北海道新幹線が開業して、青函トンネルを走る在来線がなくなってしまいました。そのため、青春18きっぷでの移動のネックとなっています。とはいえ、北海道の大自然とローカル線は鉄道ファンにとっては魅力的! ということで、青春18きっぷの旅で、北海道~本州を移動する方法を、行程と予算に応じてまとめてみました。青春18きっぷ旅の参考にしてみてください。
- 青春18きっぷ旅の「難所」、青函トンネル!
- 【まとめ】行程・予算別 青春18きっぷ旅での本州~北海道の移動手段
- 青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券(2,490円)
- 青春18きっぷ+北海道新幹線(奥津軽いまべつ~新函館北斗)(3,350円~5,270円)
- 青春18きっぷ+北海道新幹線 トクだ値14(4,500円)
- 北海道&東日本パス+北海道新幹線特定特急券(4,000円)
- 青函フェリー・津軽海峡フェリー 青森~函館航路(2,200円~3,850円)
- シルバーフェリー 八戸~苫小牧航路(6,000円)
- 津軽海峡フェリー 青森~室蘭航路(5,090円~6,160円)
- 新日本海フェリー 秋田~苫小牧航路(5,600円~8,800円)
- 【結論】青春18きっぷ 本州~北海道 移動手段の使い分け
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青春18きっぷ旅の「難所」、青函トンネル!
青森と函館を結ぶ青函トンネル。鉄道の旅では北海道への入口です。かつては、快速列車が走っていたり、特急列車のみとなったあとも、特例で特急列車に乗車できるようになっていたりと、青春18きっぷだけで青函トンネルを抜けることができました。
その状況が変わってしまったのは、北海道新幹線開業後。青函トンネルを通る在来線の定期旅客列車は全廃されてしまいました。
一応、青春18きっぷ利用者向けの救済措置として、「北海道新幹線オプション券」(2,490円)が設けられましたが、青春18きっぷだけでは、北海道と本州を行き来することができなくなってしまいました。
追加出費が発生するなら、いっそのこと、別の交通機関の利用も考えてみましょう、というのがこの記事の主旨です。
【まとめ】行程・予算別 青春18きっぷ旅での本州~北海道の移動手段
青春18きっぷ旅での本州~北海道の移動手段を下の表にまとめてみます。それぞれについては、このあとで一つずつ詳しく紹介していきます。
移動手段 | 区間 | 所要時間 | 本数 | 追加出費 | 交通手段・きっぷ等 |
---|---|---|---|---|---|
青春18きっぷ+北海道新幹線 オプション券 |
津軽線~奥津軽いまべつ~ 木古内~道南いさりび鉄道 |
4~7時間 | ※1 | 2,490円 |
北海道新幹線 オプション券 |
青春18きっぷ+北海道新幹線 |
津軽線~奥津軽いまべつ ~新函館北斗~函館 |
3~4時間 | ※2 | 4,470円 | トクだ値1 |
北海道新幹線 新青森~新函館北斗 |
約1時間半 | 13往復/日 | 4,500円 | トクだ値14 | |
北海道&東日本パス +北海道新幹線特急券 |
北海道新幹線 新青森~新函館北斗 |
約1時間半 | 13往復/日 | 4,000円 |
北海道新幹線 特定特急券 |
青函フェリー 津軽海峡フェリー |
青森港~函館港 | 約4時間 |
14往復/日 (2社合計) |
2,200円 ~3,850円 |
フェリー 2等/スタンダード |
シルバーフェリー 八戸~苫小牧航路 |
八戸港~苫小牧港 |
約8時間 夜行便あり |
4往復/日 | 6,000円 | フェリー 2等 |
津軽海峡フェリー 青森~室蘭航路 |
青森港~室蘭港 |
約7時間 室蘭→青森は夜行便 |
1往復/日 |
5,090円 ~6,160円 |
スタンダード |
新日本海フェリー 秋田~苫小牧航路 |
秋田港~苫小牧港 |
10~12時間 苫小牧→秋田は夜行便 |
1往復/日 |
5,600円 ~8,800円 |
フェリー ツーリストJ |
※1: 5時間以内で移動できる乗り継ぎは、青森→函館は3パターン、函館→青森は1パターンのみ
※2: 5時間以内で移動できる乗り継ぎは、青森→函館は5パターン、函館→青森は3パターン
青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券(2,490円)
青春18きっぷの旅で青函トンネルを移動するときに、まず検討するのが「北海道新幹線オプション券」でしょう。
奥津軽いまべつ~木古内間の北海道新幹線に加えて、木古内~五稜郭間の道南いさりび鉄道にも乗車できるオプション券です。1枚で片道のみ有効です。
