シルバーフェリーが運航する八戸・室蘭航路。室蘭港→八戸港は夜行便となっており、北海道から本州への夜行列車代わりに利用できそうです。この記事では、鉄道旅行で北海道~本州を行き来するときに、シルバーフェリーの八戸・室蘭航路を利用するための乗り継ぎなどを紹介します。
※八戸~室蘭航路は2022年1月末で休止となることが発表されました。
シルバーフェリーの八戸・室蘭航路とは?
シルバーフェリーは、八戸~室蘭間にフェリーを運航しています。基本的に毎日1往復運航で、ダイヤは以下の通りです。
- 八戸港 06:45発 → 室蘭港 14:00着
- 室蘭港 20:30発 → 八戸港 翌03:30着
※日曜日の室蘭港発と、月曜日の八戸港発は運休
室蘭港→八戸港は夜行便です。八戸港着がやや早いですが、北海道から本州へ移動する際の夜行列車代わりに利用できます。
シルバーフェリー 八戸・室蘭航路のダイヤについては、シルバーフェリーのWebサイトもご確認ください。
八戸~室蘭の旅客運賃は以下のとおりです。
大人 | 小人 | 学生 | |
---|---|---|---|
特等 | 13,000円 | 6,500円 | 13,000円 |
1等 | 10,400円 | 5,200円 | 10,400円 |
2等寝台B | 6,500円 | 3,250円 | 5,460円 |
2等 | 5,200円 | 2,600円 | 4,160円 |
※インターネット予約で上記運賃から10%引き
特等は定員2名のツインルーム(個室)、1等は定員4名の洋室または和室(個室)、2等寝台Bは2段ベッド(一部屋18~24名)、2等は雑魚寝のオープンスペースです。2等寝台Bと2等には学生割引も設定されています。
詳しくは、シルバーフェリーのWebサイトをご覧ください。
シルバーフェリーの八戸~室蘭航路、2022年1月末での運航休止を決定
川崎近海汽船株式会社は、シルバーフェリーの八戸~室蘭航路を2022年1月末で休止することを正式に発表しました。
- 航路休止日: 2022年2月1日(火) ※1月31日 室蘭 20:30発が最終航海
運航休止の理由としては、以下をあげています。
- 2020年1月からの船舶使用燃料油のルール改正と昨今の原油価格高騰による燃料コストの大幅増加
- 新型コロナウイルス感染症による旅客需要の大幅な減少
- 「シルバークィーン」の老朽化(船齢20年超え)にもかかわらず、新造船投入が困難であること
詳しくは、以下の川崎近海汽船株式会社のお知らせをご覧ください。
シルバーフェリー 八戸港・室蘭港へのアクセス
フェリーの旅でやっかいなのが、最寄り駅からフェリーターミナルまでのアクセスです。以下で、八戸港、室蘭港への鉄道駅からのアクセスを詳しく紹介します。
八戸港へのアクセス
八戸港へは、JR本八戸駅(一部はJR八戸駅)から「シルバーフェリーシャトルバス(南部バス)」が運行されています。
- フェリーターミナル方面
- 本八戸駅 07:30発 → 八戸港フェリーターミナル 07:50着
- 八戸駅前 20:25発 → 本八戸駅 20:50発 → 八戸港フェリーターミナル 21:05着
- 本八戸駅・八戸駅方面
- 八戸港フェリーターミナル 05:40発 → 本八戸駅 05:55着 → 八戸駅前 06:19着
- 八戸港フェリーターミナル 08:05発 → 本八戸駅 08:30着
※本八戸駅~八戸港フェリーターミナル間の運賃は300円
ただし、八戸・室蘭航路の発着にあわせたバスはありません。唯一使えそうなのは、太字で示した八戸港フェリーターミナル05:40発のバスですが、フェリーの八戸港着が03:30ですので、2時間以上空いてしまいます。
タクシーを利用すると、本八戸駅から約15分、深夜割増料金(22時~翌5時)で2,100円ほどになります。
室蘭港へのアクセス
鉄道の最寄り駅はJR室蘭本線の室蘭駅です。室蘭駅から約1km(徒歩15分)ですので、徒歩でも十分アクセス可能です。
また、室蘭駅及び東室蘭駅と室蘭フェリーターミナルを結ぶ路線バス(道南バス)が運行されています。
- 室蘭駅方面(登別温泉行き)
- 室蘭フェリーターミナル 16:25発 → 室蘭駅前 16:29着
- 室蘭フェリーターミナル方面(洞爺湖温泉発 室蘭フェリーターミナル行き)
- 東室蘭駅西口 19:25発 → 室蘭フェリーターミナル 20:05着
