茨城県にある「袋田の滝」をご存知でしょうか? 華厳の滝、那智の滝と並ぶ日本三大名瀑の一つですが、一段の落差が大きいこれらの滝とは異なり、「袋田の滝」は4段を滑り落ちる美しい滝です。そんな袋田の滝に行ってきましたので、見どころと、水郡線・路線バスでのアクセスを詳しく紹介します。
袋田の滝とは?
袋田の滝は、清流と鮎の釣り場で知られる久慈川の支流、滝川の上流に位置する滝です。日光にある華厳の滝、紀伊半島にある那智の滝と並んで、日本三大名瀑に数えられます。
茨城県の内陸部にあるため、現在では想像できませんが、かつては袋田の滝あたりまで海だったそうです。海底火山の噴出物が堆積した地層を、その後、陸地となった後に、久慈川が徐々に侵食していきました。その浸食に耐えて残った部分の崖が、現在の袋田の滝になっているそうです。
「袋田の滝」への公共交通機関でのアクセスは?
「袋田の滝」への公共交通機関でのアクセス方法を紹介します。
最寄り駅は水郡線「袋田駅」
公共交通機関で袋田の滝へアクセスするには、JR水郡線(すいぐんせん)を利用します。最寄り駅は袋田駅で、水戸から約1時間10分、郡山から約2時間10分です。水郡線は普通列車しか走っていません。ローカル線で、本数が少ないため、事前にどの列車に乗車するかを決めておいたほうがよいでしょう。
水郡線は、清流といわれる久慈川の流れに沿ったローカル線。川を眺めながらの汽車旅もおすすめです。以下の記事で水郡線の車窓や、東京からの周遊ルートを紹介しています。
首都圏から水戸経由でアクセスする場合には、期間限定ですが土休日に利用できるフリーきっぷ「ときわ路パス」がおすすめです。茨城県内のJR線や私鉄路線に1日乗り放題で2,180円です。水郡線は水戸~下野宮がフリーエリアに入っていて、水戸駅から袋田駅へのアクセスにも利用できます。
水郡線 袋田駅から路線バス・タクシー・徒歩でアクセス
水郡線の袋田駅から袋田の滝までは約3kmあります。交通手段としては、路線バス、タクシー、徒歩があります。
手段 | 所要時間 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
路線バス | 7分 | 210円 | 茨城交通 1日4往復 |
タクシー | 5分 | 1,000円強 | 待機はないので 呼ぶ必要がある |
徒歩 | 約40分 | - |
本数が少ないですが、日中時間帯の水戸方面からの水郡線の列車に接続していますので、路線バスを利用する方法がもっともポピュラーでしょう。
路線バスの終点は「滝本」というバス停ですが、バス停から袋田の滝までは約10分ほど歩きます。沿道にはお土産屋や食堂などが並んでいますし、袋田の滝までは、滝川の流れに沿っているので、散策するのにちょうどよいです。
路線バスのない時間帯であれば、タクシーを呼ぶのが無難でしょう。袋田駅前にはタクシーは待機していないことが多いですが、電話して呼べば来てくれます。道路が空いていれば、料金は1,000円強です。
天気が良ければ徒歩でもアクセスできます。約3km、片道40分程度です。往復すると疲れてしまうかもしれませんが、片道であれば、ちょうどよい散歩になるでしょう。
紅葉の時期になると、袋田の滝への道路が大渋滞するそうです。当然、路線バスやタクシーは相当の時間を要することになります。そんなときは、袋田駅から徒歩でアクセスするのがよいでしょう。
詳しくは、大子町のWebサイトをご確認ください。
水郡線 常陸大子駅から路線バスでアクセス
2022年5月1日から、水郡線の常陸大子駅と袋田の滝(滝本)を結ぶ路線バスが運行を開始しました。
手段 | 所要時間 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
路線バス | 11分 | 340円 | 茨城交通 1日2往復 |
常陸大子駅は袋田駅の隣(一つ郡山寄り)の駅です。水戸駅から水郡線でアクセスする場合には、袋田駅で下車して、すぐ接続する路線バスを使う方がよいでしょう。
一方、袋田の滝の観光を終えて帰宅するときには、常陸大子駅への路線バスを利用するのもアリです。というのも、常陸大子駅には水郡線の車両基地があり、常陸大子駅始発の列車や、常陸大子駅で増結することが多いからです。常陸大子駅から乗車すれば、座席を確保できる可能性はかなり高くなります。
また、袋田駅の周りには飲食店などはありませんが、常陸大子駅の周囲には飲食店や道の駅「奥久慈だいご」などの施設があります。
詳しくは、大子町のWebサイトをご確認ください。
袋田の滝の見どころを紹介!
