えちごトキめき鉄道は、JR信越本線・北陸本線の一部を引き継いだ第三セクターです。北陸地方を青春18きっぷで旅するときには、どうしても避けられない路線ですが、運賃はかなり高め。そこで活用したいのが、青春18きっぷを提示すると購入できる「トキ鉄18きっぷ」です。1,000円でえちごトキめき鉄道全線が1日乗り放題となるお得なフリーきっぷです。この記事では、「トキ鉄18きっぷ」の詳細と、お得な使い方をご紹介します。
えちごトキめき鉄道のフリーきっぷ「トキ鉄18きっぷ」とは?
えちごトキめき鉄道は、北陸新幹線金沢延伸開業時に、新潟県内のJR信越本線・北陸本線を引き継いだ第三セクター会社です。以下の2路線を運行しています。
- 日本海ひすいライン: 市振~糸魚川~直江津(旧北陸本線)
- 妙高はねうまライン: 直江津~上越妙高~妙高高原(旧信越本線)
「トキ鉄18きっぷ」は、この2路線の全線が1日1,000円で乗り放題となるフリーきっぷです。青春18きっぷの期間に合わせて発売されています。当日有効な青春18きっぷを提示すると購入できるという、まさに青春18きっぷユーザーのためのフリーきっぷなのです。
概要は以下のとおりです。(利用期間・発売期間は2024年シーズンのもの)
- 利用期間:2024年7月20日(土)~9月10日(火)
- 発売期間:2024年7月20日(土)~9月10日(火)
- 有効期間: 発売当日限り
- 発売条件: 当日有効の「青春18きっぷ」を提示
- フリーエリア: えちごトキめき鉄道全線
- 効力: フリーエリア内の普通列車・快速列車の普通車自由席に1日乗り放題、「えちごトキめきリゾート雪月花号」には乗車できない
- 発売箇所: 妙高高原、新井、上越妙高、高田、春日山、直江津、能生、糸魚川の各駅窓口(窓口営業時間内)、えちごトキめき鉄道の列車内
- おねだん: 1,000円(※こども用の設定はなし)
発売期間、利用期間ともに、青春18きっぷの利用期間と同じです。利用当日のみの発売となっていますので、事前に購入することはできません。利用する当日に、当日有効の(その日の日付印が押されている)青春18きっぷを提示すると、購入することができます。
詳しくは、えちごトキめき鉄道のお知らせをご覧ください。
「トキ鉄18きっぷ」は通常のフリーきっぷの半額!
えちごトキめき鉄道では、平日に利用できる「トキ鉄ツアーパス」や、通年利用できる「ホリデーツアーパス」も発売しています。「トキ鉄18きっぷ」と比較してみると、以下の表のようになります。
きっぷ名称 | トキ鉄18きっぷ | トキ鉄ツアーパス | ホリデーツアーパス |
---|---|---|---|
利用期間 |
青春18きっぷ 利用期間中 |
平日 | 通年 |
有効期間 | 1日 | 1日 | 1日 |
フリーエリア | 全線 | 全線 | 全線 |
乗車できる 列車 |
普通列車 快速列車 |
普通列車 快速列車 特急しらゆき |
普通列車 快速列車 特急しらゆき 観光急行列車 |
おねだん | 1,000円 |
おとな 2,000円 こども 1,000円 |
おとな 3,000円 こども 1,500円 |
「トキ鉄ツアーパス」は平日に利用できます。新井・上越妙高~直江津間の特急「しらゆき」の自由席にも乗車できます。「ホリデーツアーパス」は土休日にも利用でき、観光急行にも乗車できます。
一方で、おねだんは「トキ鉄18きっぷ」が1,000円なのに対して、「トキ鉄ツアーパス」は2,000円、「ホリデーツアーパス」は3,000円。青春18きっぷ1日分が2,410円であることを考えると、この価格の差はかなり大きいですね。
「トキ鉄18きっぷ」は、青春18きっぷユーザーの通過ニーズに合わせて設定されたきっぷということになりそうです。
「トキ鉄18きっぷ」は糸魚川~妙高高原の通過だけでもお得!