室蘭市内の路線バスは、早朝しか室蘭フェリーターミナル発の便がありません。登別温泉行きや、洞爺湖温泉発の郊外路線バスを利用しましょう。
詳しくは、道南バスのWebサイトをご覧ください。
シルバーフェリー夜行便(室蘭→八戸)と普通列車の乗り継ぎダイヤ
青春18きっぷなどで旅行する場合には、夜行便となる室蘭→八戸便の使い勝手が良いです。かつての北海道→本州の夜行列車の代わりに利用できるでしょう。
道内各地から室蘭への乗り継ぎと、八戸港からの乗り継ぎは以下のとおりです。
- 道内各地→室蘭港からシルバーフェリーへの乗り継ぎ
- 札幌 16:16発 → 苫小牧 17:24着/17:35発 → 東室蘭 18:43着/19:22発 → 室蘭 19:34着
- 旭川 13:47発 → 滝川 14:38着/14:45発 → 岩見沢 15:24着/15:40発 → 白石 16:15着/16:23発 → 苫小牧 17:24着/17:35発 → 東室蘭 18:43着/19:22発 → 室蘭 19:34着
- 函館 10:55発 → 森 12:21着/13:44発 → 長万部 14:57着/15:29発 → 東室蘭 16:51着/17:12発 → 室蘭 17:24着
- 八戸港フェリーターミナルから各地へ乗り継ぎ
- 八戸港フェリーターミナル 05:40発 → 本八戸駅 05:55着(南部バス)
- 三陸鉄道方面: 本八戸 06:13発 → 久慈 07:51着/08:05発 → 宮古 09:45着
- 東北本線方面: 本八戸 06:43発 → 八戸 06:52着/07:13発 → 盛岡 09:00着
盛岡から東北本線の普通列車を乗り継いでいくと、八戸港に到着したその日のうちに東京まで行くことができます。(21時52分着)
シルバーフェリー 八戸・苫小牧航路と使い分けよう!
シルバーフェリーには、八戸と苫小牧を結ぶ航路もあります。こちらは1日に4往復運行されていて、夜行便も使いやすい時間帯です。
- 八戸港 22:00発 → 苫小牧港 翌06:00着
- 苫小牧港 21:15発 → 八戸港 翌04:45着
- 苫小牧港 23:59発 → 八戸港 翌07:30着
苫小牧港は、室蘭港よりも札幌に近いため、北海道に到着後、札幌や旭川、道北や道東を鉄道で目指すのであれば、八戸・苫小牧航路のほうが使いやすいです。
一方、函館方面や、長万部から函館本線(山線)経由でニセコや小樽方面へアクセスするのであれば、本記事で紹介している八戸・室蘭航路がよいでしょう。
ただし、八戸・室蘭航路は夜行便となるのが室蘭→八戸便しかありませんので、本州から北海道へ渡る際に夜行便を利用したければ、八戸・苫小牧航路を利用しましょう。
八戸・苫小牧航路については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
青春18きっぷの旅の味方! 北海道~本州のフェリーの選択肢が増える!
北海道~本州を結ぶ夜行列車はなくなってしまいましたが、手頃な値段で乗船できるフェリーの選択肢は充実しつつあります。
今回ご紹介した「シルバーフェリー」(川崎近海汽船)は、前述のとおり、八戸港~苫小牧港のフェリーも運航しています。こちらも夜行便が使いやすい時間にあります。青い森鉄道とのコラボきっぷも発売しています
また、青森港~函館港には、青函フェリー、津軽海峡フェリーの2社あわせて16往復も運航されています。2等運賃も2,000円前後と、とても使いやすい価格です。
青春18きっぷにも「北海道新幹線オプション券」がありますが、乗り継ぎがイマイチなうえに、目的地・出発地が道央や道東の場合には函館からの移動が大変です。そんなときに、苫小牧港や室蘭港のフェリーを活用するとよさそうですね。
鉄道中心の旅で、北海道~本州を移動する手段については、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
以上、「シルバーフェリーの八戸・室蘭航路で北海道~本州を移動しよう! 室蘭港→八戸港便は夜行列車代わりにも利用できます!」でした。フェリーの夜行便は、寝ている間に移動できるうえに、宿代もかからないという、青春18きっぷを利用する格安旅行派には強い味方です。そんなフェリーの選択肢が増えるのはうれしいですね。
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