙高~敦賀間(JR西日本)は含まれない点です。あくまでJR東日本の区間のみのサービスです。また、乗車できるのは、いずれの路線・列車でも普通車指定席です。
新幹線の「JRE POINT 特典チケット」の交換ポイント数は、路線・列車を問わず、乗車する距離のみによって異なります。
乗車距離 | 交換ポイント |
---|---|
~100km | 2,160ポイント |
101km~200km | 4,620ポイント |
201km~400km | 7,940ポイント |
401km~ | 12,110ポイント |
新幹線の料金(乗車券+特急料金)は一駅ごとに異なるのですが、「JRE POINT 特典チケット」の距離区分は非常にざっくりとしていて、4区分のみです。この違いにより、お得度の高い区間とそうでない区間がでてきます。これについては、次で詳しく見ていきます。
区間によって大きく異なるお得度、距離区分境界近くがお得!
「JRE POINT 特典チケット」がどのくらいお得かを見ていきましょう。JRE POINTは、1ポイント=1円でSuicaにチャージできます。ここでは、新幹線の通常料金(新幹線eチケットの料金)と「JRE POINT 特典チケット」を比べて、お得度を見ていくことにします。
東京駅から主な駅までの通常料金と「JRE POINT 特典チケット」の必要ポイント数、その差となるお得度を以下の表に示します。(東京~新青森・盛岡・仙台の通常料金ははやぶさ利用時のものです)
路線 | 区間 | 通常料金(円) |
特典チケット ポイント数 |
お得度 (円相当) |
---|---|---|---|---|
東北新幹線 | 東京~新青森 | 17,470 | 12,100 | 5,370 |
東京~盛岡 | 14,810 | 12,100 | 2,710 | |
東京~仙台 | 11,210 | 7,940 | 3,270 | |
東京~郡山 | 8,140 | 7,940 | 200 | |
秋田新幹線 | 東京~秋田 | 17,820 | 12,100 | 5,720 |
山形新幹線 | 東京~山形 | 11,250 | 7,940 | 3,310 |
上越新幹線 | 東京~新潟 | 10,560 | 7,940 | 2,620 |
東京~越後湯沢 | 6,590 | 4,620 | 1,970 | |
北陸新幹線 | 東京~長野 | 8,140 | 7,940 | 200 |
東京~上越妙高 | 9,240 | 7,940 | 1,300 |
ざっと見てみると、区間によってお得度が大きく異なることがわかります。必ずしも長距離(通常料金が高い)ほど「JRE POINT 特典チケット」のお得度が高いわけでもなさそうです。
東京~越後湯沢間では1,970円相当もお得になるのに、それよりも距離が少し長い東京~長野間では200円しかお得になりません。これは、「JRE POINT 特典チケット」の距離区分が非常にざっくりとしているためです。東京~越後湯沢間の距離は199.2kmで、「JRE POINT 特典チケット」の距離区分では100~200kmに入るため、4,620ポイントで利用できます。一方の東京~長野間は222.4kmで、「JRE POINT 特典チケット」の距離区分が一つ上がって7,940ポイント必要となってしまいます。
一方で、東京~新青森(713.7km)や東京~秋田(662.6km)など、「JRE POINT 特典チケット」の距離区分の401km以上になる区間では、長距離ほどお得感が増してきます。
ということで、「JRE POINT 特典チケット」をお得に利用するには、以下のようにすることをおすすめします。
- 各距離区分の上限値(100km、200km、400km)より少し短い距離での乗車に利用する
- 401km以上の距離区分ではなるべく長距離の乗車に利用する
東京都心発着なら上野駅、大宮駅を活用して距離を調整しよう!
「JRE POINT 特典チケット」の距離区分を意識するとお得になるとしても、乗車したい区間が決まっている場合にはどうすれば良いでしょうか?
東京都心発着で「JRE POINT 特典チケット」を使う場合には、出発地(目的地)が東京駅に近かったとしても、新幹線に乗車(下車)する駅を上野駅、大宮駅に変更すると、お得になる場合が出てきます。
前述の東京~長野間の例では、大宮~長野間で利用すると以下のようになります。
- 東京~長野(222.4km)で特典チケットを利用する場合: 7,920円相当
- 特典チケット(201km~400km): 7,920ポイント
- 大宮~長野(192.1km)で特典チケットを利用する場合: 5,191円相当
- 特典チケット(101km~200km): 4,620ポイント
- 大宮~東京間の運賃: 571円
東京~大宮間の距離は30.3kmありますので、大宮~長野間で特典チケットを利用することで、距離区分が一つ下がります。東京~大宮間の移動に普通列車を利用しても、合計で5,191円相当ですので、2,700円以上もお得になります。
もちろん、乗り継ぎの手間や所要時間が増えてしまうデメリットはありますが、時間に余裕がある場合には有効な方法です。
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」はフリーきっぷとの組み合わせが便利!
