首都圏発、青春18きっぷで日帰り旅シリーズ。今回は、千葉県北東部~茨城県の太平洋沿いを巡るルートの紹介です。鹿島線や鹿島臨海鉄道で利根川や霞ヶ浦など、水郷ならではの車窓を楽しんだり、水郷の町、佐原での観光、鹿島神宮への参拝、大洗での観光も楽しめるルートです。
水郷の車窓と町を楽しむ鹿島線~鹿島臨海鉄道 水郷ルート
千葉県北東部~茨城県南西部は、利根川や霞ヶ浦・北浦など、大河や湖に恵まれた水郷地区です。JR鹿島線は、そんな水郷地区を走りますので、車窓からは、大河の様相を呈する利根川の河口域や、霞ヶ浦などを眺めることができます。江戸時代からの古い建物が多く残る水郷の町「佐原」や、鹿島神宮駅から徒歩10分でアクセスできる「鹿島神宮」など、途中下車して観光できるスポットも豊富にあります。
また、鹿島線から接続する鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線)は、のどかな車窓が続くローカル線。途中の大洗駅で途中下車すれば、海岸まで散策することも可能です。
鹿島線~鹿島臨海鉄道で、佐原から鹿島神宮を経由して、水戸に抜けるルートは、以下のようになります。
海の近くを走りますが、車窓からはほとんど見えません。車窓の主役は、水郷地帯らしく、利根川と湖沼です。
なお、鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線は、JRの路線ではなく、第三セクター路線ですので、青春18きっぷでは乗車できません。別途、乗車券を購入する必要がありますが、のんびりムードの旅にはおすすめの路線です。
青春18きっぷ日帰り「水郷ルート」(鹿島線~鹿島臨海鉄道)
今回ご紹介する鹿島線~鹿島臨海鉄道の「水郷ルート」の概要は以下のとおりです。東京駅発着としていますが、適宜アレンジしていただければと思います。
区間 | 路線 | 備考 |
---|---|---|
東京→成田 | 総武線快速 成田線 |
成田空港行きがおすすめ |
成田→佐原 | 成田線 | 水郷の町「佐原」散策がおすすめ |
佐原→鹿島神宮 | 鹿島線 | 鹿島神宮参拝がおすすめ |
鹿島神宮→水戸 | 鹿島臨海鉄道 (大洗鹿島線) |
大洗で途中下車がおすすめ |
水戸→東京 | 常磐線 | グリーン車利用がおすすめ |
成田駅から佐原駅、鹿島神宮駅、水戸駅を経由して東京駅へ戻る周遊ルートです。
前述のとおり、鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線は第三セクター路線のため、青春18きっぷでは乗車できません。鹿島サッカースタジアム~水戸間(通しで1,400円、途中下車する場合は異なる)の乗車券が別途必要になります。
「水郷ルート」(鹿島線~鹿島臨海鉄道)車窓・観光スポットの紹介
青春18きっぷ日帰り旅「水郷ルート」の車窓と観光スポットを紹介していきます。
成田へアクセス(総武線快速・成田線 東京→成田)
まずは、成田駅までアクセスします。東京駅からであれば、総武線快速の成田空港行きに乗車すれば、乗り換えなしで成田駅まで直行できます。総武線快速列車にはグリーン車が連結されていますので、グリーン券を購入してグリーン車に乗っても良いでしょう。
総武線快速よりも、常磐線に近い方は、我孫子駅から成田線で成田駅までアクセスしてもよいでしょう。我孫子~成田の成田線は、日中時間帯には1時間に2本運転されていますが、そのうち1本は上野発着です。
利根川流域の広大な平地が続く成田線(成田線 成田→佐原)
成田駅からは成田線の銚子方面行きに乗り換えです。2023年5月現在、普通列車としては、主に209系が運行されています。209系は、4両編成のうち中間の2両がロングシート、前後それぞれの先頭車がボックスシートです。車窓を眺めたいのであれば、先頭車のボックスシートがおすすめです。
また、成田~佐原~鹿島神宮間では、2021年3月にE131系電車も投入されました。ワンマン運転用の車両で、ロングシートが主体ながら、一部ボックスシートも設置されています。ただし、ボックスシートの割合は少なめです。
成田線は利根川に沿って進みますが、少し離れているため、車窓からは利根川を眺めることができません。それでも、利根川流域の広大な平地を車窓から眺めることができます。
水郷の町・小江戸「佐原」を散策
時間があれば、佐原駅で途中下車して、水郷の町を散策してみましょう。佐原の町中を流れる小野川の両岸には、商家や蔵など、江戸時代からの古い建物が多く残っています。小野川を含めて、「小江戸」の雰囲気を壊さないように整備・保存されています。
小野川では「舟めぐり」を楽しむこともできます。舟から眺める小江戸の町並みも美しいものでしょう。
水郷の町「佐原」については、以下の散策記もご覧ください。駅から徒歩で散策できますし、佐原駅は鹿島線の始発駅でもありますので、途中下車しての散策をおすすめします。
日本一の大河を車窓から眺められる水郷路線「鹿島線」(鹿島線 佐原→鹿島神宮)
佐原駅からは、鹿島線の列車に乗車します。鹿島線は佐原の次の香取駅が起点駅ですが、列車は全て佐原駅発着となっています。(2023年5月現在、鹿島線の普通列車にはE131系電車が使われています)
鹿島線の列車は、おおむね1時間に1本。日中時間帯は1時間半~2時間ほど空くことがありますので、時刻表を事前に確認しておきましょう。前述の佐原の町の散策を含めて、時間調整するとよいと思います。
鹿島線は、香取~鹿島サッカースタジアム間の17.4kmを結ぶJR東日本の路線です。利根川や霞ヶ浦の河口域の水郷地帯を高架で駆け抜けていく路線で、車窓からの景色が良い路線でもあります。
