JR東日本の首都圏を走る普通列車に連結されているグリーン車を利用したことがあるでしょうか? 実は、グリーン券を購入すれば、青春18きっぷでも利用できるのです。東海道線、横須賀線、高崎線、宇都宮線、常磐線に加えて、これらの路線を都心を経由して結ぶ湘南新宿ラインや上野東京ラインには長距離を走る列車が多いので、青春18きっぷ+グリーン車の組み合わせがおすすめです!
※2024年3月16日以降、普通列車グリーン車のグリーン料金が値上げされました。詳しくはこちらをご覧ください。
普通列車のグリーン車とは?
JR東日本の東海道線、横須賀・総武線快速、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、常磐線の普通列車には「グリーン車自由席」が連結されています。1編成(10両または15両)に2両の2階建てグリーン車が連結されています。
グリーン車といっても、新幹線や特急列車のグリーン車のような豪華な座席ではありません。座席のグレードは、特急列車の普通車と同等レベルと考えてよいでしょう。それでも、混雑している都心の列車でゆったりと座っていけるのですから、特に長距離を移動する場合には、グリーン料金を払う価値はあります。
2024年3月16日から普通列車グリーン車のグリーン料金が値上げへ!
2024年3月のダイヤ改正で、普通列車グリーン車のグリーン料金が値上げとなります。
- | 見直し後 | 現行(事前料金) | ||
---|---|---|---|---|
距離 |
Suica グリーン料金 |
通常料金 | 平日 | ホリデー |
50キロまで | 750円 | 1,010円 | 780円 | 580円 |
100キロまで | 1,000円 | 1,260円 | 1,000円 | 800円 |
101キロ以上 | 1,550円 | 1,810円 | 1,000円 | 800円 |
グリーン料金見直しのポイントは以下のとおりです。
- 101キロ以上の区分が新設され、距離区分は2区分から3区分へ
- 平日料金とホリデー料金が統合され一つの料金体系に
- 事前料金と車内料金の区分が廃止され、Suicaグリーン料金(モバイルSuica、ICカードタイプのSuica)と通常料金(紙のきっぷ)の区分へ
見直し後のグリーン料金(Suicaグリーン料金)は、現行の平日の事前料金とほぼ同じですが、101キロ以上は1,550円と大幅値上げとなります。
なお、JRE POINT でもらえる「Suicaグリーン券」は600ポイントのままとなりますので、お得感が大幅に高まります。
グリーン料金の見直しについては、JR東日本のニュースリリースをご確認ください。
2024年度以降に中央線・青梅線に普通列車グリーン車を投入!
都心から各方面への路線のうち、現在、中央線にはグリーン車がありませんが、2024年度以降に導入予定となっています。
普通列車グリーン車の導入予定区間は、以下のとおりです。
- 中央快速線(東京~大月)
- 青梅線(立川~青梅)
現在のE233系10両編成の電車に、2両の2階建てグリーン車を連結して、12両編成での運転となる予定です。
当初、2023年度に投入予定でしたが、半導体不足の影響で、2024年度以降に延期となりました。中央線・青梅線への普通列車グリーン車の導入については、以下の記事をご覧下さい。
普通列車グリーン車の利用料金は?
普通列車グリーン車の利用料金は以下の通りです。
営業キロ | Suica グリーン料金 |
通常料金 |
---|---|---|
50kmまで | 750円 | 1,010円 |
100kmまで | 1,000円 | 1,260円 |
101km以上 | 1,550円 | 1,810円 |
Suicaグリーン券は、交通系ICカードやモバイルSuicaでSuicaグリーン券を購入した場合の料金、通常料金は紙のグリーン券を購入した場合の料金となります。
紙のグリーン券のほうが260円高くなっています。グリーン車に乗車する際には、必ず、Suicaでグリーン券を購入するようにしましょう。
普通列車グリーン券の購入方法は?
