日本は国土が狭いわりに山地が多い国です。そのため、山間部に鉄道を敷く場合、川の流れに沿って鉄道を建設していました。このような川沿いを走る鉄道路線が今も多く残っています。この記事では、雄大な川の流れを楽しめる磐越西線や只見線、渓谷美を楽しめる飯田線、日本一の清流を楽しめる予土線など、魅力的な川沿いのおすすめの路線を7つ紹介します。
飯田線(川沿い区間:本長篠~飯田)
まず紹介したいのは、秘境路線としても有名な飯田線です。渓谷美を車窓から手軽に眺められる路線です。
飯田線とは?
飯田線は、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結ぶ全長195.7kmの電化ローカル線です。もともと、別々に開業した私鉄4社(豊川鉄道・鳳来寺鉄道・三信鉄道・伊那電気鉄道)の路線を統合したため、駅の数が多いのが特徴です。195.7kmの全長に対して、駅の数は94もあります。およそ2kmに一つの駅があることになり、都市部の私鉄並みの駅の数です。
現在は全線がJR東海の路線となり、豊橋~飯田間には、特急「伊那路」が1日2往復走っています。
どんな絶景が見られるの?
飯田線は、太平洋側の街である豊橋から、内陸部の辰野まで、本州を南北に縦断する形になっています。そのため、太平洋にそそぐ川に沿って線路が敷かれています。いずれの川も、川幅は狭く、流れが急で、あちこちに渓谷を形作っています。その渓谷の中、山と山に挟まれた隘路を縫うように走ります。
複数の川に沿って走りますので、豊橋から北上する方向に、区間ごとに紹介します。
宇連川(本長篠~三河川合)
豊橋駅から乗車すると、約1時間で到着する本長篠駅を出たあたりから、車窓右側に宇連川が寄り添ってきます。宇連川は、愛知県を流れる一級河川の豊川の支流で、三河湾に注いでいます。三河川合の近くの鳳来湖・宇連ダムあたりが宇連川の源流で、宇連川との旅はここまでです。
水窪川(佐久間・相月~水窪)
沿線の主要駅である中部天竜駅を出て、長いトンネルを超えると、天竜川の支流の一つ水窪川に合流します。この区間は、佐久間ダム建設のために、昭和30年に付け替えられた区間です。地図で見ると、付け替え区間の両端に長いトンネルがあり、不自然に線形が曲がっているため、よくわかります。
水窪川は山と山に挟まれた小さな川ですが、その脇にかろうじて線路を通したといった感じの区間です。よくこんなところに鉄道を作ったものだと思います。また、途中の城西駅近くには、渡らずの橋 として有名な第6水窪川橋梁があります。水窪川をいったん渡った後、対岸に下りるのではなく、そのまま戻ってくる不思議な鉄橋です。
天竜川(大嵐~天竜峡)
飯田線のハイライト区間 です。天竜川の左岸(東側)に沿って進みます。途中、小和田、金野、田本など、日本有数の秘境駅 として知られる駅がたくさんあります。それほど、山あいの秘境を飯田線が走っているということです。このあたりの天竜川は、川幅が狭く「急流」という表現がぴったりな箇所も多くあります。
天竜川がつくった伊那谷の風景(天竜峡~辰野)
天竜峡から北側は、それまでの車窓とは一変して、視界が開けた盆地のような風景が広がります。天竜川がつくった河岸段丘が広がる伊那谷の風景です。
盆地の向こうに見える南アルプスや木曽山脈の山々。駒ヶ根近くからは駒ケ岳の山容を眺めることもできます。
そして、天竜川の支流が削った谷を避けるために蛇行する飯田線の線形も、車窓を眺めているとよくわかります。
なお、飯田線の車窓については、以下の乗車記をご覧ください。車内から撮った写真を多く掲載して、どんな景色が眺められるのかを詳しく紹介しています。
おすすめプランは?
