豊橋と辰野を結ぶ長大なローカル線、飯田線。天竜川の渓谷美や秘境駅で有名ですが、北側の伊那谷を蛇行する様子や、高いところから見おろす河岸段丘も見どころの一つです。そんな飯田線に、冬の青春18きっぷを利用して乗車してきましたので、乗車記をお届けします。車窓の見どころもたっぷりご紹介します。
※2023年1月に再訪しましたので追記・リライトしました。
- 飯田線とは?
- 飯田線へのアクセス
- 飯田線 おすすめの座席は? 区間別車窓ガイド
- 【豊橋~豊川】夜明け前の飯田線を北へ
- 【豊川~中部天竜】 夜明けとともにローカル線区間へ
- 【中部天竜~大嵐】 秘境駅が点在する天竜川の渓谷へ
- 【大嵐~天竜峡】 秘境駅が点在する飯田線のハイライトへ!
- 【天竜峡~飯田】 飯田の町をぐるりと走る飯田線
- 【飯田~伊那大島】 伊那谷の向こうに南アルプスを望む
- 【伊那大島~駒ヶ根】 田切地形を蛇行しながら走る飯田線
- 【駒ヶ根】 駒ヶ根駅で途中下車して温泉&ソースカツ丼のランチ
- 【駒ヶ根】路線バスで日帰り温泉「こまくさの湯」へ(2023年1月再訪)
- 【飯田線乗車記10】 伊那谷の終わりとともに終着の岡谷駅へ
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飯田線とは?
飯田線は、愛知県の豊橋駅と、長野県の辰野駅を結ぶJR東海の路線です。豊橋~豊川間(8.7km)を除いて、大部分が非電化・単線のローカル線です。
全長は195.7kmもあり、とても長い路線なのですが、特徴的なのは駅の数。実に94もの駅があります。単純計算で、2kmに一つの駅があることになりますので、都会を走る通勤路線並みです。
南半分の豊橋~飯田間には、特急「ワイドビュー伊那路」が1日2往復走っていますが、飯田以北は普通列車ばかりです。朝晩に松本・長野~飯田間の快速「みすず」が1本ある程度です。
飯田線の全線を走破する列車が1日に3往復あります。その所要時間は約6~7時間! 乗り鉄の方は、チャレンジしてみても良いでしょう。飯田線の列車にはトイレが付いているので安心です。
そして、飯田線といえば秘境駅。今回は冬でしたので秘境駅の訪問はしませんでしたが、季節の良いときに訪問したい方は、6つの秘境駅を一日で訪問するプランを、以下の記事で紹介しています。青春18きっぷでの訪問がおすすめです。
また、春と秋を中心に、飯田線の秘境駅を一気にめぐることができる急行「飯田線秘境駅号」が運転されます。飯田線の秘境駅を一気に、お手軽に訪問したい方にはおすすめです。
飯田線へのアクセス
飯田線に乗車するために、鉄道で起点駅にアクセスするには、南側は豊橋駅、北側は岡谷駅が基本となります。岡谷駅は中央本線の駅ですが、飯田線の列車は、基本的に岡谷駅(一部は上諏訪駅)まで乗り入れています。
- 豊橋駅
- JR東海道新幹線(「こだま」と一部の「ひかり」が停車)
- JR東海道本線
- 岡谷駅
- JR中央本線(普通列車、または、特急「あずさ」利用)
首都圏や関東地方からは、東海道新幹線(東海道本線)~飯田線~中央本線という周遊ルートができます。また、名古屋以西からは、中央本線(特急「ワイドビューしなの」)~飯田線~東海道新幹線(東海道本線)というルートで旅をすることができます。
飯田線の全線に乗車すると、前述のように6~7時間ほどかかります。途中下車して観光やグルメを楽しむ時間を考えると、東京や大阪からであれば、どこかで一泊するのもおすすめです。
青春18きっぷ利用の1泊2日で、首都圏から飯田線に乗車するおすすめプランを記事にしていますので、ぜひご覧ください。
飯田線 おすすめの座席は? 区間別車窓ガイド
飯田線の魅力といえば車窓。詳しくは、後ほどの乗車記でご紹介しますが、どちら側の座席からどんな景色が見えるのか、簡単にまとめておきます。
飯田線を旅するときの参考にしてもらえれば幸いです。
区間 | 方向 | 主な車窓 |
---|---|---|
本長篠~三河川合 | 東側 | 宇連川 |
中部天竜~天竜川 | 西側 | 天竜川の渓谷 |
天竜峡~飯田 | 東側 | 天竜川 飯田の町 |
飯田~駒ヶ根 | 東側 | 伊那谷 南アルプス |
西側 | 木曽山脈 | |
駒ヶ根~辰野 | 東側 | 伊那谷 天竜川 |
西側 | 木曽山脈 (駒ケ岳) |
※東側: 北行き(辰野・岡谷方面行き)列車で進行方向右側
※西側: 北行き(辰野・岡谷方面行き)列車で進行方向左側
個人的には、天竜峡より南側(豊橋~天竜峡)では、最も天竜川に近づき、秘境駅とともに渓谷美を眺めることのできる西側が、天竜峡より北側(天竜峡~辰野)では、伊那谷の風景と、その向こうに南アルプスを見ることのできる東側がおすすめです。
