春の青春18きっぷ日帰り旅としておすすめなのが、桜の名所を巡る旅です。当ブログでは、首都圏発のおすすめルートとして、身延線を含む周遊ルートを紹介しています。今回は、身延線周遊ルートを巡り、桜の名所で途中下車をしてお花見を楽しむ旅をしてきましたので、ご紹介します。
春の青春18きっぷ旅におすすめ! 「桜の名所巡りの旅」
春の青春18きっぷでのおすすめの旅が、桜の名所巡りの旅です。
「日本さくら名所100選」など、探してみると、日本各地に桜の名所があります。JR駅からのアクセスが良い場所もありますので、そういった駅で途中下車して、次の列車までの間、お花見を楽しんでみよう、という旅です。
乗り鉄メインであれば、先にルートを決めて、そのルート上に、お花見ができそうな桜の名所がないかを探す方法でも良いと思います。
今回は、東京から中央本線~身延線~東海道本線~御殿場線と巡るお花見ルートで旅をしてきましたので、その様子をご紹介します。このルート自体は、富士山を眺められる青春18きっぷ日帰りルートとしてもおすすめです。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
【勝沼ぶどう郷駅】旧勝沼駅跡の桜並木が見事な「甚六桜」
早朝の中央本線の電車を乗り継いで、午前7時44分、勝沼ぶどう郷駅で途中下車しました。
勝沼ぶどう郷駅の駅前には「甚六桜」と呼ばれる有名な桜の名所があります。
ホーム上からの満開の桜を眺めることができます。途中下車する時間がない方は、列車の中からでも桜を眺めることができますので、桜の時期に勝沼ぶどう郷駅を通る際には、盆地側の開けたほうの車窓に注目です!
勝沼ぶどう郷駅の改札を出て、右側へ進むと、中央本線の線路と並行した形で「甚六桜公園」があります。公園内には桜がたくさん植えられていて、このように見事な桜の回廊となっています。
「甚六桜公園」は、地元の「甚六会」が1977年から苗木を植えて育てたことが始まりだそうです。今では、山梨県内でも有数の桜の名所になりました。この日も、朝早い時間にもかかわらず、お花見をする観光客がたくさんきていました。
訪問したのは3月27日でしたが、既にほぼ満開に近い咲き具合。よく見るとつぼみの状態のものもそれなりにありましたが、全体的は「まもなく満開」でした。
旧駅名標のあるあたりの桜は満開! 天気にも恵まれて、本当にきれいでした。
「甚六桜公園」がある細長い空間は、かつての勝沼駅のホーム跡です。勝沼駅は1913年に設置されましたが、当時の中央本線は単線非電化。そして、急勾配にある勝沼駅はスイッチバック駅でした。その後、1931年(昭和6年)に電化、1968年(昭和43年)に複線化され、現在の位置にホームが移りました。「甚六桜公園」にあるホーム跡は、旧勝沼駅のホームのうち、甲府側の一部分なんだそうです。
ホーム跡には旧駅名標が残されています。「はじかの」というのは、現在の甲斐大和駅です。地名の「初鹿野」がそのまま駅名になっていました。
見事な桜のトンネル! 旧ホーム跡、旧線路跡を整備した公園だけあって、非常に細長いため、このような、きれいな桜のトンネルができます。
7時55分ごろ、特急列車が通過していきました。新宿行きの特急「あずさ4号」のようです。慌てて撮ったので、ちょっとぶれました(笑)
勝沼ぶどう郷駅は、甲府盆地を見渡す高台にあります。中央本線の車窓でも随一の絶景ポイントだと思います。甚六桜公園と勝沼ぶどう郷駅の間あたりに、展望スペースがあり、そこからは、甲府盆地と、その向こうに雪をたたえた南アルプスの山々を見渡すことができます。
勝沼ぶどう郷駅を出て左手のほうには、電気機関車「EF64型」の18号機が静態展示されています。かつては中央本線で貨物列車を牽引していた電気機関車です。この広場の周りにも桜の木がたくさんあり、淡いピンク色の桜をバックに、青い電気機関車がよく映えています。
さて、次の列車の時間が近づいてきたので、少々名残惜しいのですが、駅に戻りましょう。ホームで電車を待っている間に、ホームからの風景を撮影してみました。
ホームからでも、甚六桜を見ることはできますし、甲府盆地や南アルプスを見渡すこともできます。
次の電車までの時間が24分しかなかったのですが、もう少しゆっくりとお花見してもよかったかな、と思うほど、良いところでした。
【鰍沢口駅】大法師公園「大法師さくら祭り」で日本さくらの名所100選の桜を眺める!
