「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東エリアの広いフリーエリアで4日間も特急列車に乗り放題、指定席にも5回まで乗車できるフリーきっぷです。富良野・美瑛、釧路湿原、摩周湖など、北海道の大自然を満喫できるエリアが、特急列車を含めて乗り放題となります。有効期間は4日間ありますので、道東方面への鉄道旅行や乗り鉄に活用してみましょう!
この記事では、「ひがし北海道フリーパス」の概要、購入方法、おすすめの利用法を紹介します。
※2024年度版の情報に更新済みです。AIRDO版だけ、まだ2024年度版の発表がありませんのでご注意ください。Peach版、FDA版は発表済みです。
「ひがし北海道フリーパス」とは?
「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東の広い範囲がフリーエリアとなるフリーきっぷです。特急列車の自由席に乗り放題となり、普通車指定席にも5回まで乗車できます。有効期間は4日間で、大人20,000円のフリーきっぷです。
「ひがし北海道フリーパス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | ひがし北海道フリーパス(2024年度) |
---|---|
利用期間 | ~2025年4月4日(金) ※4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日は利用できない |
備考 | |
発売期間 | ~2025年3月31日(月) ・2025年4月1日利用開始分まで発売 ・有効期限の開始日は購入当日または翌日 |
有効期間 | 4日間 |
フリーエリア | 函館本線(小樽~札幌~旭川) 石北本線(旭川~網走) 石勝線(南千歳~新得) 根室本線(滝川~富良野、新得~根室) 富良野線(旭川~富良野) 千歳線(札幌~南千歳・新千歳空港) 室蘭本線(岩見沢~追分) 釧網本線(釧路~網走) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/007016/ |
効用 | ・フリーエリア内の特急列車・普通列車(快速含む)の普通車自由席に乗り降り自由 ・普通車指定席に5回まで乗車可能 ・帰りの機内で利用できる機内ご利用券(1,000円分)付き ・FDA版は新千歳空港4階「アミュージアムショップフライヤー」で利用できるお買物券(1,000円分)付き |
発売会社 | JR北海道 |
発売箇所 | ・新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機 ・U25用は新千歳空港駅の話せる券売機のみで発売(年齢を確認できる公的証明書の提示が必要、16,300円で発売) |
価格(大人) | 20,000円 |
価格(小児) | 10,500円 |
AIRDOやPeach、FDAといった航空会社とのタイアップで発売されているフリーきっぷですので、購入できる場所が新千歳空港駅に限られる点だけは注意です。
詳しくは、JR北海道のニュースリリースをご覧ください。
- JR北海道・FDAタイアップ商品「FDAひがし北海道フリーパス」「FDAきた北海道フリーパス」を継続販売します!(JR北海道ニュースリリース 2024年3月22日 PDF)
- 「Peachひがし北海道フリーパス」、「Peachきた北海道フリーパス」を継続して発売します!(JR北海道ニュースリリース 2024年3月22日 PDF)
- 「AIRDOひがし北海道フリーパス」、「AIRDOきた北海道フリーパス」を継続して発売します! ~普通車指定席がご利用可能となり、より便利で安心してご乗車いただけます~(JR北海道ニュースリリース 2023年9月21日 PDF)
2024年度版「ひがし北海道フリーパス」は繁忙期利用不可に!
「ひがし北海道フリーパス」は、2024年度も継続して発売されます。2023年度に大きくリニューアルされたばかりですので、2024年度は、価格・効力ともに変更はありません。
一方、これまで「ひがし北海道フリーパス」は、ゴールデンウィークや年末年始といった繁忙期にも利用できましたが、2024年度からは利用不可となります。
【ひがし北海道フリーパス 利用除外日】
- 4月27日~5月6日(ゴールデンウィーク)
- 8月10日~19日(お盆休み)
- 12月28日~1月6日(年末年始)
繁忙期に利用できる貴重なフリーきっぷだったので残念ですが、2024年度からは利用除外日があることを念頭に置いておきましょう。
「ひがし北海道フリーパス」は新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機のみで発売!
