青春18きっぷで日帰り旅、この記事でご紹介するのは、群馬県~長野県の山間部を周遊するルートです。名峰、浅間山を眺めたり、沿線に点在する温泉に入ったりと、日帰りながら充実感のある旅ができるルートです。
山の車窓と温泉を楽しめる群馬・長野周遊 青春18きっぷ日帰りルート
群馬県北西部と長野県南東部に広がる上信越高原国立公園。そのふちをなぞるように、鉄道と路線バスで周遊する日帰りルートを紹介します。浅間山をはじめとする山々の車窓が美しいだけでなく、吾妻線の沿線には温泉地が点在していますので、途中下車して温泉も楽しめてしまいます。
群馬・長野周遊ルートの概要は以下のとおりです。
区間 | 路線 | 備考 |
---|---|---|
東京→高崎 | 高崎線 | グリーン車がおすすめ |
高崎→横川 | 信越本線 | 妙義山など群馬の山の車窓 |
横川→軽井沢 | JRバス関東 碓氷線 |
碓氷峠を超える路線バス (運賃520円) |
軽井沢→万座・鹿沢口 | 西武観光バス | 浅間山の絶景路線バス (運賃1,850円) |
万座・鹿沢口→高崎 | 吾妻線 上越線 |
途中下車して温泉! |
高崎→東京 | 高崎線 | グリーン車でゆったり帰宅 |
高崎駅から、信越本線~路線バス(碓氷線)~路線バス(西武観光バス)~吾妻線~上越線と周遊するルートです。
路線バスは青春18きっぷでは乗車できないので別払いとなります。横川駅~軽井沢駅のジェイアールバス関東の碓氷線は520円、軽井沢駅~万座・鹿沢口駅の西武観光バスは1,850円です。合わせると青春18きっぷ1日分よりも高くなってしまいますが、信越本線、吾妻線という2つの行き止まり路線をショートカットできますので、乗り鉄にも便利なバス路線です。
もちろん、逆ルートも可能です。軽井沢駅~万座・鹿沢口駅の西武観光バスは本数が少ないので、プランニングには気をつけましょう。
群馬・長野周遊 青春18きっぷ日帰りルート 車窓・寄り道スポットの紹介
青春18きっぷ日帰り旅「群馬・長野 山の絶景ルート」の車窓や寄り道スポットを、前述の概要のルートに沿って紹介します。
高崎線で高崎駅へ
まずは、高崎線で高崎駅へアクセスします。東京駅や新宿駅から高崎駅までは普通列車で2時間ほど。10両編成や15両編成の列車ですので、都心を抜ければ座れないことはないでしょうけれど、長時間の乗車になりますので、普通列車に連結されているグリーン車の利用がおすすめです。青春18きっぷ利用でも、グリーン券を購入すれば乗車することができます。
普通列車グリーン車については、以下の記事でわかりやすく紹介しています。
群馬の山々を眺めながら横川駅へ
高崎駅で信越本線に乗り換えて、終点の横川駅を目指します。2024年現在、信越本線の高崎~横川間には、ロングシートの211系電車が走っています。
高崎駅から横川駅までは30分ちょっと。車窓に流れる山々を眺めていると、あっという間です。横川駅近くの南側に見える、岩がゴツゴツした山々は必見です。妙義山をはじめとした、群馬県らしい山並みを眺めることができます。
横川駅からは、路線バスで軽井沢駅を目指しますが、その前に、横川駅周辺を散策してもよいでしょう。時間をとって、横川駅のすぐ横にある「碓氷峠鉄道文化むら」を尋ねてもよいと思います。かつて、信越本線の横川~軽井沢間がつながっていた時代、碓氷峠を行き来していた機関車などを見学することができます。
横川駅周辺の観光・散策スポットについては、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
路線バスで碓氷峠を超えて軽井沢へ
横川駅からは、ジェイアールバス関東の路線バスで、軽井沢駅へと向かいます。
北陸新幹線(開業当時は長野新幹線)の開業と同時に、碓氷峠を超える信越本線の横川駅~軽井沢駅間は廃止となりましたが、その代替として設けられた路線バスです。
国道18号線(碓氷バイパス)を経由して、約35分で軽井沢駅に到着します。
この区間の運賃は520円。2024年現在、交通系ICカードは利用できません。乗車時に520円を現金で支払う方式ですので、あらかじめおつりがないように準備しておきましょう。
横川駅~軽井沢駅の路線バスについては、以下の乗車記をご覧ください。
浅間山の絶景路線バスで万座・軽井沢駅へ
軽井沢駅からは、再び路線バスに乗って、吾妻線の万座・鹿沢口駅を目指します。が、せっかくの軽井沢ですし、東京を朝早く出てくるとこのあたりでお昼になるはずですから、ランチを楽しんでもよいでしょう。
軽井沢駅北口の1番乗り場から、西武観光バスの路線バスに乗車します。万座バスターミナル、または、草津温泉行きのバスです。草津温泉へは、草軽交通のバスも出ていますので、間違えないようにしましょう。
西武観光バスの軽井沢駅~万座バスターミナル・草津温泉を結ぶ路線バスは、軽井沢駅から旧軽井沢を抜け、中軽井沢駅に寄ったあと、山道へと入っていきます。
車窓のハイライトは、峰の茶屋付近から眺める浅間山です。国道146号線~鬼押ハイウェイと、浅間山の東側の中腹といってもよいところを通ります。標高も1,400メートルを越えますので、まさに高原ルート! 車窓からは浅間山を間近に眺めることができます。
その後、鬼押出し園を経由して、一気に下ると、吾妻線の万座・鹿沢口駅に到着です。軽井沢駅からの所要時間は1時間ちょっとですが、土休日など軽井沢周辺が混雑していると、もう少し時間がかかることもあります。
軽井沢駅~万座・鹿沢口駅の西武観光バスについては、以下の乗車記をご覧ください。
温泉が点在する吾妻線、途中下車して温泉に立ち寄ろう!