豊橋~辰野の全線を走破する普通列車が1日に何本かありますが、所要時間は6時間以上もかかりますので、全線をぶっとおしで乗車するのはかなりキツイと思います。ですので、途中下車を楽しみながら乗車することをおすすめします。
まずは、時間的にほぼ中間地点になる天竜峡での散策がおすすめです。駅の近くの橋から上の写真のような渓谷を見ることができます。また、渓谷に沿って散策路が整備されていますので、気分転換にもちょうどよいと思います。食事をできるところもありますので、昼食タイムにもおすすめです。
天竜峡の散策記を掲載しています。1時間程度の散策コースでも、十分に天竜峡の景色を満喫できます。
もう一つは、多少マニア向けかもしれませんが、秘境駅の乗り歩き でしょうか。秘境駅は、大嵐~天竜峡の天竜川沿いに多く存在します。代表的なのは、数年前から有名になった小和田駅、断崖絶壁にすごく狭いホームを無理やり作った田本駅などです。列車の本数が少ないので、行ったり来たりで複数の駅を訪問するのが効率的です。また、列車以外の交通手段がありませんので、遭難しないようにご注意ください。
時期が限定されますが、年に数日、飯田線の秘境駅を訪れるための臨時列車「急行 飯田線秘境駅号」が走っています。
自力で飯田線の秘境駅を訪問したい方は、秘境駅を効率的に回るための行程を紹介している以下の記事も参考にしてください。
只見線(川沿い区間: 会津柳津~只見)
首都圏から比較的近い路線で、川の車窓を楽しめるのが只見線です。2011年の豪雨被害で長らく一部区間が不通となっていましたが、2022年10月に全線で運転を再開しました。
只見線とは?
只見線は、福島県の会津若松駅と、新潟県の小出駅をつなぐJR東日本の路線です。全長135㎞、全線が単線・非電化の長大なローカル線です。
只見線は只見川に沿って線路が敷かれているため、全線の半分以上の区間で、只見川の車窓を楽しむことができます。そして、単に川が見られるだけでなく、只見川の沿線に広がる里山の風景がとても魅力的。日本の原風景を眺めることができる路線なのです。
どんな絶景が見られるの?
前述のとおり、只見線のハイライトは只見川の車窓です。只見川が眺められるのは、会津盆地を抜けて山間部へ入っていく会津柳津駅付近から只見線の中心駅の一つ、只見駅付近までです。
只見川は途中にダムが多く、ダムの上流側ではダム湖のようにたっぷりの水をたたえた只見川を眺めることができます。そうかと思えば、ところどころで渡る只見川の支流の渓谷のような眺めを楽しむこともできます。
そして、前述のように、只見川の川岸に広がる里山のような風景が、只見線の一番の魅力です。ローカル線でのんびりと車窓を眺めながら旅をしたい方にはおすすめの路線です。
おすすめプランは?
只見線はローカル線のため、列車の本数がとても少ないです。特に、途中の会津川口~只見間は1日3往復しかありません。この3往復の列車が、只見線全線を走破する列車でもあります。
全線に乗車すると約4時間半。かなり時間がかかりますが、列車の本数が少ないので、途中下車がしにくい路線でもあります。ローカル線の旅を楽しむのであれば、全線を通して乗ってしまうのがよいでしょう。
一方、途中下車を楽しむのであれば、駅周辺に集落がある只見駅や会津川口駅あたりが候補になります。駅周辺には宿泊施設もありますので、只見線の途中下車や乗り歩きを楽しみたいのであれば、途中で宿泊するのがおすすめです。
いずれにしても、途中下車をするのであれば、よく時刻表を見て、乗り継ぎのプランを事前に作っておくことが重要です。
東京など首都圏から青春18きっぷで只見線を周遊するルートについては、以下の記事にまとめています。週末の1泊2日で旅ができるコースを紹介していますので、ぜひご覧ください。
只見線の乗車記については、以下の記事をご覧ください。
2017年8月に乗車したときの乗車記です。天気はイマイチでしたが、霧に煙る里山や只見川の風景も趣があってよいものでした。
2020年1月に乗車したときの乗車記です。只見線沿線は豪雪地帯でもありますので、冬の乗車すれば雪見鉄を楽しむことができます。
飯山線(川沿い区間: ほぼ全線)
長野~十日町を走る飯山線は、そのほぼ全線に渡って、日本一長い川、千曲川~信濃川に沿って走る川の路線です。何度も曲がりくねる千曲川に沿って、飯山線の線路も曲がりくねっていて、とてものんびりと車窓を眺めることができます。
飯山線とは?
飯山線は、長野県の豊野駅と新潟県の越後川口駅を結ぶ全長96.7kmの非電化路線です。長野県側は、第三セクターのしなの鉄道「北しなの線」に乗り入れていて、長野駅まで直通しています。
長野県と新潟県の県境付近は、日本一の豪雪地帯。冬や春の青春18きっぷの時期に乗車すれば、「雪見鉄」を楽しむことができます。
全区間を走る列車に加えて、長野~戸狩野沢温泉間、十日町~越後川口間の区間運転の列車があります。
どんな絶景が見られるの?
