JR西日本が発売する「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸地方の第三セクター路線とJR西日本の路線に1日乗り放題となるデジタル版のフリーきっぷです。北陸新幹線の開業で北陸本線が第三セクターに移管されてしまい、青春18きっぷでは旅行しづらくなってしまったエリアですが、「北陸おでかけtabiwaパス」を組み合わせればお得に移動できます。この記事では「北陸おでかけtabiwaパス」の賢い使い方をご紹介します。
※2024年3月16日以降、「北陸おでかけtabiwaパス」は大人2,900円に値上げされましたが、フリーエリアが拡大され、土休日以外にも利用できるようになります。詳しくはこちら をご覧ください。
「北陸おでかけtabiwaパス」とは?
「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸地方のJR西日本の路線に加えて、えちごトキめき鉄道(日本海ひすいライン)、あいの風とやま鉄道全線、IRいしかわ鉄道全線に1日乗り放題となるフリーきっぷです。
北陸新幹線の金沢延伸開業時に第三セクターに移管された3社の路線に通して乗車できるので、青春18きっぷと組み合わせると、北陸エリアの移動がお得&快適になります。
「北陸おでかけtabiwaパス」の概要は以下のとおりです。
きっぷ名 | 北陸おでかけtabiwaパス(2024年度) |
---|---|
利用期間 | 2024年3月16日~2025年3月31日 |
備考 | |
発売期間 | 2024年3月1日~2025年3月28日 ※利用日1か月前10時から利用開始日3日前まで発売 |
有効期間 | 1日間 |
フリーエリア | 小浜線(敦賀~青郷) 越美北線(越前花堂~九頭竜湖) 七尾線(七尾~津幡) 城端線(高岡~城端) 氷見線(高岡~氷見) 高山本線(富山~猪谷) 大糸線(糸魚川~中土) ハピラインふくい 全線(敦賀~大聖寺) IRいしかわ鉄道 全線(大聖寺~倶利伽羅) あいの風とやま鉄道 全線(倶利伽羅~市振) えちごトキめき鉄道 全線(市振~直江津~上越妙高) のと鉄道 (七尾~和倉温泉) |
フリーエリア (図) | |
出典 | https://app.tabi-wester.westjr.co.jp/ |
効用 | ・フリーエリアの普通列車に1日乗り放題 ・特急券・ライナー券を購入すれば、フリーエリア内の在来線の特急列車・ライナー等に乗車可能 ・北陸新幹線には乗車できない ・特急「しらゆき」には乗車できない |
発売会社 | JR西日本 |
発売箇所 | |
価格(大人) | 2,900円 |
価格(小児) | 1,160円 |
「北陸おでかけtabiwaパス」を購入については、"tabiwa by WESTER"のWebサイトもご確認ください。
2024年度は値上げもフリーエリア拡大・平日も利用可能に!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、2024年3月16日以降も継続して発売されますが、以下の変更点があります。
- 利用できる日が土休日のみから曜日の制限なしへ
- フリーエリアにえちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン 直江津~上越妙高が追加
- 価格が大人 2,450円 → 2,900円 に値上げ
えちごトキめき鉄道の直江津~上越妙高が新たにフリーエリアに加わります。また、これまでは土休日にしか利用できませんでしたが、2024年3月16日以降は平日も含めて、いつでも利用できるようになります。2,450円から2,900円へと値上げされますが、利便性が大幅に向上するのはうれしいですね。
「北陸おでかけtabiwaパス」は青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、青春18きっぷと組み合わせるのがおすすめです。
「北陸おでかけtabiwaパス」のフリーエリアには、北陸新幹線金沢延伸開業時に、JRから第三セクターに移管された上越妙高~敦賀間がすべて含まれます。
第三セクター路線に移管されてしまいましたので、この区間では青春18きっぷが利用できません。別途、乗車券を購入する必要がありますが、以下のようにかなり高額となります。
