2025年春のJRダイヤ改正の概要が発表されました。特急「大雪」の特別快速への格下げで旭川～網走間の青春18きっぷでの移動が便利になるほか、中央線のグリーン車サービス開始、京阪神エリアでの「うれシート」設定線区・本数の拡大など、青春18きっぷでも利用できる快適なサービスの増加が目立つ改正となります。
この記事では、2025年春のJRダイヤ改正の中から、青春18きっぷの旅に影響がありそうなトピックを取り上げてまとめます。なお、2025年JRダイヤ改正全般のトピックについては、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
石北本線の特急「大雪」が特別快速に格下げ、旭川～網走の青春18きっぷでの移動が便利に！
石北本線の特急「大雪」2往復が、2025年のダイヤ改正で特別快速に格下げされることになりました。この特急「大雪」の代替として、特別快速「大雪」が運転されることになり、青春18きっぷで乗車できるようになります。また、旭川～北見間で運転されていた特別快速「きたみ」は、ダイヤ改正以降、快速「きたみ」となり、運転区間が旭川～網走に延伸されます。
特別快速「大雪」新設、青春18きっぷで旭川～網走を乗りとおすことが可能に！
現在、青春18きっぷで旭川～網走間を移動しようとすると、特別快速「きたみ」と普通列車を乗り継ぐか、普通列車のみを乗り継ぐ方法しかありません。途中の上川～遠軽間を走る快速列車・普通列車が1日2往復しかないため、旭川～網走間を移動できるのもこの2パターンに限定されてしまいます。
一方、2025年春のダイヤ改正以降は、旭川～網走間を走破する特別快速「大雪」が新設されるほか、快速「きたみ」の運転区間が網走駅発着となるため、少なくとも以下の3往復のパターンで、旭川～網走間を乗り換えなしで移動することができるようになります。
【下り（旭川→網走）】
- 特別快速「大雪」: 旭川 12:38発 → 北見 15:40着 → 網走 16:32着
- 快速「きたみ」: 旭川 15:10発 → 北見 18:30着 → 網走 19:41着
- 特別快速「大雪」: 旭川 19:05発 → 北見 22:02着 → 網走 22:54着
【上り（網走→旭川）】
- 特別快速「大雪」: 網走 08:04発 → 北見 08:56発 → 旭川 10:51着
- 快速「きたみ」: 網走 09:43発 → 北見 10:45発 → 旭川 13:50着
- 特別快速「大雪」: 網走 17:49発 → 北見 18:41発 → 旭川 21:44着
これ以外に、普通列車の乗り継ぎが従来通りできるかは、ダイヤが発表されてみないとわかりません。とはいえ、これまでは、北見駅や遠軽駅での乗り継ぎが必要であったところ、いきなり3往復も青春18きっぷで乗車でき、しかも旭川～網走間を乗り継ぎなしで移動できる列車が誕生するため、青春18きっぷでの移動は格段に楽になります。
特別快速「大雪」のH100形は座席数増加・乗り心地改善へ
さらに、JR北海道のニュースリリースによると、特別快速「大雪」に利用するH100形2両編成の車両は、座席数増加・乗り心地改善に着手するとあります。
特別快速「大雪」に使用するH100形については例は7年度以降、長距離移動の快適性向上のため、座席数の増加と座り心地の改善を行っていきます。
おそらく、リクライニングシートや転換クロスシートなど座席の取り換えが行われるのではないかと思われます。特別快速「大雪」の旭川～網走間の所要時間は4時間弱。特急「大雪」とほとんど変わりませんが、それでも長時間の乗車となることは間違いありません。快適な座席で移動できるようになるのであれば、ありがたいですね。
特急列車の快速列車への格下げという、その路線の衰退ぶりを示すような改正ではありますが、青春18きっぷの旅には有利に働いてしまうのが、なんとも皮肉ではありますね……。
中央線・青梅線グリーン車サービス開始！ 東京～大月の移動が快適に！
中央線E233系グリーン車の車内
中央線・青梅線のグリーン車サービスが開始されます。これまで首都圏5方面の路線で唯一グリーン車のサービスがなかった中央線ですが、2025年3月のダイヤ改正でようやくサービス開始となります。
グリーン車のサービス区間は、E233系電車が運行されている区間となります。
- 中央線: 東京～高尾・大月（高尾～大月間はE233系で運行される列車のみ）
- 青梅線: 立川～青梅
首都圏と山梨・長野方面を青春18きっぷで移動する場合には、中央線を利用することが多いかと思います。首都圏側の一部だけではありますが、グリーン車での移動ができるようになります。
もっとも長い区間としては、東京～大月間の87.8kmとなります。中央特快での所要時間は約1時間半。この区間をグリーン車で快適に移動できるのはありがたいですね。
2024年のダイヤ改正で、日中時間帯も東京～大月間を直通する中央特快・快速が1時間に1本程度運転されるようになりました。大月発着の列車を選んで乗車すれば、混雑する中央線の区間を快適に移動できますね。
