JR西日本は、旅行会社での宿泊とセットでの発売限定で、「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」と「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」を発売します。いずれもフリーエリア内の新幹線、特急列車の自由席に2日間乗り放題で、それぞれ大人6,000円、7,000円(小児半額)という格安のフリーきっぷです。
「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」を発売!
JR西日本は、北陸エリアが2日間乗り放題の「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」と、中国(山陽・山陰エリア)が2日間乗り放題の「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」を発売します。いずれも、旅行会社でのみ発売され、同時に宿泊を予約した場合に購入することができます。
- 利用期間: 2022年1月7日(金)~2022年4月10日(日)の連続する2日間
- 発売期間: 2021年12月27日(月)~2022年4月3日(日)まで
- 利用開始日の1ヶ月前から7日前まで発売
- きっぷの効力
- フリーエリア内のJR西日本全線(新幹線・特急列車含む)の普通車自由席が乗り放題
- 駅レンタカーを特別価格で利用可能
- エリア内の観光施設・飲食店等での特典あり(入場料割引等)
- 発売箇所・発売条件
- JR西日本管内の主な旅行会社でのみ発売
- 宿泊と同時発売の場合に限って発売
- 1名から利用可能
- 価格
- 北陸エリアどこでもきっぷ: 大人 6,000円 小児 3,000円
- 中国エリアどこでもきっぷ: 大人 7,000円 小児 3,500円
「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」のフリーエリアは以下の図のとおりです。
「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」のフリーエリアは以下の図のとおりです。
(出典)【旅行会社限定】「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」・「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」の発売について(JR西日本ニュースリリース 2021年12月20日 PDF)
「どこでもきっぷ」のエリア限定版、「中国エリアどこでもきっぷ」は利用価値高い!
今回発売される「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」は、2021年10月~12月に発売されていた「JR西日本 どこでもきっぷ」のエリア限定版です。
北陸エリアと中国エリアに限定されていますが、特に中国エリアのフリーエリアは広く、岡山・鳥取以西がすべて含まれます。山陽新幹線も岡山~新下関間で利用できるため、山陰~山陽の周遊の旅にも便利です。
以下では、どのくらいお得になるのか、主要都市間の通常料金と比べてみましょう。
【北陸エリアどこでもきっぷ】
区間 | 列車 | 通常価格 | 備考 |
---|---|---|---|
敦賀~金沢 | サンダーバード しらさぎ |
4,170円 | 自由席利用 |
敦賀~和倉温泉 | サンダーバード | 6,080円 | 自由席利用 |
金沢~富山 | 北陸新幹線 つるぎ |
2,860円 | 自由席利用 |
「北陸エリアどこでもきっぷ」は6,000円ですから、片道で3,000円以上の往復であればお得になります。
敦賀~金沢・和倉温泉の往復(特急の自由席利用)で十分に元が取れます。また、金沢~富山間の北陸新幹線「つるぎ」利用の往復では元が取れませんが、金沢周辺などで少し在来線を利用すれば、あっという間にお得になるでしょう。
ただし、あとで述べますが、北陸エリアには、他にもお得なきっぷがありますので、「北陸エリアどこでもきっぷ」とどちらが良いかの比較検討が必要です。
【中国エリアどこでもきっぷ】
区間 | 列車 | 通常価格 | 備考 |
---|---|---|---|
岡山~広島 | 山陽新幹線 | 5,610円 | 自由席利用 |
岡山~新下関 | 山陽新幹線 | 10,550円 | 自由席利用 |
岡山~鳥取 | スーパーいなば | 4,470円 | 自由席利用 |
岡山~出雲市 | やくも | 6,160円 | 自由席利用 |
「中国エリアどこでもきっぷ」は7,000円ですから、片道3,500円以上の往復であればお得になります。
上表のように、岡山起点で考えると、山陽新幹線や特急列車で移動する距離を往復するのであれば、元を取るのは簡単です。岡山~新下関間は片道で十分にお得になります。
「中国エリアどこでもきっぷ」のフリーエリア内は、山陽新幹線・山陽本線、山陰本線と、陰陽連絡の路線が複数あるため、周遊ルートが組みやすいのが特徴です。山陽新幹線以外にも、山陰本線や陰陽連絡路線に特急列車が多く走っているため、あっという間に元を取ることができそうです。
また、中国エリアでは、他に乗り放題のフリーきっぷがないため、「中国エリアどこでもきっぷ」はとても利用価値の高いきっぷになります。
「北陸エリアどこでもきっぷ」は「北陸おでかけパス」と使い分けよう!
