北海道のほぼ中央部にある美瑛町。ゆるやかな丘が連なり、見渡す限りの絶景が広がります。今回は、美瑛駅のお隣、美馬牛(びばうし)駅でレンタサイクルを借りて、「パノラマロード」をサイクリングしてみました。美瑛に比べると観光客が少なく静かですが、どこからでも素晴らしい風景を眺めることができます。
パノラマロードは、クルマではなく、自転車で、風を感じつつ、景色を眺めながら観光するのがおすすめです。
※2020.10.08更新
美馬牛駅から「パノラマロード」へ
美瑛観光の拠点は、JR富良野線の美瑛駅です。美瑛駅前はいつも観光客で賑わっていて、レンタサイクルのお店もたくさんあります。過去、3回ほど美瑛駅前で自転車を借りて、「パッチワークの路」の丘の風景を堪能してきました。「セブンスターの木」や「マイルドセブンの丘」などの見どころが点在していて、それは素晴らしい景色を眺めることができます。
一方、美瑛駅の一つお隣、美馬牛駅の東側にも、なだらかな丘が連なるエリアが広がっています。こちらは「パノラマロード」と呼ばれています。
今回は、美馬牛駅で下車して、レンタサイクルを借り、パノラマロードをサイクリングしてきました。
初日は突然の雨で断念!
当初は、3泊4日の北海道旅行の3日目に美馬牛駅を訪れる予定でした。というか、訪れました。
今回、お世話になったのは、美馬牛駅から徒歩1分のところにある「ガイドの山小屋」さんです。
あらかじめ予約をしてあったため、手続きもスムーズに済み、電動自転車の使い方を教えてもらっていると、急に土砂降りの雨に! 10分ほど待たせてもらいましたが、止む気配はなし。
お店の方が気を利かせてくださり、一旦、返金(キャンセル)したうえで、少し様子を見たらどうか、とのご提案をいただきました。さらに、近くのカフェも教えてくれて、そこでランチにしながら、天候が回復するのを待つことにしたのでした。
カフェ、というより、小さなパン屋さん「リッカ ロッカ」にお邪魔して、パンとベーグルでランチに。とても美味しいパンでした。
ランチには満足したのですが、肝心の天候は回復せず。雨雲レーダーでも、どうやら雨雲の通り道になってしまっているようです。
「ガイドの山小屋」さんでは、安全を考慮して、雨天時は営業しないことにしているそうです。1時間ほど待ちましたが、この日は諦めて、明朝、リベンジすることにしたのでした。
ちなみに、ランチ中に時刻表を調べて、14時07分の旭川行きの乗れば、留萌本線を往復できることがわかったので、急遽、留萌本線に乗車する乗り鉄旅に切り替えたのでした。
早朝の美馬牛駅へ!
翌日、この日は東京に帰る日だったのですが、その前に美馬牛へ行くことにしました。旭川06時40分発の富良野線富良野行きに乗車。土曜日の早朝のためか、さすがに観光客らしき人は少ないです。
朝のうちはどんよりとした曇り空でしたが、徐々に青空が広がってきました。美馬牛駅に停車中の富良野線の列車。青空に、ラベンダー色のラインの入った車両がよく似合います。
美馬牛駅は無人駅ですが、かわいらしい赤い屋根の駅舎があります。中は待合室になっています。
さて、美馬牛駅には7時半頃に到着しましたが、ガイドの山小屋さんの営業時間は午前8時から。30分ほど、駅の周りで写真を撮ったり、散策したりして、時間を潰しました。
「パノラマロード」のサイクリングへ!
