2022年春の青春18きっぷシーズンが3月1日から始まります。3月12日のダイヤ改正では、青春18きっぷの旅でお世話になった方も多いであろう快速列車がいくつか運転終了となります。この記事では、2022年春の青春18きっぷで乗りたいおすすめの路線や列車をご紹介します。
日光線の観光列車「いろは」がダイヤ改正で引退へ!
日光線(宇都宮~日光)を走る観光列車「いろは」が、新型車両E131系への置き換えのために、ダイヤ改正前までで引退となります。
「いろは」は205系電車を改造した観光列車。205系の4ドアのうち2ドアをつぶして、車内には木目調のボックスシートが並びます。元通勤電車の205系とは思えない車内です。
「いろは」は観光列車とはいえ、日光線の普通列車として運転されています。ほぼ毎日、宇都宮~日光間を5往復しますので、「いろは」の車両で運転される時間に宇都宮駅や日光駅に行けば、そのまま乗車することができます。普通車自由席のみですので、指定席券は不要です。
日光線「いろは」の車内の様子については、以下の乗車記をご覧ください。
また、「いろは」は、ほぼ毎日運転されていますが、たまに運転されない日があります。「いろは」の運転日とダイヤは、JR東日本の「のってたのしい列車」のWebサイトで公開されていますので、最後に乗車しておこうと考えられている方は、まず運転日を確認しましょう。
新潟エリアの快速列車 快速「信越」、快速「あがの」が廃止に! 乗り納めはお早めに!
信越本線を走る快速「信越」と、磐越西線を走る快速「あがの」が廃止となります。青春18きっぷの旅では、乗り得列車だったり、新潟から直通する便利な列車だったりと、お世話になった方も多いのではないかと思います。
- 快速「信越」(廃止)
- 往路: 直江津 06:15発 → 新潟 08:35着
- 復路: 新潟 20:58発 → 直江津 23:04着
快速「信越」は、新潟~直江津を1往復走る全車指定席の快速列車です。2021年ダイヤ改正まで、快速「おはよう信越」(直江津→新潟)、快速「らくらくトレイン信越」(新潟→直江津)として運転されていた列車です。乗車整理券(320円)を購入することで着席が保証されるライナー的な列車でした。これを、全車指定席化し、愛称を変更した列車が、快速「信越」です。
全車指定席化からわずか1年で廃止となってしまいました。朝早い時間と夜遅い時間の運転ですが、特急「しらゆき」で利用されるE653系車両に、青春18きっぷ+指定席券で乗車できる乗り得列車でした。
- 快速「あがの」(廃止)
- 上り: 新潟 08:25発 → 会津若松 10:46着
- 下り: 会津若松 11:01発 → 新潟 13:42着
快速「あがの」は、新潟~会津若松を、磐越西線経由で結ぶ快速列車です。快速列車であることに加えて、新潟~会津若松を乗り換えなしで結ぶ列車として、貴重な存在でした。
3月12日のダイヤ改正では、新潟側、会津若松側で、快速「あがの」のスジを利用した普通列車が新規に設定されますが、磐越西線を乗りとおせる列車(乗り継ぎ含む)は減ってしまいます。
いずれの列車も、最後に乗車したいという方は、お早めに。
山陰本線の俊足 快速「アクアライナー」も運転終了!
山陰本線の米子~益田間で1日3往復運転されている快速「アクアライナー」は、3月12日のダイヤ改正で、普通列車への格下げ、または、運転取りやめなどで、運転を終了します。
- 快速「アクアライナー」
- 米子 06:42発 → 益田 10:44着
- 米子 12:46発 → 益田 16:44着
- 米子 14:39発 → 益田 18:51着
- 益田 09:10発 → 米子 12:53着
- 益田 11:14発 → 米子 15:08着
- 益田 17:02発 → 米子 20:53着
快速「アクアライナー」は、米子~出雲市間と、浜田~益田間は各駅に停車しますが、出雲市~浜田間で快速運転を実施します。米子~益田間の実に191.5kmを約4時間で結ぶ長距離列車でもあります。
長大な山陰本線を青春18きっぷで旅するのは大変ですが、快速「アクアライナー」は、俊足なだけでなく、乗り換えなしで長距離を運んでくれるありがたい列車でした。青春18きっぷの旅でお世話になった方も多いでしょう。
3月12日のダイヤ改正では、山陰本線の普通列車が減便されます。運転取りやめのほか、運転区間短縮となる列車もあります。これを補うためなのか、快速「アクアライナー」は廃止となり、普通列車に格下げされ、一部は運転区間が短縮されます。
この改正により、青春18きっぷで乗車できる米子~益田間の列車は、普通列車のみとなってしまいます。
普通列車の新型車両、中央西線「315系」、根室本線「H100形」初乗り!
