春の青春18きっぷを利用して、高崎線沿線の桜の名所である熊谷桜堤(熊谷駅)、元荒川桜並木(吹上駅)、大宮公園(大宮駅)を巡ってきました。それぞれ雰囲気の違う桜の名所でお花見を楽しむことができました。この記事では、今回巡ってきた桜の名所の様子をお届けします。
青春18きっぷで埼玉県の桜の名所巡りへ!
春の青春18きっぷで、いつも桜の名所を訪れています。昨年は、山梨県の桜の名所を巡ってきました。そのときの様子は、以下の記事をご覧ください。
今年は、高崎線沿線にある以下の桜の名所を半日で巡ってきました。
- 熊谷桜堤(熊谷駅)
- 元荒川桜堤(吹上駅)
- 大宮公園(大宮駅)
荒川沿いに桜並木と菜の花が約2kmも続く壮観な熊谷桜堤、小川のような元荒川沿いに桜のトンネルが続く元荒川桜並木、そして、広い敷地でお花見に最適な大宮公園と、それぞれ雰囲気が違う桜の名所を楽しめます。
今回は、上であげた順に、高崎線を南下しつつ途中下車していきましたが、東京駅発着の場合、運賃はほぼ青春18きっぷ1日分の2,400円台となります。東京・新宿~熊谷間は高崎線の普通列車で約1時間10分程度、片道運賃は1,166円です。単純往復では青春18きっぷ1日分に足りませんが、今回のように途中下車をすれば、ぎりぎり元が取れるようになります。
桜と菜の花が美しい「熊谷桜堤」(熊谷駅)
熊谷駅で高崎線の列車を下車し、南口から桜堤へと歩いていきます。「南口」というのは、高崎線の下り列車で到着すると、進行方向左手となります。
平日ですがお天気の良いお花見日和だったこともあり、熊谷駅から熊谷桜堤を目指す人が多くみられました。
熊谷駅前のロータリーを抜け、駅前の道を5分も歩けば「熊谷桜堤」に到着します。ここからすぐに桜並木を眺められる堤に上がることができます。
荒川の堤沿いに、ソメイヨシノが約500本、2kmほどに渡って植えられています。そして、その手前には菜の花が咲いています。ソメイヨシノだけでも見ごたえがありますが、菜の花も同じ時期に咲くので、2つの花を同時に眺めることができます。
堤と道路の間に桜が、そして堤の斜面に菜の花が咲いています。満開をやや過ぎて、風が吹くと桜の花びらが舞うような状況でしたが、それでもまだまだ見ごたえがあります。
淡いソメイヨシノに対して、菜の花の黄色は鮮やか。このコントラストが素晴らしいですね。ソメイヨシノも菜の花もとても青空に映えるので、これを狙って写真を撮っている人も多く見かけました。
堤を通る歩道の両側に菜の花が咲いています。そして、桜並木はこのようにずっと続いています。満開をやや過ぎた平日の午後でしたが、とてもお天気が良い日で、お花見を楽しむ人がたくさん散策していました。
熊谷駅からすぐの「熊谷桜堤」の石碑があるところと、そこから荒川を正面に見て左側に少し歩いたところにある駐車場との間が、もっとも人出が多かったです。
桜の時期には「熊谷さくら祭」が開催され、堤の下の道路沿いには露天がたくさん出ています。堤沿いにはテーブルやベンチも用意されていて、露店で購入したものを食べたり飲んだりすることができます。堤の芝生の上にレジャーシートを敷いてお花見を楽しむ人もたくさんいました。
せっかくなので、露店で生ビールと深谷焼きを購入して、お花見を楽しみました。桜の花びらが舞う中で飲むビールは最高ですね。
延々と続く桜のトンネル「元荒川桜並木」(吹上駅)
熊谷駅に戻り、高崎線の普通列車で2駅、吹上駅で下車し、「元荒川の桜並木」を目指します。吹上駅北口から駅前の大通りを北へ向かえば、10分弱で元荒川の桜並木に着きます。ただ、全長2.5kmに渡る桜並木をすべて歩いてみたかったので、以下の地図にあるように、西側の榎戸堰公園から歩きました。
まずは高崎線の線路沿いを西側へ歩いて榎戸堰公園へ向かいます。吹上駅から徒歩で約20分です。
榎戸堰は、元荒川を流れる水をせき止め、農業用水として利用するためにつくられた堰です。もともとは江戸時代に木造の堰が作られたのですが、昭和41年に現在のコンクリート製の堰に作り替えられました。
榎戸堰のまわりは小さな公園になっていて、ベンチや東屋があります。堰の近くには桜の木もあり、見事に咲いていました。この桜を眺めに来ている人もちらほら。小さい公園ながら、なかなか絵になる風景です。
榎戸堰の横にある新宿(あらじゅく)橋の近くから、元荒川沿いの桜並木が続いています。少し奥には高崎線の橋梁があり、頻繁に列車が行き来しています。高崎線の列車と桜の花をカメラに収めようとしている方も数名いらっしゃいました。