勝沼ぶどう郷駅を8時09分に発車する甲府行きの電車に乗り、8時38分に甲府駅に到着。
甲府からは、次の目的地、鰍沢口駅まで、身延線の特急「ワイドビューふじかわ4号」でワープします。次の普通列車を待ってもよいのですが、鰍沢口駅での滞在時間が短くなってしまうので、特急でのワープを選択。JR東海の自由席特急料金は330円という区分があり、短距離のワープがしやすくなっています。鰍沢口駅までは、乗車券420円+自由席特急券330円の合計750円。
甲府駅を8時45分に発車、南甲府、東花輪、市川大門と3駅に停車しますが、鰍沢口駅まではわずか24分で到着。無人駅のため、車掌がきっぷを回収していました。私のきっぷは、ちょうど鰍沢口駅到着前に車内改札にやってきた車掌がそのまま回収していきました。
鰍沢口駅から、次のお花見スポット、「大法師公園」(おおぼしこうえん)を目指します。一緒に下車した高齢のご夫婦は、予約しあったと思われるタクシーに乗っていかれましたが、私はのんびり歩いていきます。
鰍沢口駅から大法師公園までは3km弱。徒歩なら30~40分程度です。上の地図のとおり、富士川にかかる橋を渡って、対岸の丘の上にある大法師公園を目指します。
途中、富士川のほとりからは、大法師公園の桜を見渡すことができました。鰍沢口駅から最短距離のところに橋がないので、少し遠回りになりますが、のんびり歩いていきます。
大法師公園がある丘の下から遊歩道が整備されています。階段が多いですが、車道よりもかなり近道です。遊歩道をのんびり歩いても、大法師公園までは15分程度です。
遊歩道の途中で車道を渡るところがありますが、ここの桜がきれいでした。見事に桜のトンネルになっていますね。
大法師公園の入口に到着。階段を上がって、広場まで一気に行けますが、この緩やかな坂道を通っていくと、途中で富士山や富士川を一望できるスポットがありますので、こちらがおすすめです。
富士山を一望できるスポットからの一枚。ちょうど富士山が見える方向が霞んでいたのと、光線の関係で、うっすらとしか見えませんでしたが、富士山と桜を一緒に眺められるのも、この大法師公園の良いところです。
大法師公園の広場に到着。「大法師さくら祭り」開催中で、広場は飲食スペースのテーブルと椅子が並びますが、その奥のほうに、「大法師公園」の碑がありました。「さくら名所100選の地」とあるように、この大法師公園は、山梨県内では唯一「日本さくら名所100選」に選ばれている桜の名所なのです。
甲府盆地や富士山とは反対側の山側は、青空が広がっていて、桜の花もきれいに撮ることができました。
甲府盆地の向こうには、雪をかぶった八ヶ岳も見えるのですが、霞んでしまっていました。
富士川や甲府盆地も一望できます。こちらもちょっと霞んでいますが、なかなかの景色です。
肝心の桜の開花状況ですが、3月27日の時点で、ほぼ満開に近い状態でした。よく見ると、まだつぼみも結構ありましたので、もう少し楽しめるかもしれません。
広場の奥には、芝生が植えられたところもあり、お子様連れの家族がお花見を楽しんでいました。ここも桜の木に囲まれてきれいでした。
ということで、1時間半ほど、大法師公園で桜を眺めたり、写真を撮ったりしたあと、鰍沢口駅に戻りました。
【山北駅】桜のトンネルを列車が通る! 桜の名所「山北駅」へ
11時49分、鰍沢口駅発の富士行き普通列車に乗車。終点の富士まで、たっぷり2時間以上の旅です。
身延線は、富士川の車窓が美しい路線です。身延線の車窓や、身延山、富士宮の富士山本宮浅間大社など、沿線の観光スポットについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
13時57分、富士駅に到着。大法師公園の桜まつりの出店で塩焼きそばを買って食べたのですが、それだけでは足りなかったので、富士駅の身延線ホームにある駅そば「富陽軒」で、かきあげそば(430円)をいただきました。かき揚げは、小エビがたくさん入っていて、揚げたてでサクサク。とてもおいしいかき揚げそばで、大満足でした。
14時14分の三島行きに乗車して、沼津駅で下車。国府津行きの御殿場線に乗り換えました。
15時05分に沼津を発車。富士宮あたりでは雲に隠れていた富士山が、再び見えるようになってきました。富士山を眺めながら、16時12分、山北駅に到着。本日3つ目のお花見スポットはここです。
山北駅の近くでは、線路の両側の少し高くなったところに桜が植えられていて、線路から見ると桜のトンネルのようになっています。7~8割の咲き具合といったところでしょうか。まもなく満開だと思います。
線路脇の道路沿いの桜は、線路の上だけでなく、道路の上にもかぶさっているので、ここを歩いているだけでもお花見できます。このあたりを散策したり、橋の上から、桜のトンネルを通過する列車を眺めたり。
桜の花と列車を撮影できるスポットで、普通列車と一緒に撮ってみましたが、見事にブレました(笑) 2年前に撮ったときはブレなかったのですが、今回は夕方で、しかも薄曇りだったので、光量が足りなかったようです。
山北駅の撮影スポットと、2019年4月に訪問した時の様子は、以下の記事をご覧ください。2年前の写真のほうが良く撮れています(笑)
1時間ほど、山北駅周辺を散策したり、写真撮影をしたりして過ごしましたあと、山北駅に戻りました。
山北駅のホームで電車を待っていると、桜のトンネルを抜けて特急「ふじさん」が通過していきました。この先、松田駅から小田急線に入って、新宿へ行く列車ですね。
私は、このあと、17時14分の国府津行きの電車に乗り、国府津で東海道線に乗り換えて帰宅しました。
駆け足での桜巡りとなりましたが、桜の名所3ヵ所でお花見を楽しむことができました。勝沼ぶどう郷の「甚六桜」と、山北駅の桜のトンネルを列車が通過するところは、鉄道ファンなら、より一層楽しめると思います。
以上、「青春18きっぷで桜の名所めぐり! 甚六桜・大法師公園など、中央本線・身延線周遊ルートには桜の名所がたくさん!」でした。青春18きっぷでどこへ出かけようか迷っているのなら、桜の名所めぐりをしてみてはいかがでしょうか。満開の桜の名所を巡るプランを自分で立ててみると、充実した旅が楽しめますよ。
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