山梨県と静岡県を結ぶ身延線。富士山や富士川の車窓が美しい路線です。身延山や富士宮の富士山本宮浅間大社など、途中下車して立ち寄りたいスポットも多くあります。そんな身延線に、首都圏から青春18きっぷの日帰り旅で訪問する周遊ルートをご紹介します。
富士山と富士川の車窓を楽しむ身延線周遊ルート
身延線は、山梨県の甲府駅と静岡県の富士駅を結ぶJR東海の路線です。山梨県、静岡県以外の方には、あまり馴染みのない路線かもしれません。観光や出張で、静岡~山梨を移動することはそれほどないでしょうから、身延線に乗るとしたら、身延線の沿線が目的の場合に限られるでしょう。
そんな身延線ですが、甲府近辺と富士宮近辺からの富士山の車窓、そして、日本三大急流の一つ、富士川の車窓が美しい路線です。全線を乗りとおすと3時間とかなり長いので、途中下車して、観光をしながら乗るのがおすすめです。
身延線は、両端の駅が、中央本線、東海道本線と接続していますので、首都圏からの周遊ルートで乗ることができます。距離・時間はやや長めになりますが、普通列車にしか乗車できない青春18きっぷ利用でも、観光しながら日帰りで旅をすることが可能です。
冬の青春18きっぷシーズンにおすすめ! 富士山を眺める旅!
身延線は富士山の西側を南北に走る路線です。富士宮あたりではすそ野まできれいに富士山を眺めることができますし、甲府駅の近くからは御坂山地の上に頭を出す富士山を眺めることができます。
富士山を眺めたいなら、冬の青春18きっぷでの旅がおすすめです。冬は晴天率が高く、空気も澄んでいますので、富士山をくっきりと眺めることができます。それに、山頂に雪をかぶった富士山は絵になります。
富士山を眺められる路線を以下の記事で紹介しています。この記事で紹介している身延線周遊ルートを旅すれば、あちこちから富士山を眺めることができます。
春の青春18きっぷシーズンにおすすめ! 桜の名所巡り!
この記事で紹介する身延線周遊ルートは、桜の名所が点在しています。中央本線の勝沼ぶどう郷駅の「甚六桜」、身延線の鰍沢口駅から徒歩でアクセスできる「大法師公園」(おおぼしこうえん)、そして、少し今回紹介するルートからは外れますが、御殿場線山北駅周辺の桜があります。
2021年3月下旬に、これらの桜の名所を春の青春18きっぷで巡ってきました。そのときの記録を以下の記事で公開しています。春の青春18きっぷ旅の参考にしてみてください。
青春18きっぷ 日帰り「身延線周遊ルート」
この記事で紹介する身延線周遊ルートの概要は以下のとおりです。
区間 | 路線 | 備考 |
---|---|---|
東京→高尾・八王子 | 中央線快速 | |
高尾・八王子→甲府 | 中央本線 | 始発駅での乗り換え がおすすめ |
甲府→富士 | 身延線 | 途中下車して観光しよう! |
富士→熱海 | 東海道本線 (JR東海) |
|
熱海→東京 | 東海道本線 (JR東日本) |
グリーン車がおすすめ! |
東京から、中央本線~身延線~東海道本線と周遊するルートです。東京駅起点で計算すると、乗車距離は358.4km、普通運賃は6,380円と、日帰り旅にしてはかなり長めです。
それでも、朝早く出発すれば、身延線で途中下車して観光する時間を確保することもできます。帰路は、熱海から東海道本線のグリーン車に乗れば、ゆったり帰宅することもできます。
なお、身延線の車窓や沿線の観光スポットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
「身延線周遊ルート」の車窓・観光スポットを紹介!
それでは、身延線周遊ルートの車窓や観光スポットを中心に紹介していきます。
列車の時刻は参考までに掲載しています(2023年3月改正の土休日ダイヤ)。身延線の普通列車以外はそれなりに本数がありますので、各自でアレンジしていただければと思います。
東京→甲府(中央本線)
- 東京 06:01発 → 新宿 06:15発 → 高尾 07:00着(中央線 中央特快 高尾行き)
- 高尾 07:06発 → 甲府 08:38着(中央本線 普通 甲府行き)
まずは、中央本線で甲府を目指します。
東京駅・新宿駅からの中央線快速列車は、たいていが高尾駅止まりですので、乗り換えが必要になります。
高尾駅から甲府方面への列車は、高尾始発が多いですが、中には八王子始発などもあります。なるべく始発駅で乗り換えるようにすれば、着席できる確率も上がります。
高尾駅から勝沼ぶどう郷駅あたりまでは、トンネルが多い山間部を走行します。そして、山間部を抜けると、甲府盆地が開けてきます。勝沼ぶどう郷駅付近からの甲府盆地の車窓も見どころの一つです。
甲府→身延(身延線)
- 甲府 09:03発 → 身延 10:52着(身延線 普通 富士行き)
甲府駅でいよいよ身延線に乗り換えです。
甲府駅の身延線のホームは、中央本線の下りホームの端にあります。12両編成の特急列車が行き交う中央本線のホームとは対照的に、こじんまりとしたホームになっています。
身延線の普通列車はJR東海の313系電車。ロングシートとクロスシートの車両がありますが、朝晩はロングシートの車両が多いようです。
甲府駅を出て、しばらくは甲府の市街地や住宅地を南下していきます。甲府盆地の中を走るため、視界は開けていて、田園風景の向こうに盆地を取り囲む山々を見渡すことができます。
進行方向左側の山並みの向こうには、富士山の山頂部分だけが顔を出しています。甲府盆地を走る鰍沢口駅までが見やすいですが、このあとも、ところどころで上の写真のように見ることができます。
甲府から約1時間半で身延駅に到着しました。ここで途中下車して、観光しましょう。
身延山ロープウェイで身延山山頂へ!
