新潟~酒田を結ぶ観光列車「海里」の下り列車(新潟発酒田行き)に乗車してきました。日本海の絶景、特に、名勝「笹川流れ」では、徐行や停車時間での観光などを楽しむことができます。また、新潟や庄内の幸を詰め込んだ予約制のお弁当も美味しくおすすめです!
新潟~酒田を結ぶ観光列車「海里」とは?
「海里」は、2019年秋にデビューしたばかりの比較的新しい観光列車です。新潟~酒田間を、羽越本線経由で走り、途中、日本海の絶景を眺めることができます。
先代の「きらきらうえつ」同様、青春18きっぷ+指定席券(840円)で乗車できるカジュアルさを残しつつ、本格的な食事が楽しめるダイニングカー(旅行商品専用)や、予約制のお弁当などで、沿線の「食」も楽しめる観光列車になっています。
そして、何よりも、日本海の絶景車窓を楽しむにもぴったりの列車なのです。
「海里」の運転日やダイヤ、指定席券やお弁当の予約方法については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
ということで、早速、「海里」の乗車記をご覧ください。
【「海里」酒田行き 乗車記1】新潟駅4番線に「海里」が入線!
上越新幹線で新潟駅へ。もう1本あとの新幹線でも「海里」への乗り継ぎは間に合うのですが、まもなくE4系が引退ということなので、E4系で運転される「Maxとき303号」に乗車しました。
新潟駅には9時01分に到着。海里の発車時刻まで1時間以上あるので、新幹線のホームでE4系を眺めていました。
コンビニで買い物を済ませて、「海里」が発車する在来線4番ホームへ。ホームの発車案内には、「海里」の列車マーク入りで表示されていました。
9時48分ごろ、「海里」が入線してきました。ホームには、販売カウンターやダイニングカーで提供するための商品を持った係員が待ち構えていました。そう、その中には生ビールの樽もあるのです!
発車準備のため、ドアが開くのは10時02分ごろとのアナウンスが何度も流れます。
車両の側面には「海里」の文字とロゴマークが入れられています。JR東日本の他の観光列車でも使われているHB-E300系ですが、「海里」はどことなく高級感が漂いますね。
ドアが開いたので車内へ。1号車のリクライニングシートの指定席を確保してあります。
1号車の乗客は、おおむね窓側が埋まるくらい。年配の方々を中心に2名での乗車も多かったですが、隣に知らない人が座るということはなく、私の横の通路側の席も空いていました。
※車内設備の様子については、こちらの記事をご覧ください。詳しく紹介しています。
【「海里」酒田行き 乗車記2】新潟駅を発車! 予約したお弁当で乾杯!
10時11分、「海里」は新潟駅を発車しました。
新潟駅は高架化工事の真っ最中。「海里」は、その工事をしている横をゆっくりと走行していきます。
新潟の市街地を抜けると、阿賀野川を渡ります。この先はすぐ日本海に注ぐ河口ですので、川幅がとても広くなっています。水都、新潟を代表する川ですね。
さて、車内が少し落ち着いたところで、あらかじめ予約しておいたお弁当を受け取りに、3号車の販売カウンターへ。指定席券売機で発券したバウチャー券を渡して、お弁当を受け取ります。そして、ついでに(?)生ビールも。
揺れる車内、たっぷりと注がれたビールをこぼさないように、慎重に1号車の席まで戻ります。生ビールは、新潟限定「風味爽快ニシテ」、お弁当は海里特製「加島屋御前」です。
キングサーモンの味噌漬けがイチオシ! 海老しんじょうや柳カレイの天ぷらもおいしく、あっという間に食べ終わってしまいました。お値段は1,900円と、普通の駅弁に比べるとお高めですが、その分の価値はあると思います。
お弁当とビールに気を取られている間に、「海里」は越後らしい広々とした田園風景の中を疾走していきます。雪は全くないですが、まだ田植えには早いので、水の入っていない土色の田園風景が続きます。
【「海里」酒田行き 乗車記3】名勝「笹川流れ」の桑川駅で20分停車!