北海道新幹線は同区間のみ乗車可能で、範囲外からの乗車はできません。また、道南いさりび鉄道では途中下車はできません。
詳しくは、当ブログの青春18きっぷの紹介ページをご覧ください。
青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券で、青森~函館間を移動する場合には、
- 青森~津軽二股: JR津軽線(青春18きっぷで乗車可能)
- 津軽二股~奥津軽いまべつ: 徒歩連絡(ほとんど同じ駅)
- 奥津軽いまべつ~木古内: 北海道新幹線
- 木古内~函館: 道南いさりび鉄道(五稜郭~函館間はJR函館本線)
という乗り継ぎになります。
2024年現在、津軽線の蟹田~三厩間が不通となっているため、2024年夏シーズンの乗り継ぎは、以下のように代行バスまたはデマンド型タクシー「わんタク」利用となります。
津軽線 | 青森 | 06:16発 | 08:14発 | 11:01発 | 15:31発 | 16:42発 |
---|---|---|---|---|---|---|
蟹田 | 06:58着 | 08:50着 | 11:38着 | 16:08着 | 17:19着 | |
代行バス わんタク |
- | 代行バス1便 | わんタク1便 | わんタク5便 | 代行バス3便 |
代行バス5便 (平日のみ) |
蟹田 | 07:08発 | 09:00発 | 12:00発 | 16:20発 | 17:30発 | |
津軽二股 奥津軽いまべつ |
07:38着 | 09:31着 | 12:31着 | 16:50着 | 18:00着 | |
北海道新幹線 | - | はやて93号 | はやぶさ1号 | はやぶさ19号 | はやぶさ25号 | はやぶさ31号 |
奥津軽いまべつ | 08:12発 | 10:07発 | 14:15発 | 17:01発 | 18:58発 | |
木古内 | 08:45着 | 10:40着 | 14:48着 | 17:34着 | 19:31着 | |
道南いさりび鉄道 | 09:12発 | 11:16発 | 15:19発 | 19:10発 | 20:55発 | |
函館 | 10:12着 | 12:21着 | 16:22着 | 20:16着 | 21:56着 | |
所要時間 | - | 3時間56分 | 4時間7分 | 5時間21分 | 4時間45分 | 5時間14分 |
備考 | - | - | - | - | - | 平日のみ |
道南いさりび鉄道 | 函館 | 06:50発 | 10:34発 | 13:36発 |
---|---|---|---|---|
木古内 | 07:54着 | 11:37着 | 14:39着 | |
北海道新幹線 | はやぶさ18号 | はやぶさ28号 | はやぶさ34号 | |
09:48発 | 13:01発 | 15:01発 | ||
奥津軽いまべつ | 10:21着 | 13:34着 | 15:34着 | |
代行バス わんタク |
- | わんタク2便 | わんタク6便 | わんタク8便 |
奥津軽いまべつ 津軽二股 |
11:19発 | 15:14発 | 16:44発 | |
蟹田 | 11:50着 | 15:45着 | 17:15着 | |
津軽線 | 12:10発 | 16:25発 | 17:27発 | |
青森 | 12:58着 | 17:13着 | 18:03着 | |
所要時間 | - | 6時間8分 | 6時間39分 | 4時間27分 |
ご覧のとおり、乗り継ぎはあまり良くありません。このような乗り継ぎは、通常の利用では考えられないため、ダイヤ上はまったく考慮されていないのです。
奥津軽いまべつ駅と木古内駅の両方に停車する北海道新幹線の本数が非常に少ないうえに、津軽線、道南いさりび鉄道線の列車の本数も多くありません。
現実的に使える乗り継ぎは、以下の4パターンくらいでしょう。
- 【下り】青森 06:16発 → 函館 10:12着(所要時間 3時間56分)
- 【下り】青森 08:14発 → 函館 12:21着(所要時間 4時間07分)
- 【下り】青森 15:31発 → 函館 20:16着(所要時間 4時間45分)
- 【上り】函館 13:36発 → 青森 18:03着(所要時間 4時間27分)
上記以外の乗り継ぎは5時間以上もかかってしまいますので、この区間を移動するだけで、ほぼ丸一日を費やしてしまいます。特に、青森→函館の上り方向の乗り継ぎは、乗り継げるパターンが少ないうえに、上記の函館13:36発以外は6時間以上を要してしまいます。
北海道新幹線や、津軽線、道南いさりび鉄道にどうしても乗ってみたい! とにかく安く移動したい! という方にはおすすめですが、そうでないなら、別の手段を考えてみてもよいでしょう。
2024年シーズンは津軽線 蟹田~三厩間不通のため代行バス・わんタクの利用が必要!
