日本全国のJR線の普通列車・快速列車に乗り放題の青春18きっぷ。この青春18きっぷを利用して、旅をしてみたいけど、どのように計画を立てればよいかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、青春18きっぷ歴25年の筆者が、青春18きっぷ旅の計画をどのように立てているのか、きっぷや宿の手配はどのようにしているのか、これまでの経験からノウハウを公開します。
まず第一回目は、「目的と日程からざっくりとしたプランニングをしよう!」です。
青春18きっぷで旅に出よう!
青春18きっぷは、日本全国のJR線の普通列車・快速列車に乗り放題のフリーきっぷです。1日あたり2,410円で、時間の許す限り、どこまででも列車に乗って行ける、夢のようなきっぷです。
格安きっぷの代名詞でもある青春18きっぷですが、ただ「安い」だけではありません! その一番の魅力は、日本全国のJR線に乗れる「無限の自由度」と、新幹線や特急列車には乗れない「大きな制限」が同居していることにあるのです。青春18きっぷの魅力については、ぜひ、以下の記事もお読みください。
青春18きっぷに興味があるので、どんなきっぷなのか、もっと知りたい! という方は、以下の記事をぜひご覧ください。青春18きっぷを利用するうえで、まず押さえておきたい基礎知識をまとめています。
この「青春18きっぷ旅プランニングガイド」では、青春18きっぷの旅をどのように計画するのか、事前に何を手配しておけばよいのかなど、具体的な計画と準備について、詳しく紹介していきます。
青春18きっぷ旅の目的を明確にしよう!
まずは、青春18きっぷで旅に出る目的を明確にしておきましょう。普段の旅行では当たり前のことかもしれませんが、時刻表を見ながら詳細なプランニングを始めると、「ここにも行けそうだ」「こっちもいいな」と目移りしがちです。列車に乗りまくることが目的ならそれでもよいですし、他に目的がある場合は、その目的達成がおろそかにならないように、あらかじめ旅の目的を明確にしておきましょう。
旅の目的は何でも構いませんが、青春18きっぷの旅は、列車での移動時間が多くなりがちです。そのため、列車に乗ることが主目的なのか、観光やグルメが主目的なのかは決めておいたほうがよいでしょう。
実際には、列車に乗ること、観光地を巡ることの両方が目的になることもありますが、その場合でも絶対に外せない目的(絶対に乗りたい列車、絶対に行きたい観光地、絶対に泊まりたい温泉宿など)を明確にしておきましょう。
青春18きっぷ旅のおおまかな行程をプランニングしよう!
旅の目的が明確になったら、旅行に利用できる日数をもとに、おおまかな行程をプランニングしていきましょう。
宿泊地を決める
まずは、宿泊地を仮決めします。
この温泉に泊まりたいとか、このホテルに泊まりたい、というのが絶対に外せない目的でしたら、その時点で宿泊地は決まります。
一方、宿泊地にこだわりがない場合は、列車の便がよい都市 を中心に、宿泊地を決めていきます。地方では県庁所在地やそれに準ずる都市になるでしょう。このような大きな都市・町を選ぶことで、
- 夜遅い到着や早朝出発などに融通の利くビジネスホテルが多い
- 幹線やローカル線の始発駅になっていることが多く、翌日の行程が効率よく組める
というメリットがあります。
具体例を紹介します。夏の青春18きっぷで東北を巡った時の旅では、東北各地を走る観光列車に乗るのが目的の旅でしたので、
- 1泊目の宿泊地を「リゾートしらかみ」の終点の秋田に決定
- 2泊目の宿泊地を「きらきらうえつ」の終点の新潟に決定
としました。いずれも、それぞれその日に乗車する観光列車の終点駅です。駅近のビジネスホテルに安く泊まれましたし、翌日も秋田駅や新潟駅が始発の列車に乗車しています。
現地まで/現地からの交通機関を決める
青春18きっぷの旅だからといって、全行程を青春18きっぷだけで済ます必要はありません。日程が十分に取れればそれでもよいですが、日程が限られている場合には、往路、復路のいずれかを別の交通機関を利用してもよいでしょう。
目的地が出発地から近い場合は青春18きっぷのみで問題ありませんが、離れている場合には、目的地に到達するだけで丸一日を費やしてしまうことも考えられます。往復だけで2日間使ってしまいますので、日程が限られているとかなり厳しいです。それに、丸一日、普通列車に乗りっぱなしだと、かなり疲れてしまいます。
以前は、青春18きっぷで乗車できる夜行列車が多くありましたが、現在ではまったくありません。
青春18きっぷ以外の交通機関の選択肢としては、以下のようなものがあります。
- 新幹線・特急列車: 運賃・料金は高いが、日程の大幅短縮が可能
- 夜行高速バス: 夜間を移動に使い、早朝から青春18きっぷの旅が可能
- 航空機(LCC含む): 目的地が遠い場合に有効(関東から北海道や九州など)
- フェリー: 目的地が遠い場合に有効(関東や東北から北海道や九州など、夜行便は宿代わりにも)
例えば、前述の東北地方の観光列車を乗り継ぐ旅では、初日の朝に、東北新幹線で新青森駅まで一気に行ってしまいました。新青森駅から青春18きっぷの旅を開始し、観光列車を乗り継いで日本海側を南下、最終的には新潟駅から上越線・高崎線経由で帰京しています。新幹線を利用しなければ、2泊3日の行程で青森から観光列車や普通列車だけを乗り継いで帰京するのは困難でした。
青春18きっぷだけを利用するのと比べると出費は多少増えますが、その分、現地での乗り鉄や観光に時間を割くことができます。結果的に、より満足度の高い旅行ができることが多い です。
青春18きっぷ+新幹線・特急列車の活用については、下記の記事もご覧ください。
また、本州~北海道の青春18きっぷ旅では、フェリーの夜行便も活用できます。以下の記事では、東北や関東と北海道を結ぶフェリーのうち、夜行便があるものを紹介しています。
【まとめ】旅の目的を明確にし、おおまかなプランニングをしよう!
- まず旅の目的を明確にしよう!
- 少なくとも何を優先するか、優先順位をつけておきましょう
- 旅行日数から宿泊地を仮決めしよう!
- おおまかな行程から宿泊地を決めておきましょう
- 現地まで/現地からの交通機関を決めよう!
- 遠隔地の場合には青春18きっぷでの移動だけにこだわらないほうが良い場合も!
以上、「【青春18きっぷ旅プランニングガイド1】旅の目的を明確にし、おおまかなプランニングをしよう!」でした。ここまでできれば、旅の目的(絶対外せない目的は何か?)、おおまかな行程、往復の交通機関が決まったはずです。次は、時刻表を見ながら詳細な行程を組み立てていきましょう。(つづく)
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次は、時刻表を使って詳細な乗り継ぎを組み立てていきます。青春18きっぷ旅の計画では、もっとも楽しいところですね。以下の記事で紹介していますので、引き続きご覧ください。
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