それでは、早速、飯田線の乗車記をご覧ください。2020年12月に乗車した時の記録をベースに、2023年1月に再訪したときの様子も追記しています。
【豊橋~豊川】夜明け前の飯田線を北へ
午前6時前の豊橋駅。飯田線は主に1~2番線から発車しますが、午前6時発の列車は4番線の東海道線のホームからの発車です。
右側に見えるのは名鉄名古屋本線の改札口。というか、交通系ICカードの簡易改札機だけが置かれています。名鉄名古屋本線もJR線と同じ改札内にあるのですね。
飯田線の天竜峡行きの列車は313系2両編成。車内はボックスシートが並びます。各ボックスに1名程度の乗車率で、午前6時に豊橋駅を発車しました。
飯田線は、豊橋駅から3つ目の下地駅と4つ目の小坂井駅の間にある「平井信号場」まで、名鉄名古屋本線と線路を共有しています。JR東海と名鉄がそれぞれ保有する単線の線路を共用し、JR飯田線と名鉄名古屋本線がそれぞれ複線として利用しているのです。
外はまだ真っ暗なので写真を撮ることができませんでしたが、6時13分着の豊川駅で、多少の乗降がありました。
世間では秘境路線、ローカル線と認識されている飯田線ですが、豊橋~豊川間に関しては豊橋の通勤通学圏内で、1時間に3~4本の列車が運転されています。朝早い列車にもかかわらず、通勤のサラリーマンと思われる方が乗車していました。
【豊川~中部天竜】 夜明けとともにローカル線区間へ
豊川駅を出たあとも、新城駅や本長篠駅などでそれなりの乗降があり、ローカル線ながら、通勤通学に利用されている様子がうかがえました。
6時54分着の本長篠駅あたりで、ようやく夜明けを迎えました。
豊橋~本長篠間も1時間に1本程度の列車があります。沿線は次第に田畑が増えてきますが、駅周辺には住宅街があるなど、秘境駅が存在する飯田線の中でも賑やかな区間です。
本長篠駅を過ぎると、列車の本数も少なくなり、ローカル線らしくなってきます。
周囲から低い山々が迫ってきて、平地が狭くなっていきます。ところどころで川を渡ります。「相川」という天竜川の支流のようです。
中部天竜駅の少し手前から、車内には高校生が増えてきました。中部天竜駅近くにある高校に通う学生さんでしょう。
7時42分、特急停車駅でもある中部天竜駅に到着。ここで多くの高校生が下車しました。
先ほどの相川という川を渡ったあたりから、秘境駅で有名な「小和田駅」までは、静岡県浜松市。この中部天竜駅は、飯田線の静岡県内の駅では、唯一の有人駅です。
かつて、この中部天竜駅の構内には、「佐久間レールパーク」という、古い鉄道車両を展示していたミニ博物館がありました。2003年に訪れたことがあります。
2011年に開館した「リニア・鉄道博物館」に、佐久間レールパークに展示されていた車両を移設することになったため、2009年で閉館してしまいました。
【中部天竜~大嵐】 秘境駅が点在する天竜川の渓谷へ
高校生たちが下車して閑散としてしまった飯田線の列車はさらに北を目指します。中部天竜駅を発車すると、いよいよ車窓に天竜川が見えてきます。
次の佐久間駅に到着する直前に、天竜川を渡ります。右側に見える発電所は、「電源開発 佐久間発電所」です。佐久間ダムを利用した水力発電です。近くには、日本の東西の周波数を変換する施設もあるそうです。
佐久間駅を出ると、長いトンネルに入ります。「峯トンネル」(3,619メートル)です。川や地形に沿って線路がかなり蛇行している飯田線にあって、このトンネルと、次に通る大原トンネル(5,063メートル)だけは、非常に直線的です。
この不自然なまでの直線的な、しかも、長大なトンネルは、佐久間~大嵐間の線路が付け替えられたときに建設されたものです。
上の地図をご覧いただくとわかるように、この区間だけ、飯田線の線路が少し東側へずれています。
もともと、飯田線は、現在の「佐久間ダム」(佐久間湖)があるところを通っていましたが、ダム建設により、飯田線の線路が沿線の3駅とともに水没するため、長大なトンネルを二つも建設して、現在の水窪町を経由するルートになったのです。
8時2分、水窪駅に到着。水窪の町は、川と山の斜面との間に挟まれた狭いエリアに密集していました。すでに8時過ぎですが、山間にある水窪の町には陽があたっていませんね。
前述の5km以上もある大原トンネルを抜けると、大嵐(おおぞれ)駅に到着。駅前には天竜川(佐久間湖)にかかる吊り橋があります。大嵐駅は静岡県浜松市ですが、吊り橋を渡った対岸は、愛知県北設楽郡です。天竜川が県境になっているのですね。
【大嵐~天竜峡】 秘境駅が点在する飯田線のハイライトへ!