津軽線の蟹田~三厩間は、2022年8月の大雨被害により、長期間にわたり運転を見合わせています。北海道新幹線オプション券での乗換駅となる津軽二股駅も運転見合わせの区間に含まれています。
そのため、北海道新幹線オプション券を利用する場合には、蟹田駅~津軽二俣駅・奥津軽いまべつ駅間で代行バス・代行タクシー(わんタク)を利用する必要があります。
代行バスは朝と夕方のみで、日中時間帯はデマンド型乗り合いタクシー「わんタク」を予約して利用する必要があります。特にタクシー利用の場合には、列車との乗り継ぎに余裕を持たせておく必要があることから、全体の所要時間が増える可能性があります。
詳しい乗り継ぎは以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
青春18きっぷ+北海道新幹線(奥津軽いまべつ~新函館北斗)(3,350円~5,270円)
青春18きっぷを利用しつつ、青函トンネル区間の所要時間を短縮する方法として、奥津軽いまべつ~新函館北斗間で北海道新幹線を利用する方法を考えてみます。
北海道新幹線は特急料金が割高なので、どのくらいの出費になるのかが気になるところです。
【北海道新幹線 奥津軽いまべつ~新函館北斗】
乗車券+特急券 | 購入期限 | |
---|---|---|
通常料金 | 5,270円 | 当日購入可能 |
トクだ値1 (20%引き) |
4,470円 | 前日 |
トクだ値14 (40%引き) |
3,350円 | 2週間前 |
※通常料金は特定特急券利用、トクだ値ははやぶさ号の指定席特急料金
ふつうに乗車券と特急券を購入すると5,270円とかなりの出費となりますが、前日まで購入できる「トクだ値1」なら4,470円。2週間前までに購入が必要ですが「トクだ値14」なら40%引きの3,350円となります。
2週間前はともかく、前日なら予定が決まっていることが多いでしょうから、トクだ値1の4,470円をどう判断するかでしょうか。
奥津軽いまべつ~新函館北斗間で北海道新幹線を利用する場合の乗り継ぎは、以下のとおりです。「青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券」よりも効率的な乗り継ぎのみを掲載しています。
※2024年度は津軽線の蟹田~三厩間が不通のため、蟹田~津軽二股(奥津軽いまべつ)間の移動は、代行バスまたはデマンド型乗合タクシー「わんタク」での移動となります。
津軽線 | 青森 | 06:16発 | 08:14発 | 11:01発 | 15:31発 | 16:42発 | 18:13発 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
蟹田 | 06:58着 | 08:50着 | 11:38着 | 16:08着 | 17:19着 | 18:52着 | |
代行バス わんタク |
- | 代行バス1便 | わんタク1便 | わんタク5便 | 代行バス3便 |
代行バス5便 (平日のみ) |
代行バス7便 |
蟹田 | 07:07発 | 09:00発 | 12:00発 | 16:20発 | 17:30発 | 19:05発 | |
津軽二股 奥津軽いまべつ |
07:37着 | 09:31着 | 12:31着 | 16:50着 | 18:00着 | 19:35着 | |
北海道新幹線 | はやて93号 | はやぶさ1号 | はやぶさ19号 | はやぶさ25号 | はやぶさ31号 | はやぶさ39号 | |
奥津軽いまべつ | 08:12発 | 10:07発 | 14:15発 | 17:01発 | 18:58発 | 20:58発 | |
新函館北斗 | 08:58着 | 10:53着 | 15:01着 | 17:47着 | 19:44着 | 21:44着 | |
函館本線 | 09:24発 | 11:04発 | 15:11発 | 17:57発 | 19:55発 | 21:53発 | |
函館 | 09:39着 | 11:20着 | 15:28着 | 18:16着 | 20:10着 | 22:08着 | |
所要時間 | - | 3時間23分 | 3時間6分 | 4時間27分 | 2時間45分 | 3時間28分 | 3時間55分 |