万座・鹿沢口駅は、渋川~大前間を結ぶ吾妻線の駅。終点の大前駅の一つ手前の駅ですが、大前駅には1日に5本しか列車が行きませんので、万座・鹿沢口駅が始発の列車が多くあります。
万座・鹿沢口駅からは、高崎方面(新前橋行きか高崎行き)の列車に乗って、青春18きっぷの旅を再開します。
途中、長野原草津口駅からは、草津温泉行きの路線バスが出ています。草津温泉までは約25分。時間が許せば、草津温泉で温泉を楽しむのも良いでしょう。
吾妻線の駅から徒歩でアクセスできる温泉もあります。川原湯温泉駅から徒歩約15分ほどのところに「王湯」があります。川原湯温泉駅や川原湯温泉は、八ッ場ダム建設のために水没するため、2014年に高台に移転しました。現在の「王湯」は、そのときに建てられたものです。
また、小野上温泉駅の駅前には「小野上温泉 ハタの湯」という日帰り温泉があります。駅のすぐ目の前なので、温泉に立ち寄りたいけれど、あまり時間がないという方には「ハタの湯」がおすすめです。
万座・鹿沢口駅から約2時間で高崎駅に到着です。新前橋行きの列車の場合には、新前橋駅で高崎行きの列車に乗り換えましょう。
吾妻線の車窓については、吾妻線の乗車記もご覧ください。今回のコースからは省きましたが、万座・鹿沢口駅から1つ先の終点、大前駅の訪問記もあります。
高崎駅からは、高崎線の列車で東京へ戻りましょう。高崎駅始発の列車が多いので座れないことはないと思いますが、グリーン車でゆったりと帰るのもいいですね。
【アレンジ版】しなの鉄道~上田草津線バス経由の周遊ルート
今回ご紹介した周遊ルートのアレンジ版も紹介します。上田駅~万座・鹿沢口駅間で上田バスの「上田草津線」に乗車するルートです。車窓が素晴らしい「つまごいパノラマライン」を走るバス路線です。
しなの鉄道で軽井沢駅から上田駅へ
軽井沢駅までは、上で紹介したルートと同じく、高崎線~信越本線~ジェイアールバス関東の路線バス経由となります。
軽井沢駅から、しなの鉄道の普通列車に乗車して、上田駅へ向かいます。
しなの鉄道の軽井沢駅から小諸駅の間では、車窓の右側(北側)に浅間山がきれいに見えます。軽井沢駅から上田駅までは、普通列車で約45~50分。途中の小諸駅で乗り換えが必要な場合があります。
上田駅から上田バスの「上田草津線」で万座・鹿沢口駅へ
上田駅からは、上田と草津温泉を結ぶ路線バス「上田草津線」で、万座・鹿沢口駅へ向かいます。西武観光バスの路線バスとは異なり、上田草津線は高速バスの車両が使われています。
上田草津線は、冬期に3往復、それ以外の季節には2往復しかありません。毎日運行便は、上田駅発10時25分と11時30分です。このバスに乗り遅れないように注意しましょう。
※2024年2月現在、一部のバスが運休となっていますのでご注意ください。最新情報は上田バス 上田草津線のページをご確認ください。
この「上田草津線」も車窓が抜群に良い路線バスです。山間部に入り、県境の「鳥居峠」を超えて群馬県嬬恋村に入ると、高原のようなところを走ります。
最大の見どころは「つまごいパノラマライン」を走る区間。広大な丘陵地帯の向こうに、浅間山や四阿山を一望できます。
「上田草津線」については、以下の記事をご覧ください。
万座・鹿沢口駅に到着したら、吾妻線の列車に乗り換えです。ここから先は、上の方で紹介したルートと同じです。
「上田草津線」は草津温泉まで行きますので、草津温泉まで乗車して、温泉に入ってから、旅を続けるのも良いと思います。草津温泉からは、長野原草津口駅へ路線バスが出ています。
以上、「【群馬・長野 山の絶景ルート】山を眺めて温泉に入る充実の日帰りルート! ~青春18きっぷ おすすめ日帰り旅9~」でした。山の車窓を楽しんで、温泉にも入れる、満足度の高い日帰り旅を楽しむことができるルートです。
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