- 上越妙高~敦賀: 6,850円
- 直江津~敦賀: 6,610円
- 直江津~金沢間: 3,900円
- 金沢~敦賀: 2,730円
「北陸おでかけtabiwaパス」(2,900円)を利用すれば、第三セクター路線の普通運賃に比べて、かなりお得に北陸エリアを移動することができます。例えば、上越妙高~敦賀間を移動すれば、通常運賃に比べて3,950円もお得になります。
第三セクター区間を片道乗りとおすだけでこれだけお得になるのですから、「北陸おでかけtabiwaパス」がいかに格安のきっぷかがわかります。
「北陸おでかけtabiwaパス」は北陸エリアの枝線の乗りつぶしや観光にもおすすめ!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、旧北陸本線区間だけでなく、七尾線、城端線、氷見線、越美北線などの枝線もフリーエリアに含まれています。
これらの路線はJR西日本の路線ですので、青春18きっぷで乗車できます。ただ、前述の第三セクター路線と合わせて乗車するのであれば「北陸おでかけtabiwaパス」を利用したほうがよいでしょう。
青春18きっぷを利用する旅でも、北陸エリアを旅するときには青春18きっぷを使わず、「北陸おでかけtabiwaパス」だけを利用する日を設けるのもよいでしょう。
例えば、敦賀駅から「北陸おでかけtabiwaパス」を利用し、前述の枝線に乗車したり、金沢や富山・高岡で観光したりしながら直江津まで移動。翌日からまた青春18きっぷの旅を再開する、というようにすれば、ほぼ青春18きっぷ1回分の値段で北陸エリアを移動できるわけです。
北陸エリアのJR西日本の観光列車に乗車するのもおすすめです。
氷見線・城端線を走る観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(べるもんた)には、北陸おでかけtabiwaパスに加えて、指定席券(530円)を追加すれば乗車することができます。気動車1両のみの小さな観光列車で、乗車時間も長くはありませんが、車内で寿司職人が握ったお寿司や海鮮丼をいただくことができます。
「ベル・モンターニュ・エ・メール」(べるもんた)については、以下の記事をご覧ください。
能登方面へ観光に行くのであれば、金沢~和倉温泉を結ぶ観光列車「花嫁のれん」がおすすめです。車内が煌びやかに装飾された観光列車で、事前に予約をしておけば、車内でスイーツや軽食などをいただくこともできます。
「花嫁のれん」は全車指定席の特急列車として運転されていますので、北陸おでかけtabiwaパスに指定席特急券を追加すれば乗車することができます。予約方法等については、以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
「北陸おでかけtabiwaパス」は第三セクター区間(直江津・糸魚川~敦賀)の片道でもお得!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、北陸本線~第三セクター路線(旧北陸本線区間)の東西に細長い区間がフリーエリアになっています。北陸の主要駅はこのエリアにあります。
それでは、このエリアでどのくらい乗車すれば、「北陸おでかけtabiwaパス」を購入したほうがお得になるでしょうか? 主要駅間の普通運賃と比べてみましょう。
表中のオレンジは往復利用すると「北陸おでかけtabiwaパス」がお得になる区間、赤は片道利用でも「北陸おでかけtabiwaパス」がお得になる区間を示します。
西側は敦賀駅を起点とすると、金沢への往復だけでも十分に元が取れます。さらに東側、富山や糸魚川、直江津まで移動すれば、3,000円以上もお得になります。一方、東側の直江津駅や糸魚川駅を起点にすると、金沢駅までの片道で元が取れてしまいます。
有効期間が1日しかないことに注意しないといけませんが、「北陸おでかけtabiwaパス」で元を取るのは難しくありません。鉄道を利用していくつかの観光地を巡るだけでOKです。それに、フリーきっぷですので、いちいちきっぷを購入する必要がないのもうれしいですね。
受け取りが不要なチケットレス「北陸おでかけtabiwaパス」は使い勝手も抜群!