普通列車用のグリーン券の購入方法には、以下の3とおりがあります。
購入方法 | 支払い | 必要なもの |
---|---|---|
改札外の券売機 (Suicaマーク付き) |
現金・Suica | 現金または チャージされたSuica |
改札内・ホーム上の グリーン券券売機 |
Suicaのみ | Suica(ICカード) |
モバイルSuica | クレジットカード モバイルSuica |
モバイルSuica |
Suicaを持っていない場合は、改札外の券売機で「磁気グリーン券」を購入する必要があります。グリーン券の情報が印字された紙のきっぷです。前述のとおり、この場合は「通常料金」適用となり、Suicaで購入するよりも260円高くなります。
ICカードのSuicaやモバイルSuicaを利用する場合には、ICカード内にグリーン券の情報が記録されます。
なお、現金での購入は改札外の券売機でしかできません ので注意しましょう。改札内のグリーン券券売機はSuica(ICカード)専用です。
おすすめはモバイルSuicaです。どこでも購入できますし、料金も割安なSuica料金となります。購入方法は、乗車駅と降車駅を選択するだけ。とても簡単です。
普通列車グリーン車への乗車方法は?
あらかじめグリーン券を購入しておけば、あとはグリーン車に乗車するだけです。
普通列車のグリーン車は、4号車と5号車の2両が連結されています。2階建て車両になっていて、乗降扉は車両の両端(1両に2箇所ずつ)にあります。
普通列車のグリーン車は自由席ですので、空いている席ならどこに座ってもOKです。席が空いているかは、席上のランプを見ればわかります。
- 赤色: 空いている席
- 緑色: 埋まっている席(すでに座っている人がいる席)
つまり、赤色のランプの席を選べばよいということになります。
席に座ったら、席の上部にある「グリーン券情報読み取り部」にタッチします。赤色だったランプが緑色に変わればOKです。これで、車内改札は省略されます。
磁気グリーン券(紙のきっぷ)の場合には、空いている席(ランプが赤色の席)に座り、グリーンアテンダントに磁気グリーン券手渡せばOKです。その後、少し待つとランプが緑色に変わります。
どの列車にグリーン車が連結されているの?
首都圏の以下の路線・区間の普通列車には、基本的に連結されています。
- 東海道線(東京~小田原・熱海)
- 横須賀・総武線快速(東京~千葉・君津・上総一ノ宮・成東・成田空港)
- 宇都宮線(上野~宇都宮)
- 高崎線(上野~高崎・前橋)
- 湘南新宿ライン(新宿経由)
- 上野東京ライン(上野・東京経由)
- 常磐線(上野~水戸・高萩)
- 普通列車のみ,快速・各駅停車には連結されていない
- 日中時間帯、土浦以北はグリーン車の連結なし
ただし、末端区間などではグリーン車が連結されている編成が切り離されてしまうこともありますので注意しましょう。
常磐線は列車・区間・時間帯によってグリーン車の連結がない場合があるので注意!
常磐線は注意が必要です。まず、取手駅発着の快速列車には基本的にグリーン車は連結されていません。常磐線にグリーン車が連結されているのは、土浦駅から先に行く普通列車だけです。上の写真のような青いラインが入った電車(E531系)には連結されています。
また、日中時間帯は、土浦以北(土浦~水戸・勝田間)ではグリーン車の連結がありません。2024年3月改正ダイヤでは、以下のようになります。
- 下り(上野→水戸)
- 始発~7時頃: グリーン車あり(水戸・勝田への直通列車)
- 7時台~13時台前半: グリーン車なし(土浦で乗り換えまたは切り離し)
- 13時台後半~終電: グリーン車あり(水戸・勝田への直通列車)
- 上り(水戸→上野)
- 始発~9時台: グリーン車あり(土浦以南への直通列車)
- 10時台~15時台前半: グリーン車なし(土浦で乗り換え)
- 15時台後半~終電: グリーン車あり(土浦以南への直通列車)
※時刻は、下り列車は上野発車時点、上り列車は水戸発車時点
日中時間帯は、土浦駅での乗り換えか、あるいは、土浦駅でグリーン車を含む10両が切り離されてしまいます。そのため、土浦駅以北ではグリーン車のサービスがないのです。土浦以北でもグリーン車を利用したい場合は、時刻表を確認しましょう。
どの列車にグリーン車が連結されているかは、時刻表を見ればわかります。また、駅の電光掲示板などで、行先の横にグリーンマーク(緑の四葉のマーク)があればグリーン車が連結されています。グリーン車に乗車したい場合は、事前に確認してから乗るようにしましょう。
どの路線・区間にグリーン車が連結されているかについては、JR東日本の普通列車グリーン車のページもご覧ください。
普通列車グリーン車は同一方向なら1枚のグリーン券で乗り継ぎ可能!