「ひがし北海道フリーパス」(2024年度版)は、以下の場所のみでの発売となります。
- 新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機
- U25用は新千歳空港駅の話せる券売機のみで発売
フリーきっぷを購入できる駅が1か所のみというのもなかなか珍しいのですが、「ひがし北海道フリーパス」は新千歳空港駅でしか購入することができません。また、新千歳空港であっても、みどりの窓口では購入できません。
道外から北海道へ旅行にやってくる方が「ひがし北海道フリーパス」を利用したい場合には、新千歳空港に到着する航空便を利用するようにしましょう。道内の他の空港に到着してしまうと、「ひがし北海道フリーパス」を購入することができません。
「ひがし北海道フリーパス」には、北海道からの帰りのAIRO便またはPeach便の機内で利用できる「機内ご利用券」、または、新千歳空港4階にある「アミュージアムショップフライヤー」で利用できるお買物券が1,000円分ついてきます。この「機内ご利用券」「お買物券」を利用できる便は、以下の空港の出発便となります。
- AIRDO便: 新千歳空港、旭川空港、女満別空港、帯広空港、釧路空港を出発する便
- Peach便: 新千歳空港、釧路空港、女満別空港を出発する便
- FDA便: 新千歳空港4階「アミュージアムショップフライヤー」でFDAグッズの購入に利用可能
AIRDO版とPeach版の機内ご利用券は、新千歳空港だけでなく、「ひがし北海道フリーパス」のフリーエリアに含まれる空港を出発する便で利用できます。往路は新千歳空港に到着する必要がありますが、復路は別の空港でも良いというわけです。
FDA便のお買物券は、新千歳空港の「アミュージアムショップフライヤー」でしか利用できません。
もっとも、「機内ご利用券」や「お買物券」はおまけのようなものですので、無理して利用する必要はありません。北海道からの復路の航空便が、AIRDO、Peach、FDAのいずれかであれば、その航空会社に対応する「ひがり北海道フリーパス」を購入すればよいでしょう。
「ひがし北海道フリーパス」どれくらいお得なの?
新千歳空港からの道東の主要駅への特急列車での通常往復料金と、札幌からの主要な割引きっぷの料金は以下のとおりです。
区間 | きっぷ種別 | 往復の値段 |
---|---|---|
新千歳空港~釧路 | 運賃+特急指定席 | 18,920円 |
札幌~釧路 | トクだ値14 (往復利用) |
11,980円~ 13,960円 |
トクだ値1 (往復利用) |
14,960円~ 17,960円 |
|
新千歳空港~網走 | 運賃+特急指定席 | 22,220円 |
札幌~網走 | Rきっぷ(特急指定席) | 17,500円 |
「ひがし北海道フリーパス」は20,000円です。札幌~釧路・網走間の単純往復では、「トクだ値」や「Rきっぷ」といった割引きっぷを利用したほうが安くなります。
「ひがし北海道フリーパス」はフリーきっぷですので、単純往復ではなく、あちこち移動したり周遊ルートで旅をしたりすることでお得になります。あとで紹介するように、道央~道東方面は周遊ルートが組みやすいため、主要都市への単純往復ではなく、ぜひ周遊ルートでの旅をおすすめします。
北海道全体を周遊するなら「北海道フリーパス」を利用しよう!
「ひがし北海道フリーパス」のフリーエリアはかなり広いのですが、それでも稚内などの道北方面や、函館などの道南方面はエリアに含まれません。
北海道全体を鉄道で周遊したいということであれば、JR北海道全線が7日間乗り放題となる「北海道フリーパス」を利用することも検討しましょう。JR北海道の在来線特急列車に乗り放題(指定席も6回まで利用可能)となります。
- きっぷ名: 北海道フリーパス
- 効力: JR北海道全線(普通・快速・在来線特急)に7日間乗り放題(指定席は6回まで)
- 利用期間: 通年(4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日を除く)
- 有効期間: 7日間
- おねだん: 27,430円(こども用の設定なし)
おねだんは「ひがし北海道フリーパス」に比べると7千円以上高いですが、旅行の行程にあわせて、「北海道フリーパス」を使うのか、「ひがし北海道フリーパス」+エリア外のきっぷにするのか、比較検討するとよいと思います。
5日以上の行程となる場合は、「北海道フリーパス」を利用するのが良いでしょう。
「北海道フリーパス」については、以下の記事をご覧ください。
また、「北海道フリーパス」を含むJR北海道のフリーきっぷ全般については、以下の記事でまとめています。おおまかな使い分けについても、わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
「ひがし北海道フリーパス」 のおすすめ利用法は?
