JR日光駅・東武日光駅と、わたらせ渓谷鐵道の間藤駅は、いずれも他の路線と接続していない、いわゆる行き止まり駅です。この両者の駅を結ぶ路線バスが走っています。日光市営バスの足尾線です。今回、日光市営バスの足尾線を利用して、JR日光駅から、わたらせ渓谷鐵道の間藤駅へと移動する「抜け道ルート」を試してみましたので、ご紹介します。
行き止まり駅同士を結ぶ路線バス「日光市営バス 足尾線」
日光市営バスの足尾線は、JR日光駅前~双愛病院を結ぶ路線バスです。
双愛病院は日光市足尾町にある病院で、途中、わたらせ渓谷鐵道の間藤駅前、足尾駅前、通洞駅前を経由します。一方、起点となるJR日光駅前からは、東武日光駅前を経由します。
つまり、JR日光線の日光駅、東武日光線の東武日光駅と、わたらせ渓谷鐵道の間藤駅・足尾駅・通洞駅をショートカットできる抜け道ルートなのです。
JR日光駅前~間藤駅前のルートは、おおむね上の地図のようになっています。(細かいところは異なるかもしれません)
日光駅前からたどると、国道119号線を神橋まで進み、そこから国道120号線に入ります。日光の市街地を抜けたあと、いろは坂に入る手前で国道122号線へ。日光と足尾を結ぶ日足トンネルを抜け、渡良瀬川の支流、神子内川(みこうちがわ)に沿って、間藤駅を経由して、足尾町の中心部へと入っていきます。
「日光市営バス 足尾線」のダイヤ・運賃(2023年12月1日改正)
2024年2月時点の「日光市営バス 足尾線」のうち、日光駅~間藤駅・足尾駅・通洞駅を結ぶバスのダイヤは以下の通りです。
- JR日光駅前 → 足尾方面
- JR日光駅前 07:22発 →→ 間藤駅前 07:58着 → 足尾駅前 08:10着 → 通洞駅前 08:13着
- JR日光駅前 09:35発 →→ 間藤駅前 10:11着 → 足尾駅前 10:23着 → 通洞駅前 10:26着
- JR日光駅前 13:00発 →→ 間藤駅前 13:36着 → 足尾駅前 13:48着 → 通洞駅前 13:51着
- JR日光駅前 16:00発 →→ 間藤駅前 16:36着 → 足尾駅前 16:48着 → 通洞駅前 16:51着
- JR日光駅前 17:25発 →→ 間藤駅前 18:01着 → 足尾駅前 18:13着 → 通洞駅前 18:16着
- JR日光駅前 19:05発 →→ 間藤駅前 19:41着 → 足尾駅前 19:53着 → 通洞駅前 19:56着
- 足尾方面 → JR日光駅前
- 通洞駅前 06:22発 → 足尾駅前 06:25発 → 間藤駅前 06:37発 →→ JR日光駅前 07:13着
- 通洞駅前 07:32発 → 足尾駅前 07:35発 → 間藤駅前 07:47発 →→ JR日光駅前 08:23着
- 通洞駅前 11:07発 → 足尾駅前 11:10発 → 間藤駅前 11:22発 →→ JR日光駅前 11:58着
- 通洞駅前 13:17発 → 足尾駅前 13:20発 → 間藤駅前 13:32発 →→ JR日光駅前 14:08着
- 通洞駅前 15:22発 → 足尾駅前 15:25発 → 間藤駅前 15:37発 →→ JR日光駅前 16:13着
- 通洞駅前 18:02発 → 足尾駅前 18:05発 → 間藤駅前 18:17発 →→ JR日光駅前 18:53着
- 主な停留所: 東武日光駅前(JR日光駅前から1分)、銅山観光前(通洞駅前から2分,足尾銅山観光の最寄りバス停)
詳細なダイヤは、日光市のWebサイトをご確認ください。以下のリンクから、足尾JR日光駅線・赤倉線・遠上線(12月1日から) (PDFファイル: 434.8KB)をクリックすると、PDFファイルでダイヤを見ることができます。
日中、特にお昼前は2~3時間以上間があくことがありますので、あらかじめ乗車するバスの時刻をしっかりと調べておきましょう。
主な区間の運賃は以下の通りです。
区間 | 運賃 |
---|---|
日光駅・東武日光駅 ~間藤駅 |
1,150円 |
日光駅・東武日光駅 ~足尾駅 |
1,150円 |
日光駅・東武日光駅 ~通洞駅 |
1,200円 |
日光駅・東武日光駅 ~銅山観光前 |
1,200円 |
「日光市営バス 足尾線」乗車記
2019年8月上旬の平日、宇都宮からJR日光線で日光駅に出て、駅前から「日光市営バス 足尾線」に間藤駅前まで乗車しましたので、乗車記をお届けします。
日光駅前のバス停から乗車
日光線で日光駅に到着後、改札を出て外へ。JR日光駅の駅舎は、大正時代に建てられた白亜の洋風木造建築。関東の駅百選にも選ばれている駅で、とても見ごたえがあります。バスまで時間があれば、日光駅の駅舎を見学することをおすすめします。
JR日光駅前には、いくつかバス停があります。東照宮や中禅寺湖方面、つまりは、日光の観光スポットへ向かうバスは、上の写真のバスが止まっている駅前のバス停から出ています。
一方、日光市営バス 足尾線は、道路を渡った側のバス停から。上の写真を撮影したあたりにバス停があります。まあ、マイナーなバスですから、少しわかりづらいところにバス停があるのは仕方がないでしょうね。
