観光列車の一つに、窓がない「トロッコ列車」があります。風をじかに感じながら、車窓を楽しめるトロッコ列車は、窓が開かない車両が増えた今となっては、貴重な列車です。この記事では、おすすめのトロッコ列車をご紹介します。
風を感じながら車窓を楽しめる「トロッコ列車」
窓がなく、風を浴びながら車窓を楽しむことができるトロッコ列車。川沿いの路線の渓谷美、長閑や里山の風景、高原や湿原などの雄大な風景など、一口にトロッコ列車といっても、いろいろな列車があります。
春に桜や新緑を眺めたり、夏に川沿いのトロッコ列車に乗って涼をとったり、秋にトロッコ列車で紅葉狩りを楽しんだりと、トロッコ列車の楽しみ方も季節によっていろいろです。
以下では、筆者おすすめのトロッコ列車を紹介します。
【トロッコわっしー号】渡良瀬川の車窓が美しいトロッコ列車、秋の紅葉もおすすめ!
間東北部の桐生~間藤を走る第三セクターのわたらせ渓谷鉄道。渡良瀬川沿いに走る、渓谷美の美しい路線です。川や渓谷を眺められる路線としては、関東でもNo.1といっても良いでしょう。
そんなわたらせ渓谷鉄道には、気動車を改造した「トロッコわっしー号」と、ディーゼル機関車がトロッコ客車を牽引する「トロッコわたらせ渓谷号」という2種類のトロッコ列車が運転されています。
わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車の車窓のハイライトは、渡良瀬川がつくる渓谷を走る区間。大きな岩がゴロゴロとした渡良瀬川の渓谷のすぐそばを走りますので、真夏でも風を浴びながら乗ると爽やかで涼しいくらいです。
また、わたらせ渓谷鐵道の沿線は紅葉の名所でもありますので、紅葉の時期にトロッコ列車に乗ってみるのも良いでしょう。
わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車については、以下の「トロッコわっしー号」の乗車記をご覧ください。予約方法、乗車方法などもわかりやすく紹介しています。沿線のおすすめ観光スポットの情報もありますので、トロッコ列車を活用して、途中下車の旅も楽しんでみてください。
【房総里山トロッコ】のどかな田園風景を眺めながらの旅が楽しめるトロッコ列車
千葉県の中央部を走る小湊鐡道には、「房総里山トロッコ」というトロッコ列車が運転されています。蒸気機関車を模したディーゼル機関車が、小さな4両の客車を牽引します。4両のうち2両が窓のない「展望車」で、残りの2両は窓がある「普通車」です。
「房総里山トロッコ」の展望車は、木製のボックスシートが並びます。窓はなく、側面は大きく開いています。速度はゆっくりですが、風が勢いよく吹き込んできて、とても心地の良い列車です。
「房総里山トロッコ」は、絶景こそありませんが、のどかな里山や田園風景の中をのんびりと走ります。東京駅から約1時間と、都心から最も近いトロッコ列車ですが、とても東京の近くとは思えない車窓が続きます。都心からの日帰りでも、十分に楽しむことができます。
小湊鐡道からいすみ鉄道に乗り継いで、房総半島の中央部を横断する旅も良いですし、「房総里山トロッコ」の終点となる養老渓谷でハイキングを楽しむのも良いでしょう。紅葉の名所でもありますので、11月下旬~12月上旬の紅葉の時期に訪れるのもおすすめです。
「房総里山トロッコ」の乗車記、トロッコ整理券の予約方法、おすすめのきっぷなどについては、以下の記事でわかりやすく紹介しています。ぜひご覧ください。
【富良野・美瑛ノロッコ号】美瑛・富良野の雄大な丘の景色を楽しめるトロッコ列車
北海道の真ん中、富良野線の美瑛~富良野間(一部列車は旭川発着)で夏季に運行されるトロッコ列車が「富良野・美瑛ノロッコ号」です。例年、6月中旬~8月下旬に運転されています。
「富良野・美瑛ノロッコ号」の車窓の見どころは、何といっても美瑛~富良野間の雄大な丘の風景でしょう。緩やかな丘陵地帯に、さまざまな畑が広がり、とても美しい景色を作り出しています。雄大な北海道の自然と、人の手によって作られた畑が融合した、ここでしか見られない絶景です。
普通列車の本数が少ない富良野線ですので、「富良野・美瑛ノロッコ号」も活用して、美瑛や富良野を観光するのがおすすめです。
美瑛駅からアクセスできる「パッチワークの路」では、雄大な丘陵地帯に点在するスポットを巡ってみましょう。「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」、「親子の木」など、特徴のある樹木と雄大な丘の風景がつくる絶景を楽しみましょう。
美瑛のパッチワークの丘については、以下の旅行記もご覧ください。2020年8月に自転車でまわってきたときのものです。
美瑛駅のお隣、「美馬牛駅」(びばうしえき)の近くにある「美瑛パノラマロード」もおすすめです。こちらは、観光地化されたスポットは少ないものの、あちこちから素晴らしい景色を眺めることができます。レンタサイクルで巡るのがおすすめです。
そして、富良野といえばラベンダー。ラベンダーの名所「ファーム富田」の最寄り駅はラベンダー畑駅ですが、「富良野・美瑛ノロッコ号」しか停車しません。ラベンダーの時期であれば、ぜひ「富良野・美瑛ノロッコ号」でファーム富田を尋ねてみましょう。
富良野・美瑛エリアへの鉄道でのアクセス方法やおすすめのきっぷ、「富良野・美瑛ノロッコ号」の運転日やダイヤについては、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
【くしろ湿原ノロッコ号】広大な釧路湿原と釧路川の車窓が素晴らしいトロッコ列車
北海道の道東エリア、釧路湿原の横を走るトロッコ列車が「くしろ湿原ノロッコ号」です。釧網本線の釧路~塘路間で、例年4月下旬~10月中旬に運転されます。観光シーズンの6月~9月はほぼ毎日運転されます。
ディーゼル機関車が4両のトロッコ客車を牽引するトロッコ列車です。取り外し式の窓があり、寒い時期や時間帯、天気の悪いときには窓がはめられることがあります。
「くしろ湿原ノロッコ号」の車窓のハイライトは、その列車名にもなっている釧路湿原です。「くしろ湿原ノロッコ号」は、釧路湿原の東端に沿って走ります。すぐ横には釧路川が蛇行し、その向こうには広大な湿原が広がる、そんな車窓を楽しむことができます。
「くしろ湿原ノロッコ号」に乗車したら、途中の釧路湿原駅で下車して、釧路湿原を一望できる「細岡展望台」を訪れてみましょう。
釧路湿原駅から徒歩10分、少し登っただけで、広大な釧路湿原を一望することができます。「くしろ湿原ノロッコ号」からの車窓だけでなく、普通列車も活用して、途中下車しての散策も楽しんでみましょう。
「くしろ湿原ノロッコ号」については、以下のJR北海道のWebサイトをご覧ください。運転日、料金などが掲載されています。
以上、「【トロッコ列車】渓谷、里山、湿原、風を感じながら絶景車窓を楽しめるおすすめのトロッコ列車4選!」でした。初夏や紅葉の時期など、気候の良い時期に、ぜひトロッコ列車の旅を楽しんでみてください。
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