それでは、袋田の滝の見どころを紹介しましょう。
袋田の滝入口で入場料を払ってトンネルへ
袋田の滝の見学は有料です。入場券(300円)を払って入りましょう。
こんなトンネルを歩いていきます。ひんやりした空気に包まれています。
吊り橋を渡って瀧見台へ
メインの観瀑台はトンネルの一番奥ですが、途中で右へ入ると吊り橋に出ます。
吊り橋からは、袋田の滝を横から見ることができます。滝の正面にあるのが、のちほど紹介する第1観瀑台です。袋田の滝を流れ落ちた水は、滝川の流れとなって下り、久慈川に合流します。
吊り橋を渡り、少し階段を登っていくと、瀧見台に到着します。瀧見台からは、袋田の滝の全景を見渡すことができました。
袋田の滝の反対側、第1観瀑台がの上が、ものすごく切り立った崖になっているのに驚きました。川の流れが削った跡なのですが、水の力というのはすごいものがあります。
迫力のある袋田の滝を眺められる第1観瀑台
吊り橋からトンネルに戻って、先へ進みましょう。トンネルの突き当りを右へ入れば、先ほど、吊り橋の上から見えた第1観瀑台に到着します。
第1観瀑台からの眺めは大迫力! 4段になった滝の最下段、一番幅の広いところを正面から見る形になります。高さ120メートルに対して、幅が73メートルもあります。幾筋もの流れが、流れ落ちるというよりも、滑り落ちると表現したほうがよいほど美しい滝です。
2019年3月下旬に訪れた時に撮影したものですが、冬季の雨や雪が少なかったせいで、袋田の滝の水も少なめなんだそうです。
2009年7月下旬に撮影した袋田の滝です。夏場は雨が多いので、水量も多めですね。
四季おりおりの表情を見せる袋田の滝ですが、水量の多い滝を見たければ、梅雨~夏がよさそうですね。
袋田の滝の全景を見渡せる第2観瀑台
次は、第2観瀑台へ行ってみましょう。第2観瀑台へは、トンネルの奥にあるエレベータで上っていきます。
第2観瀑台からは、袋田の滝の全景を見渡すことができます。4段になって流れ落ちる袋田の滝の全体の様子がよくわかります。
第1観瀑台よりもかなり高いところから眺めることになりますので、全体を眺められる代わりに、迫力はあまりありません。ただ、第1観瀑台よりも空いていることが多いので、混雑している時期には穴場です。
袋田の滝の上流にある「生瀬滝」
袋田の滝の少し上流側には、「生瀬滝」という滝があります。袋田の滝の吊り橋の先からハイキングコースを少し登ると、袋田の滝を上から眺めたり、「生瀬滝」を眺めたりすることができます。
吊り橋の先に、このような階段がありますので、これを上がっていきます。かなり急ですし、結構長いので、体力に不安のある方にはおすすめしません。また、この上は、さらに急な石段が続きますので、歩きやすい靴(最低でもスニーカー)が必要です。
しばらく階段を登ると、このような案内板があります。写真ではわかりにくいですが、この横の木々の合間から、袋田の滝を上から眺めることができます。
さらに石の階段を登ると、「生瀬滝」を見渡す展望台に到着します。生瀬滝は落差15メートル。袋田の滝と比べるとこじんまりとしています。
戻るときは、急な階段を下ることになりますので、登るときよりも慎重に下っていきましょう。
四季それぞれで表情を変える袋田の滝を見に行こう!
袋田の滝は、季節によってさまざまな表情を見せます。前述のとおり、夏は水量が多く迫力ある滝を見ることができますし、秋は周囲の木々が赤や黄色に色づく絶景を見ることができます。また、真冬になると滝の一部が凍り付きます。寒さが厳しい年には、全面的に氷結することもあるそうです。
最も人気があるのは紅葉の時期だそうですが、それ以外の季節でも十分に堪能できると思います。
以上、『日本三大名瀑の一つ「袋田の滝」を見に行こう! 見どころと公共交通機関(水郡線・路線バス)でのアクセスを紹介します!』でした。首都圏からは日帰りで楽しめますので、気軽に出かけてみてはいかがでしょうか?
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