JRの基本的なルールでは、グリーン券は、乗車する列車ごとに購入しなくてはいけないことになっています。
ところが、普通列車グリーン車には、「同一方向なら(改札を出なければ)複数のグリーン車を乗り継いでも1枚のグリーン券でOK」という特例があるのです。
同一方向の乗り継ぎとは?
それでは、「同一方向」の乗り継ぎとは何でしょうか? 厳密にはJR東日本のルールで決められているのですが、おおざっぱには以下のようになります。
- 同じ路線の同一方向への列車を乗り継ぐ場合
これが最もわかりやすい例です。普通列車のグリーン車に乗っていて、途中駅で快速列車に抜かれる場合に、後続の快速列車に乗り換える場合や、途中駅止まりの列車から、もっと先の駅まで行く列車に乗り換える場合などが該当します。
例えば、新宿駅から籠原行きの湘南新宿ラインに乗車し、終点の籠原駅で高崎行き乗り継ぐような場合です。
- 同一方向の別の路線に乗り継ぐ場合
別の路線なのに「同一方向」とは? これは少しわかりにくいのですが、地理的に元の方向に戻るような路線同士でなければ、「同一方向」ということになります。
といっても、なかなか理解しづらいので、次の節で説明します。
1枚のグリーン券で乗り継ぐことができない路線は?
1枚のグリーン券で乗り継ぐことのできる路線と、乗り継ぐことのできない路線は、なかなかわかりづらいです。
多少の例外はあるものの、ざっくりと理解するならば、以下の3グループに分けた時に、同じグループ内の路線同士の乗り継ぎはできない と覚えておくとよいでしょう。
北へ向かう路線 | 西へ向かう路線 | 南・東へ向かう路線 |
---|---|---|
高崎線 宇都宮線 常磐線 |
東海道線 | 横須賀線~ 総武線快速 |
例えば、大宮駅で、北側からやってきた(南行きの)高崎線から、北行きの宇都宮線のグリーン車を乗り継ぐ場合には、1枚のグリーン券では乗り継ぐことはできません。上野駅で、高崎線・宇都宮線(南行の上野東京ライン)から常磐線(水戸方面)に乗り継ぐこともできません。
一方、別グループ同士の路線は、基本的に乗り継ぐことができます。東京駅や品川駅で東海道線(東京以南)と常磐線を乗り継ぐ場合には、1枚のグリーン券で乗り継ぐことができます。
ただし、例外があります。JR東日本のWebサイトには、1枚のグリーン券では乗り継げないパターンが掲載されていますので、引用しておきます。
※同一方向の乗り継ぎでないため、1枚のグリーン券で乗り継いでご乗車になれない区間は次のとおりです。
・土呂以遠(東大宮方面)←大宮駅乗換→宮原以遠(上尾方面)
・十条以遠(板橋方面)←赤羽駅乗換→東十条以遠(王子方面)または尾久
・本千葉以遠(蘇我方面)←千葉駅乗換→東千葉以遠(都賀方面)
・南酒々井以遠(榎戸方面)←佐倉駅乗換→酒々井以遠(成田方面)
・浜野以遠(八幡宿方面)←蘇我駅乗換→鎌取以遠(誉田方面)
・西大井以遠(武蔵小杉方面)←品川駅乗換→大井町以遠(大森方面)
・高輪ゲートウェイ以遠(田町方面)←品川駅乗換→大崎以遠(五反田方面)
・川崎以遠(蒲田方面)←横浜駅乗換→新川崎以遠(武蔵小杉方面)
・函南以遠(三島方面)←熱海駅乗換→来宮以遠(伊豆多賀方面)
・尾久以遠(赤羽方面)←上野駅乗換→三河島以遠(南千住方面)
・神田以遠(秋葉原方面)←東京駅乗換→新日本橋以遠(馬喰町方面)
*ただし、大船駅で藤沢以遠(茅ヶ崎方面)と北鎌倉以遠(鎌倉方面)に乗り継ぐ場合は、1枚のグリーン券で乗り継いでご乗車になれます。
よく読むと、すごく正確に書かれているのですが、正確さゆえにとても分かりづらい記述になっています。路線図が頭に入っていないと、ちんぷんかんぷんですね。
グリーン車の乗り継ぎ方法
同一方向のグリーン車を乗り継ぐ場合、ICカードのSuicaかモバイルSuicaでグリーン券を購入した場合には、
- 下車するグリーン車の「グリーン券情報読み取り部」にタッチする(ランプが緑から赤に変わる)
- 乗り継いだグリーン車で「グリーン券情報読み取り部」にタッチする(ランプが赤から緑に変わる)
とするだけです。乗り継ぐ前のグリーン車から下車する前に、忘れずに「グリーン券情報読み取り部」にタッチしておきましょう。