2024年3月に普通列車グリーン車の料金が値上げされ、50キロまで750円、100キロまで1,000円となっています。JRE POINTで交換できる「(JRE POINT用)Suicaグリーン券」は600ポイント（600円相当）となっていてお得ですので、JRE POINTが余っている方は、ぜひポイントでグリーン車に乗車しましょう。
「(JRE POINT用)Suicaグリーン券」については、以下の記事をご覧ください。
JR西日本「うれシート」設定区間・本数を大幅拡大！ 京阪神エリアの移動が快適に！
京阪神地区の快速列車に導入されている有料座席サービス「うれシート」の設定線区と設定本数が大幅に拡大されます。
新たに「うれシート」が導入される線区は以下のとおりです。
- JR宝塚線（大阪～篠山口）
- 京都線・琵琶湖線（大阪～新大阪～京都・野洲 ※神戸線直通快速に新たに設定）
- 嵯峨野線（京都～園部）
また、すでに導入済みの線区でも設定本数が拡大されます。特に奈良線では、「みやこ路快速」「快速」「区間快速」の全列車に「うれシート」が設定されます。
「うれシート」は、転換クロスシートの普通車の車両の一部をのれんで区切り、指定席として有料で利用できるようにするサービスです。指定席ですので事前に指定席券の予約が必要ですが、着席が保証されるメリットがあります。
ほとんどの線区では、「うれシート」が設定されているのは朝の通勤ラッシュ時間帯と夕夜間の帰宅ラッシュ時間帯となります。青春18きっぷで京阪神エリアを移動する際に、混雑する自由席を避けて、着席が保証された「うれシート」で移動できるのはありがたいですね。
一点だけ注意が必要なのは、青春18きっぷで「うれシート」に乗車する際には、「チケットレス指定席券」（300円）を利用できないことです。紙の指定席券（530円）を購入すれば、青春18きっぷでも利用できますので、事前に駅のみどりの券売機などで購入しておくようにしましょう。
「うれシート」については、JR西日本のWebサイトもご確認ください。
山田線は中間部分で減便、盛岡発宮古行きの最終列車は13時台に！
盛岡と宮古を結ぶ山田線は、一部の列車の運転区間と運転時刻が見直されます。特に、上米内～茂市間では減便となり、盛岡～宮古間を移動できる列車は4往復から3往復に減ります。
下りの盛岡発宮古行きは、これまで17時46分発が最終列車でしたが、ダイヤ改正以降、この列車が盛岡～上米内間に運転区間が短縮されます。これにより、盛岡駅から宮古駅に向かう最終列車は13時12分発の快速となります。
【盛岡→宮古の最終列車】
- ダイヤ改正前: 盛岡 17:46発 → 宮古 20:21着
- ダイヤ改正後: 盛岡 13:12発 → 宮古 15:31着
また、上りの宮古発盛岡行きは、始発列車が大幅に繰り下げられるとともに、最終列車は1時間ほど繰り上げられます。
【宮古→盛岡の始発列車。最終列車】
- 始発列車
- ダイヤ改正前: 宮古 06:45発 → 盛岡 09:27着
- ダイヤ改正後: 宮古 09:19発 → 盛岡 11:41着
- 最終列車
- ダイヤ改正前: 宮古 18:08発 → 盛岡 20:40着
- ダイヤ改正後: 宮古 17:14発 → 盛岡 19:48着
（出典）2025年3月ダイヤ改正（JR東日本盛岡支社 2024年12月13日 PDF）
1日3往復しか盛岡～宮古を移動できる列車がなく、日中時間帯には何時間も列車がない時間帯がありますので、この区間を移動する必要がある場合は、並行する岩手県北バスの「106特急・急行バス」の利用も検討しましょう。
2025年3月末まで、JR山田線の乗車券で「106特急・急行バス」に乗車できる実証実験を実施していますが、残念ながら青春18きっぷは対象外です。「106特急・急行バス」の盛岡～宮古間の片道運賃は2,200円です。座席定員制で、空席があれば予約なしでも乗車できます。
山田線の列車がない時間帯であれば、何時間も列車を待つよりも、2,200円を支払っても「106特急・急行バス」に乗車したほうが、時間が無駄にならなくて良いかもしれませんね。
以上、『【2025年青春18きっぷ的ダイヤ改正まとめ】「大雪」特別快速への格下げで青春18きっぷでの移動が便利に！ 首都圏ではグリーン車、京阪神では「うれシート」拡大で有料座席サービスの充実も！』でした。青春18きっぷでも乗車できる快適な列車が増えるのはうれしいところですね。
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2025年のJRダイヤ改正のポイントをまとめた記事です。JR北海道では特急「大雪」が特別快速へ格下げ、JR四国では特急「うずしお」の岡山乗り入れ中止や「むろと」の廃止、「剣山」の減便など、在来線特急列車の減便・廃止が目立つ改正となっています。
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