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」の概要とおすすめの使い方を紹介します。
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」の対象路線・交換ポイント数
在来線特急列車の対象路線・列車は、「在来線チケットレス特急券」というチケットレス特急券のサービスの対象路線となります。具体的には以下のとおりです。
- 中央本線: あずさ、かいじ、富士回遊※1、はちおうじ、おうめ
- 常磐線: ひたち、ときわ
- 東海道本線: 踊り子※2、湘南
- 高崎線・吾妻線: 草津・四万、あかぎ
- 成田線: 成田エクスプレス
- 房総方面: しおさい、わかしお、新宿わかしお、さざなみ、新宿さざなみ ※3
- 鎌倉方面: 鎌倉 ※3
※1「富士回遊」の富士急行線区間は対象外
※2「踊り子」は池袋・新宿・東京~熱海~伊東間のみが対象、「サフィール踊り子」は対象外
※3 2024年3月16日乗車分より利用可能
首都圏の特急列車の大半が対象となっています。ただし、他社の路線に直通する「富士回遊」や「踊り子」は、基本的にJR東日本の区間のみが対象となっている点にだけは注意しましょう。
なお、「在来線チケットレス特急券」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」の交換に必要なポイント数は、以下のように乗車距離によって異なります。
乗車距離 | 交換ポイント |
---|---|
~50km | 460ポイント |
51~100km | 720ポイント |
101~200km | 1,280ポイント |
201km~ | 1,940ポイント |
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」は特急券のみのチケットとなるため、新幹線に比べると交換ポイント数はかなり少なくなっています。JRE POINTがそれなりにたまっていれば、気軽に使えます。
別途、乗車券が必要になりますが、Suicaエリア内であれば交通系ICカードが使えますし、フリーきっぷとの組み合わせもOKです。
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」はどれくらいお得?
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」は、前述のとおり「在来線チケットレス特急券」というチケットレス特急券を特典チケットとして交換できるサービスととらえるとわかりやすいです。
それでは「JRE POINT 特典チケット」はどのくらいお得なのでしょうか? ここでも、1ポイント=1円換算として、正規の特急料金(首都圏に導入されている「新たな着席サービス」の特急料金)と比べてみましょう。
乗車距離 | 特典チケット | 正規特急料金 |
---|---|---|
~50km | 460ポイント | 760円 |
51~100km | 720ポイント | 1,020円 |
101~150km | 1,280ポイント | 1,580円 |
151~200km | 1,280ポイント | 2,240円 |
201~300km | 1,940ポイント | 2,550円 |
301~400km | 1,940ポイント | 2,900円 |
※「草津・四万」「成田エクスプレス」は特急料金が異なります
特急列車の「JRE POINT 特典チケット」の距離区分も、新幹線と同様、正規の特急料金よりも区分が大雑把になっています。そのため、上の表で太字で示した距離区分はお得感が高くなっています。
とはいえ、どの距離区分でもそれなりにお得になりますし、新幹線に比べると必要なポイント数もかなり少なくなっていますので、あまり気にせずに利用しても良いでしょう。
「週末パス」「休日おでかけパス」などのフリーきっぷとの組み合わせが便利!
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」は、特急券のみのチケットです。別途、乗車券が必要となりますが、紙のきっぷやSuica等の交通系ICカードに加えて、フリーきっぷを利用することもできます。
在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」が導入されている首都圏近郊がフリーエリアとなるフリーきっぷを紹介します。
- きっぷ名: 週末パス
- 利用期間: 週末の土日の2日間
- フリーエリア: 南東北、関東、甲信越のJR線、14の私鉄・第三セクター路線
- 価格: 大人 8,880円、小児 2,600円
JR東日本の広い範囲がフリーエリアとなる定番フリーきっぷ「週末パス」は、在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」が導入されている区間がすべてフリーエリアに含まれます。「週末パス」は乗車券タイプのフリーきっぷ(乗車券としてのみ有効)で、別途、特急券を購入することで、特急列車に乗車できるようになっています。その特急券を、「JRE POINT 特典チケット」として購入するわけです。
中央本線「あずさ」「かいじ」や、常磐線「ひたち」「ときわ」は、本数も多く、使いやすいでしょう。
「週末パス」については、以下の記事でわかりやすく紹介していますので、ぜひご覧ください。
東京近郊の休日のおでかけに便利な「休日おでかけパス」も、「JRE POINT 特典チケット」との相性が良いフリーきっぷです。
- きっぷ名: 休日おでかけパス
- 利用期間: 土休日、GW、夏休み、年末年始
- フリーエリア: 東京近郊のJR線
- 価格: 大人 2,720円、小児 1,360円
「休日おでかけパス」のフリーエリアは東京近郊のみですが、東京近郊といってもかなり広く、中央本線の大月駅、東海道本線の小田原駅、高崎線の神保原駅、宇都宮線の自治医大駅までが含まれます。
「休日おでかけパス」のフリーエリア内で、「JRE POINT 特典チケット」と組み合わせて乗車できる特急列車と区間は以下のとおりです。
- 中央本線
- あずさ、かいじ、富士回遊(千葉・東京・新宿~大月)
- はちおうじ、おうめ(全区間)
- 常磐線
- ひたち、ときわ(品川・東京・上野~土浦)
- 東海道本線
- 踊り子、湘南(東京~小田原)
- 高崎線・吾妻線
- 草津・四万、あかぎ(上野・新宿~熊谷・本庄)
- 成田線
- 成田エクスプレス(全区間)
- 房総方面
- しおさい(東京~佐倉・成東)
- わかしお、新宿わかしお(東京・新宿~茂原)
- さざなみ、新宿さざなみ(東京・新宿~君津)
「休日おでかけパス」については、以下の記事をご覧ください。
他にも、ときわ路パス、ぐんまワンデーパス なども、在来線特急列車の「JRE POINT 特典チケット」と相性の良いフリーきっぷです。
以上、「【JRE POINT 特典チケット】JRE POINTで新幹線・特急列車に乗ろう! それぞれの特典チケットのお得な使い方を紹介します!」でした。特典チケットをお得に活用して、旅を楽しみましょう!
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