一方、紙のグリーン券で乗車した場合には、
- 乗り継ぐ前のグリーン車のグリーンアテンダントに、グリーン車を乗り継ぐことを伝える
- 乗り継いだあとのグリーン車で、グリーンアテンダントに、グリーン車を乗り継いできたことを伝える
とすればOKです。
積極的に活用したいグリーン車の乗り継ぎ
この普通列車グリーン車の乗り継ぎは、積極的に利用したいところです。
現在では、湘南新宿ラインや上野東京ラインといった、複数の路線を直通する列車が多く運転されていますが、普通列車グリーン車が連結されている路線のすべてで直通運転が実施されているわけではありません。
例えば、以下の路線は直通運転が実施されていません。
- 横須賀線~高崎線
- 東海道線・横須賀線(品川以西)~常磐線
常磐線は、現在、品川駅までしか直通運転が実施されていないため、品川以西から常磐線方面へ(またはその逆方向で)乗り継ぐときには、グリーン車の乗り継ぎができます。例えば、小田原駅から水戸駅へ向かう場合に、品川駅や上野駅でグリーン車を乗り継ぐことができます。
さらに、グリーン料金は、前述のとおり、50㎞までと51㎞以上の2段階しかありません。51㎞以上は、どこまで乗っても同じグリーン料金です。上手に乗り継ぎを使えば、200km以上も1枚のグリーン券でグリーン車に乗車することもできるのです。
普通列車グリーン車では車内販売も!
普通列車グリーン車には、グリーン券の検札や販売をするために、「グリーンアテンダント」と呼ばれる乗務員が乗車しています。このグリーンアテンダントが、車内販売も実施しています。
ワゴンではなく、手持ちの小さなカゴに商品を入れていますので、販売されている商品は限られています。それでも、飲み物、お菓子、おつまみなどの軽食を販売していますので、車内でのどが渇いた場合などには利用できます。
基本的には、普通列車グリーン車が連結されているすべての列車で車内販売が実施されていますが、時間帯や一部区間(主に普通列車グリーン車の運転されている区間の末端部)では実施されていない場合もあります。
普通列車グリーン車は青春18きっぷやフリーきっぷでも利用できる!
乗り鉄にとってうれしいのは、普通列車グリーン車は、青春18きっぷ等のフリーきっぷでも利用できる点です。
青春18きっぷは「グリーン車自由席」なら利用できる!
青春18きっぷの案内には、以下の記述があります。
・特急(新幹線を含む)・急行列車またはグリーン車等をご利用される場合は、乗車券と特急・急行券やグリーン券等を別にお買い求めください。なお、普通列車(快速含む)グリーン車自由席をご利用の場合は、別にグリーン券をお買い求めいただくとご利用になれます。
普通列車のグリーン車自由席には、グリーン券を追加で購入すれば、乗車券として青春18きっぷを利用できるということです。青春18きっぷの秋バージョン「秋の乗り放題パス」も同様です。
本記事で紹介している路線の普通列車に連結されているグリーン車は、すべて「グリーン車自由席」ですので、青春18きっぷや秋の乗り放題パスで利用できます。
青春18きっぷ以外のフリーきっぷでも利用できる!
青春18きっぷだけでなく、首都圏の普通列車グリーン車が連結されている区間がフリーエリアとなるフリーきっぷでも、グリーン券を購入すれば、普通列車グリーン車を利用することができます。
代表的なフリーきっぷとしては、以下のようなものがあります。
- 休日おでかけパス
- 土休日、GW、夏休み、年末年始に利用可能
- 東京近郊のJR線に1日乗り放題となるフリーきっぷ(おとな 2,720円)
- 週末パス
- 土休日の連続する2日間利用可能(一部の繁忙期を除く)
- 南東北・関東甲信越のJR東日本と14の私鉄・三セク路線がフリーエリア(おとな 8,880円)
上記以外にも、首都圏の各県がフリーエリアとなるフリーきっぷも期間限定で発売されています。いずれも、グリーン券を購入すれば、普通列車グリーン車に乗車することができます。
JR東日本エリアのフリーきっぷについては、以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。
普通列車グリーン車のおすすめ利用法は?
