青春18きっぷのポスターにも何度か登場した下灘駅。ホームにある小さな上屋との、目の前に広がる瀬戸内海の風景が美しい駅です。今ではフォトジェニックな駅として有名になりました。
この記事では、松山駅から乗車した予讃線「愛ある伊予灘線」の車窓とともに、下灘駅の訪問記をお届けします。
下灘駅とは?
下灘(しもなだ)駅は、JR四国の予讃(よさん)線の駅です。
松山から少し西の、瀬戸内海(伊予灘)沿いにある小駅です。
予讃線は、高松駅と宇和島駅を結ぶJR四国の路線ですが、途中、向井原~伊予大洲間は、特急「宇和海」が走る内陸まわりの「内子線」と、瀬戸内海沿岸を通る「愛ある伊予灘線」に分かれています。
松山~宇和島間を結ぶ主要ルートは特急「宇和海」が走る内子線ですが、下灘駅は「愛ある伊予灘線」のほうにあります。そのため、下灘駅には普通列車しか停車しません。
下灘駅に停車する列車は、朝晩は1時間に1本程度、日中は2~3時間に1本と、多くありません。鉄道で訪問する際には、時刻表を見て計画を立てておいたほうがよいでしょう。
下灘駅訪問記
2019年8月下旬の平日の朝、下灘駅を訪問してきました。
下灘駅といえば、伊予灘に沈む夕陽が有名なので、前日の夕方の訪問を予定していたのですが、あいにくの雨。そこで、急遽、予定を変更して、翌日、1本早い列車で松山を出発、下灘駅を訪問して、もとの旅程に復帰することにしたのでした。
※ダイヤ等は2019年8月当時のものですので、ご了承ください。
早朝の松山駅をキハ185系の普通列車で出発!
早朝、午前5時台の松山駅にやってきました。
前日、松山城などの観光地に近い大街道近くのホテルに泊まっていたのですが、下灘駅に始発列車で行くには、市電の始発では間に合わない! ということで、約2キロ離れた松山駅まで歩いてきたのでした。
まだ6時前だというのに、特急「宇和海1号」が宇和島に向けて出発していきました。四国の朝は早いですね。
松山駅の3番線にやってきた列車は、キハ185系の2両編成。キハ185系といえば、特急形の車両で、現在でも同じJR四国の特急「剣山」などで運用されています。
そんな車両が普通列車としてやってきたわけですから、これは明らかに乗り得列車ということになります。
車内は、リクライニングシートがボックス状態にセットされていました。普通列車として利用する場合には、ボックス状態にしておくのですね。
午前6時02分、わずかな乗客を乗せて、松山駅を出発です。
松山の市街地を抜けて伊予灘へ
松山駅を出発すると、すぐに松山市内を流れる一級河川、重信川を渡ります。写真右側には、プロ野球の試合も開催される「坊ちゃんスタジアム」が見えました。
松山駅から約17分で、伊予市駅に到着。特急列車も停車する駅で、松山駅から伊予鉄道(いよてつ)の郊外電車も走っています。松山の通勤・通学圏ですね。
この伊予市駅で9分停車。松山行きの普通列車との行き違いをします。あちらはキハ32という古い気動車の単行でした。
伊予市駅の次の向井原駅を出ると、「内子線」と「愛ある伊予灘線」が分岐します。左側が内子線、右側が愛ある伊予灘線です。この列車は右側の「愛ある伊予灘線」へと入っていきます。
その上を通っているのは松山自動車道。四国でもあちこちで高速道路が整備されつつあり、JR四国の特急列車が、自家用車や高速バスに乗客を奪われています。
高野川駅あたりから、車窓の右側に瀬戸内海が広がってきます。そして、下灘駅の一つ手前、伊予上灘駅で、再び行き違いのために8分停車。
伊予上灘駅を出ると、車窓右側には瀬戸内海の絶景がずっと見えるようになってきます。線路と海の間には国道378号線が走っているのですが、鉄道は一段高いところを走っているので、道路が邪魔にならずに海を見渡すことができます。
こんな絶景を眺めながら、7時01分、下灘駅に到着です。
伊予灘の絶景を眺められる下灘駅
青春18きっぷのポスターでも有名になった下灘駅。ホームにあるベンチと小さな屋根が、とてもいい味をだしています。夏休みで遊びに来ているのでしょうか。3人の若者がベンチで列車を待っています。
瀬戸内海の穏やかな海が目の前に広がります。朝もやの中、小さな島影がいくつも見えるのは瀬戸内海ならではですね。もう、何も言うことはありません。
1935年に下灘駅が開業したときから使われている木造駅舎です。改装を重ねて現在でも使われているそうです。
無人の駅舎の向こうに見える海がまぶしい。
下灘駅と瀬戸内海の間には国道が通っていますが、国道は線路よりも一段低いところを通っているため、海を眺めるのに邪魔になることはありません。
ホーム側から駅舎を眺めます。小さな駅舎には、待合室以外に、トイレも併設されています。
下灘→伊予上灘 瀬戸内海(伊予灘)の絶景車窓
7時35分発の伊予市行きの普通列車が入ってきました。これに乗って伊予市まで戻ります。この普通列車、座席はほぼ埋まる程度の乗客でした。朝の通勤・通学にちょうどよい時間帯の列車だからでしょう。
この普通列車の中から、下灘→伊予上灘駅間で車窓の動画を撮影しました。ちょっと長いので、適当に飛ばしながらご覧ください。こんな車窓が眺められるんだというのが伝わればと思います。
このあと、伊予市駅からは、もともと乗る予定だった特急「宇和海5号」に乗車して、宇和島駅へ向かったのでした。ちょっと早起きがつらかったですが、天気がもっているうちに下灘駅の絶景を見られたので満足でした。
以上、『【下灘駅 訪問記】 目の前に瀬戸内海が広がる海の絶景駅! 車窓からの眺めも抜群!』でした。夕陽が有名な下灘駅ですが、朝の時間帯でも十分に訪問する価値はある駅です。下灘駅までの車窓からも、瀬戸内海を眺めることができます。道路より高いところから眺める車窓も絶景ですので、ぜひ鉄道で訪問されることをおすすめします。
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コメント
いいですね!
数年前に同じパターンで行きました。
たまらない風景、佇まいですね(^o^)/
キハ58さん、コメントありがとうございます。
早朝に松山から出発するとこのパターンになりますよね。
青春18きっぷのポスターに使いたくなるのがよくわかる、素晴らしい雰囲気の駅ですね。
夕陽の下灘駅も見てみたいので、リベンジしなければ、と思っています。いつになるかはわかりませんが…
ひさ (id:kzlife)さん
こんにちは!
おぉ!下灘駅!!
鉄道ファンとしてはぜひとも訪れたいスポットですね!
誰もいない風景を想像していましたが、結構人がいるもんですね。
絶景をありがとうございます!