そして、大嵐駅から、この列車の終点、天竜峡駅までは、天竜川の渓谷を眺めながらの旅が続きます。
8時13分、小和田駅に到着。
天竜川が削った谷が深く、山の斜面と川との間のとても狭いところに線路を敷いたため、駅から集落や道路へ出られなくなった駅が多いこの区間。そんな駅が「秘境駅」と呼ばれるのですが、この小和田駅は、飯田線の秘境駅の中でもNo.1の秘境度を誇ります。
8時22分、伊那小沢駅に到着。ホームの向こうには、蛇行する天竜川にかかる橋が見えました。
飯田線の秘境駅があるこの区間は、北海道の宗谷本線や花咲線のような、本当に誰も住んでいないようなエリアを走るわけではありません。前述のように、もともと地形的に道路や集落にアクセスしにくい駅もありますが、過疎化で周囲に住んでいる人がいなくなってしまった駅もあるのでしょう。そんな駅を、JR東海が廃止せずに残しているために、「秘境駅」が多い、といえるのかもしれません。
8時29分、平岡駅に到着。秘境駅が続く区間にあって、この平岡駅の周辺は大きな町があります。駅前には「ふれあいステーション 龍泉閣」があります。宿泊施設に加えて、日帰り温泉やレストランもありますので、飯田線の旅の途中下車スポット、宿泊地としても貴重です。
平岡駅では豊橋行きの列車と行き違いのため、3分ほど停車しました。
これまで天竜川を見下ろすような高いところを走っていましたが、比較的大きな集落のある平岡駅を出たあたりから、天竜川と同じ高さまで降りてきました。
8時38分、為栗(してぐり)駅に到着。難読駅名の一つですね。この駅も秘境駅で、駅前には天竜川がゆったりと流れています。
門島~唐笠間の天竜川の眺めです。エメラルドグリーンの川面が美しいです。
天竜川を見下ろすようなところでは、線路と川の間に木があって、すっきりと天竜川を見渡せるところは少ないのですが、天竜川と同じ高さを走るところでは、このように見渡すことができます。
再び、天竜川の谷が深くなり、渓谷の様相を呈してくると、頭上に大きな橋が見えました。2019年11月に開通したばかりの三遠南信道の天竜峡ICの近くにある「天竜峡大橋」です。
この天竜峡大橋ですが、道路橋の下に歩道があるのがわかるでしょうか。「そらさんぽ天竜峡」という新たな観光名所です。天竜峡大橋の横にある駐車場から、この歩道を歩くことができるのですね。
ちなみに、「そらさんぽ天竜峡」は、JR天竜峡駅からも、30分程度かかりますが、歩いていける距離にあります。
9時08分、豊橋から3時間以上をかけて、終点の天竜峡駅に到着しました。これでも、まだ飯田線全線の半分をちょっと超えたくらいのところまでしか来ていません。
9時14分発の飯田行きの列車に乗り継ぐ方も多かったのですが、せっかく良い天気なので、天竜峡を散策してみることにしました。こんな景色を手軽に眺められるので、飯田線に乗車する際には、ぜひ途中下車して散策することをおすすめします。
天竜峡散策の様子は、以下の記事をご覧ください。1時間ほどのお手軽なお散歩コースの割には、天竜峡の渓谷を存分に楽しむことができます。途中下車してちょっと観光するのにおすすめです。
【天竜峡~飯田】 飯田の町をぐるりと走る飯田線
天竜峡で2時間弱の散策を楽しみ、10時55分、天竜峡始発の岡谷行きに乗車します。この車両、先ほど、豊橋から天竜峡まで乗車してきた車両です。天竜峡駅に到着したときは3番線でしたが、いったん、豊橋方面へ引き上げ、1番線に入線してきました。
天竜峡駅からの乗客は数名。2両編成の列車はガラガラのまま、天竜峡を出発しました。
天竜峡から先は、車窓が一変します。先ほどまでの天竜川の渓谷とは異なり、広々とした盆地のような地形になります。天竜峡から北側は、飯田線の終点となる辰野近辺まで、天竜川が形作った河岸段丘が続きます。「伊那谷」「伊那盆地」と呼ばれるところです。