11時08分に村上駅を発車すると、まもなく、車窓に日本海が見えてきます。
車窓いっぱいに広がる日本海の青い海。これが「海里」の車窓の醍醐味です。村上~あつみ温泉の約1時間に渡って、日本海の絶景を眺めることができます。特に、次の桑川駅周辺は、名勝「笹川流れ」として知られる景色の良い区間です。
並行する国道345号線を挟んでの車窓になりますが、窓いっぱいに日本海が広がります。遠くに見える島影は「粟島」です。そして、桑川駅に近づいてくると、海岸線に奇岩が増えてきます。
11時24分、桑川駅に到着。桑川駅では20分の停車時間があり、駅から出て、駅の目の前にある日本海を間近に眺めることができます。ということで、早速カメラを持って出かけてみます。
駅舎を出て、国道を渡ると、すぐに目の前が日本海です。水がとてもきれいで、透き通っているのがわかると思います。波もさほど荒くなく、穏やかな日本海が広がります。
桑川駅は、「道の駅 笹川流れ」(夕日会館)に併設されている形になっています。その夕日会館の展望台に登ってみます。上の写真の道路をまたいでいる橋の先にあります。
少し高いところから日本海と笹川流れを一望! 素晴らしい眺めですね。これは南側を眺めたところ。
正面には粟島もくっきり。本当に海の色がきれいで、良い眺めでした。列車から眺める日本海も素晴らしいですが、こうやって波の音を聞きながら、潮の香りのするところで眺める日本海も最高です。
動画でもどうぞ。目の前180度に広がる青い日本海の様子です。桑川駅と道の駅(夕日会館)の建物も映してみましたので、位置関係がわかると思います。
日本海の絶景を楽しんだあとは、夕日会館にあるカフェで、名物の「日本海ソフトクリーム」を購入。車内に持ち込んでいただきました。このあたりの名物「藻塩」が入っていて、濃厚なバニラと、ほのかに感じる塩気の相性がバッチリでした。
【「海里」酒田行き 乗車記4】まだまだ続く日本海! 絶景ポイントでは徐行サービスも!
11時44分、20分停車を終えて、「海里」は桑川駅を発車します。発車の前に、車内放送で、運転士からの挨拶がありました。鉄道で運転士の挨拶があるなんて、珍しいですね。
桑川駅を発車してすぐに、絶景ポイントでの徐行サービスがあります。その徐行サービス中に撮影した動画です。白い砂浜と、ゴツゴツした奇岩の対比が美しいですね。
このあとも、日本海の海岸線に並ぶ奇岩の風景が続きます。こんな車窓を眺めながら、ゆったりとしたリクライニングシートで旅ができる「海里」は、本当に最高ですね。
「海里」は海岸沿いをずっと走るため、何本もの川を超えていきます。いずれも河口近くですが、水がとてもきれいです。この川は、府屋駅付近の大川でしょうか。
12時20分、あつみ温泉駅に到着。追いかけてくる特急「いなほ3号」に先を譲るため、10分の停車時間があります。「海里」の乗客はホームに出て気分転換しています。こういう時間があるのも、先を急がない観光列車の良いところですね。
あつみ温泉を出ると、日本海の絶景ともお別れです。「海里」は海岸線から離れ、少し内陸部へと入っていきます。日本海に代わって、車窓には庄内平野の田園風景と、雪をたたえた鳥海山が見えてきます。
12時54分、鶴岡駅に到着。これまでほとんど下車がなかった「海里」ですが、この鶴岡駅で半数近くが下車していきました。
【「海里」酒田行き 乗車記5】田園風景と鳥海山を眺めながら終着の酒田へ!
12時57分に鶴岡駅を発車。いよいよ終点の酒田へ向けてラストスパートです。
進行方向右側には雲がかかっていますが、大きな山塊が見えています。出羽三山でしょうか。羽越本線の鶴岡駅周辺は、線路がかなり曲がりくねっているので、山が見える方向がどんどん変わってきます。
車内が空いてきたので、運転席の後ろにある展望スペースに陣取って、かぶりつきを楽しみます。庄内平野を貫く羽越本線の線路は、単線ながら高規格な線路ですね。
13時09分に陸羽西線との分岐駅、余目に到着。余目あたりからは、車窓の右側に鳥海山がくっきりと見えてきます。山頂付近に雲がかかっていますが、ゆったりとしたすそ野の独立峰です。
13時20分、「海里」は終点の酒田駅に到着しました。
新潟駅から約3時間の「海里」の旅。日本海の絶景車窓、新潟・庄内地方の「食」が詰まったお弁当、そして、広々とした庄内平野と鳥海山の雄大な眺め。羽越本線の魅力がぎっしりつまった観光列車でした。
筆者は、2019年12月に、酒田発新潟行きの「海里」にも乗車していますが、冬ダイヤだったため、途中駅での長時間停車はありませんでした。「観光列車」らしい雰囲気を味わえるのは、この記事で紹介した夏ダイヤのほうだと思います。ちなみに、逆方向、酒田発新潟行きの「海里」の醍醐味は、日本海に沈む夕陽です。酒田発新潟行きの「海里」の乗車記は、以下の記事をご覧ください。
以上、『【「海里」酒田行き 乗車記】日本海の絶景と食を楽しむ贅沢な観光列車! 笹川流れでは徐行&停車時間での観光ができます!』でした。日本海の絶景に加えて、予約しておいたお弁当で「食」も楽しむことができ、大満足の旅になりました。東北の日本海側を旅する際には、ぜひ「海里」に乗ってみてください!
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