備考 | - | - | - | - | - | 平日のみ | - |
函館本線 | 函館 | 06:07発 | 08:59発 | 12:06発 | 14:16発 |
---|---|---|---|---|---|
新函館北斗 | 06:29着 | 09:18着 | 12:29着 | 14:36着 | |
北海道新幹線 | はやぶさ10号 | はやぶさ18号 | はやぶさ28号 | はやぶさ34号 | |
新函館北斗 | 06:39発 | 09:35発 | 12:48発 | 14:48発 | |
奥津軽いまべつ | 07:25着 | 10:22着 | 13:34着 | 15:35着 | |
代行バス わんタク |
- | 代行バス4便 | わんタク2便 | わんタク6便 | わんタク8便 |
奥津軽いまべつ 津軽二股 |
08:25発 | 11:19発 | 15:14発 | 16:44発 | |
蟹田 | 08:55着 | 11:50着 | 15:45着 | 17:15着 | |
津軽線 | 蟹田 | 09:11発 | 12:10発 | 16:25発 | 17:27発 |
青森 | 09:46着 | 12:58着 | 17:13着 | 18:03着 | |
所要時間 | - | 3時間39分 | 3時間59分 | 5時間7分 | 3時間47分 |
木古内駅での乗り継ぎを考えなくてよくなるため、3~4時間台で青森~函館を移動できる乗り継ぎパータンがそれなりにあります。所要時間、追加出費ともに、次に紹介する「北海道&東日本パス+北海道新幹線特定特急券」にはかなわないのですが、どうしても青春18きっぷを利用しなくてはならないときには、検討してみてもよいでしょう。
青春18きっぷ+北海道新幹線 トクだ値14(4,500円)
北海道新幹線オプション券での乗り継ぎは、どうしても列車の本数が少ない津軽線と道南いさりび鉄道がネックとなって時間がかかりますので、北海道新幹線に全区間で乗車してしまう方法もあります。
北海道新幹線の新青森~新函館北斗間の運賃+特急券(空席を利用できる特定特急券)の合計は7,190円と高額ですが、2週間前までに購入すれば40%引きとなる「トクだ値14」を活用すると4,500円となります。
- きっぷ名: トクだ値14
- 対象列車・設定期間: 北海道新幹線(各駅相互間)
- 発売期間: 乗車日の1ヶ月前の午前10時~14日前の23時50分まで
- 割引率: 運賃+指定席特急料金の合計が40%引き
- 設備: 普通車指定席
- 注意: インターネット申込限定、列車・区間・座席数限定
北海道新幹線と函館ライナーを乗り継げば、青森~函館間の移動は1時間半~2時間程度。北海道新幹線オプション券の価格が2,490円ですから、それにさらに2,000円を追加することによって、本州~北海道の移動時間が大幅に短縮できます。
「トクだ値14」については、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
北海道&東日本パス+北海道新幹線特定特急券(4,000円)
北海道へ鉄道で格安旅行をするときには、青春18きっぷ以外の選択肢として、「北海道&東日本パス」があります。
フリーエリアはJR北海道・JR東日本エリアのみですが、IGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道など、主要な第三セクター路線にも乗車できます。
そして、本州と北海道を行き来するときに「北海道&東日本パス」が便利なのは、特定特急券を購入すれば、新青森~新函館北斗の相互駅間で北海道新幹線に乗車できる点です。新青森~新函館北斗間の特定特急券は4,000円。やや値が張りますが、新青森~新函館北斗間の所要時間は1時間前後。新函館北斗駅から在来線に乗り継いで函館駅まで行ったとしても1時間半以内です。
青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券では、最も速くて3時間20分。たいていの乗り継ぎでは5~6時間程度を要してしまいますので、所要時間の点では圧倒的に有利です。
