JR東日本全線と三セク・私鉄7社に3日間乗り放題の「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」が2022年3月に再発売されます。JR東日本全線の新幹線、特急列車の自由席に乗り放題、指定席には4回まで乗車できます。さらに、主要な第三セクター路線にも乗車できます。北東北への周遊旅行におすすめのきっぷです。
JR東日本全線、三セク・私鉄7社に3日間乗り放題の「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」を発売!
JR東日本は、 JR東日本全線、三セク・私鉄7社に3日間乗り放題の「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」を発売します。2022年秋に発売された「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」と同じ内容・価格で、再発売という形になります。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | 鉄道開業150年記念ファイナルJR東日本パス |
---|---|
利用期間 | 2023年3月2日(木)~3月15日(水) |
備考 | |
発売期間 | 2023年2月2日(木)~3月10日(金) ※有効期間開始日の1ヶ月前から利用開始日の3日前までの発売 |
有効期間 | 3日間 |
フリーエリア | ・JR東日本全線(新幹線含む) ・青い森鉄道線(全線) ・IGRいわて銀河鉄道線(全線) ・三陸鉄道線(全線) ・北越急行線(全線) ・伊豆急行線(全線) ・富士急行線(全線) ・えちごトキめき鉄道線(直江津~新井間) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=2845 |
効用 | ・フリーエリア内の新幹線・特急・急行・快速・普通列車の普通車自由席に乗り放題 ・新幹線・優等列車の普通車指定席に4回まで乗車可能(あらかじめ指定を受けることが条件) |
発売会社 | JR東日本 |
発売箇所 | えきねっと限定販売 |
価格(大人) | 22,150円 |
価格(小児) | 10,150円 |
2022年10月に発売された「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」が、2023年3月に再発売されます。きっぷの名称が「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」に変更になっていますが、内容に変更はありません。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」は、JR東日本では珍しい、新幹線・特急列車に乗り放題のフリーきっぷです。22,150円という価格は安くはないですが、関東~北東北の往復や周遊など、長距離の利用であればお得になりそうです。
利用可能期間は3月上旬の2週間のみと長くなく、期間中に三連休がないので、使い方には注意が必要です。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」、どこまで乗ればお得?
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」は、新幹線・特急列車に乗り放題とはいえ、22,150円と安くはありません。それなりの長距離を乗らないと元は取れません。それでは、東京を起点として考えた場合、単純往復では、どこまで乗ればお得になるでしょうか?
東京駅から新幹線の主要駅までの通常料金(新幹線eチケット)、えきねっとトクだ値、お先にトクだ値の価格を比べてみます。いずれも、同じ価格のきっぷで単純往復した場合の料金です。
路線 | 区間 |
通常料金 (新幹線eチケット) |
えきねっと トクだ値 |
お先にトクだ値 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
東北新幹線 | 東京~仙台 | ¥21,780 | ¥18,500 | ¥14,140 | やまびこ利用 |
東京~盛岡 | ¥29,620 | ¥28,120 | ¥22,200 | はやぶさ利用 | |
東京~新青森 | ¥34,940 | ¥33,180 | ¥26,180 | はやぶさ利用 | |
秋田新幹線 | 東京~秋田 | ¥35,640 | ¥30,260 | ¥23,140 | - |
山形新幹線 | 東京~山形 | ¥22,500 | ¥19,100 | ¥14,600 | - |
東京~新庄 | ¥25,600 | ¥21,720 | ¥16,620 | - | |
上越新幹線 | 東京~新潟 | ¥21,120 | ¥17,940 | ¥13,700 | - |
北陸新幹線 | 東京~長野 | ¥16,280 | ¥13,800 | ¥10,560 | あさま利用 |
東京~上越妙高 | ¥18,480 | ¥16,620 | ¥12,900 | はくたか利用 |
通常料金と比べると、上越新幹線、北陸新幹線ではフリーエリアの端まで乗車してもお得になりません。一方で、東北新幹線、秋田新幹線で盛岡より先まで往復すれば、お得になります。
ただし、JR東日本の新幹線には「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」という割引きっぷがあります。これらと比べると、東京~盛岡の「お先にトクだ値」単純往復で、ほぼ同じくらいになります。
ざっくりまとめると、東京駅から北東北への往復であれば、「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」がお得になる ということが言えます。それ以外のエリアへは、本当にお得になるのか、他の割引きっぷとよく比較したほうがよいでしょう。
「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」については、以下の記事もご覧ください。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」は普通車指定席に4回までしか乗車できないことに注意!