このフリーきっぷの特徴は、フリーエリアがかなり広いことです。新千歳空港から東側のJR北海道の路線にほとんど乗車できます。そこで、この「ひがし北海道フリーパス」のおすすめの利用方法を紹介します。
おすすめの周遊観光ルート
この広いフリーエリアと、特急列車にも乗車できる特徴を生かして、北海道の大自然を巡る周遊ルートがおすすめです。例えば、以下のようなルートが考えられます。
- 1日目:各地の空港~新千歳空港~(特急おおぞら)~釧路泊
- 2日目:釧路観光、釧路~(くしろ湿原ノロッコ号 ※運転日注意)~塘路(釧路湿原観光)~(釧網本線)~網走泊
- 3日目:網走観光、網走~(特急オホーツク・大雪)~旭川~(富良野線)~美瑛観光~富良野泊
- 4日目:富良野観光、富良野~(富良野線)~旭川~(特急ライラック・カムイ)~新千歳空港~各地の空港
新千歳空港から、釧路、網走、美瑛・富良野、札幌と、観光しながら道東を一周してくるルートです。これだけ乗って20,000円ですから、かなりおトクです。
途中で、「くしろ湿原ノロッコ号」などの観光列車を入れると、列車での移動も観光そのものになります。「くしろ湿原ノロッコ号」は、釧路湿原の東端に沿っている釧網本線の釧路~塘路を往復します。車窓からは、雄大な釧路湿原を眺めることができます。
終点の塘路で釧路湿原の散策ができますが、個人的なおすすめは途中の釧路湿原駅から徒歩15分ほどの「細岡展望台」です。高台から釧路湿原を一望できるポイントです。
くしろ湿原ノロッコ号は運転日が限られていますので、詳しくは、下記のJR北海道のサイトで確認しましょう。
また、釧網本線沿線の車窓や観光スポット、駅舎グルメなどについては、以下の記事もご覧ください。
上記の周遊ルートには含まれませんが、釧路~根室間を走る根室本線、通称「花咲線」は、荒涼とした湿原地帯を走る最果ての鉄道です。北海道らしい車窓を眺めたいならばおすすめの路線です。
2018年8月下旬に「ひがし北海道フリーパス」を利用して、道東を旅してきました。利用してみてわかった「ひがし北海道フリーパス」の使い勝手や、特急列車自由席の混雑状況などをまとめていますので、ぜひご覧ください。
「ひがし北海道フリーパス」に関するよくある質問と回答
「ひがし北海道フリーパス」はどのようなきっぷですか?
「ひがし北海道フリーパス」は、道央・道東の広い範囲がフリーエリアとなるフリーきっぷで、特急列車の自由席に乗り放題、指定席にも5回まで乗車できます。有効期間は4日間で、大人20,000円のフリーきっぷです。
「ひがし北海道フリーパス」はいつ利用できますか?
「ひがし北海道フリーパス」は通年で利用できますが、繁忙期(4月27日~5月6日、8月10日~19日、12月28日~1月6日)は利用できません。有効期間は4日間です。
「ひがし北海道フリーパス」はどこで購入できますか?
「ひがし北海道フリーパス」は新千歳空港駅の指定席券売機・話せる券売機のみで購入することができます。
「ひがし北海道フリーパス」に付属する「機内ご利用券」「お買物券」はどの空港で利用できますか?
「ひがし北海道フリーパス」には以下の空港の出発便で利用できる「機内ご利用券」「お買物券」がついてきます。
- AIRDO便: 新千歳空港、旭川空港、女満別空港、帯広空港、釧路空港を出発する便
- Peach便: 新千歳空港、釧路空港、女満別空港を出発する便
- FDA便: 新千歳空港4階「アミュージアムショップフライヤー」でFDAグッズの購入に利用可能
「ひがし北海道フリーパス」のおすすめの周遊ルートを教えてください。
この「ひがし北海道フリーパス」のおすすめの利用方法は、北海道の大自然を巡る周遊ルートです。特急列車にも乗車できる特徴を生かして、以下のようなルートが考えられます。
- 1日目:各地の空港~新千歳空港~(特急おおぞら)~釧路泊
- 2日目:釧路観光、釧路~(くしろ湿原ノロッコ号 ※運転日注意)~塘路(釧路湿原観光)~(釧網本線)~網走泊
- 3日目:網走観光、網走~(特急オホーツク・大雪)~旭川~(富良野線)~美瑛観光~富良野泊
- 4日目:富良野観光、富良野~(富良野線)~旭川~(特急ライラック・カムイ)~新千歳空港~各地の空港
以上、JR北海道のお得なきっぷ「ひがし北海道フリーパス」をご紹介しました。かなり広いフリーエリアのきっぷで、特急列車にも乗り放題ですので、使い勝手がよいフリーきっぷになっています。有効期間も4日間ありますので、途中で観光やグルメを楽しみながらの鉄道旅行にぴったりです。
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