高崎線の橋の下をくぐります。とても低い橋で、かがまないと通れません。電車が通過しているときだと、ちょっと怖いかもしれませんね。
高崎線の橋をくぐった先あたりで、元荒川の両岸を通る道路から、元荒川の川沿いの遊歩道に降りることができるようになっています。ここから2.5kmほどに渡って、この遊歩道が続いています。
1本だけ色の違う花が咲いていました。花桃か、あるいは別の種類の桜でしょうか。他のところではみかけなかったので、おそらくここだけでしょう。
最初は土の遊歩道というか、草地に踏み跡があるような道でしたが、途中から舗装された遊歩道になりました。
この小川のような「元荒川」は、利根川水系の一級河川です。名前のとおり、かつては荒川の本流でしたが、江戸時代(17世紀)に、荒川と利根川を分離する工事が行われました。現在の「元荒川」は、先ほど訪れた熊谷桜堤の近くから流れ、武蔵野線の吉川駅近くで中川に合流、東京湾に注いでいます。
橋があるところではその下をくぐることができず、いったん道路に上がり、橋を渡った後に再び遊歩道に降りるようになっています。橋の上から眺める桜並木も素晴らしいですね。
だんだんと散策する人が増えてきます。やはり、吹上駅から近いところを散策する人が多いようですね。遊歩道脇にはベンチがあり、そこで休みながらお花見をしている方も多く見かけました。
桜並木はまだ続いているようでしたが、元荒川脇の遊歩道が途切れたところで散策を終了し、吹上駅に戻りました。
元荒川の桜並木は、頭上に延々と続く桜のトンネルを楽しめます。熊谷桜堤とは一味違うお花見ができるのがいいですね。
舟遊池まわりの桜が美しい「大宮公園」
吹上駅から大宮駅へ移動し、大宮駅から東武野田線(アーバンパークライン)で2駅、大宮公園駅にやってきました。大宮公園は大宮駅からも徒歩で行くことができますが、公園の北側は大宮公園駅のすぐ近くに隣接しています。公園を北側から南側へ歩き、大宮駅に戻ろうという魂胆です。
「歴史と民俗の博物館」の脇を通って公園内に入ると、すぐに舟遊池があります。この池の周りに桜があります。すでに17時をまわって日が傾いてきていますが、散策している人がちらほら見られます。
舟遊池の南側には自由広場が広がっています。桜の木がたくさん植えられている広場で、その下でお花見をすることができます。この自由広場の桜はかなり散ってしまっていて、葉桜になっている木が多くあります。同じ埼玉県といっても、熊谷や吹上と比べると、大宮は少し季節の移り変わりが早いのかもしれません。
舟遊池の東側に周ってみると、池の周囲の桜はまだそれなりに花が残っています。自由広場と違って、池のまわりは気温が低めなのかもしれません。
自由広場を抜けて、公園を南側へ歩いていきます。散策している人がそれなりにいますね。
大宮公園の南側にある「武蔵一宮 氷川神社」に参拝します。散策する人が多い舟遊池や自由広場のあたりと違って、夕暮れ時の神社の境内は人もまばらです。
大宮公園にある氷川神社は、東京や埼玉の各地に点在する氷川神社の総本社です。この氷川神社を「大いなる宮居」と呼んだことが「大宮」の地名に由来になったと言われています。
大宮公園を後にして大宮駅に戻ります。氷川神社の長い参道を通っていきます。この参道は、さいたま新都心駅の近くから約2kmも続いています。今日は歩き疲れてしまったので、途中で参道を逸れて、大宮駅へ向かいました。
雰囲気の異なる埼玉の桜の名所を巡る旅
ということで、半日ほどで、高崎線沿線にある埼玉の桜の名所を巡ってきました。
ご紹介したとおり、いずれも雰囲気がまったく異なる桜を楽しむことができます。大宮公園、熊谷桜堤は、全国で100か所の「さくら名所100選」にも選ばれている桜の名所です。吹上駅近くの元荒川桜並木は「さくら名所100選」には入っていませんが、小川のような元荒川沿いに2km以上も続く桜のトンネルを楽しむことができます。
関東の桜の時期は、春の青春18きっぷシーズンに重なります。日帰りで手軽に訪れることができる桜の名所も多いので、青春18きっぷを使ってお花見を楽しむのもよいと思います。
以上、「【高崎線】春の青春18きっぷで埼玉の桜の名所を巡る日帰り旅」でした。今回巡った桜の名所は、駅から徒歩でアクセスできるところばかりです。特に、熊谷桜堤は熊谷駅から徒歩5分と近いですので、鉄道で訪れるのに最適です。春の青春18きっぷで、桜巡りの旅を楽しみましょう!
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