飯山線は、ほぼ全線に渡って、千曲川~信濃川に沿って走ります。そのため、ほぼ全ての区間の車窓から、千曲川~信濃川を眺めることができます。
何度も曲がりくねることから「千曲川」と呼ばれるようになったという説がありますが、飯山線の車窓を眺めていると、その様子がよくわかります。何度も川を渡る路線が多い中、飯山線が千曲川を渡るのはたった一度だけ。それだけ、川に沿って、曲がりくねって線路が敷かれているということです。
川の車窓に加えて、冬や春の青春18きっぷシーズンに乗車すれば、雪景色を楽しむことができます。
飯山線の長野・新潟県境付近にある森宮野原駅は、1945年に積雪7.85メートルを記録したことがあるほどの豪雪地帯です。新潟県側の津南町も、冬になると豪雪のニュースでよく耳にすることでしょう。
ただ、あまりに雪が降りすぎると、除雪のために、日中時間帯に運休になることもあります。冬期に乗車する場合には、運行情報と天気予報をよく確認しておきましょう。
おすすめプランは?
飯山線の普通列車は、JR東日本の非電化ローカル線でよく使われている「キハ110系」という車両です。車内はボックスシートですので、ぜひ千曲川・信濃川側の座席を確保しましょう。
千曲川・信濃川を眺めることができるおすすめの座席は、以下のとおりです。
- 長野 → 戸狩野沢温泉・十日町・越後川口方面
- 進行方向右側
- 越後川口・十日町・戸狩野沢温泉 → 長野方面
- 進行方向左側
冬期の飯山線の車窓については、以下の乗車記をご覧ください。
普通列車でも十分に車窓を楽しむことができますが、観光列車「おいこっと」に乗車するのもおすすめです。車内は普通列車と同じ座席配置ですが、古民家風の内装に改装されています。
「おいこっと」には、青春18きっぷ+指定席券(530円)で乗ることができます。全車指定席ですので、必ず事前にえきねっとなどで指定席券を購入しておきましょう。
「おいこっと」については、以下の乗車記で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
磐越西線(川沿い区間:喜多方~馬下)
次に紹介するのは、福島県と新潟県の内陸を東西に走る磐越西線です。飯田線の渓谷美とは対象的に、雄大な川の流れを眺めることができる路線です。
磐越西線とは?
磐越西線は、福島県の郡山駅と新潟県の新津駅を結ぶ175.6kmの路線です。東側の郡山~喜多方間は電化されていて、比較的多くの列車が運転されていますが、喜多方~新津間は非電化でローカル色が強い路線となっています。電化区間と非電化区間が分かれているため、全線を走破する列車はなく、途中の会津若松駅で運行系統が分断されています。「森と水とロマンの鉄道」という愛称のとおり、山間部を流れる川に沿っています。
どんな絶景が見られるの?
磐越西線の西側、喜多方から新津の少し手前の馬下あたりまで、阿賀野川に沿って走ります。
飯田線の渓谷美とは異なり、ゆったりとした川の流れに沿って、のんびりと走る汽車旅が楽しめます。緑の美しい初夏、紅葉が美しい晩秋、そして、雪景色の中を川が流れる冬と、季節毎に異なった表情の車窓が楽しめる路線でもあります。
阿賀野川は日本有数の川で、福島・群馬県境あたりに源流があり、新潟県新潟市で日本海に注いでいます。全長210kmで、流域面積が広く、水量も多いのが特徴です。流れもゆったりとしていて、大河に沿うような車窓が楽しめます。
おすすめプランは?
会津若松~新津間が普通列車で3時間弱ですので、乗りとおしてしまってもよいでしょう。ディーゼルカーのエンジン音を聞きながら、のんびりと阿賀野川の流れを楽しむのがよいでしょう。列車の本数はそれほど多くありませんので、事前に計画を立てておくことをおすすめします。
沿線の観光地としては、鶴ヶ城や白虎隊の悲劇で知られる飯盛山などがある会津若松や、蔵とラーメンで有名な喜多方などがあります。これらを観光してから、磐越西線に乗るのがよいですね。また、途中の山都駅は「山都そば」で有名な蕎麦の産地です。蕎麦好きの方は途中下車してみましょう。
また、主に春~秋の週末に限定されますが、この区間には 「SLばんえつ物語号」 というSL列車が走ります。C57形という蒸気機関車が7両の客車を引いて走ります。
「SLばんえつ物語号」は観光列車ですので、ローカル線でのんびりといった雰囲気ではないですが、乗車時間が4時間にもなるSL列車は、今どきそうそうありません。SLの旅を堪能したい方にはおすすめです。
磐越西線の乗車記については、以下の記事をご覧ください。「DLばんえつ物語」のグリーン車で、会津若松→新津間を乗車しています。車窓の写真もたくさん載せています。
※「SLばんえつ物語号」のグリーン車には、青春18きっぷで乗車することはできません。普通車(ボックス席)であれば、指定席券(840円)を追加すれば乗車できます。
新津~喜多方間で、国鉄形気動車「キハ40系」に乗車した際の乗車記も公開しています。(現在は、磐越西線からはキハ40系は引退しています)
水郡線(川沿い区間:山方宿~磐城棚倉)
次に紹介するのは、茨城県と福島県を走る水郡線です。久慈川の清流に沿って走る路線です。東京からも比較的近いので、都心からの青春18きっぷの日帰り旅で乗るのもおすすめです。
水郡線とは?