09時35分にJR日光駅前を出るバスに乗ろうとして待っていると、小さなかわいらしいバスがやってきました。コミュニティバスなどでよく見かけるサイズのバスですが、これでもれっきとした路線バスです。
車内は座席が15席程度、全部で20名も乗れば満員になってしまうくらいです。
こんな小さなバスで大丈夫?と思いましたが、JR日光駅前から乗車したのは私と男性客の2名のみでした。
東武日光駅前から4名乗車、日光の市街地へ
次の東武日光駅前からは、年配のご夫婦と、若い女性二人連れが乗車。おそらく、日光に宿泊し、足尾を観光したあと、わたらせ渓谷鐵道で帰宅するのでしょう。
国道119号線に出て、東照宮方面へ。
国道120号線とぶつかるところにあるのが、朱色の美しい橋「神橋」です。大谷川(だいやがわ)にかかるこの橋は、二荒山神社の建造物の一つです。世界遺産、日光の社寺がある入口にかかっています。日光市営バスの車内からも見ることができます。
神橋のあるT字路を左へ。日光の街中を、国道120号線で抜けていきます。
日足トンネルを抜け、渡良瀬川に沿って足尾へ
日光の市街地を抜けると、国道120号線は、いろは坂を登って中禅寺湖へと至りますが、その手前で、国道122号線へ。
国道122号線を少し走ると、トンネルへ。「日足トンネル」(にっそくとんねる)という、日光と足尾を結ぶトンネルです。1978年に開通したトンネルで、総延長は2.7km以上にもなる長いトンネルです。
日足トンネルを抜けると、渡良瀬川の支流、神子内川が車窓に見えてきます。
日光の神橋がかかっていた大谷川は鬼怒川の支流ですので、日足トンネルを抜けたところで水系が変わるようです。日足トンネルの上には細尾峠という峠があり、分水嶺になっているのでしょう。もっとも、鬼怒川も渡良瀬川も利根川の支流ですので、最終的には合流して、太平洋へと注いでいくわけですが。
わたらせ渓谷鐵道の第一松木川橋梁があるところ、田元というところで右折します。橋の名前の通り、松木川という、こちらも渡良瀬川の支流にかかる橋梁です。ここの少し下流側で、神子内川と合流し、渡良瀬川となります。
上の写真は、バスを降りてから第一松木川橋梁まで歩いて行って撮影したものですが、バスの車内からも橋梁や松木川の流れを見ることができます。
松木川の流れを見渡せるところを通ります。
定刻の10時11分を数分過ぎて、間藤駅前に到着。ここで下車しました。
間藤駅前のバス停から道路を渡ると、すぐに間藤駅です。わたらせ渓谷鐵道の終点ですので、ここから桐生方面への列車に乗り継ぐことができます。
「日光市営バス 足尾線」は観光スポットへのアクセスにも便利!
「日光市営バス 足尾線」は、日光駅と間藤駅の間をつなぐだけでなく、足尾周辺の観光スポットへのアクセスにも便利です。
足尾町北部にある「銅親水公園」 (あかがねしんすいこうえん)は、足尾砂防ダムに隣接する公園で、「銅橋」(あかがねばし)や「足尾環境学習センター」などがあります。
間藤駅からは約3km、徒歩だと40分程度かかりますが、間藤駅前の少し先、赤倉のバス停で下車すれば、徒歩25分ほどで「銅親水公園」に到着します。
また、足尾銅山の歴史を伝えるスポットといえば、「足尾銅山観光」です。閉山後の坑内をトロッコに乗って見学できます。
足尾銅山観光へは、通洞駅が最寄り駅なのですが、日光市営バス 足尾線にそのまま乗車していけば、「銅山観光前」というバス停があり、足尾銅山観光のすぐ近くまで連れて行ってくれます。
日光線~わたらせ渓谷鐵道の周遊ルートに最適!
今回ご紹介した「日光市営バス 足尾線」は、JR日光線・東武日光線から、わたらせ渓谷鐵道へと抜けるショートカットに利用できます。
JR日光線や東武日光線で日光へアクセスして、東照宮などのスポットを観光。その後、「日光市営バス 足尾線」に乗車して足尾方面へ抜け、わたらせ渓谷鐵道の旅を楽しんで帰るという周遊ルートを構成できます。
このルートの詳細については、以下の記事で紹介しています。
日帰りだとあまり観光に割ける時間はありませんが、日光周辺で一泊し、翌日、「日光市営バス 足尾線」で足尾方面へ出るのもよいと思います。
わたらせ渓谷鐵道は、渡良瀬川の車窓がとても美しい鉄道です。「トロッコわっしー号」「トロッコわたらせ渓谷号」というトロッコ列車も運転されていますので、これらのトロッコ列車に乗って桐生方面に出るのも良いでしょう。
「トロッコわっしー号」の乗車記を以下の記事で公開しています。窓のないトロッコ列車の旅は、天気が良ければ最高です。
以上、『【日光市営バス 足尾線 乗車記】 JR日光線・東武日光線~わたらせ渓谷鐡道抜け道ルート! 周遊観光や乗り鉄に最適!』でお届けしました。行き止まり路線の終点駅同士を結ぶ路線バス。うまく活用して、少し欲張った観光をしてみてはいかがでしょうか?
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観光列車のトップページです。本記事で紹介したわたらせ渓谷鐵道の「トロッコわっしー号」も掲載しています。
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