上の写真に見える、雪をたたえた山々は、伊那谷の東側にある南アルプスでしょうか。
ときまた、だしな、けが……。面白い駅名が続きます。
飯田線は、この地図のように、飯田の市街地をぐるっと回りこむように走ります。
この線形を利用して、下山村駅で下車、北のほうへダッシュし、伊那上郷駅で同じ列車に乗る「下山ダッシュ」という競技(?)がありましたね。
Googleマップで経路を出してみると両駅間の距離は約2.1km。飯田線の列車は、筆者が乗車した列車の場合だと、下山村駅→伊那上郷駅を15分で走ります。走れば何とかなりそうですが、高低差がかなりあるようなので、数字上の距離よりもきついのかもしれません(笑)
飯田駅に到着する少し前に川を渡ります。岡谷行きの列車は、南側から飯田の市街地に入ってきて、ぐるっと市街地の外側を周るように走りながら、少しずつ標高を上げていきます。
11時19分、飯田線の線名にもなっている中心駅、飯田駅に到着。数名の乗降がありましたが、車内は空いたままでした。
【飯田~伊那大島】 伊那谷の向こうに南アルプスを望む
飯田の町を抜けると、天竜川の両岸の平地が狭くなって、伊那谷の地形が明確になってきます。とはいっても、「谷」という感じはあまりしませんね。東西の両側を南北に走る山脈に挟まれた盆地のような地形が続きます。
このあたりでは、飯田線は天竜川の右岸(西側)を走るため、伊那谷の風景を眺めたいならば、岡谷方面行きの列車なら進行方向右側の窓側がおすすめです。
11時46分、伊那大島駅に到着。行き違いのために7分ほど停車しました。駅が少し高いところにあるためか、なかなか見晴らしがよさそうです。天竜川は見えませんが、その向こうには大きな山脈が見えます。南アルプス(赤石山脈)ですね。三千メートルを超える高山が多いため、雪で山頂部分が真っ白になっています。ひときわ高く、白く輝く頂は塩見岳(3,052メートル)です。
【伊那大島~駒ヶ根】 田切地形を蛇行しながら走る飯田線
11時53分、伊那大島駅を発車。このあと、駒ヶ根あたりまで、飯田線はかなり蛇行して走ります。車窓を見ていると、左側に見えていた山が、ときには右側に見えたりして、蛇行している様子がよくわかります。
車窓の左側(西側)には木曽山脈の山々が見えてきます。前述のとおり、飯田線は天竜川の西側を走るので、東側にある南アルプスよりも、西側にある木曽山脈のほうが近いですね。
蛇行区間に入ると、西側にある木曽山脈が、どころどころ、車窓の右側からも見えます。同じ景色が、列車の左側からも右側からも見えるくらいですので、かなり蛇行している証拠ですね。
地図で見ても、蛇行しているのがよくわかりますね。
この飯田線の蛇行は「田切地形」のためです。南北に流れる天竜川がつくる河岸段丘を、東西に流れる天竜川の支流が削ってできた地形です。小さな谷になっているため、まっすぐ線路を敷こうとすると、あちこちに大きな橋が必要になりますが、当時の技術では橋の建設が難しかったのでしょう。その地形を避けるため、天竜川の支流が流れているところは、上流側(西側)に迂回しているのですね。
地図で飯田線の線路と、天竜川の支流を見比べてみると、それが良くわかります。
12時25分、その名も「田切駅」を出たあと、西側へ急カーブし、中田切川を渡ります。ここも田切地形の一つですね。
この区間、伊那谷の景色を眺めているだけでもいいですが、地形を理解して車窓を眺めると、より一層楽しめると思います。
12時36分、駒ヶ根駅に到着。ランチ休憩のため、ここで途中下車します。
【駒ヶ根】 駒ヶ根駅で途中下車して温泉&ソースカツ丼のランチ
