伊豆箱根鉄道「駿豆線」は、三島駅と修善寺駅を結ぶ路線です。全線で20kmに満たない路線ですが、終点の修善寺温泉をはじめ、沿線には伊豆長岡温泉、世界遺産の韮山反射炉、伊豆の国パノラマパークなど観光スポットを多く抱える路線です。
そんな伊豆箱根鉄道の駿豆線に乗ってきましたので、乗車記をお届けします。沿線の観光スポットの情報も紹介します。
伊豆箱根鉄道 駿豆線とは?
伊豆箱根鉄道は、その名のとおり、伊豆・箱根地方を中心に、鉄道事業やバス事業を展開している西武グループの会社です。鉄道路線は、小田原駅を起点とする大雄山線と、三島駅を起点とする駿豆線の2路線を運行しています。地元では「いずっぱこ」の愛称で親しまれています。
駿豆線(すんずせん)は、伊豆半島西側の付け根付近を南北に走る路線で、三島駅と修善寺駅を結んでいます。全長19.8kmの単線・電化路線です。日中時間帯でも1時間に4本程度運転されているため、それほど待つことなく乗車できます。
地元の方以外は、「駿豆線」という路線にはなじみがないと思いますが、東京駅発の特急「踊り子」が乗り入れている路線です。特急「踊り子」は伊豆急下田行きと修善寺行きがありますが、修善寺行きの踊り子号が、JR東海道線から駿豆線に乗り入れます。
ちなみに、駿豆線という路線名は、旧国名の駿河国と伊豆国を走っていることに由来するそうですが、現在の駿豆線の路線は、全線に渡って伊豆国のみを走っています。
伊豆箱根鉄道 駿豆線 乗車記
伊豆箱根鉄道 駿豆線の乗車記をお届けします。
※乗車したのは2017年4月です。ダイヤなどは当時のものですので、ご了承ください。
大場駅の長いホームにびっくり!
所用を済ませ、路線バスで大場(だいば)駅までやってきました。ちょっと変則的ですが、今回の駿豆線の旅はこの大場駅からスタートです。
大場駅の改札を入って驚いたのは、ホームが長いこと。駿豆線の普通列車は3両編成ですが、それにしてはホームが長すぎる! と思って時刻表を見ると、その理由がわかりました。この大場駅は、特急「踊り子」の停車駅だったのです。平日は2往復、土休日は3往復運転されていて、すべての「踊り子」は大場駅に停車するようです。
転換クロスシートの普通列車で伊豆長岡駅へ
すぐにやってきた修善寺行きの普通列車に乗車します。3両編成の電車で、1両あたり3つのドアがありました。座席は転換クロスシートになっていて、リクライニングはしないものの、普通列車としては乗り心地のよい座席でした。
平日のお昼前の時間帯でしたが、地元の方と思われる乗客以外に、中高年の観光客と思しきグループが、座席を向かい合わせにして乗車していました。
車窓には、住宅地と田畑が交互に現れるといった感じです。このあたりは、伊豆半島付け根の山地を西に抜けたところで、平野が広がっています。田畑は、まだ作付けや田植えの時期には早いのか、土がむき出しになっています。
約10分ほどで、沿線の中心駅ともいえる伊豆長岡駅に到着しました。
伊豆長岡駅の近くには伊豆長岡温泉がありますが、世界産業遺産に登録された「韮山反射炉」への最寄り駅でもあります。伊豆長岡から約1.8km(徒歩25分ほど)ありますが、徒歩で往復して見学してきました。韮山反射炉の訪問記については以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
また、伊豆長岡駅から路線バスで15分ほどのところに、「伊豆の国パノラマパーク」があります。標高450メートル余りの葛城山の山頂付近にある絶景リゾートで、ロープウェイで楽々アクセスできます。
山頂からは駿河湾や富士山などの素晴らしい景色を眺めることができます。
修善寺駅まで南下
伊豆長岡駅周辺で観光したあとは、さらに下りの電車に乗って、終点の修善寺駅に向かいます。2つ先の大仁駅までは同様に平野部に住宅や田畑が混在する車窓が続きます。線路の線形もよく、古い電車は左右に揺れるほど飛ばします。
大仁駅を出ると、終点の修善寺までは、急カーブが増えてきます。平野部から起伏の多い地形に入ってきたようで、その地形に沿ってぐにゃぐにゃと曲がりまながら進みます。鉄道ではなかなか見られないような急カーブが結構ありました。
15分弱で終点の修善寺に到着しました。
修善寺温泉の玄関口、修善寺駅
修善寺駅は、修善寺温泉の最寄り駅です。西伊豆観光の起点にもなっていて、駅舎も立派なものになっています。改札内には3本のホーム、改札外には観光案内所やお土産屋が並んでいます。駅舎の外にはバス停があり、修善寺温泉行の路線バスが出ています。修善寺温泉までは路線バスで10分ほどです。
温泉宿での宿泊はもちろんのこと、日帰り温泉も充実していますので、時間があれば立ち寄っていくのも良いでしょう。
今回の旅は時間もないので、残念ながら修善寺駅からとんぼ返りです。駅の窓口で自宅最寄りのJR駅までのきっぷを購入し、再びホームに入ります。
三島まで乗りとおして駿豆線を完乗!
午後2時過ぎの三島行きの列車に乗車します。時間帯が中途半端なこともあってか、車内はがらがらです。快適なクロスシートの窓側に陣取って、車窓を楽しみます。
修善寺駅から三島駅までは35分ほどの乗車です。地形的には車窓は単調なのですが、晴れていれば、西側の車窓に富士山が大きく見えます。この日も晴れていて、やや霞んではいましたが、富士山の姿を眺めることができました。上の写真は、車窓ではなく、伊豆長岡駅から韮山反射炉への徒歩移動中に撮ったものですが、駿豆線からも似たような角度で富士山を眺めることができます。
三島駅近くになると、徐々に乗客が増えてきます。三島市役所もこの駿豆線の沿線にあるようで、沿線住民の足として使われていることがうかがえました。
修善寺駅から35分で終点の三島駅に到着です。最初はがらがらだった車内も、三島駅に到着するころには座席が埋まり、立ち客が出るほどになっていました。
以上、『【伊豆箱根鉄道 駿豆線】3両編成の電車が頻繁に行き交う通勤&観光路線、沿線の観光スポットも魅力的!』でした。沿線に修善寺温泉や伊豆長岡温泉、韮山反射炉、伊豆の国パノラマパークといった観光スポットが多くある伊豆箱根鉄道駿豆線。天気の良い日に観光とセットで乗り歩きをするのにおすすめの路線です。
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