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」は、新幹線や特急列車の普通車自由席には乗り放題ですが、普通車指定席には4回までしか乗車できません。この点で、注意すべきことを紹介します。
JR東日本の新幹線・特急列車は全車指定席の列車が多い
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」を使いこなすうえで、注意しないといけない点として、JR東日本の新幹線・特急列車には、全車指定席の列車がかなり多いということがあげられます。つまり、「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」では、全車指定席の列車には4回までしか乗車できないということです。
JR東日本の新幹線・特急列車で、全車指定席の列車は、以下のとおりです。
- 東北新幹線: はやぶさ・はやて(盛岡~新青森の各駅相互間を除く)
- 秋田新幹線: こまち(盛岡~秋田の各駅相互間を除く)
- 山形新幹線: つばさ(福島~新庄の各駅相互間を除く)
- 北陸新幹線: かがやき
- 常磐線: ひたち・ときわ
- 中央本線・青梅線: あずさ・かいじ・富士回遊・はちおうじ・おうめ
- 東海道本線: 踊り子・湘南
- 高崎線: スワローあかぎ
- 成田エクスプレス
上記の列車に乗車する場合には、「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の指定席に乗車できる4回の権利を利用しないといけません。指定席の交付回数を超えている場合には、運賃のみが有効となり、別途、指定席特急券を購入しなくてはいけません。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の詳しい利用条件については、JR東日本のWebサイトをご確認ください。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の指定席の権利をを有効に活用するには?
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の指定席の権利を有効に活用するにはどうしたらよいでしょうか?
- 新幹線は速達列車を避けて自由席のある列車を利用する
- 東北新幹線「やまびこ」「なすの」
- 北陸新幹線「はくたか」「あさま」
新幹線は、速達列車を避け、東北新幹線であれば「やまびこ」「なすの」、北陸新幹線であれば「はくたか」「あさま」を利用すれば自由席に乗車することができ、指定席の権利を温存できます。
- 特例(特定特急券制度)を活用する
- 東北新幹線: 盛岡以北,仙台~盛岡間の途中駅に停車する「はやぶさ」「はやて」「こまち」
- 秋田新幹線: 盛岡~秋田
- 山形新幹線: 福島~山形~新庄
東北新幹線の盛岡以北、秋田新幹線・山形新幹線の在来線区間のみを利用する場合には、普通車自由席扱いで空席に座ることができます(指定席券を持っている人が乗ってきたら席を譲らないといけません)。
さらに、東北新幹線の仙台~盛岡間の途中駅に停車する「はやぶさ」「はやて」「こまち」に関しても、仙台~盛岡の相互駅間に限り、指定席券を購入しないで乗車することができます。
注意しないといけないのは、この特例に関しては、上記の区間の相互駅間のみ乗車する場合に有効となる点です。上記の区間外にまたがって乗車する場合には、この特例は適用されないため、指定席の権利を利用するか、別途、指定席特急券を購入する必要があります。
- 首都圏発着の在来線特急列車に優先的に指定席の権利を利用
首都圏発着の主要な特急列車は、いずれも全車指定席になっていますので注意が必要です。特に、「あずさ」「ひたち」などの長距離を走る特急列車を利用する方は多いのではないでしょうか。これらの特急列車を利用したい場合には、指定席の交付回数に気をつけましょう。
新幹線は、上記のように指定席の権利を利用しなくても移動する方法がありますが、首都圏発着の全車指定席の在来線特急列車に関しては、指定席の権利を利用しないと乗車することすらできません。そのため、首都圏発着の全車指定席の在来線特急列車への乗車を計画している場合には、優先的に指定席の権利を割り当てるようにしましょう。
- 観光列車・SL列車の指定席は別途購入も検討
乗車券に加えて、指定席券のみで乗車できる観光列車やSL列車に乗車する場合には、あえて「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」の指定席の権利を利用しないという手もあります。JR東日本の主な観光列車やSL列車は、全車指定席の快速列車として運転されていて、指定席料金は530円または840円と比較的安いためです。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」で、新幹線や特急列車に何度も乗車する計画をする場合には、どの列車・区間で指定席4回分の権利を行使するかを、よく考えておきましょう。
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」は北東北周遊の旅がおすすめ!
「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」がお得になる区間や、指定席の利用方法、JR東日本以外の三セクや私鉄路線のエリアを考慮すると、関東や甲信越から北東北への周遊の旅に使うのがおすすめ です。
前述のように、盛岡より先への旅行であれば、新幹線での単純往復でも「鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス」はお得になります。さらに、東北新幹線の盛岡~新青森間、秋田新幹線の盛岡~秋田間は、指定席の権利を利用しなくても「はやぶさ」や「こまち」に乗ることができます。
また、JR東日本以外の路線でも、盛岡~青森間のIGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線に乗車できるので、新幹線を下車してからの移動もOKです。さらに、三陸鉄道も全線が乗り放題となるので、三陸への旅行にも使えます。
前回、2022年10月に発売されたときには、「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」で三陸鉄道に乗車する人が多く、大賑わいとなりました。三陸鉄道に限らず、運賃が割高な第三セクター路線にも乗車できますので、広いフリーエリアを活かした自分ならではの旅をしてみたいですね。
以上、「【鉄道開業150年記念ファイナル JR東日本パス】JR東日本全線の新幹線・特急自由席が3日間乗り放題で22,150円! 北東北への周遊旅行におすすめ!」でした。利用できる期間が短いですが、紅葉シーズンの東北を旅するのに利用するのがおすすめのきっぷです。
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