青春18きっぷと併用できるとなれば、乗り鉄・鉄道旅行に使わないともったいないですね! ここでは、おすすめの利用法を紹介します。
都心部からの各方面への普通列車で利用
都心近辺に在住の方は、都心から各方面への普通列車に乗車する際に、普通列車グリーン車を利用することができます。
東京・上野・新宿あたりからであれば、宇都宮や高崎、水戸まで、1時間半~2時間程度かかります。東海道線の小田原や熱海でも2時間程度かかります。これだけ乗車するのであれば、グリーン料金を払っても損はないでしょう。
個人的には、青春18きっぷで旅立つ最初の列車か、帰宅する最後の列車にグリーン車を利用することが多いです。普通列車では、車内での飲食はなかなかしづらいですが、グリーン車であれば、駅弁を食べたり、お酒を飲んだりすることもできます。
青春18きっぷで乗車券はかなり節約できているはずなので、その分、少し贅沢する感じですね。
首都圏をスルーする普通列車で利用
もっと使いでがあるのが、首都圏をスルーする普通列車でのグリーン車利用です。
湘南新宿ライン、上野東京ラインの普通列車を利用すると、東海道線・横須賀線方面から、高崎線・宇都宮線方面へ、乗り換えなしで1本の列車でスルーすることができます。
現在は、東海道線の小田原・熱海と宇都宮・高崎・前橋を結ぶ列車が多く運転されています。これらの列車を乗りとおすと4時間程度かかりますので、ロングシートだとつらいでしょう。しかし、グリーン車であれば、リクライニングするクロスシートでゆったりと過ごすことができますし、前述のとおり、車内での飲食も可能です。
それに、上記のとおり、普通列車のグリーン料金は50kmと100kmを境にした3段階制になっているため、100km以上どれだけ長い区間を乗車しても料金は変わりません。
東海地方~東北地方の移動などで、首都圏を通過する場合には、湘南新宿ラインや上野東京ラインのグリーン車を積極的に活用しましょう。
混雑時に座って移動したい場合に利用
ラッシュ時など、座席に座れない場合に、普通列車グリーン車を利用して座席を確保するのも良いでしょう。朝の通勤ラッシュ時や、夕方の帰宅ラッシュ時には、このような使い方をしている方がたくさんいます。
注意点としては、このあとで説明しますが、混雑時にはグリーン車も満席の可能性があるということです。ただ、湘南新宿ラインや上野東京ラインなど、都心を通過する列車の場合、都心の主要ターミナル駅(品川・渋谷・新宿・池袋・上野・東京など)で乗客が入れ替わることが多いですので、たとえ満席だったとしても、これらの駅で座席が空く可能性もあります。
普通列車グリーン車の混雑状況
普通列車グリーン車は「自由席」のため、着席は保証されません。そのため、満席の場合は、せっかくグリーン券を購入しても座ることができません。
それでは、普通列車グリーン車の混雑状況はどうなっているのでしょうか?
平日は通勤・帰宅利用が圧倒的に多い!