また、北海道新幹線は、定期列車だけで1日13往復。1時間に1本は運転されていますので、乗り継ぎの時間も最小限にできます。
ということで、多少の出費は覚悟しても、とにかく移動時間を短くしたいという方には、「北海道&東日本パス+北海道新幹線特定特急券」 がおすすめです。
青函フェリー・津軽海峡フェリー 青森~函館航路(2,200円~3,850円)
青森~函館を鉄道以外の手段で移動するとなると、フェリー利用になります。
青森港~函館港の間には、青函フェリー、津軽海峡フェリーの2社が運航しています。両社合わせて1日に14往復、日中だけでなく、夜行便も運航されています。
料金は、最も安い2等(スタンダード)で2,200円~3,850円。青春18きっぷの北海道新幹線オプション券とほぼ同じ価格帯です。
所要時間は約4時間。青森駅、函館駅からフェリーターミナルまでの移動時間(路線バスまたはタクシー)、乗船手続きの時間も含めると5~6時間程度でしょう。
北海道新幹線と比べるとかなり時間がかかるのですが、実は、青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券での移動時間と大差はありません。乗り継ぎのタイミングによっては、フェリーのほうが速いくらいです。
さらに、深夜・早朝の便もありますので、鉄道が動いていない夜間に青森~函館を移動することも可能です。正味の乗船時間は3時間半~4時間程度なので、しっかり睡眠をとる時間はありませんが、仮眠をとるくらいはできます。
とにかく安く北海道~青森を移動したい場合には、青函フェリー・津軽海峡フェリー の利用をおすすめします。
「青函フェリー」「津軽海峡フェリー」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
シルバーフェリー 八戸~苫小牧航路(6,000円)
青森~函館間の移動にこだわらないのであれば、シルバーフェリーの八戸~苫小牧航路が便利です。
このシルバーフェリーの八戸~苫小牧航路は、以下の理由で、かなりおすすめです。
- 八戸→苫小牧便、苫小牧→八戸便ともに使いやすい時間帯の夜行便があり、翌朝は早朝から活動できる
- 6,000円(2等、インターネット予約なら1割引、学生割引は4,800円)で北海道~本州を移動でき、夜行便なら宿代も浮く
- 北海道側の発着が札幌に近い苫小牧港であるため、道央・道北・道東へのアクセスが函館経由よりも断然優れている
夜行便のダイヤは以下の通りです。(2024年6月現在)
- 八戸港 22:00発 → 苫小牧港 翌06:00着
- 苫小牧港 21:15発 → 八戸港 翌04:45着
- 苫小牧港 23:59発 → 八戸港 翌07:30着
所要時間は7時間半~8時間程度ですので、しっかり睡眠をとることもできます。
それに、苫小牧港は札幌から近いのです。苫小牧~札幌間は普通列車でも1時間ちょっとの距離です。札幌駅まで出られれば、旭川方面へも行けますし、途中の南千歳駅から石勝線経由で帯広・釧路方面へも行くことができます。目的地が道南であれば函館港のほうが良いですが、道央・道北・道東であれば苫小牧港が圧倒的に便利です。
シルバーフェリーの八戸~苫小牧航路については、以下の記事で詳しく解説しています。フェリーの夜行便を利用した東京~札幌の乗り継ぎ例も紹介しています。
津軽海峡フェリー 青森~室蘭航路(5,090円~6,160円)
津軽海峡フェリーの青森~室蘭航路は、2023年10月から運航を開始した新しい航路です。北海道側は室蘭港が起点となりますので、鉄道で道央方面、さらに足を延ばして、道東・道北方面へとおでかけの場合には、青函航路よりも便利に利用できます。
ダイヤは以下のとおりです。(2024年6月現在)
- 室蘭港 20:00発 → 青森港 翌03:00着(日曜日以外毎日運航)
- 青森港 09:00発 → 室蘭港 15:45着(月曜日以外毎日運航)
室蘭港→青森港の便が夜行便となります。青森港の到着が午前3時とかなり早いですが、青森駅の始発列車から活動できます。
室蘭港はJR室蘭駅から徒歩圏内ですので、非常に使い勝手が良いです。札幌~室蘭間は、普通列車の乗り継ぎで3時間ほどです。前述のシルバーフェリーの八戸~苫小牧航路と使い分けると良いでしょう。