水郡線は、茨城県の県庁所在地である水戸駅と福島県の郡山駅(正確には安積永盛駅)を結ぶ137.5kmの非電化ローカル線です。
水戸駅と郡山駅の近くでは、それぞれの都市の近郊路線としての役割がありますが、それ以外の大半がローカル色の強い路線です。「奥久慈清流ライン」 の愛称が示すように、久慈川の清流に沿って走る川の鉄道です。
どんな絶景が見られるの?
水郡線は、路線の大半を久慈川に沿って走ります。久慈川は、福島と茨城の県境付近に源流を発し、八溝山地と阿武隈高地の間を南側に流れています。全長124kmの一級河川で、日立市・東海村の境界あたりで太平洋に流れ込んでいます。
水戸駅から乗車すると、この久慈川の流れを上流に遡るように進みます。水戸駅から1時間弱の山方宿駅あたりから、車窓右手(東側)に久慈川が現れます。このあたりは、比較的川幅もあります。その久慈川を何度も渡りながら進み、普通列車のダイヤで1時間半以上に渡って、久慈川に寄り添うように走ります。次第に川幅が狭くなり、磐城棚倉駅あたりで久慈川から離れます。
一つの川の下流から源流近くまでを、ずっと眺めることができます。全線乗車すると約3時間と長いですが、蛇行する久慈川を何度も鉄橋で渡ったり、次第に川幅が狭くなる様子がわかるなど、車窓を見ていると飽きることはありません。
おすすめプランは?
水戸~郡山の全線を走破する列車が1日に何本かありますが、袋田駅で途中下車して、袋田の滝 を訪ねるのがおすすめです。袋田の滝は、日本三名瀑の一つに数えられる由緒ある滝 で、高さ120mに対して、幅が73mもある幅の広い滝です。袋田駅で下車し、接続するバスに乗車して10分ほどで到着します。ちなみに、袋田の滝は、久慈川の支流である滝川という川にかかります。
袋田の滝の周辺は、観光客向けの食事処やお土産屋なども充実しています。久慈川は天然鮎で有名な川ですので、アユの塩焼きなどをいただくのもよいかと思います。ちなみに、天然鮎のシーズンは7~8月頃だそうです。それ以外のシーズンでも、養殖の鮎が食べられるそうです。
青春18きっぷで水郡線を巡る日帰りルートについては、以下の記事をご覧ください。
宗谷本線(川沿い区間:音威子府~天塩中川)
北海道の北部を走る宗谷本線は、雄大な原野や広大な牧草地など、北海道ならではの車窓が魅力の路線です。そして、忘れてはいけないのが、天塩川の車窓。長大な宗谷本線の中で、天塩川を間近に眺められる区間は一部に過ぎないですが、北海道を代表する大河のゆったりとした流れを楽しむことができます。
宗谷本線とは?
宗谷本線は、旭川~稚内を結ぶ長大路線です。北海道の中でも、最も人口の少ないエリアを走る路線です。北海道らしい雄大な車窓を眺めたければ、宗谷本線に乗れば間違いはないでしょう。
そんな宗谷本線ですが、1日あたりの利用者が平均1人を切る駅が多くあります。2021年3月のダイヤ改正では、一気に12のも駅が廃止されてしまいました。それだけ、沿線人口が少ないということです。
どんな絶景が見られるの?