普通列車グリーン車が連結されている列車は、都心から郊外へ、または、都心を経由して運転されています。そのため、平日は、通勤・帰宅利用が圧倒的に多くなります。
混雑しているのは以下の列車です。
- 朝の通勤ラッシュの時間帯の上り列車(郊外→都心)
- 夕方~夜の帰宅ラッシュ時間帯の下り列車(都心→郊外)
基本的に、グリーン車以外の車両が混雑している列車は、グリーン車も混雑している傾向にあります。
湘南新宿ラインや上野東京ライン、総武快速線~横須賀線直通列車のように、都心をスルーする列車は、新宿、池袋、渋谷、品川、東京、上野などのターミナル駅で、乗客の入れ替わりが多く発生します。
朝の通勤ラッシュ時間帯、都心へ向かう列車のグリーン車が混雑していても、都心のターミナル駅での下車が多いため、そこで座れることも良くあります。例えば、朝ラッシュ時間帯、大宮駅でグリーン車が満席だったとしても、上野駅や東京駅、新宿駅などで座れることが多いです。
休日は観光利用が多めながら全体的に空いている傾向
平日とは異なり、休日は観光客の利用が多くなります。そのため、混雑しやすい列車は、平日とは逆方向になります。
- 朝の郊外へ向かう列車
- 夕方・夜の都心へ向かう列車
ただ、平日ほど混雑しない傾向にありますので、乗ってはみたけど座れない、ということは多くないと思います。
普通列車グリーン車 利用上の注意点
最後に、普通列車グリーン車を利用する際の注意点をまとめておきます。
座席の確保は保証されない
普通列車グリーン車は自由席のため、座席の確保は保証されていません。平日のラッシュ時などは座席が埋まっていることも多いので、混雑時間帯に乗車する場合には要注意です。ちなみに、座席に座れなくても、グリーン車のデッキなどに乗車する場合にはグリーン券が必要です。
ただ、東京、上野、品川、新宿、池袋などの首都圏のターミナル駅では、グリーン車から下車する乗客が少なからずいますので、これらの駅まで待っていれば座れることが多いです。
必ずSuicaでグリーン券を購入する
前述のとおり、グリーン料金には、Suicaグリーン料金と通常料金があります。紙のグリーン券を購入すると260円も高くなってしまいます。必ず事前にSuicaで購入しておきましょう。
筆者のおすすめは「モバイルSuica」です。モバイルSuicaであれば、どこでもグリーン券を購入できます。操作も簡単で、モバイルSuicaのアプリから、乗車駅、降車駅を選ぶだけです。モバイルSuicaで購入する場合は、割安なSuica料金が適用されます。
長距離を乗車する場合には、食べ物・飲み物を駅で買っておく
前述のように、普通列車グリーン車の車内では、グリーンアテンダントが車内販売を実施していますが、グリーン車が混雑していたりすると、車内販売がやってこない場合もあります。グリーンアテンダントは1名のみ、グリーン券の確認や販売も担当しているためです。
グリーン車を連結した普通列車は、乗車時間が長くなる傾向があります。そのため、乗車前に、駅の売店やコンビニで、食べ物や飲み物を購入しておくようにしましょう。
コンセント・WiFi装備は一部の車両のみ
現在では、新幹線や特急列車には、座席にコンセントがついていて、車内ではWiFiのサービスが提供されているのが標準となりつつあります。
一方、普通列車グリーン車では、一部の車両を除いて、基本的にはコンセントやWiFiは提供されていません。
JR東日本では、新しいグリーン車用の車両では、コンセントとWiFiを装備しています。2022年11月現在、普通列車グリーン車で、コンセントをWiFiのサービスが提供されているのは、以下の路線・車両のみです。
- コンセント・WiFiサービスが提供されているグリーン車
- 路線: 横須賀線・総武快速線
- 車両: E235系
2024年3月現在、横須賀線・総武快速線の車両が、これまでの古い車両(E217系)から新しい車両(E235系)に置き換えられつつあります。古い車両と新しい車両が混在していて、時刻表ではどの列車がどちらの車両で運転されるかがわかりません。そのため、今のところ、コンセント・WiFi付きのグリーン車に狙って乗車するのは難しい状況です。
普通列車グリーン車に関するよくある質問と回答
普通列車のグリーン車とは?
JR東日本の東海道線、横須賀・総武線快速、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、常磐線の普通列車に連結されている「グリーン車自由席」です。1編成(10両または15両)に2両の2階建てグリーン車が連結されています。グリーン車は特急の普通車と同等のリクライニングシートが並ぶ座席です。
普通列車グリーン車の利用料金は?
普通列車グリーン車の利用料金(Suica料金)は、50kmまで750円、100kmまで1,000円、それ以上は1,550円です。紙のきっぷを購入すると260円高くなります。
普通列車グリーン車への乗車方法は?
あらかじめグリーン券を購入しておけば、あとはグリーン車に乗車するだけです。普通列車のグリーン車は自由席ですので、空いている席ならどこに座ってもOKです。席上のランプが赤色で、誰も座っていない席が空いています。
どの列車にグリーン車が連結されているの?