ダイヤ改正にあわせて、JR東海は新型車両「315系」を中央西線に、JR北海道は根室本線の新得~釧路間と石北本線の旭川~上川間に投入します。春の青春18きっぷで、これらの新型車両の初乗りをしてみてはいかがでしょうか?
JR東海、新型車両「315系」を中央西線 名古屋~中津川間に投入!
(出典)在来線通勤型電車「315系」運転開始について(JR東海ニュースリリース 2021年11月17日)
JR東海は、ダイヤ改正に先立つ3月5日に、新型車両「315系」を中央西線に投入します。
- 車両形式: 315系(8両編成)
- 投入区間: 中央西線 名古屋~中津川
- 運転開始日: 2022年3月5日(土)
JR東海は、2023年度中に、中央西線の名古屋~中津川間の普通列車を315系に統一するとしています。また、3月12日のダイヤ改正以降、これまで4~10両と列車によってばらつきのあった編成を、終日8両に統一する予定になっています。
一方、これから続々と投入されていく315系によって、211系、213系、311系が置き換えられていきます。2022年3月中には、国鉄から継承した車両(211系8両)を置き換え、JR東海の車両は、分割民営化以降に新製した車両だけとなります。
315系は、2025年度にかけて、続々と投入される計画になっています。211系、213系、313系が315系に置き換わるまでにはしばらく時間がかかりますが、どんどん少なくなっていくと思われますので、315系の初乗りとともに、これらの車両の乗り納めも、早めに済ませたいものです。
JR北海道は「H100形」を30両投入、根室本線 新得~釧路は「H100形」に統一!
JR北海道は、すでに函館本線等で投入を進めている「H100形」気動車を、ダイヤ改正にあわせて、根室本線と石北本線の一部区間に投入します。
- 根室本線(新得~帯広~釧路)
- 54本すべてをキハ40系・キハ54形からH100形に置き換え
- 石北本線(旭川~上川)
- 24本中19本をH100形で置き換え(2本は置き換え済み)
根室本線の新得~釧路間は、現在、H100形は運転されていませんが、ダイヤ改正を機に、54本すべての列車が一気にH100形に置き換わります。これまでは、キハ40系、キハ54形で運転されていました。
また、石北本線の旭川~上川間でも、大半の列車がH100形での運転となります。
すでにJR東日本エリアからは姿を消してしまった普通列車用のキハ40系ですが、JR北海道でも急速に置き換えが進みそうです。「H100形」の初乗りに加えて、キハ40系にも今のうちに乗っておきたいところです。
JR北海道で7駅、JR東日本で2駅が廃止、駅訪問最後のチャンス!
3月12日のダイヤ改正では、JR北海道の7駅と、JR東日本の2駅が廃止となります。
- JR北海道: 7駅
- 函館本線(5駅): 池田駅、流山温泉駅、銚子口駅、石谷駅、本石倉駅
- 根室本線(1駅): 糸魚沢駅
- 宗谷本線(1駅): 歌内駅
- JR東日本: 2駅
- 北上線(2駅): 平石駅、矢美津駅
JR北海道では、函館本線の5駅をはじめとして、根室本線で1駅、宗谷本線で1駅が廃止されます。また、JR東日本では、北上線の2駅が廃止となります。
いずれも列車の本数がかなり少ない駅ですが、最後の駅これらの駅を訪問したいという方は、青春18きっぷでの訪問を検討してみてはいかがでしょうか。
2年以上運休!? 2022年5月から長期に渡って運転取りやめ「陸羽西線」
陸羽西線が、2022年5月14日から2024年度まで、長期に渡って運休となります。
- 運休期間: 2022年5月14日(土)~2024年度中(予定)
- 運転を取り止める列車
- 新庄駅~余目駅間を運転する列車
- 新庄駅~(余目駅)~酒田駅間を運転する列車
- 代行バス運転区間: 新庄駅~余目駅~酒田駅
これは、国土交通省が建設する「(仮称)高屋トンネル」の工事のためです。道路工事のために2年間も列車が運休するのは異例です。
代行バスは運転されますが、鉄道の「陸羽西線」に乗車したい方は、この春の青春18きっぷ期間中に訪れるのが良いと思います。
詳しくは、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
以上、「2022年春の青春18きっぷで乗りたいおすすめの列車・路線! 廃止される観光列車・快速列車への乗車は最後のチャンス!」でした。今回のダイヤ改正では、消えてゆく列車が多いのが残念ですが、この機会に乗り納めを計画してみてはいかがでしょうか。
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