「トキ鉄18きっぷ」はフリーきっぷですが、一部区間を片道通過するだけでもお得になります。えちごトキめき鉄道の普通運賃と比較してみましょう。
区間 | 普通運賃(片道) |
---|---|
糸魚川~直江津 | 900円 |
市振~直江津 | 1,310円 |
糸魚川~上越妙高 | 1,140円 |
糸魚川~妙高高原 | 1,780円 |
市振~妙高高原 | 2,260円 |
大糸線~信越本線を乗り継ぐために、糸魚川~直江津間を片道乗車するのであれば、普通にきっぷを買ったほうが安いです。一方、それ以外のJR線、他社線との連絡で利用する区間については、片道乗車だけでも「トキ鉄18きっぷ」を購入したほうがお得になります。
糸魚川駅ではJR大糸線が、上越妙高駅では北陸新幹線が、妙高高原駅ではしなの鉄道(北しなの線)が接続しています。
筆者は、2020年夏の青春18きっぷの旅で、大糸線で糸魚川駅に出たあと「トキ鉄18きっぷ」を購入し、直江津経由で妙高高原駅まで利用しました。普通にきっぷを買うと1,780円しますから、780円もお得になりました。
このように、青春18きっぷの旅で、他社線との接続駅間を片道乗車するだけの使い方でも、十分にお得になります。
えちごトキめき鉄道の乗車記については、以下の記事もご覧ください。
北陸の第三セクター路線に乗り継ぐなら「北陸3県2Dayパス」も利用しよう!
えちごトキめき鉄道から、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくいと北陸地方の第三セクターを乗り継ぐのであれば、「北陸3県2Dayパス」も活用しましょう。
- きっぷ名: 北陸3県2Dayパス
- 利用期間
- 2024年3月16日(土) ~ 2025年3月31日(月)の土・日・祝日とその翌日
- 2024年3月16日(土) ~ 4月1日(月)
- 2024年4月27日(土) ~ 5月13日(月)
- 2024年7月13日(土) ~ 9月2日(月)
- 2024年9月14日(土) ~ 9月24日(火)
- 2024年10月1日(火) ~ 2025年1月14日(火)
- 2025年3月15日(土) ~ 2025年3月31日(月)
- フリーエリア: ・あいの風とやま鉄道全線、IRいしかわ鉄道全線、ハピラインふくい全線(越中宮崎~敦賀)
- 発売箇所: 各社のMaaSアプリ(デジタル版のみの発売)
- おねだん: 大人 2,800円、小児 1,400円
2024年3月に並行在来線として新たにスタートする「ハピラインふくい」も含めて、北陸3県の第三セクター鉄道に2日間乗り放題で2,800円というお得なきっぷです。
基本的に土休日とその翌日の2日間のみ利用できますが、ゴールデンウィークや夏休み、シルバーウィークなどは平日も含めて利用できます。
青春18きっぷを使いにくい北陸エリアですが、本記事で取りあげた「トキ鉄18きっぷ」と「北陸3県2Dayパス」を活用すれば、ふつうにきっぷを買うよりもお得に移動することができます。
「トキ鉄18きっぷ」の購入方法は? 乗り継ぎ時間がないときは列車内でも購入可能!
「トキ鉄18きっぷ」は、えちごトキめき鉄道線内の主要駅の窓口で購入できます。乗り継ぎに時間があれば、窓口で購入するのが良いでしょう。
一方、他社線からの乗り継ぎ時間があまりないときは、窓口まで買いに行くことができません。特に、糸魚川駅や直江津駅では、乗り継ぎが考慮されたダイヤになっていて、乗り継ぎ時間が数分しかないこともあります。そのようなときは、えちごトキめき鉄道線内で運転士や車掌から購入しましょう。このとき、おつりがないように1,000円札を準備しておきましょう。
以上、「【トキ鉄18きっぷ】えちごトキめき鉄道全線乗り放題で1,000円! 青春18きっぷを提示すると購入できるお得なフリーきっぷ!」でした。北陸地方は第三セクター路線が多く、青春18きっぷだけでは旅がしにくいエリアですが、「トキ鉄18きっぷ」を併用して、お得に旅をしてみましょう!
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