首都圏の以下の路線・区間の普通列車には、基本的に連結されています。
- 東海道線(東京~小田原・熱海)
- 横須賀・総武線快速(東京~千葉・君津・上総一ノ宮・成東・成田空港)
- 宇都宮線(上野~宇都宮)
- 高崎線(上野~高崎・前橋)
- 湘南新宿ライン(新宿経由)
- 上野東京ライン(上野・東京経由)
- 常磐線(上野~水戸・高萩)
ただし、末端区間などではグリーン車が連結されている編成が切り離されてしまうこともありますので注意しましょう。
普通列車グリーン車の乗り継ぎは?
普通列車グリーン車には、「同一方向なら(改札を出なければ)複数のグリーン車を乗り継いでも1枚のグリーン券でOK」という特例があります。同一方向の乗り継ぎとは、同じ路線の同一方向への列車を乗り継ぐ場合や、同一方向の別の路線に乗り継ぐ場合を指します。ただし、一部の路線では乗り継ぐことができない場合もあります。
グリーン車を乗り継ぐ場合、ICカードのSuicaかモバイルSuicaでグリーン券を購入した場合、どのように乗り継げば良いですか?
ICカードのSuicaかモバイルSuicaでグリーン券を購入した場合、同一方向のグリーン車を乗り継ぐ場合は、下車するグリーン車の「グリーン券情報読み取り部」にタッチし、乗り継いだグリーン車でも「グリーン券情報読み取り部」にタッチするだけです。乗り継ぐ前のグリーン車から下車する前に、「グリーン券情報読み取り部」にタッチしておくことをお忘れなく。
普通列車グリーン車の混雑状況はどうなっていますか?
普通列車グリーン車は平日の通勤・帰宅時間帯に混雑しており、休日は観光利用が多めながら全体的には空いています。
普通列車グリーン車でコンセントやWiFiは利用できますか?
普通列車グリーン車では、一部の車両を除いて、基本的にはコンセントやWiFiは提供されていません。現在、普通列車グリーン車でコンセントとWiFiのサービスが提供されているのは、横須賀線・総武快速線のE235系電車のグリーン車のみです。
(参考)JRE POINTで「Suicaグリーン券」をもらおう!
JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」のポイントで交換できる景品の中に、「(JRE POINT用)Suicaグリーン券」があります。
これは、首都圏の普通列車グリーン車に1回乗車できる券で、600ポイント(600円相当)で1枚交換することができます。
JRE POINTは、1ポイント1円でSuicaにチャージすることができますので、グリーン車の料金表と比較すると、最も安い50km以下の区分でもお得ですし、101km以上の区分では6割以上もお得になります。
筆者は、「VIEWカード」をオートチャージで利用して、スーパーやコンビニ等でのふだん使いに利用しています。勝手にJRE POINTが貯まるので、旅行に出かける際には、必ずJRE POINTを使って「Suicaグリーン券」に交換するようにしています。
詳しくは、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
以上、普通列車グリーン車の概要とおすすめの利用法を紹介しました。長距離を走る列車が多い首都圏の普通列車。これらのグリーン車は青春18きっぷと組み合わせて使えますので、プチ贅沢をするにはもってこいです。グリーン車をうまく活用すれば、青春18きっぷの汽車旅も快適になりますよ!
関連記事
青春18きっぷ関連のトップページです。最新情報、基本知識から、おすすめの列車・路線、使いこなしのコツまで、いろいろな記事を掲載していますので、ぜひご覧ください。
当ブログでおすすめしているお得なきっぷ関連のトップページです。鉄道旅行、乗り鉄に便利なJR各社のきっぷを中心に紹介しています。
JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」のまとめです。ポイントの貯め方、鉄道旅行でのお得な使い方について紹介していますので、ぜひご覧ください。
コメント
本文内
例えば、以下の路線は直通運転が実施されていません。
横須賀線・総武線快速~高崎線
東海道線・横須賀線~常磐線
とありますが横須賀線・総武線快速〜高崎線は1枚でのグリーン券にる乗り継ぎが不可なので変えた方がいいと思います。
EYさん、ご指摘ありがとうございます。
横須賀線~高崎線はOKですが、総武快速線~高崎線はNGでしたね。
記事の該当箇所を修正しました。
ありがとうございました。