「北陸エリアどこでもきっぷ」と似たようなフリーエリアのフリーきっぷ「北陸おでかけパス」があります。違いは、利用できる曜日、有効期間、フリーエリアなどです。
北陸エリアどこでもきっぷ | 北陸おでかけパス | |
---|---|---|
利用可能日 有効期間 |
2022/1/7~4/10の 連続する2日間 |
土休日の1日間 |
フリーエリア (JR線) |
北陸新幹線(金沢~黒部宇奈月温泉) 北陸本線(金沢~敦賀) 小浜線(敦賀~青郷) 越美北線(越前花堂~九頭竜湖) 七尾線(七尾~津幡) 城端線(高岡~城端) 氷見線(高岡~氷見) 高山本線(富山~猪谷) - |
- 北陸本線(金沢~敦賀~長浜) 小浜線(敦賀~青郷) 越美北線(越前花堂~九頭竜湖) 七尾線(七尾~津幡) 城端線(高岡~城端) 氷見線(高岡~氷見) 高山本線(富山~猪谷) 大糸線(糸魚川~中土) |
フリーエリア (三セク) |
金沢~津幡の通過利用のみ |
IRいしかわ鉄道(金沢~倶利伽羅) あいの風とやま鉄道(倶利伽羅~市振) えちごトキめき鉄道(市振~直江津) のと鉄道(七尾~和倉温泉) |
きっぷの効力 |
フリーエリア内の 新幹線・特急・普通列車 の普通車自由席に乗り放題 |
フリーエリア内の普通列車 の普通車自由席に乗り放題 別途、特急券を購入すれば在来線 の特急列車に乗車可能 |
価格(大人) | 6,000円 | 2,580円 |
「北陸おでかけパス」は、土休日にしか利用できませんが、北陸本線を引き継いだ第三セクター路線、具体的には、IRいしかわ鉄道(金沢~倶利伽羅)、あいの風とやま鉄道(倶利伽羅~市振)、えちごトキめき鉄道(市振~直江津)に乗車できます。一方、北陸新幹線には乗車できません。
また、「北陸おでかけパス」は乗車券タイプのフリーきっぷで、単体では特急列車に乗車できません。特急列車に乗車するためには、別途、特急券を購入する必要があります。
金沢~(新)高岡~富山間の移動に北陸新幹線を利用するのか、在来線を利用するのかで、最適なきっぷが変わってきます。よく比較検討したほうがよいでしょう。
「北陸おでかけパス」については、以下の記事をご覧ください。
「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ・中国エリアどこでもきっぷ」は西日本エリア在住者向け
「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」はお得なきっぷですが、事実上、西日本エリア在住者向けのきっぷとなっています。
というのも、
- JR西日本管内の旅行会社のみで発売
- 利用開始日の7日前までの購入が必要
という条件があるためです。
利用開始日の7日前までに、JR西日本エリアの旅行会社できっぷを購入するのは、JR西日本エリアにお住まいの方か、JR西日本エリアのすぐ近くにお住まいの方でないと難しいでしょう。そのため、事実上、西日本エリア在住者向けのきっぷということになりそうです。
JR西日本としては、京阪神エリアなどの都市部から、北陸や山陽・山陰エリアに1泊で旅行に行き、エリア内での移動に「JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ」「JR西日本 中国エリアどこでもきっぷ」を利用する、という使い方を想定しているものと思われます。
関東・甲信などのJR東日本エリアから北陸エリアに旅行する場合には、前述の「北陸おでかけパス」とほぼ同等の効力・値段で2日間利用できる「北陸周遊乗車券」がおすすめです。ただし、北陸新幹線に「新幹線eチケット」で乗車する必要があります。
「北陸周遊乗車券」については、以下の記事をご覧ください。
以上、「【JR西日本 北陸エリアどこでもきっぷ・中国エリアどこでもきっぷ】2日間、新幹線・特急列車の自由席に乗り放題で6,000円~7,000円の格安フリーきっぷ!」でした。旅行会社でのみ、宿泊とセットで発売など、通常のきっぷとは異なるところもありますが、条件を満たせるのであればお得なフリーきっぷです。
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