「北陸おでかけtabiwaパス」は、tabiwa by WESTER で発売されるチケットレスのきっぷですので、窓口や指定席券売機などで紙のきっぷを受け取る必要はありません。フリーエリア外からフリーエリアに入る場合には、境界駅までのきっぷを持っていれば、列車から降りずに「北陸おでかけtabiwaパス」を使い始めることができます。
注意が必要なのは、「北陸おでかけtabiwaパス」は、利用開始日の3日前までに購入する必要がある点です。具体的には、以下のようにしましょう。
- 利用開始日の3日前までに、tabiwa by WESTERのアプリまたはWebサイトで「北陸おでかけtabiwaパス」を購入
- 利用開始日にアプリまたはWebサイトの画面を表示できるスマートフォンを持参して旅行へ
【まとめ】乗り鉄にも鉄道での観光にも便利!「北陸おでかけtabiwaパス」
「北陸おでかけtabiwaパス」について紹介してきました。最後にポイントをまとめておきます。
- 「北陸おでかけtabiwaパス」と青春18きっぷを組み合わせて北陸エリアの移動・乗りつぶしに!
- 北陸エリアの観光地を鉄道で巡るだけでも「北陸おでかけtabiwaパス」はお得になることが多い
- 「北陸おでかけtabiwaパス」は、利用開始日の3日前までにtabiwa by WESTERで購入しておこう!
以上、「【北陸おでかけtabiwaパス】 北陸の三セク+JR西日本が1日乗り放題のフリーきっぷ! 青春18きっぷとの組み合わせがおすすめ!」でした。青春18きっぷと組み合わせて乗り鉄に活用できる北陸エリアのフリーきっぷとしては、最も利用価値の高いものになっています。土休日しか使えませんが、上手に行程を作って、乗り鉄の旅に活用してみてはいかがでしょうか?
関連記事
青春18きっぷ関連の記事をまとめたサブサイト「青春18きっぷナビ」です。青春18きっぷの最新情報に加え、基本的な使い方から、ちょっとした活用のコツまでいろいろと紹介しています。
青春18きっぷの旅で第三セクター区間をお得に移動する手段をまとめた記事です。第三セクター各社のフリーきっぷ、割引きっぷから、フェリーなど別の交通機関なども含めて網羅しています。ぜひご覧ください。
JR東日本のミドル・シニア向け会員サービス「大人の休日倶楽部」会員限定ですが、首都圏から北陸への北陸新幹線往復+フリー区間に4日間乗り放題のフリーきっぷ「北陸フリーきっぷ」の紹介記事です。
コメント
「北陸おでかけtabiwaパス」は、本当に北陸を巡るためだけのフリー切符になってしまいましたね。
前身の「北陸おでかけパス(2,580円)」は琵琶湖線経由は長浜まで、湖西線経由でも近江塩津までカバーしていたので、金沢から滋賀や京都まで(日帰りで)出かけるときに実に重宝していました。
何しろ、金沢~長浜間の通常運賃3,080円より500円も安いんですから、片道でもワンコインランチが食べられるほどお金が浮きます。往復ならさらに倍。近江塩津でも若干安くなります。
しかしtabiwaパスになってからは金沢~敦賀間で2,310円なので片道だと使う意味が無くなってしまいました。
利用者にとっては改悪、しかしJR西にとってみればそんな贅沢を利用者に許す余裕もなくなったということなのでしょうね。
チケットレスの恩恵も駅に行く必要が無いこと以外は感じられません。どうせ目的地までの追加の乗車券と特急券も買うわけだし。
以上、一ユーザの感想でした。
まぬまぬさん、コメントありがとうございます。
なるほど、大阪~金沢で利用する場合は、フリーエリアの縮小はかなり痛いですね。
このtabiwaパスも、来年の北陸新幹線敦賀開業以降はどうなるかわかりませんね。フリーエリアからJR西日本の路線がほとんどなくなってしまいますし。