宗谷本線の魅力は、広大な北海道らしい風景を車窓から眺められること。そして、北海道有数の大河「天塩川」の車窓も素晴らしいものです。
特に、音威子府~天塩中川間では、蛇行する天塩川に沿って走ります。
天塩川の全長は256kmにもなり、北海道で2位、全国でも第4位となります。音威子府駅や天塩中川駅のあたりは中下流域にあたり、ゆったりとした雄大な流れが特徴です。
天塩川の魅力は、自然のままに残されている区間が多いこと。護岸工事等が施されている箇所が少なく、自然のままの流れを楽しむことができます。また、音威子府~天塩中川間を含む河口から約150kmには、堰や水門等の人工物がありません。
天塩川を含む宗谷本線の車窓については、以下の乗車記もご覧ください。
おすすめプランは?
青春18きっぷで宗谷本線を旅するときに気を付けたいのが、普通列車の少なさ。南側の旭川~名寄間はそれなりの本数(といっても日中は2時間に1本程度)がありますが、北側の音威子府~稚内間は1日に3往復のみです。
とはいえ、旭川~稚内の全線を通しで走る列車など、かなりの長距離を走る列車もあります。一気に乗りとおしてしまうのであれば、このような列車を狙いましょう。
一方、途中下車して観光をするのであれば、特急「宗谷」「サロベツ」などの短区間利用も検討しましょう。というより、特急列車も活用しないと、日中時間帯に途中下車しながら宗谷本線を旅することは事実上不可能です。
予土線(川沿い区間:江川崎~土佐大正)
最後にご紹介するのは、JR四国のローカル線、予土線です。予土線は、清流として名高い四万十川に沿って走る路線。川沿いの路線はたくさんありますが、川そのものの美しさでは、四万十川を眺められる予土線がNo.1と言ってもいいでしょう。
予土線とは?
予土線は、四国の西部、愛媛県の北宇和島駅と、高知県の若井駅を結ぶ、全長76.3kmの非電化路線です。特急列車は走らず、普通列車のみのローカル線です。運行上は、宇和島駅~窪川駅間で運転されています。
どんな絶景が見られるの?
予土線は、大半を四万十川か、その支流の川に沿って走ります。中でも絶景が見られるのは、四万十川の本流に沿って走る江川崎~土佐大正間です。
四万十川は日本一の「清流」とも言われていて、とても水がきれいな川です。上の写真でもおわかりいただけると思いますが、ブルーの川面が素晴らしいです。
上の写真でも少し写っていますが、四万十川のあちこちにかかっているのが、欄干のない「沈下橋」です。車窓からも、数多くの沈下橋を眺めることができます。
列車の車窓からも、川の水が透き通っていて、川底まで見通せるところが多くあります。
おすすめプランは?
予土線には普通列車しか運転されていませんが、普通列車用の車両を改造した「予土線3兄弟」と呼ばれる車両があります。
新幹線0系電車を模した「鉄道ホビートレイン」、フィギュアメーカーの海洋堂とコラボした「海洋堂ホビートレイン」、そして、貨車を改造したトロッコ列車「しまんトロッコ」です。
このうち、「鉄道ホビートレイン」「海洋堂ホビートレイン」は、普通列車として運転されていて、どの列車で運行されているかも、上記のJR四国のWebサイトで確認することができます。
「しまんトロッコ」は、運行日が限定されている臨時列車で、乗車するには乗車整理券(530円)が必要になります。事前に乗車整理券を入手しておきましょう。
天気の良い日であれば、「しまんトロッコ」がおすすめです。トロッコ車両が連結される江川崎~土佐大正(十川)間では、少し高いところから四万十川を見おろすことができます。
予土線の乗車記については、以下の記事をご覧ください。
以上、「青春18きっぷで乗りたい川沿いのおすすめ絶景路線7選! 渓谷美から清流までさまざまな車窓を楽しめます!」でした。川沿いの路線はたくさんありますが、その中でも筆者がおすすめの川の絶景が見られる路線を7つ紹介しました。青春18きっぷの旅で、ぜひ乗車してみてください。
関連記事
青春18きっぷで乗りたい海が見える絶景路線!の記事です。五能線、釧網本線、予讃線などを紹介しています。
「青春18きっぷで乗りたい絶景高原路線」の記事です。小海線、花輪線などを紹介しています。
青春18きっぷでぜひ乗りたい、車窓が素晴らしい路線をまとめて紹介している記事です。海の車窓、川の車窓、高原や山の車窓、冬に雪景色が楽しめる路線などを紹介していますので、ぜひご覧ください。
当ブログの青春18きっぷ関連のトップページです。青春18きっぷの最新情報や基礎知識から、おすすめの路線や列車、青春18きっぷのおすすめルート、「ワープ」などの使いこなしのコツなど、さまざまなコンテンツを掲載していますので、ぜひご覧ください!
コメント