長野県千曲市にある姨捨山。食料難のために年老いた親を捨てるという恐ろしい姨捨伝説が伝わる地ですが、美しい棚田の風景や、その向こうに広がる善光寺平の雄大は景色を眺められる絶景スポットでもあります。JR篠ノ井線の姨捨駅からも、徒歩圏内で十分に景色を楽しむことができます。
棚田と善光寺平の絶景で有名な姨捨
長野県千曲市にある姨捨は、善光寺平を囲む山の中腹にある地名です。
JR篠ノ井線(長野~松本~塩尻を結ぶJR東日本の路線)の姨捨駅があり、スイッチバックや日本三大車窓の駅としても有名です。また、長野自動車道の姨捨サービスエリアがあり、上り側の展望広場からも善光寺平の絶景を眺めることができます。
今回は、JR篠ノ井線(しののいせん)の姨捨駅から、徒歩で棚田や善光寺平の景色を眺められる場所を巡ってみました。
姨捨駅への鉄道でのアクセス
姨捨駅へ鉄道でアクセスするには、JR篠ノ井線の普通列車に乗車する必要があります。
長野駅から約30分、松本駅から45分~1時間程度で到着します。篠ノ井線は単線のため、途中で行き違いがあると所要時間が長くなります。
篠ノ井線の長野~松本間には、特急しなの号も走っていますが、姨捨駅には停車しませんので、必ず普通列車に乗りましょう。
善光寺平の絶景を眺められるポイント
姨捨駅の2番線ホーム
善光寺平を眺められるポイントとしては、まずは姨捨駅の2番線(松本方面行き)のホームです。写真の右側のホームが2番線ホームです。左側の1番線ホームには駅舎があり、待合室や、クルーズトレイン「四季島」乗客専用のラウンジ(左手前のガラス張りの建物)があります。
長野から普通列車に乗ってくると、この2番線のホームに到着しますので、そのまま絶景を眺めることができます。松本方面からの列車の場合には、駅舎のあるほうの1番線に到着しますので、写真奥に見える跨線橋を渡って2番線に移動しましょう。
ここは日本三大車窓の一つに数えられるところです。
真ん中を流れるのが千曲川です。新潟県に入ると信濃川と名前を変えて、新潟市で日本海に注いでいます。日本で最も長い川として有名ですね。
千曲川の両岸に広がるのが千曲市の市街地。千曲川の向こうのほうが中心地ですね。さらに、その奥が長野市です。
同じ場所から眺めた夜景です。善光寺平は昼間の景色もよいですが、夜景も素晴らしいです。
夜景を眺めたい方には、夏季の金曜・土曜を中心に長野~姨捨間を往復する観光列車「ナイトビュー姨捨」がおすすめです。
この夜景も、「ナイトビュー姨捨」で姨捨駅に到着したあとに撮影しました。
姨捨公園
姨捨駅から徒歩3~4分ほどのところに「姨捨公園」があります。
姨捨駅の改札を出て、駅前の道を右側へ。すぐに遮断機や警報機のない小さな踏切がありますので、それを渡ります。最初の踏切は、姨捨駅のホームの先、行き止まりの線路にあるので、列車はやってきません。(それでも念のため注意して渡りましょう)
その奥にも踏切があり、それも渡ります。こちらは、篠ノ井線の本線ですので、上の写真のように列車がやってきます。この踏切にも遮断器や警報機はありませんので、注意して渡るようにしましょう。姨捨駅を通過する特急列車は高速で通過していきます。
踏切を渡ったあと、左右に道が分かれますが、左側へ行くとすぐに姨捨公園があります。
公園といっても小さな東屋と展望台があるだけですが、ここからの善光寺平の眺めが素晴らしいです。
姨捨駅のホームよりも少し標高は低いですが、その分、善光寺平に近いところから眺める形になります。それに、多少アングルも異なりますね。
姨捨公園は、棚田のある地区とは反対側なのですが、この展望台からは、棚田の一部を眺めることができます。
棚田を眺められるポイント
次は、棚田のエリアまで行ってみましょう。
姨捨駅を出てから、先ほどの姨捨公園とは反対側の左側へ進みます。線路と並行して道路が続いています。道幅が狭い割に、駅への送迎のクルマが結構通りますので注意しましょう。
途中、踏切が2つあります。上の写真の踏切は駅から一つ目の踏切です。
線路が複雑に枝分かれしているのがわかるでしょうか? 手前の2本が姨捨駅に向かう線路です。その向こう、写真では小さくしか写っていませんが、左側から合流しているのが本線です。
二つ目の踏切まで、姨捨駅から約500メートル。徒歩で7~8分といったところでしょうか。踏切を渡ると、そこが棚田エリアの一番上です。
踏切を渡り、左側の細い道を少し下ると、小高く盛り上がった展望スペースがあります。上の写真は、そこから善光寺平の方を撮影した写真です。棚田とその向こうに広がる善光寺平の風景を一緒に眺めることができるポイントです。
棚田の間にある道を少し下ってみます。善光寺平と反対側には、段々になった小さな棚田が広がります。真夏のこの時期は、雑草も成長してしまって、棚田の見分けがつきにくくなっています。棚田メインで姨捨に行くのであれば、田植え直前の田んぼに水を引いたあとか、収穫前の稲穂が黄金色に輝く時期がよいかもしれません。
とはいえ、夏空と青々とした棚田の風景もいいものです。
棚田は、姨捨駅のある標高550メートルくらいのところまで、標高差で200メートルにも及ぶ範囲に続いています。もう少し散策してみたかったのですが、この日は長野でも35℃を超える猛暑。棚田の道はかなり急な坂道で、あとでこの道を登って駅まで戻ることを考えると、熱中症の危険もあるので、早々に引き上げたのでした。
それでも、駅から徒歩10分以内で、ここまでの景色を堪能できます。棚田は日本各地にありますが、公共交通機関だけではアクセスしにくいところにあるものが多いです。そんな中、姨捨の棚田は、駅から徒歩圏内で十分に堪能できますので、鉄道旅行派の方にはおすすめです。
ちなみに、このときは、昼間に松本から普通列車で姨捨駅を訪問。次の列車までの間の1時間くらいの間、散策を楽しみました。その後、夕方に長野を出発する「ナイトビュー姨捨」で夕景・夜景の姨捨駅を再び訪れたのでした。
以上、姨捨の棚田と善光寺平の絶景を見よう!でした。駅から徒歩圏内でも十分に素晴らしい景色を楽しめます。1時間に1本くらいの列車がありますので、姨捨駅で途中下車して、次の列車までの間、棚田を散策するのもおすすめです。
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