駒ヶ根駅前の「水車」で、ソースカツ丼のランチです。他にもソースカツ丼を出すお店はたくさんあるようですが、この「水車」さんは本当に駅前なので、次の列車までの1時間で食べることができます。日中も通し営業なので、中途半端な時間でも入れるのがうれしいですね。
駒ヶ根といえば、駒ケ岳の玄関口。駒ヶ根駅前の商店街の通りからは、駒ケ岳を眺めることができます。
正月休み明けの平日の午後とあってか、駒ヶ根駅前は静かでした。
【駒ヶ根】路線バスで日帰り温泉「こまくさの湯」へ(2023年1月再訪)
2023年1月に再訪した際には、同じく駒ヶ根駅で下車して、路線バスで早太郎温泉「こまがねの湯」に行きました。
冬でも営業している駒ヶ岳ロープウェイ行きの路線バスに乗車します。冬季でも1時間に1本走っています。
途中の「菅の台バスセンター」でチェーン付きのバスに乗り換えます。ここより上は雪道とのことです。バスは待機していて、乗客が乗り換えるとすぐに発車します。
「菅の台」というバス停で下車すると、目の前に早太郎温泉「こまくさの湯」があります。
泉質はアルカリ性単純泉で、温泉に入ると肌がつるつるとします。室内の広い湯舟に加えて、露天風呂もあります。この日は風が強く、露天風呂は少し寒かったですが、駒ヶ岳を眺めながらお湯につかるのは最高ですね。
温泉で温まったあとはレストランへ。おすすめという山菜そばとミニソースカツ丼のセットを、南信州ビールと一緒に。おいしくいただきました。
再び、菅の台バス停から路線バスに乗って、駒ヶ根駅に戻りました。
【飯田線乗車記10】 伊那谷の終わりとともに終着の岡谷駅へ
駒ヶ根駅が始発の岡谷行きに乗ります。やってきたのは211系2両編成。
JR東日本の中央本線でもよく見かける車両ですが、JR東海のほうは転換クロスシート! これは車窓を眺めたい乗り鉄にとってはありがたいですね。
13時50分に駒ヶ根駅を発車。乗客は2両あわせても10名に満たないくらいです。
駒ヶ根から先は、あまり蛇行することもなく、直線的に北へと進んでいきます。大きな街がある伊那市で多少の乗車がありましたが、まだ空いている座席のほうが多いくらいの乗車率。
進行方向右側には、久々に天竜川が見えてきます。といっても、ところどころでちらっと見るくらいです。伊那谷の北端に近づいてきて、盆地の幅が狭くなってきたようです。
14時44分、飯田線の起点駅、辰野駅に到着しました。列車は岡谷駅まで運行されますが、飯田線はこの辰野駅までです。ここから先は、JR東日本の中央本線に入りますので、運転士と車掌が交代しました。
終点まであと二駅しかないのですが、次の川岸駅で列車の行き違い待ち。天竜峡行きの列車がやってきました。
15時ちょうど、駒ヶ根から1時間10分ほどで、終点の岡谷駅に到着しました。
朝6時ちょどに豊橋駅を出発し、途中、天竜峡と駒ヶ根で下車して、トータルで9時間の飯田線の旅。暖冬の影響か、天竜川沿いの区間もほとんど雪がありませんでしたが、それでもお天気に恵まれて良い旅となりました。
以上、『【飯田線 乗車記】天竜川の渓谷美と伊那谷の地形を楽しむローカル線の旅!』でした。飯田線といえば秘境駅と天竜川の車窓が有名ですが、伊那谷の盆地の向こうに南アルプスを望む車窓もなかなかのものです。地形も面白いので、ぜひ地図を片手に車窓を楽しんでみてください。
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当ブログで掲載している乗車記の目次ページです。観光列車、SL列車をはじめ、風光明媚な路線の乗車記などを紹介していますので、ぜひご覧ください。
コメント
飯田線は全線電化です。
トン吉さん、ご指摘ありがとうございます。
誤記修正させていただきました。