- 身延駅 11:15発 → 身延山 11:27着(山梨交通バス)
- 身延山 13:52発 → 身延駅 14:04着(山梨交通バス)
身延駅前から山梨交通バスの路線バスに乗れば、10分ちょっとで身延山に到着します。
身延山には、日蓮宗の総本山「身延山 久遠寺」があるほか、身延山ロープウェイで身延山の山頂まで手軽に登ることができます。
身延山の山頂からの富士山や富士川、南アルプスや甲府盆地の眺めは必見です。ぜひ、晴れて空気の澄んだ日に訪問したいところです。
身延山久遠寺と身延山ロープウェイについては、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
身延→富士宮(身延線)
- 身延 14:12発 → 富士宮 15:11着(身延線 普通 富士行き)
身延山から身延駅に戻ってきたら、身延線の旅を再開しましょう。
進行方向右手の車窓には、しばらくの間、富士川が見えています。日本三大急流の一つではありますが、このあたりは中下流域のため、「急流」という感じはあまりしません。ただ、過去に何度も氾濫を起こしたのか、広い河原の両側にはしっかりとした護岸が整備されているところが多いようです。
身延駅から約1時間で富士宮駅に到着です。ここでも、途中下車して観光やグルメを楽しんでみましょう。
「富士山本宮浅間大社」へ
富士宮駅からは徒歩10分ほどのところに、浅間神社の総本山、「富士山本宮浅間大社」があります。
浅間神社は、富士山をご神体とする神社で、富士山を見ることができる関東甲信地方、東海地方を中心に、1300社ほどあるそうです。その総本山が、この富士宮にある「富士山本宮浅間大社」です。
「富士山本宮浅間大社」の北東には、ご神体の富士山があり、晴れていれば境内からきれいに眺めることができます。
富士宮といえば、もう一つ、B級グルメの「富士宮やきそば」も忘れずに。「富士山本宮浅間大社」を参拝したあと、富士宮の駅へ戻る途中で食べるのが良いでしょう。
富士宮→富士(身延線)
- 富士宮 17:01発 → 富士 17:20着(身延線 普通 富士行き)
あとは富士宮駅から富士駅へ出て、東海道本線で帰路につくだけです。もし時間に余裕があれば、富士宮駅から4つ目の竪堀(たてぼり)駅で途中下車してみましょう。
竪堀駅の下りホームからは、このように富士山の全景を眺めることができます。身延線の列車と一緒に写真に収めてみてもよさそうですね。
西富士宮~富士間は列車の本数が多く、1時間に3~4本ありますので、竪堀駅で途中下車してホームから富士山を眺め、次の列車に乗ったとしても、時間のロスは15~20分ほどです。天気が良ければチャレンジしてみましょう。
富士→東京(東海道本線)
- 富士 17:34発 → 沼津 17:53着(東海道本線 普通 熱海行き)
- 沼津 18:08発 → 東京 20:29着(東海道本線 普通 宇都宮行き)
富士駅からは東海道本線の列車を乗り継いで東京へ戻ります。
熱海駅から東京寄りのJR東日本エリアでは、東海道本線の普通列車にグリーン車が連結されています。熱海駅から東京駅まで2時間近くかかりますので、普通列車のグリーン車を利用するのがおすすめです。ゆったりとくつろいで帰宅することができます。
普通列車のグリーン車については、以下の記事をご覧ください。
身延線の途中下車の旅には特急「ふじかわ」も活用しよう!
身延線の普通列車は本数が多くありません。特に、日中時間帯は2時間くらい列車がないこともあります。そんな時は、特急「ふじかわ」を利用してみましょう。
当然、青春18きっぷでは乗車できませんので、乗車券と特急券を購入する必要があります。かなりの出費になるのでは?と思いがちですが、特急「ふじかわ」では短距離の自由席特急料金がかなり安く設定されています。
- 特急「ふじかわ」の自由席特急料金
- 30kmまで: 330円(下部温泉~身延など)
- 50kmまで: 660円(甲府~下部温泉・身延、富士~身延など)
これ以外に乗車券も必要ですが、例えば、甲府~身延間に乗車すると、乗車券860円+自由席特急券660円で合計1,520円です。特急でも1時間程度かかる区間ですので、所要時間に対して、乗車券+特急券はそれほど高くないと思います。
特急「ふじかわ」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
以上、「【首都圏発 身延線周遊ルート】富士山と富士川を眺める日帰り旅、身延山・浅間大社もおすすめ! ~青春18きっぷ おすすめ日帰り旅7~」でした。首都圏に近いのに、あまり知られていない身延線。富士山と富士川の車窓を楽しめる路線ですので、青春18きっぷの日帰り旅で、ぜひ訪れてみてください。
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