津軽海峡フェリー 青森~室蘭航路については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
新日本海フェリー 秋田~苫小牧航路(5,600円~8,800円)
東北地方の日本海側と北海道を行き来するのに便利なのが、新日本海フェリーの秋田~苫小牧航路です。1日1往復のみ(週に1日運休日あり)ですが、苫小牧→秋田便は夜行便ですので、北海道から本州への移動には便利に使えそうです。
ダイヤは以下のとおりです。(2024年6月現在)
- 秋田港 06:15発 → 苫小牧東港 16:45着(毎週火~日運航)
- 苫小牧東港 19:30発 → 秋田港 翌07:35着(毎週月~土運航)
夜行便となる苫小牧→秋田便の所要時間は約12時間。しっかり睡眠も取れますし、秋田港に到着してから、丸一日、移動や観光に使えます。
この秋田~苫小牧航路は、(敦賀~)新潟~秋田~苫小牧と運航されている便の寄港便となります。新潟港を利用することもできますが、新潟~苫小牧の所要時間が18~20時間と、鉄道を利用するよりもかなり時間がかかってしまいます。
新日本海フェリーの秋田~苫小牧航路については、新日本海フェリーのWebサイトをご確認ください。
【結論】青春18きっぷ 本州~北海道 移動手段の使い分け
鉄道、フェリーを利用した、本州~北海道の移動手段を紹介しました。最後に、主な使い分けをまとめておきます。
- 鉄道での移動にこだわりつつ、とにかく安く! → 青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券
- どうしても青春18きっぷを使いたいが、できるだけ早く! → 青春18きっぷ+北海道新幹線(奥津軽いまべつ~新函館北斗 または 新青森~新函館北斗)
- 多少の出費は覚悟! 時間重視で! → 北海道&東日本パス+北海道新幹線 特定特急券
- 交通手段は何でもよいが、とにかく安く! → 青函フェリー・津軽海峡フェリー
- 北海道の目的地/出発地が道央・道北・道東の場合 → シルバーフェリー 八戸~苫小牧航路、津軽海峡フェリー 青森~室蘭航路
- 寝ている間に移動! 宿代も浮く! → シルバーフェリー 八戸~苫小牧航路、新日本海フェリー 秋田~苫小牧航路
青春18きっぷの旅をおすすめしている当ブログですが、北海道~本州の移動に関しては、青春18きっぷ北海道新幹線オプション券の使い勝手はよくありません。
目的地や行程にもよりますが、本州~北海道を移動する旅行では宿泊が前提となることを考えると、シルバーフェリーの夜行便が、時間・費用ともにメリットが大きいです。夜間も移動時間に充てることができるうえに、宿代も節約できます。
以上、「【青春18きっぷ 渡道ガイド】 本州~北海道の移動手段を紹介! 北海道新幹線からフェリーまで行程と予算に応じて使い分けよう!」でした。鉄道でも青春18きっぷ以外の選択肢がありますし、さらに、フェリーを利用することもできます。いろいろな手段で本州~北海道を行き来できますので、行程と予算に合わせて使い分け、お得で楽しい旅行にしましょう。
関連記事
本州~北海道間のフェリー夜行便に焦点を当てて紹介する記事です。本記事で紹介した青函フェリー、津軽海峡フェリー、シルバーフェリー以外のフェリーも紹介しています。
青春18きっぷ関連サブサイト「青春18きっぷナビ」のトップページです。最新情報から、おすすめの列車やルート、ちょっとした使いこなしのコツまで、さまざまな記事を掲載しています。
コメント
フェリーに6千円も出すのなら
もっと遠距離のフェリー(仙台~名古屋、大洗、敦賀、舞鶴)とか
仙台、成田、中部、関空、福岡などからLCCで飛ぶとかも
案に入ってくると思います。
まあ、福岡は本州ではありませんけども。
コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、鉄道での移動にこだわらなければ、LCCやフェリーのほうが安上がりかもしれません。
ですが、青春18きっぷメイン(鉄道メイン)の旅での渡道の方法をまとめた記事ですので、北東北~北海道の移動手段に限定しました。仙台~苫小牧のフェリーくらいは入れてもよいかもしれませんが…