利根川の河口域はとても川幅が広く、流域面積日本一の「大河」であることを実感できます。また、天気が良ければ、関東平野の向こうに筑波山を望むこともできます。
鹿島線の車窓については、以下の乗車記で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
鹿島神宮駅で途中下車して「鹿島神宮」を参拝
JR鹿島線の電車は、鹿島神宮駅が終点です。鹿島線としては、もう一駅先の鹿島サッカースタジアム駅まで含まれるのですが、運行上、鹿島神宮から先は、鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線の列車が乗り入れているのです。
終点だから、というわけでもないですが、鹿島神宮駅で途中下車して、ぜひ鹿島神宮を参拝してみましょう。
鹿島神宮へは、鹿島神宮駅から徒歩で10分ほど。参道にはたくさんのお店が並びますし、鹿島神宮の中も広いので、散策するにはちょうど良いでしょう。
鹿島神宮には立派な楼門があります。この楼門は、阿蘇神社(熊本県)、筥崎宮(福岡県)と並んで、日本三大楼門の一つなのだそうです。
拝殿は楼門を入ってすぐにありますが、ずっと奥まで歩くと奥宮があります。賑やかな参道や拝殿までの雰囲気とは異なり、木々に覆われて厳かな雰囲気を味わえます。時間があれば、奥宮のほうまで散策してみましょう。
鹿島神宮へのアクセス等については、鹿島神宮の公式Webサイトをご確認ください。
長閑な田園風景と湖沼の車窓が魅力的な鹿島臨海鉄道(大洗鹿島線 鹿島神宮→水戸)
鹿島神宮駅に戻り、乗り鉄の旅を再開しましょう。鹿島神宮駅からは、鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線の列車に乗車します。
鹿島臨海鉄道の車両には、旅客営業を開始した頃から走っている「6000形」という車両と、2015年以降に投入された新型の「8000形」という2種類があります。
6000形は古いのですが、転換型のセミクロスシートを装備していて、車窓を眺めるのに向いています。8000形は新しくてきれいなのですがロングシートです。
鹿島臨海鉄道といえば、大洗が舞台のアニメ『ガールズ&パンツァー』とのコラボレーションが有名です。現在でも、『ガールズ&パンツァー』ラッピングの列車が運行されています。どの列車がラッピングされた車両での運行になるかは、鹿島臨海鉄道のWebサイトで確認できます。
鹿島臨海鉄道の沿線は、のどかな車窓が続きます。単線非電化で、1両や2両の気動車が走る様子はローカル線そのものです。そんな鹿島臨海鉄道の車窓のポイントは、北浦でしょう。水戸方面の列車であれば、車窓の左手に見えます。
沿線の中心駅が大洗駅です。海水浴場の「大洗サンビーチ」に近いため、夏になると海水浴客で賑わいます。そして、前述のとおり、アニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台でもあり、街を挙げてコラボレーションを推進していますので、アニメファンも多く訪れる駅です。
駅から徒歩20~30分ほどで、「大洗サンビーチ」に到着します。大洗サンビーチのとなりには「大洗港フェリーターミナル」があり、北海道の苫小牧への航路があります。
大洗駅に戻って、鹿島臨海鉄道の旅を再開します。といっても、終点の水戸駅まではたった15分ほど。あっという間です。
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線の乗車記については、以下の記事もご覧ください。車窓を中心に紹介しています。
常磐線で帰京(常磐線 水戸→東京)
水戸駅からは、常磐線の普通列車で東京駅へ戻るだけです。水戸駅始発、あるいは、一つ北側の勝田駅始発の列車が多く運転されていますので、座れないことはないでしょう。
上野駅や東京駅、品川駅まで、普通列車ではたっぷり2時間かかりますので、グリーン車がおすすめです。2時間も乗るのであればグリーン料金(ホリデー料金800円)を支払う価値はあるでしょう。
なお、2022年のダイヤ改正以降、常磐線の土浦~水戸・勝田間では、日中時間帯、グリーン車なしの5両編成での運転となっています。朝と夕方以降はグリーン車を連結した10両編成での運転です。
首都圏の普通列車グリーン車については、以下の記事もご覧ください。青春18きっぷ+グリーン券で乗車できます。
水郷エリアの車窓と散策を満喫できる青春18きっぷ日帰りルート!
ということで、鹿島線、鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線を中心とした水郷エリアをめぐる青春18きっぷ日帰りルートをご紹介しました。
特に、鹿島線の車窓は、大河や湖沼の風景が連続する水郷エリアならではのものです。水郷の町「佐原」での散策と組み合わせれば、水郷エリアを満喫できるでしょう。
鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線は別払いとなりますが、都心発着であれば、往路の鹿島サッカースタジアムまでと、水戸からの帰路だけでも十分に青春18きっぷ1日分の元が取れます。それに、鹿島臨海鉄道は非電化路線。ディーゼルカーのエンジン音を聞きながらの旅は旅情満点です。
以上、『【首都圏発 水郷ルート】鹿島線~鹿島臨海鉄道でのんびり旅、水郷の町「佐原」、鹿島神宮、大洗で観光も!~青春18きっぷ おすすめ日帰り旅8~』でした。乗り鉄と散策を組み合わせる日帰り旅にぴったりのルートです。各自でアレンジしながら、ぜひお出かけしてみてください。
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