8時になってガイドの山小屋さんに行くと、ちょうど開店するところでした。早速、手続きをして、電動自転車を借ります。4時間まで2,200円ですが、10時27分の旭川行きの列車に乗らないといけないので、観光に使える時間は2時間ちょっとです。
2時間で走れるサイクリングコースを聞くと、オリジナルの地図にマーカーで丁寧に書き入れてくれました。全長約20kmのコースで、2時間ではギリギリかもしれないとのこと。そうしたら、ショートカットルートも教えてくれました。
結局、こんなコースになりました。美馬牛駅から四季彩の丘、拓真館を通って、眺めの良いコースを下り、途中でショートカット(D→Aのつながっていない部分)して美馬牛駅に戻るルートです。20kmコースは、さらに、三愛の丘展望公園、富良野線の線路を超えて、新栄の丘展望公園、クリスマスツリーの木まで周るコースでしたが、途中でたくさん写真を撮っていたら、とても時間が足りませんでした。
美馬牛駅 → 四季彩の丘
走り始めてすぐに上り坂。電動自転車のため、そこまでツラくはないですが、それでも疲れることは疲れます…。
でも5分も走ればこの景色! この美しい丘の風景は、人が作り出したものです。美瑛町では、小麦、てんさい、水稲、じゃがいも、大豆などの栽培が盛んなのですが、同じ場所でも毎年作付が変わるので、同じ景色は二度と見られないのだとか。いろいろな作物を区割りして植えているので、美しいパッチワーク状の景色になるのですね。
坂道を登りきると、四季彩の丘に出ます。四季彩の丘は、「展望花畑」とうたっているとおり、見晴らしの良い丘の上の花畑です。この時間、まだ開園前なので、とりあえず通り過ぎます。
四季彩の丘 → 拓真館
四季彩の丘から拓真館へと向かう道は、丘と丘の尾根筋のようなところを通っているため、とても見晴らしが良いです。ちょっと雲が多かったですが、北海道らしい雄大な風景を感じることができました。
どちらを向いても、どこからでも、こんな景色を眺めることができます。観光ポイントが決まっている美瑛の「パッチワークの路」に対して、こちらの「パノラマロード」は、その名の通り、パノラマの絶景が続く道です。どこで写真を撮ったら良いのか迷うくらい、素晴らしい風景が続きます。
拓真館は、風景写真を集めた写真ギャラリーです。ですが、時間がないので、ここも残念ながらパス。先に進みます。
拓真館 → 美馬牛小学校
拓真館からの道は少し複雑です。目印が少ないので、間違えないように慎重に進みます。
しばらく木々が視界を遮る道を進みますが、その間にだいぶ晴れてきたようです。
視界がきく場所に出ると、今回のサイクリングで最高の風景に出会えました。見晴らしのきく道からは、なだらかな丘が延々と続き、その向こうには山並みが。そして青い空に夏らしい雲が浮かびます。
時間がないにもかかわらず、このあたりではしばらく立ち止まって、景色を眺めていました。やはり、緑色の丘は、青空にこそ映えますね。
とにかく素晴らしいの一言。適当に写真を撮ってもこれですから。
さて、案の定、ここまでで1時間半もかかってしまいました。どこも景色が素晴らしくて、そのたびに自転車を止めて写真を撮っていたのですから、あたりまえです(笑)。
ということで、ショートカットルートへ。この真っ直ぐな道を一気に下っていきます。爽やかな夏の空気をいっぱいに浴びながらのサイクリングは最高です。もう秋なのか、トンボがたくさん飛んでいて、たまにぶつかってくるので要注意です。
三角屋根が目印の美馬牛小学校まで戻ってきました。もう美馬牛駅までは5分とかからない距離ですが、まだ少し時間があるので、先ほどスルーした四季彩の丘へ行ってみます。
美馬牛小学校 → 四季彩の丘
四季彩の丘へ続く道でも、素敵な風景が!
ということで、列車の時間まであと30分を切りましたが、四季彩の丘に到着しました。
お花畑を散策する時間はないので、入口すぐのところで写真をパチリ。
ついでに、ラベンダーとバニラのミックスソフトを。
ということで、旭川行きの列車の10分前にガイドの山小屋さんに戻ってきて、自転車を返却。急いで駅へ向かったのでした。
パノラマロードはサイクリングが絶対におすすめ!
美馬牛駅から5分も自転車で走れば、すぐに丘の風景が広がるパノラマロード。美瑛観光というと、美瑛駅からパッチワークの路へ行くのが定番なのですが、パノラマロードは、パッチワークの路とはまた違った良さがあります。
美瑛駅からレンタサイクルで観光できる「パッチワークの路」は、ケンとメリーの木や、親子の木など、美瑛のなだらかな丘とあわせて「絵になる風景」を見られるポイントを訪れて楽しむ感じですが、「パノラマロード」のほうは、ここが絶景が見られるポイント! みたいなものがありません。どこから眺めても、雄大な風景を眺めることができます。あちこち走りながら、自分好みのスポットを見つける楽しさがあります。
美瑛駅から「パッチワークの路」をサイクリングしたときの旅行記は、以下の記事をご覧ください。
それに、美瑛駅周辺に比べると、「パノラマロード」は断然空いています。観光地化されているところが少ないためでしょうけれど、その分、ゆっくりと風景を眺めることができます。
今回は、8月下旬の土曜日、午前8時~10時台ということで、観光には少し早い時間だったこともありますが、途中、観光客らしき人にはほとんど会いませんでした。最後に四季彩の丘に向かうときには、観光客と思われるクルマがかなりいましたが。
ただ、このパノラマロードは、クルマで観光してはもったいない! 景色を眺めながら自転車で観光するのが絶対におすすめです。
そして、自転車を借りるなら、絶対に「ガイドの山小屋」さんがおすすめです。バッテリーも含めてきちんと整備された電動自転車を借りることができます。今回は、前日の雨のときの対応も含めて、とても親切にしていただきました。
以上、「美瑛パノラマロードをサイクリング! なだらかな丘が連なる雄大な風景! 美馬牛駅からレンタサイクルでの観光が絶対おすすめ!」をお届けしました。今回は2時間しか時間がなく、訪問できなかったところも多く残っているので、次回はもう少し時間をとってゆっくり観光したいですね。
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